万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

生活保護制度を二段階方式にしては

2011年09月18日 14時54分29秒 | 日本政治
大阪市来年度予算 生活保護費、過去最高額に 2944億円…22年連続増(産経新聞) - goo ニュース
 先日、NHKで、大阪市の生活保護者の増加とその対策について特集番組を放映していました。この問題、不況や災害などの外的要因と受給者個人の内的要因とが合わさって悪化しているのですが、少なくとも、国・地方の財政負担=国民負担を減らすために、二段階方式にしてはどうかと思うのです。

 二段階方式とは、これまでの一律方式の生活保護制度を、(1)就業支援段階と(2)生活支援段階の二つの段階に分け、それぞれに違った対応を採るというものです。(1)の就業支援段階では、これまでどおり、月額で給付金を支給し、ハローワークやケースワーカーが就業支援を行いますが、もし、斡旋された仕事を、規定の回数以上断った場合には(ドイツでは二回)、給付は打ち切りとし、(2)の地方自治体が用意した生活保護用の施設に移り住むというものです。生活保護者用の施設では、食費、住居費、光熱費、医療費(施設に治療所を併設)などは、基本的に無償とする一方で、日中は、ボランティアなどの作業か、職業訓練に従事するものとします(就職活動時のみ免除…)。この方式ですと、貧困ビジネスを防ぐことができますし、医薬品の横流しなどの不正行為も発生しません。また、現物支給方式の方が、生活補助予算が圧縮されるとともに、生活保護の打ち切りによる餓死といった問題も防止することができます。

 外国人の受給者に対しては、帰国措置を講じるといった別の対策が必要でしょうが、産業の空洞化が深刻化すれば、今後とも、生活保護の受給者数は、増加することが予測されます。雇用機会を増やすための経済活動の活性化政策と並んで、生活保護制度の抜本的な見直しを進めませんと(現状でも3兆円…)、我が国の財政は行き詰ってしまうと思うのです。

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コメント (2)
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