万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

北朝鮮の狂った思考回路-核保有は国際社会に対するテロ

2013年04月21日 15時45分14秒 | アジア
ボストン事件関与説に反発=北朝鮮(時事通信) - goo ニュース
 北朝鮮は、米メディアが、ボストンテロ事件に北が関与した可能性を報じたことに素早く反応し、アメリカを非難する声明を発表したそうです。その言い分は、”自国は核保有国であり、テロといった卑怯な手を使わなくてもアメリカを正々堂々と攻撃できるから、テロ国家ではない”というものです。

 北朝鮮のこの主張には、唖然とさせられます。何故ならば、NPTに加盟していながら、秘密裏に核兵器を開発したこと自体が、国際社会に対する重大なテロ行為であるからです。条約に加盟した国は、条約に記された規定を誠実に順守する義務があり、核拡散の防止は、加盟国の遵法精神に依拠しています。全ての加盟国が守るべき条約を破り、いわば、”抜け駆け”によって、核を保有したのですから(実際に保有しているかは不明…)、これほど卑怯な行為はありません。しかも、戦争状態にない日本国に対しても、ミサイルの標的都市の名を具体的に挙げて、日本国民の無差別殺戮を予告しています。たとえ、ボストンテロ事件とは関わりがないとしても、北朝鮮は、非合法的な手段で核兵器を手にし、その使用を計画しているのですから、テロ国家以外の何ものでもないのです。それとも、テロ国家と言うよりも、犯罪国家、無法国家、あるいは、暴力国家と呼ばれたいのでしょうか。ここまでエスカレートしますと、北朝鮮の金正恩を、国際刑事裁判所に告訴できるのではないかと思うぐらいです(実質的な効果はないとしても…)。

 北朝鮮は、大量破壊兵器である核の開発・保有そのものが、国際法に反する違法行為であり、他国を恐怖で支配しようとするテロ行為でもあることを、全く理解していません。倫理観の根本的欠如も然ることながら、テロ行為を堂々と宣言しながら(イラクでさえ、秘密裏の開発を頑なに否定していた…)、テロ国家の指定に反対する思考回路もまた、到底、正常とは思えないのです。

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コメント (8)
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