万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

テロ国家北朝鮮-軍事オプションは時期が遅くなるほど犠牲が増大する

2013年04月16日 17時52分57秒 | アジア
「予告なしの報復行動」通告=正恩氏写真焼却を非難―北朝鮮(時事通信) - goo ニュース
 中国、韓国、日本の順にアジアを歴訪したアメリカのケリー国務長官。民主党きっての親中派として知られるだけあって、中国側からの要請を聞き入れ、米軍による北朝鮮への先制攻撃は回避する方針のようです。

 今後は、北朝鮮の核放棄を条件として、話し合い路線に転じるようですが、果たして、北朝鮮は、虎の子の核を手放すでしょうか。これまでも、1994年の米朝合意以来、何度となく、国際社会は北朝鮮に騙され続けてきました。KEDOも無駄となり、六カ国協議の枠組みも北朝鮮が譲歩を引き出すための舞台に変じました。そして、人道的支援さえも、金一族や軍部の資金源となったのです。その間、北朝鮮は、秘密裏に軍事技術を急ピッチで高め、核搭載の長距離弾道弾ミサイルを手にする日も、刻一刻と近づいています。中国側の意向で、”撃たなくても撃たれる”状況は回避されたようですが、軍事オプションという最大のカードを早々と諦めることには、いささか疑問があります。何故ならば、北朝鮮の場合、時間の経過とともに、軍事オプションをとった場合の犠牲が増大するからです。今の時点であれば、核もミサイルも完成度が低く、戦時における被害は最小限に留めることができます。しかしながら、軍事オプションを先延ばしにすればするほど、多くの兵士の命が失われ、核ミサイル攻撃による民間人の死傷者数も増加することが予測されます。

 北朝鮮は、朝鮮戦争の休戦協定を破棄しており、かつ、日米に対しても、攻撃の意思を表明しております。こうした威嚇行動をとった以上、北朝鮮を先制攻撃しても、国際法において違法性を問われることはありません。軍事オプションについては、常に、時間の経過というファクターを考慮すべきではないかと思うのです。

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コメント (2)
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