万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国はチベット人虐殺の追悼をしているのか

2013年04月23日 17時47分28秒 | その他
麻生氏らの靖国参拝を非難=中国(時事通信) - goo ニュース
 日本国の閣僚が靖国神社を参拝したことに対して、中国政府は、いつものことながら、非難声明を発表したようです。日中友好平和条約にも、他の条約にも、靖国神社の参拝を禁じる条文はありませんので、中国側の内政干渉であることは確かなことです。

 日本国に対しては、”侵略戦争”を連呼している中国ですが、中国は、1951年にチベットに侵攻し、今日に至るまで、多くのチベット人を大量虐殺してきました。国際社会では、中国によるチベット侵略、並びに、人道に対する罪と見なしています。中国が靖国神社に対して主張する理屈に従えば、日本国を含め、各国とも、中国の侵略行為に対して抗議の意思を顕わして、中国が人民解放軍を礼賛する行事や殉職者を追悼する行事に対して非難することも許されるはずです。しかも、中国は、チベットを”自国民”と見なしながら、犠牲者の御霊を追悼することもしていません。中国の風習では、”敵”とみなした相手に対しては、お墓を暴くといった仕打ちを加えるそうですので、死者に対する考え方が、一般の国々とは随分と違っているようです。

 古来、敵も味方も等しく慰霊してきた日本人の感覚からしますと、中国人の考え方は残酷です。中国政府は、靖国神社参拝を非難するよりも、自らが殺害した”自国民”の御霊を慰霊すべきと思うのです。チベット人やウイグル人のみならず、天安門事件の犠牲者も含めて。

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コメント (6)
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