リタイア暮らしは風の吹くまま

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遊びと学びがたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

旅の空から~オランダ最古の町ナイメーヘン

2023年04月05日 | 日々の風の吹くまま
4月3日(月曜日)。(ナイメーヘン)。☀。目が覚めたのが5時ちょっと過ぎ。ゆうべの就寝時間が10時頃だったので、けっこうちゃんと眠ってるじゃないの。この年になると、時差の変化に対応するだけでも2日や3日はかかるのがフツーなんじゃないかな。外を見たらもちろんまだ真っ暗だけど、対岸に見えるライトが動いていないので、そっか、夜の間にナイメーヘンに着いちゃったんだ。まあ、大海原を行くクルーズと違って、リバークルーズは人が住んでいる陸地を流れる川から川へと行くわけだから、距離があまりないんだろうな。暗すぎると眠れないみたいなので、カーテンをちょっと開けておいたのが良かったみたい。(我が家ではブラインドから外の明かりが入るから、寝室は真っ暗にはならないので、生理的にそっちの方に慣れているんだろうと思う。)結局、しばらくとりとめのないおしゃべりをしていて、起き出したのは6時。



午前6時半ごろ、川上の橋の向こうに朝の光。今日はウォーキングツアーを予約してあって、集合は9時半。レストランが開くと同時に降りて行って、バフェでしっかり腹ごしらえ。ツアーは3組に分かれて、白いタグは年寄り向けの「ゆっくりウォーク」組。外はめちゃくちゃ寒いらしいので、Tシャツを2枚重ね着して出たけど、うっはぁ、寒い。アムステルダムほどじゃないけど、風が冷たい。「ゆっくりウォーク」組のガイドは年配のおじさんで、なかなかユーモアに富んだ人。川沿いの道路の高い壁を指して、水位が上がるとここまで(1メートルくらい)して、ひどいときはここまで(4メートル)冠水すると説明。その時の水量に合わせて即席の堤防を設置できるんだそうだけど、気候変動でさらに水位が上がったら、ナイメーヘンは水没してしまうと心配顔。何しろ「山」と呼んでいる一番高い丘は海抜29メートルなんだそうで、我が家のあるニューウェストミンスター市で一番高い「丘」が海抜100メートルだから、その平坦さがわかるというもの。ナイメーヘンは紀元1世紀にローマ帝国の軍事基地としてできたオランダ最古の都市で、ドイツとの国境までたったの7キロと言う近さのために、戦争中に連合軍の誤爆で大変な被害を受けたけど、戦後になってその時のアメリカ空軍のパイロット(今はその子供)たちが町の再建を助けるために毎年やって来て、今でも交流が続いているという話。



古い市街の石畳の道を歩いて、「丘」の上に建つ聖シュテフェン教会へ。そそり立つ尖塔の上の風見鶏が日差しを受けてキラキラ。中に入って、天井を見上げて、うわ、首が折れそう。音響効果を実演するために、ガイドのヤンさんが朗々とした素晴らしい声で歌い始めて、それが教会に反響したときは、一同が大感激。クリスマスにはシャンデリアのろうそくを灯して、市の男性100人の合唱団の声が響き渡るんだそうな。それを古いパイプオルガンが伴奏するわけで、壮大だろうな。あのオルガンで『アダージョ』を聞いてみたいもんだな。教会から出て来ると、そこはマーケットの広場。ヤンさんによると、オランダ人はスコットランド人に負けず劣らずのケチなんだそうだけど、英語でgo Dutchと言うと「割り勘にする」ことだから、なるほど。でも、取引の信用性を確保するシステムがあったみたいだから、商売上手だったんだろうな。そのおかげで中世に経済的に栄えたのかもしれない。







ツアーから戻って来て、いの一番にラウンジのバーにあるコーヒーマシンで温かなココアを作って人心地をつけて、後はのんびり。午後4時過ぎに船が動き出して、次の目的地マーストリヒトに向けて、マース・ワール運河(延長13キロ)へ。ナイメーヘンを流れる川は、実はライン川だという話だけど、オランダに入って来たライン川は支流が縦横に分かれているようで、ほんとはどれがどれかわからないんじゃないかな。でも、長い艀がひっきりなしに往来していて、ヨーロッパの大動脈のひとつであることに違いはなさそう。橋を2つくぐって、発電用の風力タービンの裏側に進路を向けて、一路マース川(ベルギー領ではムース川)へ。次の目的地はマーストリヒト。