らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

黛敏郎 弦楽四重奏のためのプレリュード

2017年04月10日 23時59分59秒 | クァルテット
 4/23(日)に予定されている山形Q 第63回定期演奏会のメインは、J.ブラームスのNr.1ですが、隠れメインは黛敏郎作曲の弦楽四重奏のためのプレリュードです。

 黛敏郎さんといえば、テレビ朝日系列の「題名のない音楽会」の司会を長年務めていらっしゃいました。私も若い頃フリーなぞやっていたものですから、エキストラとして都内のオーケストラ数団体で、収録のお仕事の時に何度かお見かけしました。しかし、怖いというか人を近づけさせないようなオーラに、話しかけるなんて事は一度も出来ませんでした。

 さて、弦楽四重奏のためのプレリュードは、わずか10分ちょっとの曲で、1961年に発表されました。

 弦楽器の奏法でピッチカート(弦を指ではじく)奏法の中でもグリッサンドを入れたり、バルトークピッチカート(弦を上に指ではじき弦と指板が当たる打撃音が混ざる)などを駆使して、邦楽器の音色を模倣したりします。

 その他、弓で弾くアルコも駒の近くを弾く奏法〜ポンティチェロ(僕らはスルポンと普通言います)で、尺八などの雑音混じる息の音のようなものを連想させたり、笙のような音を想像させたり、明らかに西洋音楽ではなくて、西洋楽器のヴァイオリン・ヴィオラ・チェロで邦楽〜能を演奏させようと作曲されたものだと想像できます。

 楽譜はカチッとした音楽というより、小節線の曖昧な演奏者のいわゆる「間」が自由に任されている曲になっていて、同じ楽譜を見ていて演奏していても二度と同じ演奏は出来ません。

 生で聴く機会はそうはないと思いますので、是非会場にて!!

 ちなみに本日は、黛敏郎氏の20回目の弔日です。
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