今週の中古CD漁りは不調に終わりました。 購入したのは、わずかにこれ1枚。
Boris Vanderlek / Blue & Sentimental ( 蘭 A-Records AL73248 )
絶品バラード作品、とのコメント入りで1,600円でしたので買い求めましたが、これがあまりよくないのです。
ロック・ミュージシャンのようなルックスのこのオランダのテナー奏者は、その見かけからは想像がつかないちょっとアーシーなテナーの音です。
DUのウェブサイトでは「アーネット・コブのよう」と紹介されていますが、これはとても的確です。 ほんとにそんな感じです。
バックがオルガン・トリオなので、オルガン好きの私としては否が応でも期待が高まりますが、聴いてみるとどうにも退屈なのです。
テナーが一本調子なのでこういう場合はバックのトリオの好演が必要になるのですが、オルガンが非常に淡泊な演奏で音楽全体に流れがなく、
聴いているこちらの心が動かされません。 Bag's Groove や Doxy をワンホーンバラードに仕立てていて、これはなかなか斬新なアプローチで
とてもいい発想だと思うのですが、残念ながら全体的に大事なものが欠けている感が強い。
この人のテナーの雰囲気をよく理解した誰かがオルガントリオを合わせたのは正しい選択だと思うのですが、どうもこのトリオがファンキーでも
なければアーシーでもないし、じゃあそういうアメリカのオルガンジャズとは一線を画して違うものをやろうとしてるのかというとそうでもない。
まるでシンセサイザーを弾いているような感じです。 やっぱり、バラードにはバラードの静かなスイング感が必要なんじゃないでしょうか。
欧州のオルガンジャズは、やはりアメリカのものとは違う方向を目指せばいいのだと思います。
私が好きな欧州オルガンは、ドイツの Barbara Dennerlein です。
技術的にとてもしっかりしたきちんと前に出る演奏のできる人で、フレーズのセンスも良く、この人は素晴らしいです。 この2枚は大手レーベルらしく
潤沢な予算を使って大物を揃えた多管編成で、非常にいい塩梅のファンキーさが隠し味として効いた現代ジャズの傑作。 ドラムがなんとあの
デニス・チェンバースで、例によって怖いくらいグイグイとドライヴ感が効いており、これが勝因です。 Purple という素晴らしいバラードも聴けます。
ただ、彼女もアルバム制作では相当苦労しているようで、全部を聴いたわけではないですが、この2枚以外はあまりパッとしない内容のものが多いかな
という気がします。 でも、誰かの物真似ではなくきちんと自分の音楽をやろうとしている人なので、これからもずっと聴いていこうと思います。
Boris Vanderlek / Blue & Sentimental ( 蘭 A-Records AL73248 )
絶品バラード作品、とのコメント入りで1,600円でしたので買い求めましたが、これがあまりよくないのです。
ロック・ミュージシャンのようなルックスのこのオランダのテナー奏者は、その見かけからは想像がつかないちょっとアーシーなテナーの音です。
DUのウェブサイトでは「アーネット・コブのよう」と紹介されていますが、これはとても的確です。 ほんとにそんな感じです。
バックがオルガン・トリオなので、オルガン好きの私としては否が応でも期待が高まりますが、聴いてみるとどうにも退屈なのです。
テナーが一本調子なのでこういう場合はバックのトリオの好演が必要になるのですが、オルガンが非常に淡泊な演奏で音楽全体に流れがなく、
聴いているこちらの心が動かされません。 Bag's Groove や Doxy をワンホーンバラードに仕立てていて、これはなかなか斬新なアプローチで
とてもいい発想だと思うのですが、残念ながら全体的に大事なものが欠けている感が強い。
この人のテナーの雰囲気をよく理解した誰かがオルガントリオを合わせたのは正しい選択だと思うのですが、どうもこのトリオがファンキーでも
なければアーシーでもないし、じゃあそういうアメリカのオルガンジャズとは一線を画して違うものをやろうとしてるのかというとそうでもない。
まるでシンセサイザーを弾いているような感じです。 やっぱり、バラードにはバラードの静かなスイング感が必要なんじゃないでしょうか。
欧州のオルガンジャズは、やはりアメリカのものとは違う方向を目指せばいいのだと思います。
私が好きな欧州オルガンは、ドイツの Barbara Dennerlein です。
技術的にとてもしっかりしたきちんと前に出る演奏のできる人で、フレーズのセンスも良く、この人は素晴らしいです。 この2枚は大手レーベルらしく
潤沢な予算を使って大物を揃えた多管編成で、非常にいい塩梅のファンキーさが隠し味として効いた現代ジャズの傑作。 ドラムがなんとあの
デニス・チェンバースで、例によって怖いくらいグイグイとドライヴ感が効いており、これが勝因です。 Purple という素晴らしいバラードも聴けます。
ただ、彼女もアルバム制作では相当苦労しているようで、全部を聴いたわけではないですが、この2枚以外はあまりパッとしない内容のものが多いかな
という気がします。 でも、誰かの物真似ではなくきちんと自分の音楽をやろうとしている人なので、これからもずっと聴いていこうと思います。