廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

今週の好調な成果

2014年05月24日 | Jazz CD
今週は幸運にもいい音盤にいろいろ当たりました。 いい演奏に出会えると、1週間がキラキラ。

先週末にDU新宿店でホーンCD特集というのをやっており、その残骸を求めて平日に行ってみると、たくさん残っていました。
お値段も千円台中心ととても良心的で、未知の音盤たちを眺めているだけでワクワクする感じでした。





■ Tommaso Starace / Plays The Photos Of Elliott Erwitt ( Frame CD QF0553-2 )

キャノンボール直系、とのコメント入りで印象的なジャケット写真に惹かれて購入。 伊の若いアルト奏者で、イケメンです。 
Elliott Erwittという著名な写真家の写真にインスパイアされて創ったオリジナル楽曲集。 ワンホーンでvib入りのクインテットで、
vibがうるさいと耳障りでイヤだなと心配だったのですが、杞憂でした。 前にしゃしゃり出てうるさいソロをやることなく、グループの演奏の
オブリガートに徹して幻想的な背景をうまく創り出しています。 肝心のアルトもキャノンボールの面影を残しつつも芯のある強く綺麗な音で
素晴らしいです。 楽曲も趣味が良く、きちんとスイングしていて、とてもいいです。 若いのにこんなにシックな作品が創れるなんて。
今後に期待できますね。


■ P.J. Perry / Worth Waiting For ( Justin Time JTR 8489-2 )

ケニー・バロン、ヴィクター・ルイスらがバックを務めるアルトのワンホーンのスタンダード集で、店頭に置かれていたのはこれとは違うデジパック
ジャケットで2,600円。 千円台のCD群の中で見ると随分高いと感じるので、iPhoneでこっそりアマゾンを検索してみると中古がこの半値以下で
出ていたのでこちらを注文(ごめんね、DUさん)。 カナダのアルト奏者で、これが素晴らしい音と演奏を聴かせてくれます。
アルトのワンホーンでスタンダードをただ吹くだけで我々のような偏屈マニアを納得させるのは難しいわけですが(いろいろ能書きが多いから・・・)
これは最後まで嫌にならずに聴き通せます。 そういう場合、他の演奏と何が違うのだろうと考えるのですが、いつもよくわかりません。
ケニー・バロンは相変わらず抜群のサポートをします。 本当にうまい人です。 それに支えられて、力強いまっすぐな綺麗な音で変な癖もなく
正面からメロディーを奏でる様子は感動的です。





■ Kenny Barron / What If ( Enja CDSOL-6503 )

アート・テイラーの作品が良かったので何か他にも、と思い探してみると、これも再発されていました。 人気のある人なので、店頭在庫も
少なくなっていて慌てて購入。 うーん、これも素晴らしい演奏です。 透明感のあるとてもきれいなハードバップで、新人だった
ウォレス・ルーニーもクセのない本当にきれいな音でしっかり吹いているのが印象的。 ただの単純な屈託のないハードバップではなく、
ちょっと影があるというか、時々憂いを帯びた表情を見せるのがスマートで、そういうところもいいです。 メンバーのインテリジェンスを
感じます。 そして、これも音が抜群にいい。 RVG録音です。


■ Frank Walton Sextet / The Back Step ( レーベル・番号なし、CD-Rプレス )

で、今回どうしても紹介したかったのが、これです。 1Fの新品フロアで視聴可能だったので聴いてみると、これが素晴らしい演奏でびっくり。
この人はチャンスに恵まれなかったようで、正規レーベルから作品が出せたのは過去に1枚だけ。 それ以外は作品がないようです。
この作品もCD-Rというかわいそうな体裁にも関わらず、中身はしっかりした技術に支えられたど真ん中のハードバップ。 3管なのでハーモニーも
リッチで濃厚、それでいてとてもまろやかな雰囲気に包まれていて、これはちょっと筆舌に尽くしがたい。 無名の人ばかりなのに、
こんなにいい演奏を残してくれるなんて・・・・ 名前だけで音盤を選ぶというのは愚かなことだよな、とつくづく思わせられます。

そして、こういうのをきちんと紹介してくれるDUさんにも感謝。 どこからこういうのを探し出してくるのかよくわかりませんが、
またこんな知られざるお宝盤を紹介して下さいね。




コメント
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