ホーンCD特集には、これも出ていました(左側)。
■ Ilona Haberkemp / Cool is Hipp is Cool ( Laika-Records 3510295.2 )
独の女性アルトサックス奏者による、ユタ・ヒップへのトリビュート作品。 フリューゲルホーンを加えたクインテットで、女性ヴォーカリストも
客演する多彩な内容ですが、何と言っても目玉は、イローナとユタの会話(インタビュー)が楽曲のあちらこちらにまるでラップ音楽のように
散りばめられていることです。 Dear Old Stockholm や Violets For Your Furs などを織り交ぜながら、ユタのオリジナル作品や自身の
オリジナルもやっていて、ユタへの想いがこもったかなりの力作です。
音楽は柔らかい質感の優しい演奏で、女性らしい清潔なもの。 この人の特質がよく表れています。 彼女のアルトサックスの音は、初期の
アート・ペッパーやリー・コニッツに少し似ていて、こういうのが好きな人は多いんじゃないかと思います。 まあ、アドリブをバリバリとやる
タイプではないのでフリューゲルホーンの助けが必要だったんだろうと思いますが、若い頃のリー・コニッツとアート・ファーマーが組んだら
こういう感じのサウンドだったのかもな、と思ったりもします。
このアルトの音はどこかで聴いたことがあるなあ、と思ってよくよく考えてみると、そうか、とこのCDのことを思い出しました。
■ Paula Dezz Quartet / I Remember Paul ( Laika-Reecords 3510253.2 )
ジャケットにも写っているから、ポーラ・デズというのがこの人の名前なのかと勘違いしてました。 なんだかややこしい。
こちらはポール・デズモンドへのトリビュート作品で、やはりフリューゲルホーンとのクインテット。 こちらのは上記よりも音楽に集中していて、
聴き応えがあります。 静謐なムードが全体を覆っていて、夜中に静かに聴きたくなる音楽です。 Wendy や Audrey というデズモンドが作った
愛らしい作品が泣かせます。 野心的なところもなく、ただひたすら静かにデリケートに優しく音楽が展開されます。 各曲の演奏時間も長く、
イローナのアルトもフリューゲルホーンも十分演奏されるので、満足感の高い演奏です。 これは、隠れた名品です。
先の音盤に収録された晩年のユタの声には、ヒッコリー・ハウスで客席に向かって遠慮がちに話しかけていた、あの懐かしい声の面影が
しっかりと残っています。
Jutta Hipp / At The Hickory House Volume 2 ( Blue Note 1516 )
グラスの触れ合う音や客席の話し声も生々しいこのライヴ録音での彼女の演奏はなかなか骨太で、その容姿とのギャップに驚きますが、
ブルーノートでの録音を最後に彼女のレコードは途絶えてしまいます。 このレコーディングを機にせっかくアメリカに移住したのに、
ショービジネスの世界には馴染めなかったようで、残念ですね。
■ Ilona Haberkemp / Cool is Hipp is Cool ( Laika-Records 3510295.2 )
独の女性アルトサックス奏者による、ユタ・ヒップへのトリビュート作品。 フリューゲルホーンを加えたクインテットで、女性ヴォーカリストも
客演する多彩な内容ですが、何と言っても目玉は、イローナとユタの会話(インタビュー)が楽曲のあちらこちらにまるでラップ音楽のように
散りばめられていることです。 Dear Old Stockholm や Violets For Your Furs などを織り交ぜながら、ユタのオリジナル作品や自身の
オリジナルもやっていて、ユタへの想いがこもったかなりの力作です。
音楽は柔らかい質感の優しい演奏で、女性らしい清潔なもの。 この人の特質がよく表れています。 彼女のアルトサックスの音は、初期の
アート・ペッパーやリー・コニッツに少し似ていて、こういうのが好きな人は多いんじゃないかと思います。 まあ、アドリブをバリバリとやる
タイプではないのでフリューゲルホーンの助けが必要だったんだろうと思いますが、若い頃のリー・コニッツとアート・ファーマーが組んだら
こういう感じのサウンドだったのかもな、と思ったりもします。
このアルトの音はどこかで聴いたことがあるなあ、と思ってよくよく考えてみると、そうか、とこのCDのことを思い出しました。
■ Paula Dezz Quartet / I Remember Paul ( Laika-Reecords 3510253.2 )
ジャケットにも写っているから、ポーラ・デズというのがこの人の名前なのかと勘違いしてました。 なんだかややこしい。
こちらはポール・デズモンドへのトリビュート作品で、やはりフリューゲルホーンとのクインテット。 こちらのは上記よりも音楽に集中していて、
聴き応えがあります。 静謐なムードが全体を覆っていて、夜中に静かに聴きたくなる音楽です。 Wendy や Audrey というデズモンドが作った
愛らしい作品が泣かせます。 野心的なところもなく、ただひたすら静かにデリケートに優しく音楽が展開されます。 各曲の演奏時間も長く、
イローナのアルトもフリューゲルホーンも十分演奏されるので、満足感の高い演奏です。 これは、隠れた名品です。
先の音盤に収録された晩年のユタの声には、ヒッコリー・ハウスで客席に向かって遠慮がちに話しかけていた、あの懐かしい声の面影が
しっかりと残っています。
Jutta Hipp / At The Hickory House Volume 2 ( Blue Note 1516 )
グラスの触れ合う音や客席の話し声も生々しいこのライヴ録音での彼女の演奏はなかなか骨太で、その容姿とのギャップに驚きますが、
ブルーノートでの録音を最後に彼女のレコードは途絶えてしまいます。 このレコーディングを機にせっかくアメリカに移住したのに、
ショービジネスの世界には馴染めなかったようで、残念ですね。