廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

いつかはジョー・パス・モデルを

2017年03月26日 | Jazz LP (Pacific Jazz / World Pacific)

Joe Pass / For Django  ( 米 Pacific Jazz PJ-85 )


私の中では、ジャズ・ギターのレコードのTop5に入る作品。 ピアノレスで代わりにジョン・ピサノが最低限のコードで色を添える。 録音がいいおかげで
楽器の音が非常にクリアで、これ以上ないくらいジョー・パスのギターが愉しめる。 パシフィック・ジャズというレーベル臭がしない王道のギタージャズに
なっているところが嬉しい。 一応ジャンゴ・ラインハルトゆかりの曲が集められているけれど、サウンドはモダンでリズムの緩急も上手く効いている。

ギターという楽器は他の楽器と比べて、誰かに似ている、ということがあまりない。 サックスやピアノは自然と「~派」というスクールに分類されがち
だけど、それに比べるとギターは演奏者の個性がストレートに反映される。 ジョー・パスの場合も誰かに似ているというところがなく、一聴して簡単に
ジョー・パスだというのがわかる。 だからギター音楽はどんなジャンルであれ、聴いていて面白いのだと思う。

ジョー・パスのいいところは、技術的にどうこういう以前に彼の創る音楽が他の同世代のギタリスト達よりも感覚的にフレッシュで現代的なところだと思う。
だからアルバム1枚を通して聴いても、飽きることがない。 それに比べて、例えばタル・ファーロなんかやたらと上手いギターなのに音楽自体は古臭くて、
アルバムを通して聴こうとしても途中で退屈になって飽きてしまう。 当たり前のことだけど、楽器が上手いというだけではどうしようもないのだ。

レコードを買うのに飽きたら、いつかは彼が愛用したギブソンのヴィンテージ ES-175 を買いたいと常々思っているんだけど、その日はいつやって来る
のかなあ。 でもまあ、こういうのは憧れているうちが一番楽しいのかもしれない。 ジョー・パスのレコードを聴くたびに、そんなことを考える。


コメント
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