廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

今週の成果

2014年07月05日 | Jazz CD
毎日梅雨の鬱陶しい空模様の中、今週も値段の安いものを中心につまみました。 枚数が結構あるので2回に分けて記事にします。





■ Ted Brown & Brad Linde / Two Of A Kind  ( Bleebop Records #1202 )

DUで試聴して気に入ったのですが、店頭価格は2,700円と少々お高いので、Amazonで海外セラーから買いました。 そうすると半値で済みます。 
但し、その代償として、手元に届くまでにかなり時間がかかるのを我慢しなければいけません。 これも3週間以上かかってようやく到着です。

テッド・ブラウンはレコード・コレクターにも知られる存在のベテランですが、新作が出るとは驚きです。 若いテナー奏者との2テナー編成ですが、
このブラッド君が1歩下がって敬愛する老テナーを立てながらきめ細かいサポートをしている様子が感動的です。 本当にこれは素晴らしい。

テッド・ブラウンの音はウォーン・マーシュとよく似ていて、そのせいでこの2人が共演するレコードが多いのですが、この人のほうが断然上手くて、
録音が少ないのが残念です。 なめらかで涼し気なのに輪郭がくっきりとしている独特の音で、フレーズもセンスが良く、とてもいいテナーです。
楽曲も印象に残るしスィングしているし、録音も透明度が高くて大変いい。 これは名盤だと思います。 ちゃんと評価されるといいですね。


■ Arturo Sandoval / A Time For Love  ( Concord CJA-31792-02 )

ワン・ホーンのウィズ・ストリングスでスタンダードものというのはこんなのジャズじゃない、と馬鹿にされることも多くて、特にこれなんかは
誰も見向きもしないんじゃないでしょうか。 そもそもこの人はジャズ・ミュージシャンとしてきちんと評価されているのかどうかも怪しい。

ところが、この音盤は私が今まで聴いたウィズ・ストリングスの中では最も素晴らしいものの1つでした。 トランペットの上手さは格が違うし、
バックのオケも緻密で控えめでデリケートで高度、全体のアレンジも極めて音楽性豊かなもので、これを流せば至福の時を過ごせます。
降参です、参りました。






■ The Peter Brotzmann Octet / Machine Gun  ( FMP CD 24 )

先週末の新宿ジャズ館で行われた廃盤CDセールの残骸を今週半ば頃に見に行くと、半分くらいが残っていました。 フリージャズは需要がもともと
少ないので生産枚数が少なく、すぐに廃盤になってしまうのが難点です。 中古の流通もモダンと比べると低いので、こればかりは見つけた時に
速攻で買うしかありません。

その筋では問答無用の音盤です。 マシンガンとはよく言ったもの。 でも、意外と聴けます。 掘削機でアスファルトを砕いている横で
トタン板をガンガン叩いたりのこぎりで材木を切っているような内容で、そもそも音楽としては何1つ成立しておらず、どう聴いても楽器で
工事現場の様子を模写しているとしか思えないけれど、それでも全体がかなり知的にコントロールされているのがわかります。 

以前も書きましたが、モダンばかり聴いていると時々胸焼けがするので、フリーはそういう時の消炎剤として極めて有効だから、少しは常備して
おくことが私には必要なのです。 2,300円とややお高いですが、まあ、お薬代ですから。


■ Jerry Weldon、Bobby Forrester / Five By Five  ( Cats Paw Records CPD-2101 )

先週大当たりだった Midtown Blues を愛聴してると、これが目の前に現れました。 例のジンクス通りです。 でも、こちらは700円でした。
先週の盤は Jazz Tokyo で、これは新宿館で。 やっぱり、Jazz Tokyo はCDも高いんだなあ。 やれやれ。

こちらはオルガンとギターを入れたワン・ホーン・クインテットのスタジオ録音。 この人は見た目の印象から、エディー・ロックジョウとか
ジーン・アモンズとかの音を想像してしまうかもしれませんが、実は全然違って、とても端正でくっきりときれいなモダンな音を出します。
オルガンも白人なのでコテコテアーシーとは違い、さっぱりとした弾き方でとてもいいです。 適度にスタンダードを交えながら、軽快に
進んでいく好内容。 何も考えずに楽しめます。 これも当たりでした。


次回は、ジャズ・グループ編です。


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