Stan Getz / Long Island Sound ( 米 New Jazz NJLP 8214 )
「オリジナルだけが偉い」とチヤホヤされるこの偏狭な世界では、セカンド・プレス以降のレコードたちは皆どことなく悲し気だ。
何も好き好んで2番目として生まれてきたわけでもないのにな、とみんなそう思っている。
新入荷のエサ箱にパリッとした真新しいビニール袋に入れられて晴れやかな気持ちで中古デビューを果たしたのに、朝一番にやって来たお客から
「なんだ、セカンドかよ」と吐き捨てるようなセリフを浴びせられてスルーされる。それでも気を取り直して精一杯の笑顔で次に手に取られるのを
待つけど、中々手にしてもらえない。1日が過ぎ、また1日が過ぎ、時間が経つにつれて並ぶ列を移動させられ、気が付くとアルファベット順に
区画された場所に移される。そこでは時間は静かに流れ、孤独の中に取り残される。
このスタン・ゲッツのレコードも、そういう感じで転がっていた。でも私がこれを買ったのはなにも憐憫の情にほだされてというのではなく、
この表紙のデザインが好きだったからだ。この趣のある風情がクールな内容には似つかわしく、お気に入りのレコードになっている。
RVGの刻印もしっかりとあって、そのサウンドは輪郭がクッキリとしていてオリジナルよりもこちらの方がいいんじゃないかとすら思う。
どのレコードにもそれぞれの存在理由があり、それぞれの良さがある。このレコードはそういう当たり前のことを教えてくれる気がする。
セカンド・プレスを愛でることができてこそ、本物のヴィニール・ジャンキーと言えるんじゃないだろうか。
私がヨットのジャケットで思い出すのは、Pacific Jazzのオムニバス盤ですかね。持ってませんけど。
優雅な休暇のイメージで、ああいうのはいいなあ、と思います。維持が大変そうですけど。
クラシックのレコードなんかだと昔の名画を拝借したりしたものが多かったりしますが、ジャズのジャケットはオリジナルデザインが
多いので、上手くハマるといいのが出来上がってますよね。
私もこのレコードが好きで4.98$のシールが貼られたもの。そうでないものの二枚持っています。シールが貼られているものほうがジャケットの印刷が濃いように感じます。が、どちらにしても記事に書かれています通り文句なしの秀逸ジャケットかと思われます。
このジャケットで聴くゲッツのテナーは最高で、この盤に関しては、オリジナルよりいいんじゃないかと思っているくらいです。持っていませんが。(笑)
”どのレコードにもそれぞれの存在理由があり、それぞれの良さがある。このレコードはそういう当たり前のことを教えてくれる気がする。”
まさにその通りだと思います。記事を読んで、自分の感覚が間違っていなかったように感じられ、嬉しくて投稿しました!
このNew Jazz版はいいですよね。やっぱりジャケットは重要です。音もいいので、言うこと無しです。
2枚お持ちの気持ちはよくわかります。また見かけたら、私も欲しくなるかも・・
古書ベリッシマのサイト、よく拝見しております。私は長谷川四郎が好きなので、初版全集セットを涎を垂らしながら見ています・・
各作品の独立した単行本の古書を持っているので、ダブってしまうなあ、と思いながらも・・・
ルネさんのブログは自分と価値観がよく似ていると思います。以前のセシル・ペインとデューク・ジョーダンなどは話題になっているのをほとんど耳にしないような気がしますが(地味なジャケのせい?、レーベルのせい?)だけど、実にいいんですよね。始終、そうなんだよ~、うん、うんといった感じで読ませていただきました。
また、コメントさせて下さい。
SNSでそういう話を見聞きするのは、もういい加減飽きました。最近はその手の話は見ないようにしています。
コメントはいつでもお気軽に書き込み下さい。会話するのは楽しいです。