Charlie Byrd / Blues For Night People ( 米 Savoy MG-12116 )
ジャケットデザインで損をしているが、最高にイカしたアルバムだ。
1,000円で拾ったセカンドを聴いて気に入ったので初版を探していたが、680円で転がっているのを見つけて、新年早々縁起がいい。
裏ジャケットに "Spanish Guitar" と記載されていることからガット・ギターを弾いているようだが、音色の粒立ちが良く、素晴らしい。
バックはベースとドラムスのみのシンプルな構成になっているのがいい。キーター・ベッツにガス・ジョンソンなんて、泣かせる顔ぶれだ。
タイトルの通り、深夜の雰囲気に溢れた落ち着いてシブい内容だ。A面は組曲になっていて、First Show~2:00A.M.~4 O'Clock Funkという
建付けの下、穏やかな演奏が流れて行く。ベッツの重低音がよく響くサウンドになっていて、これが非常に効いている。
安定したリズムに支えられて、バードのギターがよく歌っている。ケニー・バレルのアルバムなんかよりもブルージーで、意外な拾い物だと思う。
後にスタン・ゲッツと組んで "Jazz Samba" をリリースするなど、南米音楽のイメージが強いかもしれないが、ここでは滋味溢れるジャズを
展開している。自作を持ちこんでのアルバム制作であり、本人も気合いが入っていた様子が伺える。コマーシャルな音楽もこなしたが、
案外、こういうのが彼の本音だったのかもしれない。
サヴォイは良いレコードを作る。3大レーベルのような肩に力の入ったアルバムとは少し次元の違う、ジャズが本当に好きなマニアの心を
いい感じでくすぐってくれるアルバムが多い。このタイトルもこのレーベルを代表する1枚の中に加えても全然いい良作だと思う。