Bill Evans / On A Friday Evening ( Craft Recordings 7215863 )
発売されてすぐに入手して1日置きくらいに聴いているが、完成されたデリケートな演奏に深い満足感を覚えている。
音質はピアノが奥にいてドラムが手前にいるような音場感だが、全体的に変な色付けなどされておらず、素直でナチュラルな音質で、
とてもいいと思う。リヴァーサイドのレコードを聴いて育った私なんかは、エヴァンスのピアノは変にハイファイな音質で聴くより、
こういうややナローな音で聴く方が好ましい。これこそ、エヴァンスのピアノだと思うのだ。
晩年によく取り上げていた楽曲群がやはり新鮮で、エヴァンスの当時の新しい心境が作る世界観に自分がいられることに喜びを感じる。
久し振りに取れた長期休暇で海外のリゾート地に降り立ったような、何とも言えない解放感と期待感に包まれるような感じ。
これからしばらくはしっかり遊んで、やりたいことだけをやって過ごすぞ、と心に決めた時のような気分。
固定化したエヴァンスのイメージやアルバム感のようなものから解放されて、新しい世界観へと扉が開くような印象があって、
こうして未発表音源がリリースされ続けることには意味がある、と最近は素直に思えるようになった。
それがこうしてレコードで聴けるということが何より嬉しい。レコード復権の機運があったからこその、幸運なタイミングに感謝。
どこを切り取っても「ビル・エヴァンス」という内容で、何か目新しいことがある訳ではないが、ビル・エヴァンスはビル・エヴァンスで
あることが尊いのであって、我々はそれ以外のことなど望んでいないのだから、これでいいし、これがいいのである。
買ってよかった。大満足。
お小遣い(笑)の都合でCD買いました。
これの前のロニー・スコッツがイマイチだったので、
あまり期待せずでしたが。
雰囲気がいいですねぇ。たっぷりエヴァンスワールドに浸される感じ。
なんやかんやで、未発表音源を買ってしまう・・・。
確かに、レコードとCDでは値段が全然違いますね。レコードは造りが豪華なので原価が高いのはわかりますが・・・
私も、この演奏はいい雰囲気だと思います。
この手のリリースものには先入観を持って接する人が多く、作品の良さを素直に享受できない人が多いようですが、
真っ新の気持ちで聴くことができれば、きっと良さがわかるようになるんじゃないかと思います。
エヴァンスの未聴作品をスルーするのは、やっぱり難しいです(笑)。