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Kenny Drew / Jazz Impressions Of The Rogers And Hart "Pal Joey" ( 米 Riverside RLP 12-249 )
とても愛らしい作品。このジャケットは好きだな。色使いが品がいいし、ミュージカルの躍動感が控えめながらも上手く表現されている。
エサ箱で見かけるとちょっとうれしい気分になるレコードではないか。
内容もしっかりとジャズに寄った作品で、それはウィルバー・ウェアとフィリー・ジョーのリズムセクションの重量感が効いているからだ。
ドリューのピアノはもともと軽く、個性がない。だから普通に弾くだけではそのピアニズムはあまり印象に残らないけど、こうしてリズムが
しっかりとしていると没個性な面が逆に作用して、リズムを上手く引き立てる。
ロジャース&ハートの屈託のない朗らかな曲想がストレートに表現されていて、音楽としてしっかりと聴かせる内容になっているのがいい。
大作主義ではないリヴァーサイドらしい作りが功を奏した形だ。マイナーレーベルでよく見るタイプのスタイルではあるけれど、
そこはフィリー・ジョーの非凡なドラムの存在感が重く、一流の演奏へと格上げしている。
他のレーベルではこういうプリティーな小品はあまり見かけることはなく、そこがリヴァーサイドの魅力になっている。
我々のような古いジャズのレコードを愛する者は、こういうレコードを手にして聴いてきたことで育ってきたような面があるんじゃないか
という気がする。