お酒はやめましょ。

有名スターが出演しているわけではないのに、しかも比較的低予算（っていくら？）で製作されたにもかかわらず、２００９年６月５日北米公開された「ハングオーバー！ 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」は異例の大ヒット！

週末興行収入２週連続第１位となり、全米で累計約２億７７００万ドル、全世界で約４億６７００万ドルを稼いだのです！そして、なんと２００９年度北米興行収入第６位に輝きました。製作、監督はトッド・フィリップス。

さらにゴールデン・グローブ賞作品賞（コメディ／ミュージカル部門）を受賞。主演のブラッドリー・クーパーは、「ニューヨーク、アイラブユー」（０８）や「そんな彼なら捨てちゃえば？」（０９）に出ていた人。

甘いマスクのハンサムで、多くの女優と浮名を流すクーパーは、この作品のヒットでブレイク。ジョー・カーナハン監督の「特攻野郎Ａチーム ＴＨＥ ＭＯＶＩＥ」（１０）で、フェイスことテンプルトン・ペック役はぴったり。

リーアム・ニーソン演じるハンニバルことジョン・スミス大佐の相棒として大活躍し、ファンになった人も多いはず。話が逸れましたが、大ヒットを機にトッド・フィリップス監督、続編を作っちゃいました。

「ハングオーバー！！史上最悪の二日酔い、国境を越える」（１１）が、それ。！マークが２個になっているのに注目。２作目だからね。前作で、ラスベガスでバチェラー・パーティを開いた４人の男たち。

結果は散々な（どんなかはＤＶＤで見てね）もので、でもちょっぴりハッピーな思い出に。今回は、スチュことスチュアート・プライス（エド・ヘルムズ）の結婚式のお話。←あの歯医者さんです。

フィル・ウィネック（クーパー）、アラン・ガーナー（ザック・ガリフィアナキス）←「デュー・デート ～出産まであと５日！史上最悪のアメリカ横断～」（１０）にも出演、ダグ・ビリングス（ジャスティン・バーサ）←前回行方不明になった花ムコ。

エキゾチックなタイでの結婚式を計画したスチュは、ラスベガスのあの“出来事”を忘れず、トラブルを最大限に避けるためにバチェラー・パーティではなく、慎ましいブランチにする予定でした。ふむふむ。

ところがまたしても飲んでしまいました！目覚めると激しい二日酔い。よみがえるラスベガスの朝。部屋はメチャクチャ、式を控えた新郎の顔にはタトゥー、花嫁の弟は消え、代わりにベストを着たサルが。また、見なくっちゃ！

全６作、あります。

今年６０歳を迎えた、スティーヴン・セガール“オヤジ”。原案・製作・主演した、アンドリュー・デイヴィス監督作「刑事ニコ／法の死角」（８８）で映画デビュー以来、本当に数多くの作品を見せてくれています。

出演している作品のほとんどに、脚本や製作、製作総指揮として係わるのもセガール流。なんといっても、アンドリュー・デイヴィス監督作「沈黙の戦艦」（９２）の元特殊部隊兵士で料理人のケイシー・ライバックが最高！

セガールの役柄は元軍人や刑事、元特殊部隊の隊員などが多く、とにかく強い！寡黙で正義感のかたまり。百戦錬磨の経歴を持ち、東洋武術の達人という設定。そんなセガールがまたまた新しいキャラクターを作り上げました。

「沈黙の逆襲」「沈黙の鉄拳」（０９）のキオニ・ワックスマン監督による「沈黙の宿命 ＴＲＵＥ ＪＵＳＴＩＣＥ ＰＡＲＴ１」（１０）がそれ。セガールは、製作、脚本（ジョー・ハルピンと）に係わっています。

ワシントン州シアトル。ＳＩＵ（特別捜査隊）のチームリーダー、イライジャ・ケイン（セガール）は、武術の達人。メンバーは、冷静沈着な右腕アンドレ・メイソン（ ウィリアム・ビッグスリープス・スチュワート）。

血の気の多いブレッド・ラドナー（ウォーレン・クリスティー）、タフな美女ジュリエット・ソーンダーズ（ミーガン・オリー）、新任のサラ・モンゴメリ（サラ・リンド）の４人。今日も凶悪な事件の捜査中。

食料品店を経営する中国人夫婦殺害事件をきっかけに、ロシア人麻薬密輸組織の存在が明らかになります。ケインと４人のメンバーは、組織撲滅のために危険な潜入捜査やおとり捜査を続けます。

果たして、ケインたちの捜査の行方は？実はタイトルにもありますように、本作はシリーズ化されています。全６作！２作目以降は、ＤＶＤで公開。２作目は「沈黙の啓示 ＴＲＵＥ ＪＵＳＴＩＣＥ ＰＡＲＴ２」

同じスタッフ・キャストで、ゲストはジョージ・タケイとツィ・マー。３作目は「沈黙の背信 ＴＲＵＥ ＪＵＳＴＩＣＥ ＰＡＲＴ３」、監督はＴＶ「バトルスター・ギャラクティカ」（０６～０９）のウェイン・ローズ。

４作目もウェイン・ローズ監督の「沈黙の弾痕 ＴＲＵＥ ＪＵＳＴＩＣＥ ＰＡＲＴ４」。５・６作目の情報はまだのようです。それにしても、こうなるとＴＶ「ＣＳＩ：」のようになってきましたね。ドラマだぁ～。

箱根のフジタ

猫好きの私は、藤田嗣治（つぐはる）の猫が大好き。講談社の『藤田嗣治 画文集 猫の本』を見つけた時、速攻で購入。猫の絵を見ながら、猫好きの嗣治に想いを馳せました。嗣治の作品には、よ～く猫が登場します。

嗣治は１８８６年（明治１９年）１１月２７日、東京市牛込区新小川町の医者（藤田嗣章／つぐあきら）の家に生まれます。４人兄弟の末っ子で子供の頃から絵を描き、いつかフランスに留学したいと願うようになります。

その夢は、１９１３年（大正２年）に実現。パリのモンパルナスに住み、モディリアーニ、ピカソ、アンリ・ルソーらと知り合うようになります。嗣治の生涯は省略しますが、１９５５年フランス国籍を取得します。

１９５９年カトリックの洗礼を受け、レオナール・フジタと改名。日本国籍も抹消しフランス人となります。生涯で５人の女性と結婚。そしてガンのため、１９６８年１月２９日スイスのチューリヒで死去しました。

ちなみに嗣治の愛した猫たちは、パソバエ、アメストリス、サッフォー、アラシェル、セミラミス、エプラス、エリゴネ、クリソテミス、ハラス、アズバ、アビハイル、メッサリーナ、ミラハ、ソミリス、クレオパトラ

オリバ、パシテア、アタラ、ヘシオン…とたくさんいます。でも１番のお気に入りだったのは、サッフォーという猫だったとか。うむ。いずれにしても、嗣治の猫はあちこち出没します。にゃ～ん。

箱根にあるポーラ美術館では、ただいま「レオナール・フジタ 私のパリ、私のアトリエ」が開催中。こちらの展覧会は好評に付き、当初の開催期間が変更になりました。

３月１９日から９月４日までが、来年１月１５日まで延長。ちょっと気になるニュースですね。さずがに今すぐお出かけするにはちょっと遠いですが、もしよろしければ、箱根の旅行がてらいかがですか？

ポスターの絵は、『姉妹』（１９５０）。他にも『室内』（１９５０）、『自画像』（１９２９）、『ラ・フォンテーヌ頌』（１９４９）、『美しいスペイン女』（１９４９）、『椅子職人』（１９５９）、『風船売り』（１９５９）…

暑い夏もよし、紅葉の秋もよし、小雪舞う冬もよし、それともクリスマスかお正月？箱根は良いですね～。

東京へ、いらっしゃ～い！

アニメの世界では、人間以外の“なにか”がしゃべっちゃいます。ディズニー・アニメを代表する「ライオン・キング」（９４）ではジャングルの動物たちが。「チキン・リトル」（０５）では、ニワトリやアヒルたちが。

「ボルト」（０８）では、犬や猫たちがしゃべります。ディズニー・ピクサー作品の「トイ・ストーリー」（９５、９９、１０）では、おもちゃたちが大騒ぎ。「バグズ・ライフ」（９８）では虫たち、「モンスターズ・インク」（０１）ではモンスター！

「ファインディング・ニモ」（０３）では、海の生物たちが活き活きとしゃべります。そして「カーズ」（０６）では、なんと車に顔があり、しゃべるんです。さらに歯もあるんですよ。驚異的！

数々の作品を製作総指揮、監督してきたジョン・ラセターが、脚本を書き、監督したこの作品は声の出演が素晴らしい！オーウェン・ウィルソン、ポール・ニューマン、ボニー・ハント、チーチ・マリン、トニー・シャルーブ、マイケル・キートン

実写だったら、とんでもない映画になってますよね～。天才レーサー、ライトニング・マックイーンがレース会場に向かう途中、小さな田舎町に迷い込んでしまいます。都会の車と田舎の車、違いが面白いです。

舞台は国道６６号線。イリノイ州シカゴとカリフォルニア州サンタモニカを結び、ジャズの名曲もあり。かつてのＴＶシリーズ「ルート６６」（６０～６４）でおなじみ。懐かしいなぁ～、テーマ曲も良かった！

話が逸れましたが、「カーズ」の最初の原題も『ルート６６』だったのがＴＶとの混乱を避けるため、変更されたそう。その続編が公開です。「カーズ２」（１１）は、もちろんジョン・ラセターが共同監督。

監督は「アンツ」（９８）「レミーのおいしいレストラン」（０７）の製作者ブラッド・ルイス。世界最速の車を決めるレース、ワールド・グランプリに参加するため、マックイーンとおんぼろレッカー車のメーターは、日本へ！

オープニングは、ネオン輝くトーキョー。マックィーン（声：オーウェン・ウィルソン）とメーター（声：ラリー・ザ・ケイブル・ガイ）を魅了するのは、“ゲイシャ”カーや“カブキ”カー！（内心、おいおい…）

レースはフランス、イタリア、イギリスへと移動し、なにやらミステリアスな“スパイ”カーも登場。そうなんです、今度のテーマは“スパイ戦”。果たしてどんなお話しかしらん？声の出演も楽しみ。

これで、おしまい。ＰＡＲＴ２

“ＴＲＡＮＳＦＯＲＭ”とは、～の形（様相、構造）を～から～に変える、～を変形（変態）させるという意味（Ｙａｈｏｏｏ辞書）。マイケル・ベイ監督「トランスフォーマー」（０７）を見た時、宇宙からやって来た金属生命体にぴっくり！

数年前から地球に来ていたという、“それ”はＣＤプレイヤー、デジカメ、携帯電話、さらにはジェット機、ヘリコプター、車などに変身するんです。しかも進化した映画のヴィジュアルは、凄すぎる！

平凡な高校生サム（シャイア・ラブーフ）が父親から買ってもらったオンボロ・スポーツカーが、実はトランスフォーマーでオプティマス・プライム（声：ピーター・カレン）というマシンになるのが、１作目。

正義の集団オートボット対 悪の集団ディセプティコンとの激闘から２年。大学生になったサムは、再び地球への侵略を再開したディセプティコンと、政府が組織する精鋭部隊“ＮＥＳＴ”の戦いに巻き込まれます。

シリーズ２作目「トランスフォーマー／リベンジ」（０９）の監督も、製作総指揮のスティーヴン・スピルバーグも続投。シャイアの他ミーガン・フォックス、ジョシュ・デュアメル 、タイリース・ギブソン、ジョン・タートゥーロが出演。

何よりすごいのは、登場するトランスフォーマーたち。その数は１作目の３倍以上。キャラクターは、より巨大化、より小型化され映像は格段にパワーアップ。めまいがするほどで、ありえないシーンの連続！

さあ、３作目の登場です。「トランスフォーマー／ダークサイド・ムーン」（１１）、監督はもちろんマイケル・ベイ。製作総指揮のスティーヴン・スピルバーグも変更なし。タイトルは、“月の裏側”という意味です。

１９６９年７月２０日。アポロ１１号は人類初の月面着陸に成功し、アームストロング船長とオルドリン操縦士の偉業を、世界中が固唾を見んで見守っていた時…月の裏側では、人類より先に未知の宇宙船が不時着していたのです。

それは遥か宇宙の彼方からやって来た、トランスフォーマーたちの宇宙船でした。彼らの目的は、なんと地球侵略だったのです！シカゴで社会人として働くサム。三度始まる人類とトランスフォーマーとの戦い。

シリーズ最終章の本作には、ミーガンの代わりにロージー・ハンティントン＝ホワイトリーが。他にジョン・マルコヴィッチ、パトリック・デンプシー、フランシス・マクドーマンドが共演。お付き合いします。

黒より、赤？

かなり昔から映画を見ている私。ディズニー・アニメ映画を見たことを覚えています。製作年からいうと生まれる前だから、たぶんリバイバルなどで見たのでしょう。「白雪姫」（３７）「ピノキオ」「ファンタジア」（４０）

「ダンボ」（４１）「シンデレラ」（５０）「ふしぎの国のアリス」（５１）「ピーター・パン」（５３）「わんわん物語」（５５）「眠れる森の美女」（５９）「１０１匹わんちゃん」（６０）「ジャングル・ブック」（６７）。

実写映画では、「海底二万哩」（５４）「ポリアンナ」（６０）「うっかり博士の大発明／フラバァ」「罠にかかったパパとママ」（６１）「脱線あしか騒動」「放浪の王子」（６２）「メリー・ポピンズ」（６４）

そして「パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉」（１１）にも登場の「黒ひげ大旋風」（６７）。洋画大好きな私のルーツは、ディズニー映画だったのですね～。実は東映時代劇もよく見ていました。

どんなに映画好きでも、生まれる前の作品や子供の頃の作品を見れないのは仕方ないですよね。たくさんあるそんな映画の1本に、１９４８年の「赤い靴」があります。マイケル・パウエル監督作品。

そのパウエル監督の「赤い靴」に敬意を表する映画監督マーティン・スコセッシは、オリジナル・ネガの修復作業に２年をかけます。そして０９年カンヌ国際映画祭で公開されたのが、「赤い靴 デジタルリマスター・エディション」。

世界一のプリマを夢見るヴィクトリア・ペイジ（モイラ・シアラー）は、ロンドン・バレエ団の主宰者ボリス・レルモントフ（アントン・ウォルブルック）に見出され、新作バレエ“赤い靴”の主役に抜擢されます。

公演は大成功をおさめ、ビクトリアは一躍スターに。作曲家ジュリアン・クラスター（マリウス・ゴーリング）とも婚約します。しかし、レルモントフは踊ることを要求します。そして起こる悲劇が…。

スコットランド・ダンファームリン出身のバレエダンサー、モイラ・シアラー・キングは、パウエル監督の「ホフマン物語」（５１）にも出演しています。バレエ映画の原点ともいえる本作の原作は、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話。

鮮やかな赤い色が印象的な「赤い靴」。「ブラック・スワン」の後は、レッド・シューズを見ませんか？

これで、おしまい。

いよいよ映画も最終章を迎えます。Ｊ・Ｋ・ローリング著『ハリー・ポッター』シリーズ。原作は、第１巻『ハリー・ポッターと賢者の石』（９７年６月３０日発売）、２2巻『ハリー・ポッターと秘密の部屋』（９８年年７月２日発売）

第３巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』（９９年７月８日発売）、第4巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』（００年７月８日発売）、第５巻『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』（０３年６月２１日発売）

第６巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』（０５年６月１６日発売）、第７巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』（０７年７月２１日発売）。「プラダを着た悪魔」（０６）で、グレン・クロースの双子ちゃんが読みたがったのは、６巻だったのかも。

映画は、「ハリー・ポッターと賢者の石」（０１）「ハリー・ポッターと秘密の部屋」（０２）「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」（０４）「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」（０５）「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」（０７）

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」（０８）、そして「ハリー・ポッターと死の秘宝 ＰＡＲＴ１」（１０）と続きます。ただし最終章のみ、映画は２部作。それが「ハリー・ポッターと死の秘宝 ＰＡＲＴ２」（１１）です。

前作でダンブルドア校長から託された使命…ヴォルデモートの不死の秘密“分霊箱”を見つけ、破壊するため旅に出たハリー（ダニエル・ラドクリフ）、ロン（ルパート・グリント）、ハーマイオニー（エマ・ワトソン）たち。

いつにも増して固い結束を求められるはずの３人でしたが、闇の力によって次第にその絆は引き裂かれていきます。そして今ではかつてないほどの危険な場所となってしまった魔法界…。

魔法省は乗っ取られ、魔法大臣ルーファス・スクリムジョール（ビル・ナイ）は殺害され、ホグワーツ魔法学校はセブルス・スネイプ（ アラン・リックマン ）が、校長に就任。もう、学校さえ安全な場所ではないのです。

ハリーを捕えるために、デス・イーター（死喰い人）の魔の手が迫ります。果たして、ハリーたちの行く手に待つものは？ハリーに定めれた運命とは？ダンブルドア校長の真実とは？そして分霊箱はどこに？

シリーズ中、私的には「死の秘宝 ＰＡＲＴ１」は今までで１番おもしろった！ダニエルは２２歳、ルパートは２３歳、エマは２１歳。最終章に期待は膨らみます。

３３年ぶりの酔拳

ジャッキー・チェンが１９７１年に映画出演を開始（当初の作品は未公開ばかり）してから、日本でジャッキー映画が初上映されたのが「ドランク・モンキー／酔拳」（７８）です。「少林寺木人拳」「蛇鶴八拳」「成龍拳」（７７）は後から。

ブルース・リーの「燃えよドラゴン」（７３）にも端役で出演しているものの、やっぱり彼とは違うジャッキー。演技にコミカルさをプラスし、アクションも軽妙。見ていて楽しくなるカンフー映画を目指したのでした。

その最たるものが「酔拳」。香港出身の武術家ユエン・ウーピンが初監督し、監督の実父ユエン・シャオティエンがカンフーの達人を演じ、酔えば酔うほど強くなる酔拳を教えるのでした。『お師匠さま』と呼ぶのが思い出されます。

ジャッキーの役は黄飛鴻（ウォン・フェイフォン）。後にツイ・ハーク監督作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズで、リー・リンチェイが演じた人物。「酔拳」のストーリーは、オリジナルなんですけど。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズ４作はリー・リンが演じ、２作をチウ・マンチェクが演じています。中国武術大会・剣術部門で２度優勝するなど、優れた武術家だったことが抜擢の理由なのですね。

そのチウ・マンチェクが主演する、「酔拳 レジェンド・オブ・カンフー」（１０）が公開です。リメイクかと思いきや全然別物。１８６１年、清朝戦乱の時代。スー・サン（チウ・マンチェク）は高名な戦士。

親王救出という功績を、妻のシャオイン（ジョウ・ シュン）の兄ユアン（アンディ・オン）に譲り、妻と１人息子のフォンと武術を極めようと静かな日々を送っていました。そして、５年後…

自分の父をスーの父親に殺されたことを恨んでいたユアンは、長官となり、スー一家の元に現れスーの父を殺害。息子のフォンも奪われてしまうのでした。瀕死の重傷を負ったスーは、医者のユ（ミシェル・ヨー）に助けらます。

やがて酒に溺れるスーの目を覚まさせたのは、妻のシャオインでした。そして、武術の仙人（ゴードン・リュー）と武神（ジェイ・チョウ）に出会うことになるのです。“酔拳”を生み出したスー・サンの物語。

ストーリーを見るだけでも、ジャッキーの「酔拳」とは大違い。ユエン・ウーピンが、３３年ぶりに監督した「酔拳」はかなりリアル？比べてみましょ。

赤いサンザシの言い伝え

バラ科のサンザシは、白い花を咲かせる落葉低木。中国産で、漢字で“山査子”と書きます。赤い実をつけ、生薬、果実酒、ドライフルーツ、菓子などに利用されています。大塚製薬のＳＯＹＪＯＹにもありますね。

中国映画ではおなじみのサンザシを、タイトルにした映画が公開されます。「あの子を探して」（９９）「至福のとき」（０２）のチャン・イーモウ監督、久々の最新作「サンザシの樹の下で」（１０）です。

チャン・イーモウ監督というと、「テラコッタ・ウォリア／秦俑」（８９）「上海ルージュ」（９５）「ＨＥＲＯ」（０２）「ＬＯＶＥＲＳ」（０４）「王妃の紋章」（０６）など歴史物もお得意。そして監督が発掘した女優も有名。

「紅いコーリャン」（８７）「テラコッタ・ウォリア／秦俑」（８９）「菊豆（チュイトウ）」（９０）「紅夢」（９１）「秋菊（しゅうぎく）の物語」（９２）「画魂－愛、いつまでも－」（９２）のコン・リー。

「初恋のきた道」（９９）「ＨＥＲＯ」（０２）「ＬＯＶＥＲＳ」（０４）のチャン・ツィイー。今や中国だけでなく、世界でも活躍する女優ですね。時を経て、本作では三度新しいヒロインを主役に抜擢。

原作は、中国系アメリカ人エイ・ミーの同名小説。作者自身の友人が、文化大革命時代の実際に体験したエピソードを元に書かれています。ネットで発表し、のちに書籍となり３００万部を超える大ヒット作です。

１９７０年初頭、都会育ちの女子高生ジンチュウ（チョウ・ドンユィ）は、国家の政策＜再教育＞のため農村に送られます。そこで家族と離れて、村長（リー・シュエチェン）の家に住むことになります。

ジンチュウは、反革命分子として迫害を受ける両親の娘。父は投獄され、母は職場で過酷な労働を強いられていました。しかし、ジンチュウは幸運にも教師の職を得ることができ、今は実習の真っ最中。

この村で、年上の青年スン（ショーン・ドウ）と出会います。明るく誠実な彼との恋。それは身分違いの恋でした。ある日２人の仲が、母（シー・メイチュアン）に知られ『教師になるまで会わないように』と諭されます。

文革では、知識人より農民の方が素晴らしいとされ、多くの人々が農村に送られ肉体労働に就いていました。そんな時代に生まれた若い２人の運命は？いずれも中国の新しいスターたちが演じます。期待！

８ｍｍカメラは、見た！

Ｊ・Ｊ・エイブラムス監督の本名は？…ジェフリー・ジェイコブ・エイブラムスだったんですね。１９６６年６月２７日ＮＹ出身。父親がＴＶプロデューサーで、幼い頃から映画の世界に親しんでいたようです。

マイク・ニコルズ監督、ハリソン・フォードとアネット・ベニング主演「心の旅」（９１）では、ジェフリー・エイブラムスの名で脚本を書いていました。映画の脚本を書きながら、プロデューサーの仕事もはじめます。

「フェリシティの青春」（９８～０２）、「エイリアス」（０２～０６）、「ＬＯＳＴ」（０４～１０）、「ＦＲＩＮＧＥ／フリンジ」（０８～ ）他などＴＶシリーズで活躍し、注目されます。

マット・リーヴス監督「クローバーフィールド／ＨＡＫＩＳＨＡ」（０８）の製作では、インターネットを活用し（ＹｏｕＴｕｂｅに架空のニュース映像を投稿、架空の企業などのサイト立上げなど）謎に満ちた内容が話題を呼びました。

監督作品は「Ｍ：ｉ：Ⅲ」（０６）、「スター・トレック」（０９）があり、大ヒット。彼の名前のある映画は見逃せません。最新作は「ＳＵＰＥＲ８／スーパーエイト」（１１）。製作には、スティーヴン・スピルバーグが名を連ねています。

１９７９年、オハイオ州の小さな町。保安官（カイル・チャンドラー）の父と暮らす少年ジョーは、友だち６人だけでスーパー８ｍｍカメラを使いゾンビ映画を自主製作中。ある夜、線路の近くで撮影をしていると貨物列車がトラックに衝突、脱線事故が起こります。

偶然、遭遇した事故でしたが燃え上がる現場に残された８ｍｍカメラには、事故の一部始終が撮影されていたのです。果たしてそれは？脱線した貨車には“アメリカ空軍”の文字が！いったい何を運んでいたのか？

ネバダ州南部にあるグレーム・レイク空軍基地。ここは“エリア５１”と呼ばれていました。アメリカ政府はエリア５１を閉鎖し、オハイオ州のある場所へ研究素材である“何か”を移送中だったのです。

黄色のピックアップは、「未知との遭遇」（７７）のロイ・ニアリーが乗っていたトラックのよう。他にも「Ｅ.Ｔ. 」（８２）などスピルバーグ監督作品にオマージュを捧げたシーンがいっぱいあるそうな。

共演は、「ＳＯＭＥＷＨＥＲＷ」（１０）のエル・ファニング、ＴＶ「ＥＲ」のロン・エルダード、「リトル・チルドレン」（０６）のノア・エメリッヒ。監督も私も大～好きな陰謀と謎のつまった本作、見なくては！