だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

チェ PART2

2008-12-31 17:49:38 | 映画
PART1を見たら、PART2「チェ 39歳別れの手紙」(08)も見ましょ!2008年にゲバラ(本名:エルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ)生誕80年を記念して製作された2部作。カンヌ国際映画祭でパルムドールにノミネート。ベニチオが男優賞受賞。お見事!

上映時間約4時間30分、カンヌでは20分の休憩時間があり、水とチョコレート“キットカット”が配られたんですって!そんなことはともかく、この作品にかけるベニチオの情熱は、25キロも体重を落としたこと、7年間ものリサーチに良く表れています。

1958年12月末、サンタクララに突入したゲバラ(ベニチオ・デル・トロ)たち。翌1959年1月1日、将軍フルヘンシオ・バティスタがドミニカ共和国へ亡命します。1月8日には、フィデル・カストロ(デミアン・ビチル)が首都ハバナに入り、革命は成功します。

革命後、次々に国の形を作って来たカストロとゲバラ。しかし理想と現実の狭間で苦悩するゲバラは、キューバ首脳陣の中で孤立化していきます。1965年3月、“サトウキビ農場に視察へ行く”と言い残し、姿を消します。この背後には、ソビエトとキューバの関係が…。

タイトルは、キューバを去らねばならないゲバラが、カストロに宛てた手紙のこと。ゲバラは、地位も市民権もそして家族をも捨てて、次なる革命の地ボリビアへと旅立ちます。カストロは、その手紙をキューバ共産党中央委員会で読み上げました。

ちなみにカストロの本名は、フィデル・アレハンドロ・カストロ・ルス。1926年8月13日生まれの初代国家評議会議長兼閣僚評議会議長。2008年2月24日、国家評議会議長を退任。

1966年11月“ラモン”と名乗るゲバラが、ボリビアに入国。ボリビアはバリエントス大統領の独裁政権下にありました。農民やインディオを救おうと、革命を目指すのですが…。ゲバラは、1967年10月8日ボリビア政府軍の兵士に射殺されます。39歳でした。

共演は、ボリビアのゲリラ兵タニア役にフランカ・ポテンテ。ボリビア共産党書記長マリオ・モンヘ役にルー・ダイアモンド・フィリップス。バリエントス大統領役はヨアキム・デ・アルメイダ。他にベンジャミン・ブラットやマット・デイモン(友情出演)も。

1997年、死後30年を経てボリビアで遺骨が見つかり、ようやくキューバへ帰国したゲバラ。ベニチオの熱演でぜひとも、その半生を見ましょう!
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チェ PART1

2008-12-30 21:26:20 | 映画
眉間にシワを寄せ、渋い顔をしたベニチオ・デル・トロを見るたびに『ゲバラに似てるなぁ~』と思っていました。似てるといっても雰囲気が、です。かつてオマー・シャリフが演じた「ゲバラ!」(69)の時も、エジプト人のオマーに魅せられましたっけ。つまり、濃い目の2枚目に弱いんです。

他にも、バンデラスとかガルシアとかアサンテとか…。あっ、話を戻して、そのベニチオがとうとうゲバラを演じます。しかも2部作!うれしいじゃないですか!さらに監督は、「オーシャンズ13」(07)のスティーヴン・ソダーバーグ!ベニチオは、製作にも名を連ねています。

チェ 28歳の革命」(08)は、PART1。1928年6月14日アルゼンチンのロサリオ生まれ。本名:エルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ。“チェ”とは、スペイン語で相手に呼びかける時の方言なんだとか。あだ名ではあるものの一般的ではないようです。

1955年7月メキシコ。喘息の持病を持つ、アルゼンチン人の医師エルネスト・ゲバラ(デル・トロ)は、ラテンアメリカの貧しい人を救いたいと南米大陸を旅していました。一方、バティスタ独裁政権に苦しむ故国キューバの革命を決意するのは、フィデル・カストロ(デミアン・ビチル)。

メキシコに亡命中のカストロと出会ったゲバラは、わずか82人で海を渡り、2万ものキューバ政府軍打倒を目指すという途方もない革命に参加。軍医としてゲリラ軍に加わり、貧しい者、弱い者にはやさしく、若い兵士には読み書きを教え、負傷兵には敵味方なく接していました。

やがて司令官として部隊を率いることに…。その中には、後の妻アレイダ・マルチ(カタリーナ・サンディノ・モレノ)もいました。そして、ゲバラに任された任務とは“大都市サンタクララを陥落し、キューバを分断せよ”というもの。果たして、結果は?

ゲバラ役のベニチオは、プエルトリコ出身。カストロ役のビチルは、メキシコ出身。革命軍のカミロ・シエンフエゴス役のサンティアゴ・カブレラは、チリ人。女戦士アレイダ役のモレノは、コロンビア出身。カストロの弟ラウル役のロドリゴ・サントロは、ブラジル出身。国際色豊か!

そしてジャーナリスト、リサ・ハワード役でジュリア・オーモンドが出演。お久しぶり。ちなみにベニチオは、カンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞!この映画を見て、PART2も見なくっちゃ!
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パウル・クレーが好き!

2008-12-28 20:09:27 | 展覧会
今年も残りわずかとなりました。年末は何かと忙しいですが、お正月のご予定は?2日から、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催の展覧会に出かけましょう。「20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代」です。Bunkamura20周年記念企画のひとつ。

1989年に完成したBunkamuraも、20年。早いですね。コンサート、バレエ、オペラ、演劇、映画、そして美術館といつもお世話になっています。ザ・ミュージアムで、初めて知った画家もいます。その1人が、パウル・クレーです。もちろん、それまでにも作品は見たことがあったのですが…。

1993年7月31日~9月21日まで開催された「パウル・クレーの芸術」で、クレーの作品をまとめて見るチャンスに恵まれました。クレーは、スイスの首都ベルン近郊出身(1879~1940)の画家。父は音楽教師、母は声楽家という音楽一家でした。

クレー自身もバイオリンの腕前はプロ並みで、妻もピアニストだったそう。そう言えば、クレーの作品には音楽をイメージさせる題材が見受けられますね。1910年以降、ロシア出身のワシリー・カンディンスキーやドイツ・ミュンヘン出身のフランツ・マルクと知り合っています。

1914年、北アフリカのチュニジアに出かけたクレーの作風は一変します。それが、クレーの代表作品たちに通じる色彩豊かな抽象絵画です。今回の展覧会でも“リズミカルな森のラクダ”(20)や、“異国風の響き”(30)“宝物”(37)“赤いチョッキ”(38)などが来日します。

展覧会のもう1人の画家、パブロ・ピカソについてはあまりにも有名なので実際に作品をご覧いただくとして、他にもマルク・シャガールの“バイオリン弾き”(11)、ルネ・マグリットの“とてつもない日”(28)、フランツ・マルクの“3匹の猫”(13)、ジョアン・ミロの“リズミカルな人々”(34)も展示。

出展は、デュッセルドルフのノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館。大規模な改修工事のおかげです。見ましょうね。
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人生の終わりの恋

2008-12-27 19:27:50 | 映画
スペイン、バルセロナ出身の女流監督、イザベル・コイシェ。1960年4月9日生まれの今年48歳。「あなたに言えなかったこと」(95)、「死ぬまでにしたい10のこと」(03)、「あなたになら言える秘密のこと」(05)、「パリ、ジュテーム」(06)があります。

この4作品では、女性を主人公にし、人生の痛みや再生をテーマに脚本も担当。女性監督ならでは目線で作品を製作、根強いファンを持っています。私も。

最新作は、「さよならコロンバス」(69)「白いカラス」(03)の原作者フィリップ・ロスの短編『ダイング・アニマル』の映画化。邦題は「エレジー」(08)。悲歌、哀歌、挽歌という意味のこのタイトル、ぴったりです。

大学教授のデヴィッド・ケペシュ(ベン・キングズレー)は、“アメリカの快楽主義の原点”という本を書き、話題になりTV出演もするカリスマ教授。そんなデヴィッドを女子学生たちは放っておくはずがありません。しかし、デヴィッドはなぜか特定の女性と付き合おうとはしません。

若い頃の結婚を人生最大の過ちと笑い、自由な恋愛を楽しんでいるデヴィッド。そんな彼が出会ったのが、学生コンスエラ・カスティーリョ(ペネロペ・クルス)。彼女は厳格なキューバ移民の家庭に生まれ、弁護士事務所での秘書経験を持っていました。

年齢差30歳。デヴィッドはコンスエラの完璧な肉体と内面にある情熱に魅せられ、一目で恋に落ちます。親密な関係を築いていくうち、2人の心は少しずつズレてしまいます。デヴィッドの想いはやがて執着に…、そして疑惑、嫉妬へと変化します。

必然的にデヴィッドを遠ざける、コンスエラ。2人は別れの時を迎えます。仕事に没頭するデヴィッドですが、2年が過ぎた頃、コンスエラから突然電話がかかって来ます。いったいなぜ?ふたたび、2人の恋は始まります。

共演者には、デヴィッドの友人で詩人ジョージ・オハーン役のデニス・ホッパー、デヴィッドの息子ケニー役のピーター・サースガード、デヴィッドの愛人キャロライン役のパトリシア・クラークソン。

「ガンジー」(82)でアカデミー賞主演男優賞受賞のキングズレーは、この作品でオスカーノミネート確実と言われています。そして「ボルベール <帰郷>」(06)で、カンヌ国際映画祭主演女優賞受賞のペネロペ。美しいだけなく、演技で魅せます。

「白いカラス」で脚本を書いているニコラス・メイヤーにも、注目です。必見。
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ドヌーブとドルレアックを見に行こう!

2008-12-26 20:46:02 | 映画
昨日の続き。「シェルブールの雨傘」(63)の後、カトリーヌ・ドヌーヴはロマン・ポランスキー監督の「反撥」(64)に出演。そして代表作の1本、「昼顔」(67)に出演する前に、もう1本のミュージカル「ロシュフォールの恋人たち」(66)に出演しています。

この2本は、ジャック・ドゥミ監督作品。「シェルブールの雨傘」製作45年目ということで、同時上映(リバイバル)されます。主演カトリーヌ・ドヌーヴ+監督ジャック・ドゥミ+音楽ミシェル・ルグランのコラボが蘇るわけです。

リアルタイムの公開を見ている方は、ひたすら懐かしいでしょうし、後からビデオやDVDで見た方も同じはず。そして全然知~らないという方も、新鮮に感じるかも。だってあのフランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴが、歌い踊るんですもの。

そう言えば、フランソワ・オゾン監督の「8人の女たち」(02)でも歌って踊ってましたっけ!それもそのはず、ドヌーヴはミュージカル女優だったんです。

南フランスのロシュフォールは、軍港の町。お祭りの季節がやって来て、旅芸人のエチエンヌ(ジョージ・チャキリス)たちはショウの準備を始めます。そして、美しい双子の姉ソランジュ(フランソワーズ・ドルレアック)と妹デルフィーヌ(ドヌーヴ)も、うれしそう。

ソランジュは作曲家を夢見、デルフィーヌもパリに出てダンサーになる夢を抱いていました。そして駐屯している水兵マクサンス(ジャック・ぺラン)は、まだ見ぬ恋人を思って絵を描いていました。

コルベール広場でカフェを営む、姉妹の母イヴォンヌ(ダニエル・ダリュー)。イヴォンヌを想ってロシュフォール戻って来た、楽器店のオーナー、シモン・ダム(ミシェル・ピッコリ)。アメリカからやって来た著名な作曲家、アンディ・ミラー(ジーン・ケリー)。

夢のような登場人物たちは、週末の3日間にロシュフォールの町を恋で彩るのでした…。監督は「巴里のアメリカ人」(51)のジーン・ケリーを、2年越しのラブコールで招聘。「ウエストサイド物語」(61)で大人気のジョージ・チャキリスや、当時の人気スター、ジャック・ペランも。

これも「シェルブールの雨傘」の成功のおかげ。姉妹の衣装や町そのものをセットにしてしまうなど、思う存分豪華に製作。フランスらしいエンディングもお楽しみに。
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シェルブールをもう一度。

2008-12-25 16:00:56 | 映画
「シェルブールの雨傘」(63)は、セリフのない、すべて歌で進行するという作品でした。登場人物の心情や会話もすべて歌。そういえば「ウエストサイド物語」(61)や、舞台の「キャッツ」「エビータ」「オペラ座の怪人」「ジーザス・クライスト・スーパー・スター」などは、みんなそう。

いわゆるミュージカル。物語に歌が挿入されるのとは、違います。ああ~、ミュージカルって大好き!ジャック・ドゥミ監督の「シェルブールの雨傘」で主演を演じるのは、若き日のカトリーヌ・ドヌーヴ。1943年生まれのドヌーブは当時20歳。美しい~。

フランス北西部に位置する港町、シェルブール。傘屋で働く少女ジェヌヴィエーヴ(ドヌーヴ)は、自動車修理工のギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)に夢中。母親で未亡人のエミリー夫人(アンヌ・ヴェルノン)は、娘のジェヌヴィエーヴが心配でなりません。

やがてギイのもとに、アルジェリア戦線への徴収令状が届きます。戦争に引き咲かれた恋人たち。ギイのいないジェヌヴィエーヴは、妊娠に気付くのでした。そんな時、宝石商のロラン・カサール(マルク・ミシェル)から、妊娠を承知で求婚されます。

結婚して2年後、負傷したギイが帰国するのですが…。フランスを代表するミュージカル作品の代表曲“I Will Wait For You”と、“Watch What Happens”。作曲したのは、ミシェル・ルグラン。一度聴いたら、自然と口ずさんでしまう名曲ですね。

ドゥミ監督とミシェル・ルグランは、「ロバと王女」(70)「モン・パリ」(73)「ベルサイユのばら」(79)「想い出のマルセイユ」(88)などでも組んでます。ルグランといえば、スティーヴ・マックィーン主演「華麗なる賭け」(68)の主題歌“風のささやき”が大好き!歌っていたのは、ノエル・ハリソン。

最新作は「DISCO ディスコ」(08)。1932年生まれのルグランは、音楽界の巨匠ですね。「シェルブールの雨傘」のリバイバル公開で、もう一度、監督とルグランのコラボを楽しみましょう!
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ポール・ニューマン、最後の仕事

2008-12-23 21:13:15 | 映画
今年9月26日、大好きだったポール・ニューマンが亡くなりました。1925年1月26日オハイオ州生まれ、本名はポール・レオナルド・ニューマン。学生時代にはフットボールの選手として活躍、第2次世界大戦にも3年間従軍。除隊後、演劇へ進みます。

1952年、あのアクターズ・スタジオに入学。同期には、ジェームズ・ディーンやマーロン・ブランドがいました。映画デビューは、歴史劇「銀の盃」(54)。「傷だらけの栄光」(56)「熱いトタン屋根の猫」「左ききの拳銃」「長く熱い夜」(58)「栄光への脱出」(60)「ハスラー」(61)

「渇いた太陽」(62)「暴行」(63)「太陽の中の対決」(65)「引き裂かれたカーテン」(66)「暴力脱獄」(67)「レーサー」「明日に向って撃て!」(69)「ロイ・ビーン」(72)「スティング」(73)「タワーリング・インフェルノ」(74)など、この頃のニューマンは輝いていました。

58年に再婚したジョアン・ウッドワード主演の「レーチェル レーチェル」(68)で、監督デビュー。その後も、出演作・監督作が並びます。こうして見ると、生涯映画人として活躍した名優です。残念です。

そのニューマンの遺作は、ナレーションでした。「ミーアキャット」(08)。英国BBCが製作したドキュメンタリー映画「ディープ・ブルー」(03)や「アース」(07)に続く、驚異の映像が繰り広げられます。監督は、ジェームズ・ハニーボーン。

アフリカのカラハリ砂漠。250万平方kmという広大な大地で、体長わずか30cmのミーアキャット。ご存知ですか?ネコではなく、マングースだそう。長い尾を持つミーアキャットは、5~40頭ほどの群れを成して生活しています。

社会性が強く、子供への“教育”をすることで人間と似ているかも?特長として巣穴で暮らす彼らは、日光浴が日課。太陽の方を向いて立つ姿がよく知られていますね。獲物はな、なんとサソリ!他に昆虫類、植物の根など。

過酷な生存競争の砂漠で、天敵は猛獣やワシ、毒蛇など。この映画では、小さな小さなミーアキャットの家族愛、必死に生きる生命力を描いています。いったいどうやって撮影したのかと、思うくらい。撮影は、バリー・ブリットン。

ポール・ニューマンの最後の声と、ミーアキャットを見に行きましょう!
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ボンドの指は、どこに?

2008-12-21 19:21:33 | 映画
ジェームス・ボンド シリーズ第22弾!「007/慰めの報酬」(08)は、前作「007/カジノロワイヤル」(06)に続くブロンドのボンド、ダニエル・クレイグ主演です。待ってました!ご存知のように、この作品は1967年の同名作のリメイク。

ボンドが、殺しのライセンス“00(ダブル・オー)”を得るため試練、そして最初の任務を描いていました。この作品で、財務省から派遣されたヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)と出会ったボンド。しかし、愛するヴェスパーは殺されてしまいます。

「慰めの報酬」は、前作エンディングの1時間後から始まります。何者かの陰謀によって愛する人を奪われ、復讐を誓うボンド(クレイグ)。彼女を操っていたミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)を捕え、真実を追求するため尋問します。

そして彼の背後に、世界の有力者や諜報機関も絡む複雑で危険な巨大組織が存在することを知るのです。ブロスナンの後を継いだ、第6代ボンド役ダニエル・クレイグは当初、それまでのボンドたちとイメージが異なる…と危惧されていましたが、どうしてどうして。

鍛え抜かれたその体は、見事!それまでのフィルモグラフィーを見れば、演技の方も心配は無用。ファンです。特に「Jの悲劇」(04)は、お気に入り。M役で共演のジュディ・デンチは、彼の体に魅せられたと公言。うむ。

ところで、この作品の撮影中、クレイグは事故に遭っています。激しいアクションシーンがある映画で、あちこち怪我をするのは納得ですが、体の一部を失うとなれば話は別。

“007”シリーズの撮影スタジオとして有名な、パインウッド・スタジオ。ここでクレイグは指の一部が切れてしまったんだとか!撮影は一時中断。キャストもスタッフも全員で“それ”を捜索。しかし、見つからなかったそう。縫い付けようとしたんですね。

本人は“007の聖地、パインウッド”に自分の指の一部があることを、そんなに悲劇的に思っていない様子。でも映画の中で、ボンドの指はどうなっているのか…気になってしまいそう~。

監督は、「ネバーランド」(04)「主人公は僕だった」(06)「君のためなら千回でも」(07)のマーク・フォースター。アクション物初監督です。フィリックス役のジェフリー・ライトも出てます。やっぱり、007は大好き!
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マドンナ監督デビュー!

2008-12-20 20:32:36 | 映画
これまでも、数々の映画出演をしているマドンナ。1958年8月16日ミシガン州出身。ロック・シンガーとして歌手デビューし、その後「マドンナのスーザンを探して」(85)で、映画デビュー。85年、ショーン・ペンと結婚(89年離婚)、「上海サプライズ」(86)で共演しています。

その他の出演作には、「フーズ・ザット・ガール」(87)「ディック・トレイシー」(90)「プリティ・リーグ」「ウディ・アレンの影と霧」(92)「フォー・ルームス」(95)「ソードフィッシュ」(01)「スウェプト・アウェイ」(02)など。大ヒットミュージカルの映画化、「エビータ」(96)は、私のお気に入り。

主題歌を提供している作品には、「きっと忘れない」(94)「007/ダイ・アナザー・デイ」(02)などが。そしていよいよ監督に進出!「ワンダーラスト」(08)です。監督の他にも、製作総指揮と脚本も担当。やっぱり才能あるなぁ~。今回は、出演はしていません。

主人公は3人。ウクライナ移民のAK(ユージン・ハッツ)は、ミュージシャンとして成功することを夢見ています。ホリー(ホリー・ウェストン)は、舞台で踊ることを夢見るバレリーナ。ジュリエット(ヴィッキー・マクルーア)は、貧しいアフリカの子供たちを救いたいと願っています。

ロンドンの片隅に生きる3人ですが、夢と現実は大違い。生きるために、本来の希望とは違う仕事をしなくてならない…。映画は、若者たちの成功への渇望や家族との確執、多民族問題や貧困問題といったテーマを描いています。

それはマドンナ自身を投影させた物語。ふむ、そうなんだ。ところで主役のAKを演じるユージン・ハッツは、1972年ウクライナのキエフ生まれ。父親はウクライナ初のロックバンドのギタリスト、母親はタップダンサーでシンガーだったそうです。

14歳の時、チェルノブイリ原発事故で祖国を離れ、難民キャンプを転々とする生活に…。1993年、家族とアメリカへ移住。そして映画初出演が、イライジャ・ウッド主演「僕の大事なコレクション」(05)。あのへんてこな英語を話す、ウクライナの通訳兼ガイド役アレックス!

他に、アフリカのスワジランド出身のリチャード・E・グラント(後にイギリスに移住)や、インド人とイラン人の両親を持つイギリス人のインダー・マノチャらが共演。マドンナが描く青春映画、興味あります。
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テトゥに会いたい…

2008-12-19 20:44:20 | 映画
フランス人のリュック・ジャケ監督は、いつも自然に目を向けています。映画デビュー作の「ペンギン物語」(02未)に続く、「皇帝ペンギン」(05)ではアカデミー賞ドキュメンタリー長編賞を受賞。極寒の地、南極。厳しい環境の中、皇帝ペンギンの生態を描いたドキュメンタリーでした。

タマゴを産んだ母親は、そのタマゴを父親に預け、エサを探しに海へと向かいます。一方タマゴを抱えた父親は、吹き荒れるブリザードやマイナス40度の寒さに耐え、120日間断食して母親を待つのでした。

単なるドキュメンタリーではなく、ナレーションを挿入してペンギンの心情を観客に伝えます。ドラマチック!また、声の出演にはロマーヌ・ボーランジェやシャルル・ベルリング、ジュール・シトリュクと、有名スターをキャスティング。

その後、アニメの「ハッピー フィート」(06)も公開され、大ヒットしました。アニメ「マダガスカル」(05)にも、ペンギンズなんてキャラクターもいましたね。

そのジャケ監督の最新作、「きつねと私の12か月」(07)が公開です。今度はきつねが主役ですが、ドキュメンタリーではなく、ちゃんとドラマ仕立てになっています。主人公は、笑顔がステキな少女リラ(ベルティーユ・ノエル=ブリュノー)。

ある秋の日、学校の帰り道、リラは山道で1匹のきつねに出会います。柔らかそうなとび色の毛皮を着て、つぶらな瞳でリラを見つめる美しいきつね。彼女は一目で恋に落ちます。しかし、きつねはすぐに逃げてしまいました。

リラはそのきつねに“テトゥ”と名前を付け、翌日からきつねに会うために毎日森へ通うのでした。警戒心の強い野生のきつねに、心を通わせるリラ。やがて冬が来て、春が来て…。

きつねのテトゥは冬の間に子供を産み、母になっていました。やがて夏休み。そして秋…。1年12か月の間に起きた、きつねとリラの物語。物語の原案は、モンブランを望む山岳地帯に育ったジャケ監督自身が、少年時代に体験した出来事がベースとか。

動物に魅せられた監督が、現在に至るきっかけになったエピソードを演じるベルティーユの可愛らしさと言ったら!1996年生まれ。ナレーションと現在のリラを演じるのは、イザベル・カレ。ジャケ監督が思いを込めた長編映画をぜひ!
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