人間だって、動物です。

フィリップ・リドリー監督「柔らかい殻」（９０）の日本公開は、１９９２年。デジタルリマスター版が公開されるのをきっかけに…

当時、タイトルの意味は人間のことなんだろうな～と思ったのを思い出します。人間の殻は皮膚。スッと紙で切れるほど。硬い殻で覆われた虫や…

動物とは違います。フランスのアカデミー賞にあたる、第４９回セザール賞に最多１２部門ノミネートされた話題作、トマ・カイエ監督「動物界」（２３）が公開。

作品賞、監督賞、主演男優賞、有望若手男優賞、脚本賞、・音楽賞、・撮影賞、・音響賞、編集賞、・視覚効果賞、美術賞、・衣装デザイン賞。（・は受賞）

カイエ監督は、本作の脚本も担当。近未来のフランス。原因不明の突然変異によって、人間の身体が徐々に動物と化していく奇病が蔓延していました。

さまざまな種類の“新生物”は、凶暴性を持つため施設で隔離されていました。その中にフランソワ（ロマン・デュリス）の妻ラナもいました。

ある日、新生物たちの移送中に事故が発生。４０人以上の患者が失踪してしまいます。フランソワと１６歳の息子エミール（ポール・キルシェ）は…

行方不明となったラナを必死に捜すのですが、次第にエミールの身体に変化が…。人間と新生物の分断が激化する中、フランソワとエミール親子が…

下した最後の決断とは、果たして？それにしてもポスターは、怖い。劇中、カメレオン、鳥、タコ、センザンコウ、クマなどに変化する人類は…

人の形でないことで、恐怖を呼び起こすのです。異形の監督、デヴィッド・クローネンバーグのファンは大好きな映画かも。人間も所詮動物。

カディルの望みは、水道管

インド映画の公開が続いて、ホントうれしい。映画祭でしか見れなったインド映画が、劇場公開されています。昔で言えば、ロードショーです。

かつても大きな劇場での公開と、２番館、３番館での公開、また単館ロードショーと言われるミニシアターでの公開など、様々でした。

１９９８年に渋谷のシネマライズで単館ロードショー、大ヒットロングラン上映のK・S・ラヴィクマール監督、ラジニカーント主演のタミル語映画…

「ムトゥ 踊るマハラジャ」（９４）から３０年。ファンにはまだまだ足りないのでもっと公開して下さい。１９７４年６月２２日南インドの…

タミル・ナードゥ州マドラス出身のヴィジャイ。１０歳で子役デビュー、今ではタラパティ（大将）と呼ばれる人気スターです。日本では…

ローケーシュ・カナガラージ監督「マスター 先生が来る！」（２１）が公開済。うれしいのはラジニカーント主演「ダルバール 復讐人」（２０）の…

Ａ・Ｒ・ムルガダース監督「カッティ 刃物と水道管」（１４）が公開されることに！「サルカール １票の革命」（１８未）も２人のコラボ作。

コルカタの刑務所から脱獄したのは、カッティ（刃物）と呼ばれる詐欺師のカディル（ヴィジャイ）。海外へ逃亡を企てますが、空港で出会った…

アンキタ（サマンタ）に一目惚れ。出国を止めたカディルは、その夜、自分と瓜２つのジーヴァと出会います。彼を身代わりにするカッティ。

ところがジーヴァのある取り組みを知り、次第に心に変化が…。果たして？プラバース主演「サーホー」（１９）のニール・ニティン・ムケーシュ共演。見ます！

テディベアには注意しましょう！

プロデューサーのジェイソン・ブラムが、２０００年に設立したブラムハウス・プロダクションズ。今さらですが、数多くのヒット作を製作しています。

最近では、キース・トーマス監督「炎の少女チャーリー」（２２）、デヴィッド・ゴードン・グリーン監督「ハロウィン THE END」（２２）と…

「エクソシスト 信じる者」（２３）、パトリック・ウィルソン監督「インシディアス 赤い扉」（２３ＮＦ）、エマ・タミ監督「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」（２３）、

ブライス・マクガイア監督「ナイトスイム」（２４）などがあり、中でもジェラード・ジョンストーン監督「M3GAN／ミーガン」（２２）は大ヒット。

トム・ホランド監督の名作「チャイルド・プレイ」（８８）のチャッキーと違い、高性能ＡＩ搭載の人形ミーガンの無表情が、こ、怖いのです。

ジェイソン・ブラム製作最新作は子供の友だちテディベアが、怖いのです。「キック・アス／ジャスティス・フォーエバー」（１３）のジェフ・ワドロウ監督…

「イマジナリー」（２４）です。毎晩悪夢に悩まされている絵本作家のジェシカ（ディワンダ・ワイズ）は環境を変えるため、夫のマックス（トム・ペイン）、

継娘のテイラーとアリスを連れて、子供時代を過ごした家に引っ越して来ます。その家の地下室で古びたテディベアを見つけたアリスは…

チョンシーと名付けて可愛がります。初めはただの遊びと思っていた＜宝探しゲーム＞が、次第に不可解な現象と家族に異変が起きることに。

テディベアに秘められた衝撃の真実とは、果たして？マーク・ウォールバーグ主演「テッド」（１２）もだけど、テディベアには問題あり！？

本当は怖い、灰かぶり

大人になって読み返すと意外と怖いものおとぎ話。『桃太郎』や『さるかに合戦』 『かちかち山』 『浦島太郎』 『舌きり雀』など、復讐や裏切り、

残酷なシーンが。海外だと『赤ずきん』や『白雪姫』 『三匹の子豚』など。そこを映画にするならホラーでしょ！児童小説『クマのプーさん』が…

２０２２年アメリカで著作権保護期間が終了し、キャラクターが自由に。そこで登場したのが、原作のイギリスで誕生したリース・フレイク＝ウォーターフィールド監督…

「プー あくまのくまさん」（２３）と続編「プー２ あくまのくまさんとじゃあくななかまたち」（２３）。アメリカの童謡『メリーさんのひつじ』を映画化した…

ジェイソン・アーバー監督「メリーおばさんのひつじ」（２３）も登場。ウォーターフィールドが製作担当。『赤ずきん』や「白雪姫」は…

ドイツのグリム兄弟が編纂した『グリム童話集』にあり、『ヘンゼルとグレーテル』や『ブレーメンの音楽隊』も。そして『灰かぶり』があの『シンデレラ』。

冒頭の「プー」２作に俳優として出演している、ルイーザ・ウォーレン監督「シン・デレラ」（２４）が公開。タイトルは日本のあの映画を模してます。

継母と義理の姉たちからの虐待に苦しむシンデレラ（ケリー・ライアン・サンソン）。ある日、彼女の前に魔法使いのフェアリーゴッドマザーが現れ…

『舞踏会で王子様と踊りたい』というシンデレラの夢を叶えてくれます。ところが憧れの王子や継母たちは、舞踏会参加者たちの前でシンデレラを…

辱め笑い者に。復讐に目覚めたシンデレラは、ガラスの靴を武器に邪悪な人間たちを次々と血祭りにあげていきます！果たして？それより次は何？

ポジティブ変化するファーストレディ

ジャック・ドゥミ監督「シェルブールの雨傘」（６４）と「ロシュフォールの恋人たち」（６７）。フランスのミュージカル映画として有名な作品。

音楽はミシェル・ルグラン、主演はカトリーヌ・ドヌーヴ。「ロシュフォールの恋人たち」では、実姉のフランソワーズ・ドルレアックが出演。

他にもジーン・ケリー、ジョージ・チャキリス、ジャック・ペランも出演。しかし、ドルレアックは６７年６月交通事故で亡くなります。２５歳でした。

それ以降のカトリーヌ・ドヌーヴはフランスを代表する女優となり、今も現役で活躍中。１９４３年１０月２２日パリ出身ですから、現在８０歳。

かつてはアメリカ映画以外は見てなくて。今は違います、フランス映画。「しあわせの雨傘」（１０）、「神様メール」（１５）、「太陽のめざめ」（１５）、

「ルージュの手紙」（１７）、「ハッピー・バースデー 家族のいる時間」（１９）、「アンティークの祝祭」（１９）、「愛する人に伝える言葉」（２１）など。

最新作はレア・ドムナック監督「ベルナデット 最強のファーストレディ」（２３）。夫ジャック・シラク（ミシェル・ヴュイエルモーズ）を…

大統領にするため、影で働いてきたベルナデット（カトリーヌ・ドヌーヴ）。ようやく大統領府エリゼ宮に辿り着いたものの、夫や側近…

広報アシスタントを務める娘のクロード（サラ・ジロドー）からは、時代遅れだ、メディアに向いていない…と突き放されてしまいます。

そんな彼女のために派遣されたのは、宮殿の職員ベルナール・ニケ（ドゥニ・ポダリデス）。果たして、ベルナデットの変身とは？見ましょ。

ナンニ・モレッティの完璧な監督

ナンニ・モレッティは、１９５３年８月１９日イタリアのワインで知られるブルゴーニュ出身。映画監督、脚本家で俳優。俳優としては…

「青春のくずや～おはらい」（７８）、「監督ミケーレの黄金の夢」（８１）、「僕のビアンカ」（８４）、「ジュリオの当惑（とまどい）」（８５）、

「赤いシュート」（８９）、「親愛なる日記 」（９３）、「ナンニ・モレッティのエイプリル」（９８）、「息子の部屋」（０１）、「母よ、」（１５）、

「３つの鍵」（２１）と、自身の監督作に主演＆出演。全部は見ていないけど、コメディが多いかなという印象。最新作はローマ郊外にある映画撮影所で…

有名なチネチッタを舞台にした監督作「チネチッタで会いましょう」（２３）。脚本、製作も担当。本作でも映画監督役を楽しそうに演じています。

映画監督ジャンニ（ナンニ・モレッティ）はこれまでの４０年間、順調なキャリアを積み、完璧な人生！と思っていました。妻（バルボラ・ボブローヴァ）は…

映画のプロデューサーとして彼を支えていました。チネチッタ撮影所での新作撮影を控え、アイデアいっぱいの監督でしたが、いざ撮影が始まると…

女優のカサヴェテス（マルゲリータ・ブイ）は演出に口出しし、政治映画なのにラブストーリーだと言い出す始末。娘のボーイフレンドは…

自分ほどの年齢。さらには妻から突然の別れを告げられ、プロデューサーの１人が詐欺師と分かり資金が枯渇。撮影は止まってしまいます。果たして？

１月公開のウディ・アレン監督「サン・セバスチャンへ、ようこそ」（２０）もドタバタコメデイでした。マチュー・アマルリック共演。

夢はロイヤル・バレエ団のプリンシパル

イギリスのシンガー・ソングライター、エルトン・ジョンが作曲し、プロデュースしたミュージカル「ビリー・エリオット ザ・ミュージカル」（０５）。

日本での公演もあり、ご存知かも。元は映画「リトル・ダンサー」（００）で、監督のスティーヴン・ダルドリーは舞台演出家で、長編初監督作品です。

「めぐりあう時間たち」（０２）、「愛を読むひと」（０８）、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」（１１）、ブラジルのリオを舞台に…

リオ郊外のゴミ山で暮らす３人の少年たちを描いた「トラッシュ！ この街が輝く日まで」（１４）があり、その後はイギリスの伝記ＴＶドラマ…

「ザ・クラウン」（１６～２３）の製作総指揮を担当。劇場映画はご無沙汰。監督の代表作「リトル・ダンサー デジタルリマスター版」がリバイバルされます。

１９８４年、イングランド北東部の炭鉱町ダラム。母を亡くした１１歳の少年ビリー・エリオット（ジェイミー・ベル）は、炭鉱労働者の父（ゲイリー・ルイス）に…

命じられ、ボクシング教室に通わされています。ある日、偶然目にしたバレエ教室のレッスンに興味を抱いたビリーは、女の子たちに混じって…

レッスンに参加。サンドラ・ウィルキンソン（ジュリー・ウォルターズ）先生は、ビリーにダンサーとしての才能を見いだします。めきめき上達するビリー。

本作でデビューしたジェイミー・ベル。個性的な演技派俳優が共演。成長した２５歳のビリーをバレエダンサーのアダム・クーパーが演じています。

高級ホテル、黒スーツ、イ・ビョンホン

韓国の俳優イ・ビョンホンがモデルや歌手、ＴＶ、映画で人気俳優なのはよ～く知っていましたが、映画はパク・チャヌク監督「ＪＳＡ」（００）が初見。

ソン・ガンホ主演で、イ・ヨンエ、キム・テウ、シン・ハギュン共演。１９７０年７月１２日生まれのイ・ビョンホンは、兵役を終えた後の出演作で…

若々しく、とってもスマート。人気がよくわかりました。ソン・ガンホとの「グッド・バッド・ウィアード」（０８）、「密偵」（１６）、「非常宣言」（２２）の他…

「悪魔を見た」（１０）、「王になった男」（１２）、「メモリーズ 追憶の剣」（１５）、「天命の城」（１７）、「白頭山大噴火」（１９）、「ＫＣＩＡ 南山の部長たち」（２０）、

「コンクリート・ユートピア」（２３）を見てます。ハリウッド映画にも出演。未見作もいっぱいありますが、代表作の１本がリバイバル公開されます。

キム・ジウン監督「甘い人生 ４Kレストア版」（０５）です。監督はソン・ガンホの「クワイエット・ファミリー」（９８）、「反則王」（００）、

「グッド・バッド・ウィアード」、「密偵」、イ・ビョンホンの「悪魔を見た」も。ホラー映画「箪笥＜たんす＞」（０３）は特に有名。

高級ホテルの総マネージャー、ソヌ（イ・ビョンホン）は、裏社会で絶大な力を持つカン（キム・ヨンチョル）から絶大な信頼を得ていました。

カンは愛人のヒス（シン・ミナ）に男がいると疑い、ソヌに監視を頼みます。もし裏切りを見つけた場合は、彼女を殺すか、カンに報告を命じます。

人を愛したことのないソヌは、果たして？イ・ビョンホン、３５歳のクールなクールな黒スーツ姿は、ジョン・ウィックみたい。

ヴェノム、いよいよ終わり？

トム・ハーディは好きな俳優の１人。１９７７年９月１５日ロンドン出身でデビュー作は、リドリー・スコット監督「ブラックホーク・ダウン」（０１）。

米英合作のＴＶミニシリーズ「バンド・オブ・ブラザース」（０１）にも出演。全１０話でダミアン・ルイスを始め、多くの若手・中堅俳優が出演。

ＤＶＤ持っているので、見直しましょう。その後「レイヤー・ケーキ」（０４）、「ロックンローラ」（０８）、「インセプション」（１０）、

「裏切りのサーカス」（１１）、「ダークナイト ライジング」（１２）、「チャイルド４４ 森に消えた子供たち」（１４）、「レヴェナント：蘇えりし者」（１５）、

「レジェンド 狂気の美学」（１５）、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」（１５）、「カポネ」（２０）などに出演。１番のお気に入りは…

ジョン・ヒルコート監督「欲望のバージニア」（１２）。禁酒法時代のバージニア州で実在のアウトロー３兄弟の物語。ハーディは次男のフォレスト役。

寡黙で武骨で短気で喧嘩に強い男は、ハーディにぴったり。以前からそんなイメージだったので、なおのこと気に入ってます。１７５ｃｍ、７５ｋｇ。

でもハリウッドでは、アメコミ映画に出演は必須？スパイダーマンの宿敵「ヴェノム」（１８）に出演した時は、『ハーディ、お前もか…』と。

「ヴェノム：レット・ゼア・ビー・カーネイジ」（２１）に続く３作目、ケリー・マーセル脚本、監督「ヴェノム：ザ・ラストダンス」（２４）が公開。

共演はキウェテル・イジョフォー、ジュノー・テンプル、リス・エヴァンス。トム・ハーディには、以前のような演技で勝負の作品に期待します。

黒人少女ネネと校長の秘密

フランスのパリにあるオペラ座は、イギリスのアンドリュー・ロイド・ウェバー作曲のミュージカル「オペラ座の怪人」の舞台となった有名な歌劇場。

巨大で美しいシャンデリアが落下するシーンや、オペラ座の地下にあるファントムの棲み処などが思い出されます。話を戻すとオペラ座には…

国立バレエ団もあります。世界最古の国立バレエ団だそう。付属のパリ・オペラ座バレエ学校もあり、２０１３年には創立３００周年を迎えました。

バレエ団に入るには、パリ・オペラ座バレエ学校に入学しなくてなりません。ラムジ・ベン・スリマン脚本、監督「ネネ エトワールに憧れて」（２２）は…

タイトル通り、エトワールを目指す少女の物語。パリ郊外の団地で生まれ育った労働者階級の１２歳の黒人少女ネネ（オウミ・ブルーニ・ガレル）は…

誰よりもダンスが好き。自宅近くや駅などでダンスを披露しては人々を魅了していました。バレエ学校の入学試験に見事合格を果たす、ネネ。

毎日時間をかけて髪をシニヨンにまとめ、熱心にレッスンに励むネネ。ダンサーの最高位『エトワール』を目指しますが、バレエは白人のものと…

考える元エトワールで校長のマリアンヌ（マイウェン）から、邪険に扱われるのでした。さらに同級生たちから嫌がらせも受けるように。

ネネはこのままバレエを続けるか悩みます。そんな最中、マリアンヌの隠された秘密を知るのです。果たして？オウミ・ブルーニ・ギャレルは…

俳優ルイ・ガレルとバレリア・ブルーニ・テデスキの養女だそう。マイウェンは「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」（２３）の主演、監督ですね。