だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

ウォーホルのミューズ

2008-02-27 21:45:48 | 映画
アンディ・ウォーホルは、1928年8月6日ペンシルヴェニア州ピッツバーグ生まれ。大学卒業後にNYへ移り、50年代に雑誌の広告やイラストレーターの道を進みます。60年代にはファインアートの世界に入り、1966年、33歳の時、キャンベル・スープの缶やドル紙幣をモチーフにした作品を生み出します。

1964年、NYに“ファクトリー”と呼ばれるスタジオを構え、ここでは作品作りはもちろんのこと、各方面の有名人のたまり場ともなっていました。その中には、作家のトルーマン・カポーティ、ミュージシャンのミック・ジャガー、ルー・リード、ボブ・ディランなどがいました。

70年~80年代には、個人のポートレートをシルクスクリーンで制作。1987年2月21日胆嚢手術を受け、翌22日急変し心臓発作で死去。意外と知らなかったウォーホルの人生。そんなウォーホルの関係する映画には、「アンディ・ウォーホルを撃った女」(96)が有名。

この映画は、リリ・テイラー扮するヴァレリー・ソラナスの実際にあったウォーホル狙撃事件を描いていました。メアリー・ハロン監督作品。ウォーホル役は、ジャレッド・ハリスでした。他にもジュリアン・シュナーベル監督の「バスキア」(96)では、ジャン=ミシェル・バスキア(ジェフリー・ライト)がウォーホル(デヴィッド・ボウイ)に認められるシーンが印象的でした。

そして、新作「ファクトリー・ガール」(06)は、前出のファクトリーに集うモデルのイーディ・セジウィックを中心に当時のNYポップカルチャーを描いています。。サンタバーバラの由緒ある名家セジウィック家の令嬢だったイーディ(シエナ・ミラー)は、ある日、人だかりの中でウォーホル(ガイ・ピアース)に見初められます。

ウォーホルは、イーディをファクトリーで撮影中の映画に出演させます。イーディの美しさは女優、モデルとして瞬く間に時代の“It’s Girl”となったのでした。しかし、ウォーホルと人気を分けるロック・スターのボブ・ディラン(ヘイデン・クリステンセン)と出会いによって、急速に運命が転落。イーディは71年28歳で亡くなります。

監督は、「ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録」(91)共同監督の1人、ジョージ・ヒッケンルーパー。共演者には、ジミー・ファロンやイレーナ・ダグラス、ミーナ・スヴァーリとこちらも個性的。ガイ・ピアースのウォーホル、気になります!
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紅茶でも飲みながら…

2008-02-24 18:02:10 | 映画
インド人俳優のイルファン・カーン。1987年ニューデリーの国立演劇学校を卒業し、「サラーム・ボンベイ」(88)で映画デビュー。TVドラマや映画で活躍後、ハリウッドに進出。「マイティ・ハート/愛と絆」(07)「その名にちなんで」(06)と公開作品が続きました。両作品で強い印象を残しましたが、特に「その名にちなんで」のアシュケ役は、お気に入り。

ウェス・アンダーソン監督の最新作「ダージリン急行」(07)は、3人の兄弟がインドを旅するロード・ムービー。その3人、さずがアンダーソン監督よくもこれだけ“変な”俳優を集めたもんだ!と感心しきり。長男フランシス・ホイットマンを演じるのは、昨年秋、自殺未遂で話題になったルークの兄オーウェン・ウィルソン。

次男ピーターを演じるのは、 「戦場のピアニスト」(02)でアカデミー賞主演男優賞を受賞した、エイドリアン・ブロディ。三男ジャックを演じるのは、タリア・シャイアの息子でコッポラ一族のジェイソン・シュワルツマン。うむ、つくづく“変な”顔だなぁ~。ユニーク。兄弟に見えるかも…。

父の死をきっかけに1年ぶりに再会した3人。フランシスの提案で3人は未知の世界、インドを旅することに…。インドを縦断する“ダージリン急行”。ジャドブールからジョイサルメールまで(ってどこ?)、タール砂漠を行く3人を待ち受けるものとは?インドというと、“生”と“死”が常にそこにある、とぉ~ってもスピリチュアルな国。

でも、ただのロードムービーのはずがない!だってウェス・アンダーソンだもん!主人公の他、イルファン・カーンもお見逃しなく!豪華な共演者は、母パトリシア役にアンジェリカ・ヒューストン。カメオ出演のビル・マーレイやナタリー・ポートマンも。おまけに、短編でプロローグの「ホテル・シュバリエ」(07)の上映付き。必見!
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オスカー、あげたい!

2008-02-23 20:45:48 | 映画
ハビエル・バルデム!1969年3月1日、スペインのカナリア諸島ラスパルマス出身の俳優。デビュー作は「ルルの時代」(90)。今まで意識したことはなかったのに、この予告編を見て、衝撃~!二枚目スターではないし、反対に個性が強すぎ~。でも、この監督に出会えて最高~!(って思ってるはず)

ジョエルとイーサンのコーエン兄弟の監督最新作、「ノーカントリー」(07)。原作は、コーマック・マッカーシー著『血と暴力の国』。脚本は当然、コーエン兄弟。「ブラッド・シンプル」(84)「ミラーズ・クロッシング」(90)「バートン・フィンク」(91)「ファーゴ」(96)「バーバー」(01)などに見られる、ノワール的な作品の復活!

いえ、さらに進化していると大評判。アカデミー賞の作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞、編集賞、撮影賞、録音賞、音響編集賞の最多8部門ノミネート!結果が楽しみです♪

80年代、メキシコ国境沿いのテキサス。ハンティングをしていたベトナム帰還兵のルウェリン・モス(ジョシュ・ブローリン)は、死体がいっぱいの銃撃戦後の現場に遭遇します。そこには大量のヘロインと200万ドルの現金が入ったスーツケースが残されていました。思わず、スーツケースを持ち逃げするモス。

そこからモスの人生は、大きく変わってしまいます。ひょんなことで自分の身元がばれ、冷酷非情な雇われ殺し屋アントン・シガー(ハビエル・バルデム)に追われることに…。シガーは、コイントス(コインを投げて、裏か表かを賭ける)で殺しを決める男。肺気腫患者が使う酸素ボンベを改造した武器(エアガン)を使う異様さ。

姿勢がよく、礼儀正しく、必要な言葉だけを話す…自分だけのルールを持ち、自分の体さえ殺人の道具と考える完璧さ。こんな殺し屋に追われるモスの行く末は?さらに、事件の捜査・追跡を担当することになった、エド・トム・ベル保安官(トミー・リー・ジョーンズ)。追われる者、追う者、さらに追う、法と正義を信じる男。

他に、もう1人の殺し屋カーソン・ウェルズにウディ・ハレルソン、モスの妻カーラ・ジーンにケリー・マクドナルド、保安官の妻ロレッタにテス・ハーパーが共演。まるで西部劇のようなこの作品。なんといっても史上最悪の死の運び屋と言われる、シガーに夢中!?ハビエル・バルデム、もう忘れません!
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加藤さんとカナダの芝居

2008-02-22 21:51:04 | 演劇
年に3回の上演を続けている、加藤健一事務所。2007年は、3月の「特急二十世紀」、6月の「モスクワからの退却」、10月の「コミック・ポテンシャル」(←再演のため今回は未見)。加藤さんの演劇に対する情熱は冷めず、芝居好きの役者が集まる“カンパニー”方式。稽古場リポートを見ると、一層楽しめます。

2008年の春は、「思い出のすきまに」(The Drawer Boy)です。戯曲は、カナダ出身のマイケル・ヒーリーの作品。新鋭作家のヒット作だそうです。楽しみですね!翻訳は、本多劇場でもよくお見かけする、小田島恒志氏。加藤健一事務所では、お馴染みです。演出は、こちらもお馴染みの鵜山仁氏。

カナダのオンタリオ州。農場に住むアンガス(加藤健一)は、記憶力に障害を持っていました。そんな彼と一緒に暮らしているモーガン(新井康弘)は、アンガスとは幼なじみ。ある夏の日、都会のトロントから演劇の取材のために、マイルズ(山本芳樹)という青年がやって来ます。

マイルズの目的は、アンガスとモーガンの暮らしぶりをリポートして、芝居の作品にすること。こうして、3人の共同生活がはじまるのでした…。

加藤さんの芝居は、まず本人が膨大な戯曲を読んで“自分が面白い” ”演じてみたい”と思う作品を探すんだそうです。今までたくさんの舞台を見てきましたが、本当に面白い!よくまぁこんな作品を見つけるものだと、感心しています。今回の作品も、おのずと期待してしまいます。

低価格で、上質の芝居を見せる加藤さんのファンです。いつまでも芝居を作り続けて欲しいです。いつまでも見に行きますので!
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プリンセス in NY

2008-02-21 21:39:12 | 映画
“セルフ・パロディ”って、元ネタを知っていると最高に楽しいですよね。みんなが知っているネタと、マニアにしか分からないネタと。私も思わず大笑いしたら、劇場でただ1人だったなんて経験も。他にも“カメオ出演”というのも、映画ファンならではのお楽しみ♪

ディズニー映画というと家族で楽しめるファミリー映画とか、さらには真面目でお堅いイメージがあります。でも、今度の作品を見たらびっくりするかも。なにしろ、映画は全~部“セルフ・パロディ”なんですもん!

魔法にかけられて」(07)が、それ。監督はアニメ「ターザン」(99)や、「101」(96)の続編「102」(00)のケヴィン・リマ。魔法の王国“アンダレーシア”に住むお姫さまジゼルは、運命の人との結婚に憧れていました。ある日、怪物に襲われたジゼルはエドワード王子に救われ、2人は恋に落ちます。(←毎度お決まり)

アニメやミュージカルでは、ここでデュエット♪2人は翌日(!)の結婚を約束します。しかし、王子の結婚に反対の継母ナレッサ女王は、結婚式に魔女を派遣。さぁ~、大変。ジゼルは井戸に突き落とされてしまいます!きゃ~ぁ~。絶体絶命!と思いきや、ジゼルがたどり着いたのは現代のNY。

真っ白ドレスにティアラのジゼル(エイミー・アダムス)は、リアルな大都会で大いに浮きまくり…。途方にくれていた彼女を助けたのは、バツイチ子持ちの弁護士ロバート(パトリック・デンプシー)。リアルな実写の世界でも、お姫さまキャラはそのまま。動物たちと話せるし、なにかとミュージカル化しちゃうし…。

その上、エドワード王子(ジェームズ・マースデン!「ヘアスプレー」(07)に続くミュージカル出演♪)や、魔法使いの女王(スーザン・サランドン)もNYにやって来ます。チップとデールも。おっと、火を噴くドラゴンもね。果たして、ジゼルは魔女の呪いを解いて元のアニメの世界に戻れるんでしょうか?

ブロードウェイ42番街は、かつてかなり危険な場所でした。NYあげての再開発により1997年4月2日に再開したニューアムステルダム劇場は、ディズニーミュージカルの拠点。11月『ライオンキング』でオープンし、2006年11月からは『メリー・ポピンズ』を上演中。ここも出てくるかな?

ディズニー映画の進化(?)を見届けなくっちゃ!楽しみ~♪
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クリスマスが待ち遠しい!

2008-02-19 20:57:16 | 映画
このブログでも何度か書きましたが、私は“トレッキー”です。オリジナルのTVシリーズ『宇宙大作戦』を、リアルタイムで見ているファンです。ロバート・ワイズ監督の「スタートレック」(79)が、劇場公開された80年夏。それをきっかけにオフィシャル・ファンクラブの“スターフリート東京”に入会。会員番号は2桁でした。

オリジナルTVシリーズの放映は、1966年~69年。現在、パラマウントでは“40周年記念特別サイト”を公開中。全シーズンの入ったコンプリートDVD-BOXも買いました。(いつか見るために…)そして私には、今はなき“スターフリート東京”からの大切な友人がおります。

私以上にカーク船長のファン。(私だって負けないもん!)というか2人とも、ウィリアム・シャトナーさんのファンなんですねぇ~♪当時のシャトナーさんは本当にハンサム。惚れ惚れ♪「ST」はどんどん進化を遂げていますが、やっぱりオリジナルが大好きな2人は、「TNG」も「DSN」も「VOYAGER」も「ENTERPRISE」も、『うむ』って感じ。

シャトナーさんは、映画やTVの他に作家としても活躍。早川文庫から出てます。

「ST」は永遠!と思っていたら、友人から新作映画の情報が来ました!今年のクリスマス公開の「STAR TREK」(原題/08)です。今までの映画版と違い、カークがエンタープライズ号のキャプテンになる前の話だそうです。若いカークを演じるのは、クリス・パイン。Mr.スポックは、ザカリー・クィント。

クルーのレナード・マッコイはカール・アーバン、スコット(スッコティ)はサイモン・ペッグ、ウフーラはゾーエ・サルダナ、スールーはジョン・チョー、パーヴェル・チェコフはアントン・イェルチン。クリストファー・パイクはブルース・グリーンウッド、サレクはベン・クロス。メジャーなとこでは、アマンダ・グレイソン役にウィノナ・ライダー、そして敵役ネロにエリック・バナが出演。

あっ、監督はTV「LOST」の製作総指揮、「M:i:Ⅲ」(06)のJ・J・エイブラムスです。サイトで見れるトレーラーでは、建設中のエンタープライズ号が見れます。もう、わくわく。早く見たい!!
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ケイン、ロウ、ブラナー!

2008-02-17 20:19:44 | 映画
イギリス人のピーター・シェイファー。戯曲家、脚本家として有名。映画化された作品には、「フォロー・ミー」(72)「エクウス」(77)「アマデウス」(84)などがあります。また、双子の兄弟アンソニー・シェイファーも、映画の脚本家として活躍。「フレンジー」「二人だけの白い雪」(72)「ウィッカーマン」(73/06のオリジナル)「ジャック・サマースビー」(93)など。

作品のおもしろさは、「ナイル殺人事件」(78)「地中海殺人事件」(82)「死海殺人事件」(88)と、アガサ・クリスティ作品のヒットにも現れています。さすがに兄弟の作品には、ミステリー、サスペンス、ドラマと共通点がありますね。アンソニー・シェイファーが書いた戯曲に、『スルース』があります。

ジョセフ・L・マンキウィッツ監督の「探偵<スルース>」(72)は、ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケイン主演の初映画化作品。初老の推理作家アンドリュー・ワイク(オリヴィエ)のロンドン郊外の邸宅。妻と不倫関係にある美容師マイロ(ケイン)を呼び出し、宝石を盗ませようとするのですが…。

この作品は、戯曲の素晴らしさと監督の手腕、主演2人の演技対決も素晴らしく、未見の方は必見!そしてまた、この「スルース」(07)が、再映画化されました!しかも今度の監督は、「魔笛」(06)に続く舞台劇の映画化に挑む、ケネス・ブラナー。さらに脚本を担当するのは、ハロルド・ピンター。うむ、豪華すぎる!

さらにさらに、アンドリュー・ワイクを演じるのはマイケル・ケイン。35年の年月が過ぎたのですねぇ~。時は現代。ベストセラー推理作家のワイクの邸宅は、監視カメラに守られたジョージア王朝の外観。しかし家の中はモダンなデザインで統一され、愛車はベンツの新車という具合。

そこへ現れたのが、失業中の俳優マイロ・ティンドル(ジュード・ロウ)。2人の関係は、“夫 VS 妻の愛人”。さぁ、これから2人の究極のゲーム、かけ引き、だまし合いがはじまるのです!私は映画もですが、劇団四季での公演を初演から何度か見ています。ストーリーは知っていても、見たくてたまりません!だまされた~い!
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オティリアの長い1日

2008-02-16 20:03:27 | 映画
ルーマニアと聞くと思い浮かぶのが、“ドラキュラ”。だって映画ファンなんですもん!しかし今日の映画は、ドラキュラ映画ではありません。第2次世界大戦後、ルーマニアはソ連軍によって共産国化し、さらにその後のニコラ・チャウシェスク大統領の下、独裁政権となりました。(1989年、革命により民主化)

2007年カンヌ国際映画祭“パルムドール(最高賞)”受賞となった映画、「4ヶ月、3週と2日」(07)は、そんな独裁政権末期の物語です。監督・製作・脚本は、クリスティアン・ムンジウ。はじめて聞く名前の監督ですが、2000年以降の30代の若い監督たちのことを、“ルーマニア・ニュー・ウェーブ”と呼んでいるそうです。

ムンジウ監督は、その中でも中心的な存在。ルーマニア映画の新しい波。「4ヶ月、3週と2日」もそんな作品です。1987年、ルーマニアの人々は自由が極端に制限されていました。大学生のオティリア(アナマリア・マリンカ)のルームメイト、ガビツァ(ローラ・ヴァシリウ)は妊娠していました。それも望まない妊娠。

この時代、中絶は違法。見つかれば重い罪に問われるのです。ガビツァから手助けを頼まれたオティリアは、自分を犠牲にしてでも彼女を助けようと決めるのです。手術当日、2人は朝から準備に忙しく動き回っていました。オティリアは費用の大金を恋人のアディ(アレクサンドル・ポトチェアン)から、借用。

宿泊を予定していたホテルに向かうと、予約が入っていないと言われ、別のホテルを探すはめに。さらには体調不良のガビツァの代わりに、約束の男ベべ(ヴラド・イヴァノフ)に会いに行くことになったり…。オティリアの必死の奮闘が続きます。

怪しく無愛想な男べべ。用意したお金も足りない…。いったいガビツァの中絶手術は、どうなるの?オティリアの取った行動とは?テーマは重く、気分も重い映画のようですが、リアルで緊張感あふれるタッチが高く評価され、パルムドールを受賞したこの作品。か弱いオティリアの行動に応援を送りましょう。

あっ、タイトルの日数はガビツァが中絶するまでの妊娠期間を示しています。
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二重スパイは、今

2008-02-15 22:26:28 | 映画
ミズーリ州カンザスシティー出身のクリス・クーパー。1951年7月9日生まれだから、今年57歳。渋い俳優ですね。出演作品は意外と多く、1980年代のTV出演後に「メイトワン-1920」(87)で映画デビュー。監督、脚本、製作、編集、俳優として活躍のジョン・セイルズ監督作品。炭鉱町の労使闘争を描いていました。

その後、「アメリカン・ビューティ」(99)でのフィッツ大佐役や、「アダプテーション」(02)での蘭の栽培家ジョン・ラロッシュ役など、印象的な脇役が光ります。「アダプテーション」の演技で、アカデミー賞助演男優賞を受賞。さまざまなジャンルの役をこなす演技派で、私もファンです。

最近は、「ボーン・アイデンティティー」(02)「ボーン・スプレマシー」(04)「シリアナ」(05)「キングダム/見えざる敵」(07)など、ポリティカル・アクションに多く出演。オスカー俳優の風格も手伝って、彼が出てると安心します。そんなクーパーの最新作が、「アメリカを売った男」(07)です。

監督は、「ボルケーノ」(97)「ジャスティス」(02)「フライトプラン」(05)の脚本家で、「ニュースの天才」(03)で監督デビューしたビリー・レイ。この作品ではもちろん脚本も担当。実際に起きた政治雑誌の捏造事件を映画化。主役を演じたヘイデン・クリステンセンも高い評価を受けました。

“アメリカを売った男”とは、2001年2月18日、二重スパイとして逮捕されたFBI捜査官ロバート・ハンセンのこと。TVで報道されたのを覚えています。『ええっ、二重スパイなんてまだいるんだぁ~』と、冷戦時代との時差ぼけ発言をした私でした。ハンセンは20年以上に渡って、アメリカの国家機密をソ連のKGBに売っていたのです。

若きFBI捜査官エリック・オニール(ライアン・フィリップ)は、上司のケイト・バロウズ(ローラ・リニー)に呼び出されます。オニールに与えられた任務、それはFBI内でもNO.1と言われるロバート・ハンセン捜査官(クーパー)を調べること。ハンセン逮捕までの2ヶ月間を描いたこの作品は、クーパー対フィリップの演技対決を見れそう。

共演者は、デニス・ヘイスバート、ゲイリー・コール、キャスリーン・クインラン、ブルース・デイヴィソン。ハンセンの売った情報によって、殺された米側の人間50名以上とか。現在、彼はコロラド州連邦刑務所に収容。これは見応えがありそう!必見です。
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8回狙撃された大統領

2008-02-13 22:45:15 | 映画
黒澤明監督の「羅生門」(50)。原作は芥川龍之介の『藪の中』です。平安時代の山中、金持ちの侍夫婦が山賊に襲われます。侍は死体となり、妻の姿は消えていました。後に事件は、検非違使によって調べられることになります。目撃者、旅の法師、捕えられた盗賊、侍の妻、さらには巫女に呼び出された死んだ侍までが、証言をすることになります。

しかし彼らの証言は、みな食い違うのでした…。この映画は“ヴェネチア国際映画祭”でグランプリを受賞した、監督の代表作の1本です。ご覧になった方も多いかも。私もレンタルビデオで見ました。大昔。こうした1つの事件を違う角度から表現する映画は、その後、世界中でたくさん作られました。

私もこのスタイルの映画が大好き!「バンテージポイント」(08)も、そんなスタイルの映画です。監督はピート・トラヴィス。シークレットサービスのトーマス・バーンズ(デニス・クエイド)は、今日も米大統領の警護に当たっていました。そこは、スペインのサマランカで開催のテロ撲滅国際サミットの場。

広場で大観衆を前に、挨拶をしようとするアシュトン大統領(ウィリアム・ハート)。その時、1発の銃声が!何者かに狙撃され、倒れこむ大統領。パニック状態の中、何人かの人間が事件を目撃!自らの過去のトラウマから立ち直ったばかりのバーンズは、暗殺の真相を追求するのでした。

それぞれの場所から目撃したのは、8人。バーンズの同僚のテイラー(TV「LOST」ジャック役のマシュー・フォックス)、ビデオカメラを回していた旅行者のハワード(フォレスト・ウィッテカー)、ライブ中継していたTVニュース番組プロデューサー・レックス(シガーニー・ウィーヴァー)など。当然、彼らの目撃談は異なるのです。

“バンテージ・ポイント”とは、有利な地点/見晴らしの利く地点という意味の他にも、目撃者それぞれの視点を意味します。映画の観客の視点も同じ。私たちもスクリーンに釘づけになりそうですね。「ユージュアル・サスペクツ」(95)や「メメント」(00)がお好きな人は、ぜひ。
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