死者の声、聞きます。

ウォルト・ディズニー・アニメーションの「シュガー・ラッシュ」（１２）は、お菓子の世界で繰り広げられるレースゲームが舞台。もちろんお話のメインは、ゲームマシンの中のキャラクターたち。

「シュガー・ラッシュ」はちょっと甘いかなぁ～と感じる向きには、こちらのアニメがお勧め！サム・フェル監督、クリス・バトラー脚本、監督の「パラノーマン ブライスホローの謎」（１２）です。

製作会社は、アメリカの“ライカ・エンターテインメント”による３Ｄストップモーション・アニメーション・コメディ・ホラー映画。長いな。なんでもキャラクターの顔を作成するのは、３Ｄカラープリンタ！

世界初のストップモーション・アニメなんです。それだけでも期待しちゃうのに、本年度アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネート。そして予告編で見ると、ティム・バートン好みのダーク・ファンタジー。

（ちなみにバートン氏は本作と関係ありません、念のため）３００年前に魔女狩りが行われていたという、ブライス・ホローの町。ノーマン（声：コディ・スミット＝マクフィー）は、１１歳の小学生。

ホラー映画や悪霊伝説が大好きなノーマンは、実は死者と話すことができたのです。しかしその能力のせいで変人扱いされ、家族関係は悪化、学校では毎日いじめを受けていました。

ある日、疎遠になっていたプレンダーガストおじさん（声：ジョン・グッドマン）と再会し、衝撃の事実を聞かされます！それは、封印された魔女の魂が悪霊を呼び出し、町を滅ぼそうとしていると…。

さらに災厄を抑えて来たのは、死者と話すことができる人。おじさんは発作を起こし、ノーマンに役目を引き継ぎ亡くなってしまいます。町を守る決心をするノーマン。果たして、魔女の秘密とは？

アニメのお楽しみ、声の出演は…クラスメイトのニールはタッカー・アルブリジー。姉コートニーはアナ・ケンドリック。兄ミッチはケイシー・アフレック。ママのサンドラはレスリー・マン。

いじめっ子アルヴィンは、「キック・アス」（１０）のクリストファー・ミンツ＝プラッセ。コディ・スミット＝マクフィーは、「ザ・ロード」（０９）「モールス」（１０）に主演。こちらも楽しみ。

オスカー発表と、盲目の暗殺者

第８５回アカデミー賞が発表されました。もうご存知ですよね。監督賞にノミネートされなかった作品が作品賞を受賞し、各部門賞もバラバラ。主要６部門で複数受賞がないのも、第７８回以来７年ぶりとか。

ではその結果は…作品賞：「アルゴ」、監督賞：アン・リー「ライフ・オブ・パイ」、主演男優賞：ダニエル・デイ=ルイス「リンカーン」、主演女優賞：ジェニファー・ローレンス「世界にひとつのプレイブック」

助演男優賞：クリストフ・ヴァルツ「ジャンゴ 繋がれざる者」、助演女優賞：アン・ハサウェイ「レ・ミゼラブル」、外国語映画賞：「愛、アムール」、脚本賞：クエンティン・タランティーノ「ジャンゴ 繋がれざる者」

脚色賞：クリス・テリオ「アルゴ」、長編アニメ賞：「メリダとおそろしの森」、視覚効果賞・撮影賞・作曲賞：「ライフ・オブ・パイ」、歌曲賞：「スカイフォール」、編集賞：「アルゴ」、衣装デザイン賞：『アンナ・カレーニナ』（１２）

そして美術賞：「リンカーン」など。う～む、バラバラですね。しかし「アルゴ」のベン・アフレックは、監督賞を逃して本当に残念。ゴールデン・グローブ賞で監督、作品賞を受賞しているから…

これから日本で上映される作品もありますが、昨年１０月２６日に公開された「アルゴ」は、３月１３日にＤＶＤ＆Ｂｌｕ－ｒａｙ 発売が決定。未見の方は、じっくり堪能してくださいね！

アカデミー賞とは関係がなかったですが、面白そうなフランス映画を。あのリュック・ベッソン製作、脚本で、監督はザヴィエ・パリュ。ジェシカ・アルバ主演のアメリカ映画「アイズ」（０８）の監督。

「アイズ」も盲目のバイオリニストのホラーサスペンスでしたが、最新作の「ブラインドマン その調律は暗殺の調べ」（１２）も、盲目の暗殺者が主人公。うむ、リュック・ベッソンが好きそう～。

パリの高級マンションで殺害された若い女性。捜査を指揮するのは、妻を亡くしたベテラン刑事ラサール（ジャック・ガンブラン）。そして被害者の元恋人が、捜査線上に浮かびます。

ラサールが目をつけたのは、前日に来ていたピアノ調律師ナルヴィク（ランベール・ウィルソン）。侵入の形跡もなく、目撃者もいない…。果たして、盲目の男に完全犯罪はできるのか？気になります。

お菓子の世界で、ヒーローになろう！

春になると、アニメ映画が続々と公開されます。春休みがあるからでしょうね。日本映画界もそうですが、洋画のアニメもこのシーズンに公開されるんです。アニメ映画の製作会社は、たくさんあります。

ピクサー（０６年５月よりウォルト・ディズニー・カンパニーの子会社に）、ドリーム・ワークス・アニメーション（ＳＫＧとは、創業者スピルバーグ、ジェフリー・カッツェンバーグ、デヴィッド・ゲフィンのこと）

ソニー・ピクチャーズ・アニメーション、そしてウォルト・ディズニー・アニメーションも。ディズニー・アニメというと、「白雪姫」（３７）「ファンタジア」（４０）「シンデレラ」（５０）「ピーター・パン」（５３）

「わんわん物語」（５５）「眠れる森の美女」（５９）「１０１匹わんちゃん」（６０）などを思い出しますが、近年は「チキン・リトル」（０５）「ボルト」（０８）「塔の上のラプンツェル」（１０）などもそう。

最新作は、「シュガー・ラッシュ」（１２）。「塔の上のラプンツェル」で初３Ｄ作品となったディズニー・アニメですが、本作も３Ｄ上映と２Ｄ上映に。めんどうくさいな、アニメなんだから平面でいいのに。

それにしてもアニメ映画の表現技術は、どんどん進化していますね。プリンセスのブロンドの髪は美しく揺れ、リトルやボルトの毛並みはＣＧとは思えない！ストーリーよりもそっちに目が行きます。

「シュガー・ラッシュ」の舞台は、大人気のゲームの世界。ここはゲームセンター。子供たちを楽しませているキャラクターたちは、営業時間が終わるとコンセントを介して他のゲームマシンと行ったり来たり。

そう、キャラクターたちは意思を持ち、交流していたのです。悪役のラルフ（声：ジョン・Ｃ・ライリー）は、主人公フェリックス（声：ジャック・マクブレイヤー）ばかり人気があって、不満いっぱい。

ゲーム稼働３０周年記念パーティに呼ばれなかったラルフは、自分もヒーローになる！とゲームを脱出！ところがひょんなことで、レースゲーム“シュガー・ラッシュ”に入り込んでしまいます。

お菓子の世界で出会った少女ヴァネロペ（声：サラ・シルバーマン）とラルフは？それにラルフのゲームマシンの運命は？監督はリッチ・ムーア、製作総指揮はもちろんジョン・ラセターです。はい。

クローネンバーグのロブさま

カナダ、トロント出身の映画監督デヴィッド・クローネンバーグの作品には、ＳＦやホラー、サスペンスなどが多いのは、ファンならよくご存じ。それから主演の男優が素晴らしいんです！ホント。

「デッドゾーン」（８３）では、クリストファー・ウォーケン。「ザ・フライ」（８６）では、ジェフ・ゴールドブラム。「戦慄の絆」（８８）では、ジェレミー・アイアンズ。「裸のランチ」（９１）では、ピーター・ウェラー。

「エム・バタフライ」（９３）では、ジェレミー・アイアンズとジョン・ローンの２人。「クラッシュ」（９６）では、ジェームズ・スペイダー。「イグジステンズ」（９９）では、ジュード・ロウ。

「スパイダー／少年は蜘蛛にキスをする」（０２）では、レイフ・ファインズ。「ヒストリー・オブ・バイオレンス」（０５）と「イースタン・プロミス」（７０）では、ヴィゴ・モーテンセン。

そして「危険なメソッド」（１１）では、ヴィゴとマイケル・ファスベンダーの２人。こうしてみると、個性的で美形で演技派が揃ってますねぇ～。どれが１番とは選べないほど…。

そして最新作では、なんと！ロブさまが主演！これは期待しちゃいます。クローネンバーグ脚本、監督「コズモポリス」（１２）は、ブロンクス出身ドン・デリーロの同名小説の映画化です。

投資家エリック・パッカー（ロバート・パティンソン）は、２８歳の大富豪。ニューヨークの街を白いリムジンで走り、巨万の富を動かす毎日。暗殺者の手が迫っていることにも気付かずに…。

富と女を貪る若き大富豪が自ら望んで破滅へと向かう物語と、人生の敗北者が彼を暗殺しようとする物語が交錯しながら描かれていきます。エリックの２４時間は、いったいどうなって行くのか？

共演者がまた素晴らしい！「陰謀の代償 Ｎ．Ｙ．コンフィデンシャル」（１０）のジュリエット・ビノシュ、「ロック・オブ・エイジズ」（１２）のポール・ジアマッティ、「ジョン・カーター」（１２）のサマンサ・モートン

「チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢」（１１）のマチュー・アマルリック。カンヌ国際映画祭パルム・ドールにノミネートされた本作。たった６日間で脚本化したクローネンバーグの最高作。

その声は、どこから？

ノルウェー映画というと…急には思い出せない。調べてみたらありました！１９７５年の人形アニメ「ピンチクリフ グランプリ」。有名です、未見ですが。他には「ホルテンさんのはじめての冒険」（０７）

「孤島の王」（１０）「クリスマスのその夜に」（１０）「ヘッドハンター」（１１）もそう。マリウス・ホルスト監督「孤島の王」、見ました。１９００～７０年まで孤島バストイに実在した少年矯正施設。

そこで１９１５年、実際に起こった少年たちの大規模な反乱事件を描いています。見応えあり。そしてノルウェー、オスロ出身ポール・シュレットアウネ監督の最新作が「チャイルドコール 呼声」（１１）。

監督の作品には、「ジャンク・メール」（９６）「隣人 ネクストドア」（０５）などがあります。脚本も書いています。本作の主演は、オリジナル「ミレニアム」３部作（０９）の主役ノオミ・ラパス。

他にガイ・リッチー監督「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム」（１１）やリドリー・スコット監督「プロメテウス」（１２）と、注目の女優。１９７９年１２月２８日生まれの３３歳。

ノルウェー、オスロ。夫の暴力から逃れるため、アンナ（ノオミ・ラパス）と８歳の息子アンデッシュは、保護監視プログラムによって郊外のアパートに引っ越して来ます。それでも不安に駆られるアンナ。

息子が寝ている間でも、安全であるか確認できる“チャイルドコール”という監視用音声モニターを寝室に置くことにします。ある晩、突然子供の悲鳴が聞こえ、寝室に行くと何事もなく寝ていたのです。

電気店でモニターが混線を起こすことを知ったアンナは、アパートの他の部屋の音かと疑い始めます。隣人の子供の殺人のイメージ、そして元夫の子供虐待の記憶…。混乱する、アンナ。

そんなある日、息子の小学校に父親がやって来たことを知らされます。リスベット・サランデルとは違う、ブロンドで母親役のラパス。その演技に期待します。リスベット以来のファンです。

シュレットアウネ監督の「隣人 ネクストドア」は、同時期レイトショー公開が決定。レイトショーはムリだけど、両方見たい！「チャイルドコール」は劇場で、「隣人」はソフトで。楽しみ。

ギアさまの最高作！

ギアさま、本当にステキ！ミルトン・カトセラス監督「ニューヨーク麻薬捜査線」（７５未）で、映画デビュー。リチャード・ブルックス監督「ミスター・グッドバーを探して」（７７）で、スクリーンに登場。

テレンス・マリック監督「天国の日々」（７８）から注目され、テイラー・ハックフォード監督「愛と青春の旅だち」（８２）で、誰もがファンになりました。「プリティ・ウーマン」（９０）の頃は、まだ黒髪。

９０年代後半になるとすっかりグレイヘアになり、「真実の行方」（９６）や「北京のふたり」（９７）「プリティ・ブライド」（９９）では、ますますステキなロマンスグレイ（死語？）なおじさまに。

今ではグレイヘアのギアさましか、思い浮かばない！１９４９年８月３１日ペンシルヴェニア州フィラデルフィア出身だから、今年６４歳になるギアさまですが、まだアカデミー賞のノミネートはなし。

過去の受賞歴は、ロブ・マーシャル監督「シカゴ」（０２）でゴールデン・グローブ賞主演男優賞受賞。以外にもミュージカルで。デビュー前、ブロードウェイの舞台「グリース」などに出ていたんですね。

本年度ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門主演男優賞にノミネートされたのが、「キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け」（１２）です。ちなみに受賞者は、「リンカーン」のダニエル・デイ＝ルイス。

ニューヨークのマンハッタンに住むロバート・ミラー（リチャード・ギア）は、ヘッジファンドのビジネスで成功した大物。しかし、ロシアへの投資に失敗し、巨額の損失を抱えてしまったのです。

６０歳の誕生日を家族と祝った後、彼が出かけたのは愛人ジュリー（レティシア・カスタ）の家。そんなロバートが損失を隠蔽するため、緊急に調達した４億１２００万ドルは、返済期日を過ぎていました。

友人ジェフリーの返済期日は金曜日。深夜、眠れないロバートは、家を抜け出しジュリーの家へ。２人で別荘へと車を走らせます。その時、事故は起きてしまうのです。ジュリーは即死、車は爆発炎上。

果たして、ロバートは？妻エレン役は、スーザン・サランドン。事件を担当する刑事ブライヤーに、ティム・ロス。脚本、監督は、本作が初監督のニコラス・ジャレッキー。どん底のギアさまもステキ！

木登りはお好き？

２００９年５月に発売された、ＤＶＤ－ＢＯＸ“フェアリー・テール・シアター”。１９８２～８７年まで、アメリカ“Ｓｈｏｗｔｉｍｅ Ｎｅｔｗｏｒｋｓ”で放送されたＴＶシリーズ。ご存じですか？どこかで聞いたかも。

ＤＶＤ－ＢＯＸは、６枚のディスクに１２話が収められています。監督には、ティム・バートンやフランシス・フォード・コッポラ、エリック・アイドルの名が。すごい。データによると全２６話あるとか。

「赤ずきんちゃん」「おやゆび姫」「白雪姫と七人の小人」「カエルの王子さま」「アラジンと魔法のランプ」「３びきの子豚」「シンデレラ」「長靴をはいた猫」「人魚姫」「眠れる森の美女」「ピノキオ」

「はだかの王様」「ハルメン笛吹き」「美女と野獣」「ヘンゼルとグレーテル」「雪の女王」「ラップンゼル」「笑わぬ姫」など、みんなが知っている物語がいっぱい！そして「ジャックと豆の木」も。

ジャックは、母親に言われて市場に牝牛を売りに行きますが、途中で男と出会い、豆と牛を交換してしまいます。母親に怒られ、豆は庭に捨てられてしまうのですが、翌朝豆は巨木に成長！

ジャックは木に登り、雲の上の巨人の城に辿り着きます。巨人の寝ている間に、金の卵を産む鶏を奪って家に戻ります。ジャックは斧で木を切り、後を追う巨人は死んでしまいます。めでたし、めでたし。

ざっとこんな話ですが、ブライアン・シンガー監督が描くとこうなります。それが「ジャックと天空の巨人」（１３）。シンガーは、「ユージュアル・サスペクツ」（９５）「Ｘ-メン」（００）シリーズの監督です。

オリジナルでは、宝を手にしお金持ちになったジャックと母親が幸せに暮らしましたとさ…で終わるのですが、シンガー版は違います。追って来た巨人たちは地上に降りて来てしまうのです！

しかも、その数１００人。果たして、ジャックは？ジャック役は、ニコラス・ホルト。「シングルマン」（０９）の彼は美しかった…。で、他にユアン・マクレガー、エレノア・トムリンソン、スタンリー・トゥッチ

イアン・マクシェーン、ビル・ナイ。今回の作品は、今流行りの３Ｄ上映。巨大な豆の木を上り下りするシーン、追い迫る巨人たち。クラクラするから、通常版で見よっと。ところでＤＶＤ－ＢＯＸも見たい！

共和党のリンカーンと民主党支持のスピルバーグ

今年のアカデミー賞授賞式は、現地時間２月２４日ハリウッドのドルビー・シアターで開催されます。もうすぐ。映画ファンは、ノミネートされたお気に入りのスターや作品を見ながら、予想しているかも。

日本時間は、２５日月曜日になります。わくわく。作品賞だけ見ると、『愛、アムール』、「アルゴ」、『ハッシュパピー バスタブ島の少女』、『ジャンゴ 繋がれざる者』、「ライフ・オブ・パイ」、『リンカーン』

「レ・ミゼラブル」、『世界にひとつのプレイブック』、「ゼロ・ダーク・サーティ」の９本。すでに公開済みの作品もあれば、これからのも。話題の「レ・ミゼラブル」はゴールデン・グローブ賞作品賞受賞。

果たして、オスカー本命は？いろいろご意見はあると思いますが、やっぱりこれ。「リンカーン」（１２）。最多１２部門ノミネートされています。作品賞、監督賞：スティーヴン・スピルバーグ

主演男優賞：ダニエル・デイ＝ルイス、助演男優賞：トミー・リー・ジョーンズ、助演女優賞：サリー・フィールド、脚色賞：トニー・クシュナー、撮影賞：ヤヌス・カミンスキー、作曲賞：ジョン・ウィリアムズ

そして美術賞、編集賞、録音賞、衣装デザイン賞。ご存じとは思いますが、エイブラハム・リンカーンは１８０９年２月１２日ケンタッキー州出身で、第１６代アメリカ合衆国（共和党初代）大統領。

奴隷制度に反対し、南北戦争（１８６１～６５年）へ。南軍のロバート・Ｅ・リー将軍が降伏した６日後、１８６５年４月１５日ワシントンＤ．Ｃ．のフォード劇場でジョン・ウィルクス・ブースによって暗殺。

映画は、１８６５年１月から始まります。再選されたリンカーン大統領（ダニエル・デイ＝ルイス）。南北戦争は、４年目になっていました。“すべての人間は自由であるべき”と信じるリンカーン。

国が二分された過酷な状況で、いかにして奴隷解放という大いなる目的を達成することができたのか…世界を変えた２８日が、監督の想いを込めて描かれます。共演者が、素晴らしい！

サリー・フィールド、ジョセフ・ゴードン＝レヴィット、トミー・リー・ジョーンズ、デヴィッド・ストラザーン、ジェームズ・スペイダー、ハル・ホルブルック、ジャッキー・アール・ヘイリー他。必見。

リアルなダメ男

セルマ・ブレアは、「クルーエル・インテンションズ」（９９）「キューティ・ブロンド」（０１）「ストーリーテリング」（０１）「クリスティーナの好きなコト」（０２）「ヘルボーイ」（０４）「ザ・フォッグ」（０５）などに出演。

ジャスティン・バーサは、「ナショナル・トレジャー」（０４）「ナショナル・トレジャー／リンカーン暗殺者の日記」（０７）「ニューヨーク、アイラブユー」「理想の彼氏」（０８）「ハングオーバー！」（０９、１１）などに出演。

ミア・ファローは、「ローズマリーの赤ちゃん」（６８）「ジョンとメリー」（６９）「フォロー・ミー」（７２）「華麗なるギャツビー」（７４）「ナイル殺人事件」（７８）などの他、数々のウディ・アレン作品に出演。

ドナ・マーフィは、「スター・トレック／叛乱」（９８）「ワールド・トレード・センター」（００）「ファウンテン 永遠につづく愛」（０６）「私がクマにキレた理由」（０７）「ボーン・レガシー」（１２）などに出演。

クリストファー・ウォーケンは、「ディア・ハンター」（７８）「天国の門」（８１）「デッドゾーン」（８３）「キング・オブ・ニューヨーク」（９０）「ゴッド・アーミー／悪の天使」（９４）「ヘアスプレー」（０７）などに出演。

共演者はすべて知っているし、出演作品もほぼ見ています。しかし！主演のジョーダン・ゲルバーって、誰？トッド・ソロンズ監督作「ダークホース ～リア獣エイブの恋～」（１１）の主演なのに、ごめんなさい。

ソロンズ監督は、「ウェルカム・ドールハウス」（９５）「ハピネス」（９８）「ストーリーテリング」（１１）「おわらない物語 アビバの場合」（０４）を世に出しています。ごく普通の人々の生活を描く監督。

そこに潜む狂気を強烈なブラックユーモアを通して描くのが特徴。久々の本作も、３０代のリアルな物語。エイブ（ゲルバー）は、父ジャッキー（ウォーケン）が経営する不動産会社で働く独身男。

自己中でマザコンでオタクで、真面目に働かないからクビ寸前。弟リチャード（バーサ）は医師として成功しているが、エイブはそんな気配もない！ある日、パーティでミランダ（ブレア）に出会い一目惚れ。

失恋で自暴自棄のミランダは、初デートで結婚をＯＫ。しかし、ミランダには重大な秘密が…。果たしてそれは？“ダークホース”とは、穴馬のこと。ソロンズ監督の描くダメ男に耐えられるか！？

ローマで、しあわせになろう！

“ゴーストライター”とは、本人に代わって本や記事などを書く作家のこと。口述筆記するのもそう呼ぶそうです。一般的にゴーストの名前は表に出ません。映画の世界では、わりと良く描かれますね。

すぐに思い出すのは、ロバート・ハリスの原作をロマン・ポランスキーが監督した「ゴーストライター」（１０）です。元英国首相アダム・ラングの自叙伝を依頼された、ゴーストライターの物語。

ゴーストライター役は、ユアン・マクレガー。役名はなく劇中も“ゴースト”と呼ばれてました。元首相役は、ピアース・ブロスナン。脚本も演出も俳優の演技も素晴らしく、原作とも評価が高い作品です。

サスペンスフルなストーリー展開と、衝撃のラストにただただ目を奪われました。未見の方はぜひ。その後、すぐに公開されたジェイソン・ライトマン監督の「ヤング≒アダルト」（１１）も、そう。

３７歳バツイチのメイビス・ゲイリー（シャーリーズ・セロン）は、ヤングアダルト小説のゴーストライター。高校時代の栄光を引きずり、いつまでたっても大人になれない、ちょっと情けない女性の物語。

同じゴーストライターでも作品によっては、サスペンスにもコメディにもなるんですね。イタリアからやって来た「ブルーノのしあわせガイド」（１１）でも、主人公はゴーストライターなんです。

ローマで暮らす中年男のブルーノ（ファブリッツィオ・ベンティヴォリオ）は、タレントの伝記を書くゴーストライター。そんなブルーノは元教師の経験を活かし、補習塾でも働いていました。

ライターとしての仕事は…？パソコンの画面は真っ白なまま。でもブルーノはそれほど焦ることはなく、自由気ままに１人暮らしを楽しんでいました。ところがある日のこと。ブルーノの生活が一変します。

補習塾に通っている１５歳の少年ルカ（フィリッポ・シッキターノ）の母親マリーナ（バルボラ・ボブローヴァ）から、『仕事の都合で海外へ行くため、その間ルカと同居して欲しい』と頼まれます。

実はブルーノとマリーナは１５年前、１晩だけ一緒に過ごした過去があったのです。父とは告げず、暮らすことになった２人。果たして？監督はフランチェスコ・ブルーニ。名前が覚えられませんが…。