人を殺せない吸血鬼と死にたい青年

久しぶりに長～いタイトルの映画が登場です。もっとも邦題も原題ですが。それがカナダ映画、長編初監督作のアリアーヌ・ルイ＝セーズ監督…

「ヒューマニスト・ヴァンパイア・シーキング・コンセンティング・スーサイダル・パーソン」（２３）です。これは覚えられないかも。

アカデミー賞作品賞受賞作「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」（２２）の「エブエブ」みたいに、省略はなし？それはともかく…

ヒロインはヴァンパイア。密かに人間を狩りながら、人間社会に紛れ込んで暮らす吸血鬼一族。そんな中、サシャ（サラ・モンプチ）は…

感受性豊かで、人を殺せないという問題を抱えていました。生きるために必要な血の確保を、両親に依存してきたサシャは、いとこの…

血気盛んなドゥニーズと暮らすことに。ドゥニーズから自分で獲物を狩るよう促されるサシャでしたが、どうしても殺すことができない…。

追い詰められたサシャは、学校でいじめを受けて孤立し、自殺願望のある青年ポール（フェリックス＝アントワーヌ・ベナール）と出会います。

居場所のないポールは、サシャに自分の命を捧げようと申し出るのですが、果たして？サラ・モンプチは「ファルコン・レイク」（２２）に出演。

先日、パク・チャヌク監督「渇き」（０９）を再見したのですが、この作品、エミール・ゾラの小説『テレーズ・ラカン』をモチーフに…

神父（ソン・ガンホ）が、図らずも吸血鬼になってしまうお話。聖職者でありながら、苦悩する吸血鬼の生き様。色んな吸血鬼がいます。

“魔女”と呼ばれた作家を怪演するモス！

ニコール・キッドマンがヴァージニア・ウルフ役の「めぐりあう時間たち」（０２）。アン・ハサウェイは「ジェイン・オースティン ン 秘められた恋」（０７）で…

ジェイン・オースティン ン役。フィリップ・シーモア・ホフマンがトルーマン・カポーティ役の「カポーティ」（０５）。ブライアン・クランストンが…

ダルトン・トランボ役の「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」（１５）。ちょっと古いけどジェーン・フォンダがリリアン・ヘルマン役の「ジュリア」（７７）。

メリッサ・マッカーシーが作家リー・イスラエルを演じた「ある女流作家の罪と罰」（１８未）。ニコラス・ホルトは、J・D・サリンジャー役の…

「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」（１７）と、Ｊ・R・R・トールキン役の「トールキン 旅のはじまり」（１９）があります。

作家本人を描いた作品は、映画としても面白く見れます。ロバート・ワイズ監督「たたり」（６３）とリメイクのヤン・デ・ボン監督「ホーンティング」（９９）は…

サンフランシスコ出身のシャーリー・ジャクソン『山荘綺談』が原作。そのシャーリーをジョゼフィン・デッカー監督が映画化。「Shirley シャーリイ」（２０）です。

１９４８年、短編小説『くじ』でセンセーションを巻き起こしたシャーリイ（エリザベス・モス）。女子大生行方不明事件を題材にした新作長編に…

取り組むもスランプに。大学教授の夫スタンリー・ハイマン（マイケル・スタールバーグ）の勧めで、彼の補佐フレッド（ローガン・ラーマン）と…

妻のローズ（オデッサ・ヤング）が、居候として家にやって来ます。果たして？エリザベス・モスは、本作で高い評価を受けてます。必見！

俳優もまた父親

誕生日が同じ有名人って？たぶんたくさんいると思いますが、クリストファー・ウォーケンとユアン・マクレガーはすぐに答えられます。

調べたら、他にもリチャード・チェンバレン、シャーリー・ジョーンズ、アレハンドロ・アメナーバル監督もでした。ユアン・マクレガーは…

スコットランドのパース出身で、ダニー・ボイル監督「シャロウ・グレイブ」（９４）、「トレインスポッティング」（９６）、「普通じゃない」（９７）、

マーク・ハーマン監督「ブラス！」（９６）と「リトル・ヴォイス」（９８）、トッド・ヘインズ監督「ベルベット・ゴールドマイン」（９８）と…

９０年代に大活躍。２０００年代には新シリーズ「スター・ウォーズ」のオビ・ワン＝ケノービ役や、バズ・ラーマン監督「ムーラン・ルージュ」（０１）、

ロン・ハワード監督「天使と悪魔」（０９）、マイク・ミルズ監督「人生はビギナーズ」（１０）、Ｊ・Ａ・バヨナ監督「インポッシブル」（１２）と…

誕生日が同じせいもあって、ファンしてます。ユアンには、９５年に結婚した女性との間に２人の娘がいて、長女がクララ（９６年２月４日生）です。

エマ・ウェステンバーグ監督「ブリーディング・ラブ はじまりの旅」」（２３）で、父娘初共演します。しかもユアンと娘の実際の経験を基にした作品とか。

ある出来事がきっかけで、長く疎遠だった娘（クララ・マクレガー）とニューメキシコ州へ向かう旅に連れ出した父親（ユアン・マクレガー）。

関係を修復したくても、どうすれば溝を埋められるのか…。自分を捨てた父を許せず反発する娘。目的地が近づく中、父娘は果たして？

１人と１匹、ヒマラヤを目指す

今度のインド映画は、キランラージ・Ｋ監督「チャーリー」（２２）。うむ、よく聞くタイトルだけど、リチャード・アッテンボロー監督、

ロバート・ダウニー・Ｊｒが、チャーリー・チャップリンを演じた「チャーリー」（９２）を思い出します。インド映画にもマーティン・プラーカット監督、

ドゥルカル・サルマーン主演「チャーリー」（１５）があるけど、こちらは未見。ドゥルカル・サルマーンは、「ウスタード・ホテル」（１２未）を見てます。

本作は、カンナダ語作品。南インドのマイスールで暮らすダルマ（ラクシット・シェッティ）は、つらい過去にとらわれ、周囲との交流を拒絶。

職場でも近所でも偏屈者と言われるダルマは、酒とたばことチャールズ・チャップリンの映画だけを楽しみに生きる孤独な日々を過ごしていました。

そんな彼の家に、悪徳ブリーダーの劣悪な環境から逃げ出して来た子犬のラブラドール・レトリーバーが住み着くように。犬嫌いのダルマは…

何度も追い払おうとするのですが、いつしか心を通わせ、飼い始めることにします。子犬にチャーリーと名付け、イタズラ好きの彼に…

振り回されながらも楽しい毎日を送っていたある日、チャーリーが血管肉腫で余命わずかであることが判明。雪が好きなチャーリーに…

広大な雪景色を見せようと、バイクのサイドカーにチャーリーを乗せ、マイスールからヒマラヤを目指すダルマ。果たして、１人と１匹の旅は？

監督のキランラージ・Ｋ、主演のラクシット・シェッティも始めまして…です。カンナダ語映画作品、それ自体あまり見たことがないかも。楽しみ。

ポンニ河の息子（ＰＳ）第２部！

インド映画をたくさん見ています。過去作も見て、俳優の名前や出演作もわかるように。これまでも見ていたのですが、一気に見るようになって…

あの人、あの作品とようやくハリウッド映画並みに繋がって来ました。「ダラパティ／踊るゴッドファーザー」（９１）、「ボンベイ」（９５）の…

マニラトナム監督最新作「ＰＳ‐Ⅰ 黄金の河」（２２）は、カルキ・クリシュナムールティのベストセラー大河小説『ポンニ河の息子』を映画化した歴史アクション。

２部作の超大作で、本作は１６７分の第１部。音楽はＡ・Ｒ・ラフマーン。１０世紀、インド南部タミル地方に実在したチョーラ王朝。

スンダラ王（プラカシュ・ラージ）が病床に臥し、臣下たちは２人の王子アーディタ（ヴィクラム）とアルンモリ（ジェヤム・ラヴィ）ではなく…

従弟のマドゥランダカ（ラフマーン）を次期国王として擁立しようと画策します。王子２人が領土拡大の戦いを繰り広げる中、聡明な王女

クンダヴァイ（トリシャー・クリシュナン）たちは、騎士のデーヴァン（カールティ）を密使として送り出します。この第１部だけでも…

壮大なスケール、アクション、豪華な宮廷、衣装などインド映画ならではの豪華さ！パルヴェート侯（R・サラトクマール）を陰で操る…

妻ナンディニ（アイシュワリヤー・ラーイ）の過去と思惑が…。そしていよいよ物語は後半へ！「ＰＳ‐Ⅱ 大いなる船出」（２３）の公開です。楽しみ！１６５分。

ヴィクラムは「神さまがくれた娘」（１１）、「デーヴィド 二つの物語」（１３）、「マッスル 踊る稲妻」（１５）を、カールティは「囚人ディリ」（１９）を見てます。

危険がいっぱい！スタントマン

ライアン・ゴズリング！人気と実力ともに今最高のスター。なんかいつも見ている感じ。アカデミー賞には「ハーフネルソン」（０６）と…

「ラ・ラ・ランド」（１６）で主演男優賞に、「バービー」（２３）で助演男優賞にノミネート。主演作にはニコラス・ウィンディング・レフン監督…

「ドライヴ」（１１）、「オンリー・ゴッド」（１３）。デレク・シアンフランス監督「ブルーバレンタイン」（１０）、「ビヨンド・ザ・パインズ／宿命」（１２）があり…

これ、お気に入り。初監督作品「ロスト・リバー」（１４）は、レフン監督の影響が見られます。でもゴズリングというと、個人的には…

クレイグ・ギレスピー監督「ラースと、その彼女」（０７）が妙に好き。口ひげの主人公は、ハンサムというより変な奴。面白い映画です。ハンサムと？な奴を演じる…

ゴズリングの最新作は、どっち？それがデヴィッド・リーチ監督「フォールガイ」（２４）。８０年代ＴＶシリーズ、リー・メジャース主演…

「俺たち賞金稼ぎ！！フォール・ガイ」の映画化です。監督は、ライアン違いのライアン・レイノルズ主演「デッドプール２」（１８）や、「ワイルド・スピード／スーパーコンボ」（１９）、

「ブレット・トレイン」（２２）などの他、「ジョン・ウィック」（１４）シリーズの製作総指揮も。大けがで一線を退いていたスタントマンの…

コルト・シーバース（ライアン・ゴズリング）。復帰作となるハリウッド映画の撮影現場で、監督で元恋人のジョディ・モレノ（エミリー・ブラント）と再会。

ところが、コルトがスタントダブルを請け負ってきた主演俳優トム・ライダー（アーロン・テイラー＝ジョンソン）が突然失踪。果たして、コルトは？

創業者エンツォ・フェラーリの人生

タイトルだけ見ると、ジェームズ・マンゴールド監督「フォードｖｓフェラーリ」（１５）という作品がありますが、フォードのカーデザイナーと…

レーサーの物語でした。主演はマット・デイモンとクリスチャン・ベイル。１９６６年のル・マン２４時間耐久レースを背景に王者フェラーリに…

挑んだフォードの男たち。スティーヴ・マックィーン主演「栄光のル・マン」（７１）が懐かしい。イタリアの自動車メーカー、フェラーリって…

すごい会社なんですね。すぐに思い浮かべるのは、真っ赤な車体と黄色で黒い“跳ね馬”のエンブレム。車に詳しくなくてもそれは知っています。

ブロック・イエーツ著『エンツォ・フェラーリ 跳ね馬の肖像』を映画化したのが、マイケル・マン監督「フェラーリ」（２３）です。

本作は、創業者のエンツォ・フェラーリ（１８９８年２月１８日～１９８８年８月１４日）を描いた伝記ドラマです。

１９５７年、５９歳のエンツォ・フェラーリ（アダム・ドライヴァー）は１年前に難病の息子ディーノを亡くし、イタリア屈指の自動車メーカー、

フェラーリ社を共に立ち上げた妻ラウラ（ペネロペ・クルス）とも冷え切った関係に。さらに会社は業績不振で破産寸前。会社経営と私生活で…

窮地に立つエンツォは再起を懸け、イタリア全土１０００マイルを縦断する過酷なロードレース“ミッレミリア”に挑むのでした。果たして？

共演はシェイリーン・ウッドリー、サラ・ガドン、ジャック・オコンネル、パトリック・デンプシー。アダム・ドライヴァーはエンツォにそっくり。

睡眠クリニック？母からのお札？

ポン・ジュノ監督、ソン・ガンホ主演でアカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」（１９）。

カンヌ国際映画祭でもパルムドール受賞。この作品で大豪邸に暮らすＩＴ企業社長役を務めたイ・ソンギュン。昨年２０２３年１２月２７日…

突然の訃報が日本でも流れ、本当にびっくり。詳しいことは知りませんが、どうやら薬物絡みの自殺のようでした。なぜ？残念なことですが…。

１９７５年３月２日ソウル出身で、まだ４８歳でした。落ち着いた話し方と声質に特徴があって、他に「王様の事件手帖」（１７）、

「キングメーカー 大統領を作った男」（２１）を見ています。ＴＶ作品が多いせいか、少ないです。最後の出演となったのがユ・ジェソン脚本、監督…

「スリープ」（２３）です。主演のチョン・ユミは、ホン・サンス監督「教授とわたし、そして映画」（１０）と「ソニはご機嫌ななめ」（１３）で…

イ・ソンギュンと共演済。未見ですが。あっ「トガニ 幼き瞳の告発」（１１）と「新感染 ファイナル・エクスプレス」（１６）を見てました。

出産を控え、幸せな結婚生活を送るヒョンス（イ・ソンギュン）とスジン（チョン・ユミ）。ある夜、ヒョンスが突然身を起こして『誰か入ってきた』と…

つぶやきます。翌朝、下の階の住人からは明け方の騒音が１週間も続いていると苦情を言われますが、まったく身に覚えのない２人。

その夜からヒョンスは眠るたび奇行を繰り返し、睡眠中の異常行動は日々エスカレート。夫婦は睡眠クリニックの受診を決めるのですが、果たして？

韓国、海女たちの犯罪

韓国映画には政治絡みの物騒な時代を描いた作品が多くあり、実際に起きた事件を知ることができ、歴史好きなのでとっても勉強になります。

韓国映画には俳優ソン・ガンホから入ったので、まずはイム・チャンサン監督「大統領の理髪師」（０４）で、１９６０年の不正選挙や…

１９７９年に起きた朴正煕暗殺事件を知りました。こちらはイ・ビョンホン主演「ＫＩＣＩＡ 南山の部長たち」（２０）もあります。

チャン・フン監督「タクシー運転手 約束は海を越えて」（１２）では、１９８０年５月の民主化運動を軍が銃撃した光州事件を描いていました。

ヤン・ウソク監督「弁護人」（１３）では、１９８１年に釜山で起きた大学生や社会活動家たちが拘留、尋問された釜林事件を描いた感動作でした。

他にも「１９８７、ある闘いの真実」（１７）、「光州５・１８」（０７）、アン・ソンギ主演「シルミド」（０３）などもあります。これに実際の犯罪を…

描いた作品となると…うむ。そんな１本が「モガディシュ 脱出までの１４日間」（２１）のリュ・スンワン監督「密輸 １９７０」（２３）です。

もちろん実話を元にしています。１９７０年代半ば、韓国の漁村クンチョン。化学工場の廃棄物で海が汚染され、地元の海女たちは失業の危機に。

リーダーのジンスク（ヨム・ジョンア）は、海底から密輸品を引き上げる仕事を請け負います。しかし作業中に税関の摘発に遭い、刑務所送りに。

親友チュンジャ（キム・ヘス）は現場から逃亡しますが２年後、舞い戻ってきた彼女はジンスクに新たな密輸の仕事を持ち掛けますが、果たして？

中国空軍のテストパイロット

チェン・アー監督「無名」（２３）を見た時、主演のトニー・レオンの渋さにまたまた惚れました。６１歳のトニー・レオンはもちろんのこと…

準主役のワン・イーボーに見惚れました。初めまして。フィルモグラフィを見ると、アイドルグループ出身で歌手でダンサーでオートバイレーサーとか。

ＴＶシリーズ出演後、「無名」に出演。トニー・レオンとの対決シーンは凄かった！なのでラストシーンは感動しました。そのワン・イーボーが…

主演した最新作が、リウ・シャオシー監督「ボーン・トゥ・フライ」（２３）です。中国空軍テストパイロットのスカイアクションです。

優れた操縦技術を持ちながら、訓練中に起こしたトラブルを起こし、その能力を活かしきれずにいた空軍パイロットのレイ・ユー（ワン・イーボー）。

ある日、戦闘機のテストパイロットチームを率いる隊長のチャン・ティン（フー・ジュン）は、レイの才能に気づき、チームに誘います。

レイや他のパイロットたちは、新世代ステルス戦闘機のテスト飛行任務に就きます。やがてライバルのドン・ファン（ユー・シー）と…

衝突してしまいます。果たして？チャン・ティン隊長を演じるフー・ジュン（胡軍）は、中国映画ファンにはお馴染みの俳優です。

「インファナル・アフェア 無間序曲」（０３）、「レッドクリフ ＰａｒｔⅠ」（０８）と「 Ｐａｒｔ II］（０９）の趙雲。「孫文の義士団」（０９）、

「ファイアー・レスキュー」（１３）、「ファイヤー・ストーム」（１３）、「１９５０ 鋼の第７中隊」（２１）などに出演。本作も楽しみです。