バーナデットは、南極へ向かう。

誰もが認める名女優ケイト・ブランシェット。受賞歴、ノミネート歴が名女優の証です。アカデミー賞主演女優賞は「ブルージャスミン」（１３）で…

助演女優賞は「アビエイター」（０４）で受賞。ノミネートでは、主演賞は「エリザベス」（９８）と続編「エリザベス：ゴールデン・エイジ」（０７）、

「キャロル」（１５）、「ＴＡＲ／ター」（２２）があり、助演賞ノミネートは「あるスキャンダルの覚え書き」（０６）、「アイム・ノット・ゼア」（０７）。

ゴールデン・グローブ賞でもほぼ同様ですが、他に「バンディッツ」（０２）、「ヴェロニカ・ゲリン」（０３）もあります。そして２０１９年の…

女優賞ノミネート作が、リチャード・リンクレイター監督「バーナデット ママは行方不明」（１９）で、少し遅れての公開。

良かったです。「恋人までの距離」（９５）や「スクール・オブ・ロック」（０３）、「バーニー／みんなが愛した殺人者」（１１）、

「６才のボクが、大人になるまで。」（１４）、「３０年後の同窓会」（１７）に続く本作は、アメリカのマリア・センプル原作小説の映画化。

シアトルに暮らす専業主婦バーナデット（ケイト・ブランシェット）。夫エルジー（ビリー・クラダップ）は一流ＩＴ企業に勤め、親友みたいな娘の…

ビー（エマ・ネルソン）と、幸せな毎日を送っているかに見えました。しかし極度の人間嫌いの彼女。隣人やママ友たちと上手く付き合えないのです。

天才建築家として活躍しながらも夢を諦めた彼女は、ある事件をきっかけに家族の前から、こつ然と姿を消したのです。果たして？

化学工場火災の恐怖

今年の夏は今も暑い日々が続く、異常な夏。このまま９月も暑そうです。ハワイやヨーロッパの山火事のニュースには、信じられない思いです。

実際には起こって欲しくないですが、映画の世界には火災のジャンルがあります。油田火災を描いた「ヘルファイター」（６８）、高層ビルの火災なら…

「タワーリング・インフェルノ」（７４）、消防士の活躍を描いた「バックドラフト」（９１）、原油流出爆発事故の「バーニング・オーシャン」（１６）、

そして２０１９年に起きた「ノートルダム 炎の大聖堂」（２１）も。中でも、１番恐怖を感じたのが「オンリー・ザ・ブレイブ」（１７）。恐ろしい。

２０１３年に起きた森林火災を描いています。オキサイド・パン監督「フラッシュオーバー 炎の消防隊」（２３）は、中国の大規模爆発火災と…

消防士たちを描いたレスキューアクション映画。タイトルのフラッシュオーバーとは、局所的な火災が短時間にして全域に拡大する現象の総称とか。

江東省灌城市。マグニチュード３.１の地震が発生し、天宜化学工場で爆発が発生。火災は瞬く間に周囲の工業団地へ拡がり、付近一帯を…

巻き込む前代未聞の事態に。現場へ急行した消防署長ジャオ（ワン・チエンユエン）や通信員ハン（ドゥー・ジアン）たち消防士たちは…

命懸けの消火活動や人命救助に奔走します。同じ頃、ジャオの婚約者ジャンは、半壊した学校に子供たちと一緒に閉じ込められていました。

校内に煙が充満し、なんとか屋上に避難するのですが…。そこには広がっていた想像を絶する惨状とは、果たして？本当に火災は怖い。熱いし。

ミュージカルスターのためのシアター・キャンプ

大学のアカペラグループに参加して、全国大会を目指すという大ヒット音楽映画「ピッチ・パーフェクト」（１２）。すぐに続編も製作されました。

「ピッチ・パーフェクト２」（１５）、２作品でベンジーこと、ベンジャミン・アップルバウムを演じたのがベン・プラットという俳優。

当時はまったく知りませんでしたが、その後ブロードウェイミュージカルの映画化、スティーヴン・チョボスキー監督「ディア・エヴァン・ハンセン」（２１）の…

エヴァン役に。２０１５年にブロードウェイで初演し、トニー賞６部門を受賞した舞台でも主役を演じていました。高校生に見えるのってすごい。

そんなベン・プラットの名前を見つけました。ニック・リーバーマン＆モリー・ゴードン監督「シアター・キャンプ」（２１）です。

ニューヨーク州北部の湖畔にある演劇スクール『アディロンド・アクト』。ミュージカルスターを夢見る子供たちを、長年に渡って指導してきました。

しかし、経営状況は破綻寸前。夏のキャンプ目前に校長が昏睡状態に陥り、演劇に関心がない校長の息子トロイ（ノア・ガルヴィン）が引き継ぐことに。

スクール存続のためには、新作ミュージカルを誕生させ、出資者の前でミュージカルを披露するしかありません。期限は３週間後のキャンプ終了まで。

音楽指導教師レベッカ（モリー・ゴードン）、演技指導教師エイモス（ベン・プラット）など変人揃いの教師と、自由奔放な子供たちは…

無事新作ミュージカルを完成できるのか、果たして？本作はドキュメンタリータッチで描かれています。確かに、出演者多過ぎ！

カリスマ美容師殺害事件のゆくえ

メドゥーサは、ギリシア神話に登場するゴルゴーン３姉妹の１人。海神ポルキュースとその妻ケートーの娘たちで、長女ステンノー、

次女エウリュアレー、３女メドゥーサで３人とも醜い姿をしていて、髪の毛の代わりに生きたヘビが生えています。アンドロメダ姫を助ける…

ペルセウスの物語に登場します。特撮をレイ・ハリーハウゼンが担当した、デズモンド・デイヴィス監督「タイタンの戦い」（８１）をお勧め。

カラヴァッジョやダ・ヴィンチ、ルーベンスなど絵画にも描かれています。で、メドゥーサ＝髪ということで、トーマス・ハーディマン脚本、監督…

「メドゥーサ デラックス」（２２）という作品が公開。イギリス映画です。監督は本作で長編デビュー。年に１度開催されるヘアコンテスト当日。

優勝候補とされていた美容師モスカが、変死体となって発見されます。彼女が担当するモデルが席を外したわずかな間に、頭皮を切り取られ…

死んでいたのです。会場にいたのは、モスカのライバルの３人の美容師、それぞれが担当する４人のモデルたち、主催者や警備員たち。

そしてモスカの恋人。事件や人間関係にまつわる噂話が囁かれ始めます。果たして？ポスターでも目を引く、ヘアスタイルを手掛けたのは…

レディ・ガガのヘアメイクをはじめ、シャネル、ルイ・ヴィトン、エルメス、ジル・サンダーなどとコラボレーションを務めた…

“最も独創的なヘアスタイリスト”ユージン・スレイマンという人。本当に素晴らしい。ワンショット撮影で製作された本作。見ましょ。

ヒューマノイド、アルフィーの正体

ＳＦ映画の世界で、１番愚かな行為は“核戦争”。現実の世界では起こらないことを前提にしていますが。映画の世界ではあり得ます。

例えば、ネヴィル・シュート原作、スタンリー・クレイマー監督「渚にて」（５９）。第３次世界大戦後、原子力潜水艦を舞台にした…

グレゴリー・ペック主演、世界の終末を描いた作品。地球から飛び立ち１年後。不時着した宇宙船がたどり着いたのは、核戦争後の地球だったという…

ピエール・ブール原作、フランクリン・Ｊ・シャフナー監督、チャールトン・ヘストン主演「猿の惑星」（６５）。いずれも世界を破壊したのは人間。

「モンスターズ／地球外生命体」（１０）、「ＧＯＤＺＩＬＬＡ ゴジラ」（１４）、「ローグ・ワン／スター・ウォーズ・ストーリー」（１６）の…

ギャレス・エドワーズ監督の最新作は、５０年後の未来を描く「ザ・クリエイター／創世者」（２３）です。本作で核戦争を引き起こしたのは、ＡＩ。

２０７５年、人間を守るために開発されたはずのＡＩ。ところが、ロサンゼルスで核爆発を引き起こしたのは、そのＡＩだったのです。

１０年もの間、人類とＡＩの存亡をかけた戦争が激化する中、元特殊部隊のジョシュア（ジョン・デヴィッド・ワシントン）は…

人類を滅亡させる高度なＡＩ兵器を生み出した創造主暗殺を命じられます。潜伏先を突き止め、潜入し、見つけたのは少女の姿をした半分機械の…

ヒューマノイドだったのです。果たして、人類の未来の鍵を握る少女とは？渡辺謙、ジェンマ・チャン、アリソン・ジャネイ共演。面白そう。

死霊館１０周年、１３日金曜日公開

ヴェラ・ファーミガとパトリック・ウィルソンが、実在の霊能者で超常現象研究家のウォーレン夫妻を演じ、１９７１年に実体験した…

衝撃の事件を映画化した「死霊館」（１３）。監督は、ホラー界では超有名なジェームズ・ワン。「ソウ」（０４）でファンを魅了した後…

次にスタートしたのが「死霊館」シリーズでした。この映画で登場した人形“アナベル”も、大人気となりシリーズ化。ジェームズ・ワン、恐るべし。

監督はしなくても、原案、脚本、製作、製作総指揮と大活躍。「アナベル 死霊館の人形」（１４）、「死霊館 エンフィールド事件」（１６）、

「アナベル 死霊人形の誕生」（１７）、「死霊館のシスター」（１８）、「アナベル 死霊博物館」（１９）、「死霊館 悪魔のせいなら、無罪。」（２１）。

タイトルが付いた作品だけでもこれだけあり、あの手この手でシリーズは続きます。最新作は「死霊館のシスター 呪いの秘密」（１８）です。

本作は、コリン・ハーディ監督「死霊館のシスター」の続編。「死霊館」から１０年。監督はマイケル・チャベス、ジェームズ・ワンは製作。

１９５６年、フランスで起きた神父殺人事件。そして世界には悪が蔓延し始めます。特殊能力を持つシスター・アイリーン（タイッサ・ファーミガ）は…

教会の要請を受け、事件を調査することに。祈りを捧げるアイリーンは、前作で封印したはずのシスター・ヴァラク（ボニー・アーロンズ）と…

ついに対峙するのでした。果たして？タイッサは、ヴェラ・ファーミガの妹。似ています。悪の元凶ヴァラクの正体を見に行きましょう。

サスペンス映画の神様、降臨！

今１番、見たい映画。それがマーク・カズンズ監督「ヒッチコックの映画術」（２２）です。１９９０年１２月に晶文社から出版された…

『定本 映画術』（著者：アルフレッド・ヒッチコック、フランソワ・トリュフォー）欲しかったんですが、高価でした。

それが映画に！実は、ケント・ジョーンズ監督のドキュメンタリー「ヒッチコック／トリュフォー」（１５）が公開済み。見ました？

フランスの映画監督フランソワ・トリュフォーが、１９６２年に敬愛するヒッチコック監督への、ロングインタビューを実現させます。

マーティン・スコセッシ、デヴィッド・フィンチャー、ウェス・アンダーソン、ピーター・ボグダノヴィッチ、ポール・シュレイダーなどが登場。

で、本作はヒッチコック本人がナビゲートするスタイルで、自身の監督作の裏側を語ります。演出テクニックを視覚的に解き明かすわけで…

予告編だけでもわくわくします。個人的にはなにより人物が興味津々。日本でも繰り返し放送された、ＴＶ「ヒッチコック劇場」（５５～６１）。

オープニングテーマ『操り人形の葬送行進曲』（作曲：シャルル・グノー）が印象的でした。ヒッチコック映画はほぼ見ていますが…

お気に入りが多くて選べません。自分の作品にさりげなく登場する、カメオ出演が大好きな監督。どこに出てるか探すのもお楽しみ。

通行人役が多いけど、新聞広告だったり、ガラスに映るシルエットだったり。本作で監督本人のメイキングが聞けるなんて、最高です！

森でクマさんに出会ったら…

大好きだった俳優がまた１人いなくなり、本当に悲しい。昨年５月２６日、新作撮影に訪れていたドミニカ共和国で亡くなったレイ・リオッタ。

６７歳、まさに急逝。１９５４年１２月１８日、ニュージャージー州ニューアーク出身。「サムシング・ワイルド」（８６）、「ニッキーとジーノ」（８８未）、

「フィールド・オブ・ドリームス」（８９）、「グッドフェローズ」（９０）、「不法侵入」（９２）、「ノー・エスケイプ」（９４）、

「コリーナ、コリーナ」（９４）、「乱気流／タービュランス」（９７）、「ハンニバル」（０１）、「ＮＡＲＣ ナーク」（０２）、

「“アイデンティティー”」（０３）など、多くの作品で個性を発揮。最後の出演作となったのが、「ピッチ・パーフェクト」（１２）などの…

製作者でもあるエリザベス・バンクス製作、監督「コカイン・ベア」（２２）。驚いたことに、本作は実話を基に描かれたパニックホラー。

コメディとしか言いようがないけど。１９８５年のある日、運び屋アンドリュー（マシュー・リース）は、麻薬王シド（レイ・リオッタ）の命令で…

セスナ機に大量のコカインを積み、ジョージア州上空を通過。森にバッグを投下した後、誤って自身も落下し死亡します。シドは手下のダヴィード…

（オシェア・ジャクソン・Ｊｒ）にコカインの回収を命じます。その大量のコカインを食べて凶暴になったクマと遭遇したのは、絵を描きに…

友だちと森に行った１３歳のディーディー。果たして？母親役にケリー・ラッセル、レンジャーのリズにマーゴ・マーティンデイル。見ましょ。

謎の数字１９とは？

映画のタイトルにはどんな意味があるのかなと、いつも気になります。単語に深い意味が込められている場合、重要な鍵を兼ねている場合。

「ヒトラーの贋札」（０７）のステファン・ルツォヴィツキー監督、最新作「ヒンターラント」（２１）は、ドイツ語のＨＩＮＴＥＲ（後ろの）、

ＬＡＮＤ（土地）を付けて、僻地、後背地という意味があるそう。ルツォヴィツキー監督はオーストリアのウィーン出身で、「ヒトラーの贋札」で…

第８０回アカデミー賞外国語映画賞を受賞しました。また本作は、２０２１年の第７４回ロカルノ国際映画祭で観客賞を受賞しています。

全編ブルーバック撮影された本作は、美しくも悪夢のような映像で話題に。第１次世界大戦後、ロシアでの長い捕虜収容所生活から解放された…

元刑事ペーター・ペルク（ムラタン・ムスル）は、戦友たちと故郷へ。しかし、彼らを待ち受けていたのは敗戦国となり変わり果てた祖国でした。

帰宅しても家族の姿はなく、行き場を失ってしまうペーター。そんな時、彼の元戦友が河原で遺体となって発見され、拷問の痕跡は…

犯人も同じ帰還兵であることを示していました。果たして？ところで、ブルーバックとグリーンバックの違いは？画像合成を前提とした撮影に…

使用する背景の色の違い。ブルーでは背景の反射光で被写体が青みがかり、色が暗く見えてしまうそうです。詳しいことはよくわかりませんが。

なので、本作の予告編を見ると映像が青みがかり、暗くて重厚な美しさ。「アイアン・スカイ」（１２）も、同じカラーでしたね。見ましょ。

４作目のＪＷ。５作目は？

キアヌ・リーヴスの代表作は「マトリックス」シリーズ？それとも「ジョン・ウィック」シリーズ？友人は「ビルとテッド」シリーズだそう。

そうか、そっち？確かにネオは若くてカッコイイ！アンディ＆ラリー・ウォシャウスキー兄弟監督「マトリック」（９９）、「リローデッド」（０３）、

「レボリューションズ」（０３）、「レザレクションズ」（２１）と、途中監督のアイデンティティが変わったりしましたが、映画は世界中で大ヒット。

４作目は前作から１８年を経て、製作公開されました。そして、チャド・スタエルスキ監督「ジョン・ウィック」（１４）です。

亡き妻から贈られた小犬のデイジーを殺され、復讐を誓うジョン・ウィックは渋い！長髪でひげ面で、見た目汚いけど心は愛でいっぱい。

とにかく犬の復讐なんて、犬好き、動物好きの心を鷲づかみ。さらに彼は伝説の殺し屋。すごいんです。大ヒットは当然で「チャプター２」（１７）、

「パラベラム」（１９）と続編が製作されました。そしてお待ちかねの第４弾です。監督はシリーズ全作ともチャド・スタエルスキ。

「ジョン・ウィック：コンセクエンス」（２３）、意味は結果、特に良くない結果を指すようです。裏社会の掟を破り粛清の包囲網を逃れた…

ジョン・ウィック（キアヌ・リーヴス）。全てを支配する組織『主席連合』と決着をつけることを決意します。果たして、結果は？

旧友ながら盲目の暗殺者となったケイン役にドニー・イェン！日本での友人シマヅ役に真田広之。グラモン侯爵役にビル・スカルスガルド。必見。