だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

ウィーンの幻影

2008-04-30 21:46:59 | 映画
あのスティーヴン・キングが『繰り返し何度も観たくなる!特別な1本!!』と、称賛したという映画がやって来ます。キングがそう言うのだから、ドラマ性が高く、しっかりした脚本で、素晴らしい俳優の演技が見れて、満足いく作品になっているだろうと期待します。(キングは、大の映画好き)

ミスト」(07)もですが、評価はかなり大甘かも知れません。だってファンなんだもん。その作品は「幻影師アイゼンハイム」(06)。タイトルを聞いただけで、わくわく。原作は、1943年NY生まれのスティーヴン・ミルハウザーの短編『幻影師、アイゼンハイム』。監督・脚本は、MTV出身のニール・バーガー。

19世紀末ハプスブルク家が支配するウィーンでは、帝国末期を迎えていました。当時は大掛かりな奇術、つまりイリュージョンが大流行り。絶大な人気を誇っていたのは、アイゼンハイム(エドワード・ノートン)と呼ばれる男でした。彼の舞台を見て、近づいてくる男の名は警部ウール(ポール・ジアマッティ)。

評判を聞いて、皇太子レオポルド(ルーファス・シーウェル)が舞台を見に来るというのです。そして当日、アイゼンハイムは助手に選ばれて舞台に上がって来た女性を見て驚くのでした。皇太子の婚約者侯爵令嬢ソフィ(ジェシカ・ビール)、彼女は幼馴染だったのです。

その後、ソフィが皇太子邸で謎の死…。事態は謀殺も囁かれる一大スキャンダルとなっていました。嫌疑がかけられたアイゼンハイムは、ソフィの幻影を蘇らせるという前代未聞のイリュージョンの準備を始めるのでした…。果たして、そのイリュージョンとは?

エドワード・ノートンは、「真実の行方」(96)でアカデミー賞の助演男優賞にノミネート。「アメリカン・ヒストリーX」(98)でも主演男優賞にノミネート。ポール・ジアマッティは、「サイドウェイ」(04)でNY批評家協会賞男優賞受賞!これは熱演が楽しめそうです。ノートンもジアマッティも、ルーファスもお気に入りの俳優です。

ジェシカ・ビールは、「NEXT」(07)でもリアルなヒロインを演じて好感。さあ、騙されないよう、しっかり目を凝らして見ましょう!
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忘れられる孤独

2008-04-29 22:26:52 | 映画
映画俳優自身が、監督となって作品を作ることは今ではごく普通のこと。ロバート・レッドフォード、メル・ギブソン、ケヴィン・コスナー、クリント・イーストウッド、シルベスター・スタローン、ロバート・デ・ニーロ、ジョージ・クルーニー、アル・パチーノ、トミー・リー・ジョーンズ、ケヴィン・ベーコン、ケネス・ブラナー…。ああ~、限りがない。

サラ・ポーリーも、そんな1人になりました。1979年1月8日カナダのトロント生まれ。まだ30歳にもなっていないのに、確かな演技力で出演作はいずれも話題に。「スウィート ヒアアフター」(97)「写真家の女たち」(99)「死ぬまでにしたい10のこと」(03)「あなたになら言える秘密のこと」「アメリカ、家族のいる風景」(05)…と私のお気に入りの女優です。

そのサラが初監督(脚本も)を務めたのが、「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」(06)。2007年アカデミー賞の脚色賞にノミネートされました。原作は、アリス・マンロー著の短編『クマが山を越えてきた』。サラ・ポーリーが監督デビュー作に選んだだけある、重厚な人間ドラマになっています。

グラント(ゴードン・ピンセント)は、大学教授時代の教え子で18歳のフィオーナ(ジュリー・クリスティ)と結婚し、深く愛し合い、お互いを思いやる楽しい毎日を送っていました。44年間の結婚生活は、満ち足りた日々でした。ところが妻のフィオーナにある変化が…。

“色”の名前がわからない、洗い終わったフライパンを冷蔵庫にしまう、ワインが何かわからない、フィオーナ自身理解できない行動を取るようになってしまいます。医師の診断は、アルツハイマー。まだ意識のはっきりしているうちにと、フィオーナは自ら老人介護施設へ入所します。

1ヶ月後、面会が許されたグラントが施設に行くと、フィオーナは夫の顔を覚えておらず、しかもオーブリー(マイケル・マーフィ)という車椅子の男性にやさしく付き添っていました。戸惑うグラントは、2人の姿に孤独感と嫉妬を感じるのでした。果たして、グラントの取った行動とは?

他に、「月の輝く夜に」(87)「マグノリアの花たち」「ベイビー・トーク」(89)「陽のあたる教室」(95)で、おなじみのオリンピア・デュカキスも。シニカルな役どころは、一品!ちなみにジュリー・クリスティは、本作で主演女優賞にノミネート。演技派揃いのこの作品、ぜひ見ましょう。
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自伝的映画の見方

2008-04-27 21:02:35 | 映画
イーサン・ホークを代表する映画というと、やっぱり「いまを生きる」(89)かも。いつもこの映画が冠されます。デビュー作は「エクスプロラーズ」(85)で、1970年生まれの彼はまだ15歳でした。他に「ホワイトファング」(91)「生きてこそ」(93)「リアリティ・バイツ」(94)。

「ガタカ」(97)「ヒマラヤ杉に降る雪」(99)「ハムレット」(00)「トレーニング デイ」(01/アカデミー賞助演男優賞ノミネート)なども。多彩ですね。しかも本も書きます。日本でも翻訳が出ていて、本屋さんの平積みになっているを見たことがあります。その本は、『痛いほどきみが好きなのに』(96年著/ソニーマガジンズ刊)。

自伝的恋愛小説といわれた作品を映画にしたのが、「痛いほどきみが好きなのに」(06)です。監督/脚本もイーサン自身。先日のジュリー・デルピーも多彩な人ですが、そういえば2人は「恋人までの距離」(95)と「ビフォア・サンセット」(04)で、共演してました。関係ないけど…。

NY。ウィリアム(マーク・ウェバー)は、若手俳優として仕事も順調で気軽な恋愛を楽しんでいました。もうすぐ21歳の誕生日を迎えようとするある日、行きつけのバーである女性と出会います。彼女はシンガーソングライターを目指して、NYにやって来たサラ(カタリーナ・サンディノ・モレノ)。

ウィリアムは、一目で彼女の魅力に夢中になります。偶然にもウィリアムのアパートの向かいに住んでいたサラも、ウィリアムのやさしさに惹かれていくのでした。サラは母のミセス・ガルシア(ソニア・ブラガ)に会わせるために、ウィリアムを実家に連れて行きます。情熱的なメキシコで、2人は結婚の約束をするのでした。

NYに戻るとサラの態度が一変。今までとは違うよそよそしい態度。いったい何が?戸惑うウィリアムは、自暴自棄に…。もし、これが本当にイーサンの自伝的小説なら、彼女はユマ・サーマン?なんてね。あっ、イーサンとサーマンは「ガタカ」で共演し、翌年結婚。03年別居が発覚し、その後離婚。

映画でイーサンは、ウィリアムの父ヴィンス役で出演。離婚した母ジェシー役はローラ・リニー。また、元彼女サマンサ役に、亡くなったヒース・レジャーの婚約者だったミシェル・ウィリアムズ。(07年9月婚約解消)なんだか、ロマンチックそうで重そう~、かな?
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魅惑の殺人鬼

2008-04-26 20:53:41 | 映画
「アンタッチャブル」(87)では、財務省捜査官のエリオット・ネス。「フィールド・オブ・ドリームス」(89)では、とうもろこし畑を野球場にしたレイ・キンセラ。「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(90)では、南北戦争時代のジョン・ダンバー中尉。「JFK」(91)では、地方検事のジム・ギャリソン。「ワイアット・アープ」(84)では、保安官。

他にも数々の作品で、さまざまな役を演じてきたケヴィン・コスナー。たま~に、おおっと思う役もありますが…。最近では「ワイルド・レンジ 最後の銃撃」(03/監督)と「守護神」(08)がお気に入り。DVD買いました。1955年1月18日生まれなので、今年53歳。渋い。

最新作では、なんと!シリアルキラー!わくわく!「Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼」(07)がそれ。監督・脚本は、「カフス!」(92)のブルース・A・エヴァンス。彼は「スタンド・バイ・ミー」(86)の脚本・製作も担当。コスナーは、製作も担当。今までも悪役は演じたことのあるコスナーですが、これほどの完璧な悪役はかつてないぞ!わくわく!

オレゴン州ポートランド、地元で名高い大物実業家アール・ブルックス(コスナー)。家族思いで理想の紳士の顔を持つ、ブルックスは実は“指紋の殺人鬼”と呼ばれている連続殺人鬼だったのです。頭部に銃弾を浴びて発見された、若いカップル。現場には、被害者の血で押された指紋が…。

完璧に実業家と殺人鬼の二重生活を送っていたブルックスだったのですが、思いがけない目撃者がいたのです。殺人現場の向かいのアパートに住むスミスと名乗る男(デイン・クック)。彼が殺人現場の写真を撮ったと、ブルックスのオフィスに現れるのです。

さらに、“指紋の殺人鬼”逮捕に執念を燃やす刑事アトウッド(デミ・ムーア)も、徐々にブルックスに迫っていました。こうして、最後の決断をしなくてはならない、ブルックスの決意とは?共演者も豪華。コスナーが共演を熱望したいう、ウィリアム・ハート。TV「CSI:科学捜査官」キャサリン・ウィロウズ役のマージ・ヘルゲンバーガー。

TV「24」ミシェル・デスラー役のレイコ・エイルスワース(1/4日本人なんです)。娘のジェイン・ブルックス役には、TV出身のダニエル・パナベイカー。新しいケヴィン・コスナーに出会うのを楽しみに待っています!
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イライラのパリ、2日間

2008-04-25 21:52:33 | 映画
昨日に続いてフランス映画を。女優ジュリー・デルピーは、1969年12月21日パリ生まれ。「ゴダールの探偵」(85)でデビューし、「汚れた血」(86)「トリコロール/白の愛」(94)「恋人までの距離」(95)「ビフォア・サンセット」(04)などで、おなじみ。

最新作「パリ、恋人たちの2日間」(07)では、実の父でベテラン俳優アルベール・デルピーと実の母マリー・ピレと共演しています。一家総出演ですね。と、思ったらこの作品、ジュリー・デルピー主演・監督・脚本・編集・音楽・主題歌歌唱と、まさに彼女の映画だったんです。なるほど。

NY在住の恋人たち、フランス人の写真家マリオン(ジュリー・デルピー)とアメリカ人インテリアデザイナーのジャック(アダム・ゴールドバーグ)。付き合いはじめて2年になる2人は、はたから見ると人も羨む安泰なカップル。でも、実はいささかマンネリ気味。リフレッシュしよう!と、ベネチアにバカンスにやって来ました。

でもやっぱりイマイチ盛り上がらない…。どんなに仲の良い恋人たちにも、突然訪れる別れの危機。2人はNYへ帰る途中、マリオンの故郷パリに寄ることになります。しかし待っていたのは、英語が全然話せないマリオンの両親(父ジュノ→アルベール・デルピー、母アンナ→マリー・ピレ)。ううっ。

さらに次々に現れる、マリオンの元カレたち。うううっ。ジャックのストレスは最高潮に達してしまいます!さあ~、どうなる?ロマンチックなはずのパリでの2日間は、いったい?陽気なアナーキストの父、天真爛漫の母、そして神経質で嫉妬深いジャック。先行きが心配…。

ジャック役のアダム・ゴールドバーグは、ジュリーの元カレという噂のある人物。ますます、ファミリー映画の感が強くなってきました。そうそう、意外な役どころでダニエル・ブリュールが出ているそう。どんな役?気になります。
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パリ8区のカフェで

2008-04-24 22:10:25 | 映画
ダニエル・トンプソン。ちょっと知らなかったので調べてみました。あらら、脚本家だったのですね。1942年モナコ出身の女性。男性の名前に間違えそう。作品には「ラ・ブーム」(80)「王妃マルゴ」(84)「愛する者よ、列車に乗れ」(98)「ルーヴルの怪人」(01)などがあります。

このブログにも何度か書きましたが、フランス映画がちょっと苦手な私。最近はたまに、予告編を見てなんだか見たい~と思う映画に出会います。これもその1本。ダニエル・トンプソン、脚本と監督3作目の「モンテーニュ通りのカフェ」(06)です。パリに行かれた方なら、モンテーニュ通りをご存知かも。

パリ8区、“シャンゼリゼ劇場”がある通りです。1913年完成のこの劇場は、バレエ、オペラ、管弦楽、舞踏、リサイタルなどが行われています。なんだか、芸術ぽっい感じのする通りです。エッフェル塔が見え、劇場の他にもオークションハウス、有名メゾン、高級ホテル、由緒あるカフェもあります。映画の舞台は、ここ。

田舎から憧れのパリのやって来た、ジェシカ(セシール・ドゥ・フランス)。モンテーニュ通りに実在する“カフェ・ド・テアトル”で、ギャルソンとして働くことになった彼女は、カフェに集まる人々の人生に触れることになるのです。

自分自身のキャリアに満足できない、TVドラマの人気女優カトリーヌ(ヴァレリー・ルメルシェ)。人生の終わりに近づいた初老の美術収集家グランべール(クロード・ブラッスール)は、生涯のコレクションを手放そうとしています。

世界的人気のピアニスト、ジャン・フランソワ(アルベール・デュポンテル)は、音楽を愛する人の前でこそ演奏したいと感じていました。このカフェでは普通“ギャルソン”は、男性。ジェシカが雇われたのは、演奏会、舞台の初日、有名オークションが3日後に控えていたからでした。

映画の原題は、『オーケストラ・シート』。良い席で見たいと舞台の前の席をとっても、いざ照明が落ちると“近すぎると、何も見えない”という意味。舞台の初日を迎えるカトリーヌ、オークション開催を迎えるグランべール、ピアノ演奏会を迎えるジャン・フランソワ。どんなエンディングが待っているのでしょう。
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偉大なる、スライ

2008-04-22 21:01:56 | 映画
「ロッキー・ザ・ファイナル」(06)でシリーズ6作目を迎え、1作目から30周年記念という節目に、ロッキーを封印したシルベスター・スタローン。スライの愛称での日本でも人気のスタローン。1946年7月6日、シチリア系移民の子としてNYで生まれました。

「ロッキー」誕生の話は有名なのでここでは省きますが、もう1本、スライの代表作に「ランボー」(82)があります。同年に「ロッキー3」がありました。乗りに乗っている頃ですね。「ランボー」の原題は、“FIRST BLOOD”。日本では主人公の名前からタイトルを「ランボー」にし、大ヒット!

以降、「ランボー/怒りの脱出」(85)も「ランボー3/怒りのアフガン」(88)もオリジナルタイトルは、“RAMBO”になりました。これも有名な話。そしていよいよ、ランボーシリーズも最後を迎えます。「ランボー 最後の戦場」(08)、監督・脚本もスタローンです。

ジョン・ランボー(スライ)は、タイ北部にあるジャングル近くの村で、戦いとは無縁の生活を送っていました。しかし、隣国ミャンマーでは軍事政権によるカレン族への迫害が続いていました。そこへアメリカのキリスト教団体が、ランボーの元にやって来ます。

カレン族の支援をしているサラ・ミラー(ジュリー・ベンツ)から、ミャンマーまでボートで送ってほしいと頼まれるのでした。そして数日後、ランボーの元に届いた知らせは、サラたちが拉致されたというもの。救出のために雇われた傭兵は、5人の精鋭。

ルイス(グレアム・マクタビッシュ)、リース(ジェイク・ラ・ボッツ)、エン・ジョー(ティム・カン)、ディアス(レイ・ガイエゴス)、スクール・ボーイ(マシュー・マースデン)の5人。彼らと同行するランボーは、今までどおりに手製のナイフと弓矢を手に再び、戦場へ。そしてそれが、“最後の戦場”となるのです!

「ロッキー・ザ・ファイナル」の時も思ったのですが、60歳を迎えたスライはまだまだアクションスター。撮影のための体を絞ったり、体力を保つのは大変だったと思います。ランボーだって、彼がいるから最新鋭の兵器なんてなくても大丈夫と、安心して見ることができます。

ロッキーとランボーは、映画の歴史にその名を刻む人物となりました。彼らを生み出したスライに、感謝!今後も応援していきます。
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理想の下院議員?

2008-04-20 21:17:33 | 映画
2006年の大ヒット作「ダ・ヴィンチ・コード」で、ロバート・ラングドン教授を演じたトム・ハンクス。近年にない長髪姿で、ハーバード大学宗教象徴学の教授というムードを醸し出していました。役作りってやはり外見が、大いに役立つ証拠。「スプラッシュ」(84)の頃とは、体型は変わったけど…。

ちなみに続編は、ダン・ブラウン原作1作目の『天使と悪魔』。監督のロン・ハワード、トム・ハンクスは決定済みで6月から撮影に入る予定。待ち遠しいです。

そのトム・ハンクスの最新作は、「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」(07)。監督は、舞台「裸足で散歩」(63)や、映画「バージニア・ウルフなんかこわくない」(66)「卒業」(67)「キャッチ22」(70)などのマイク・ニコルズ。最近では、TVM「エンジェルス・イン・アメリカ」(04)のDVDを楽しんでいます。

ニコルズ監督の作品は、いつも誰もが楽しめる娯楽作品の顔をして、実はなかり風刺を利かせていて観客にメッセージを送り続けています。大好きな監督の1人です。今回も豪華なキャストにわくわくさせながら、ううっと考えさせられること必至。実話です。

1980年代、当時はソ連との冷戦時代。しかしテキサス選出の下院議員チャーリー・ウィルソン(トム・ハンクス)は、楽しく幸せに生きるのがモットーのプレイボーイ。“チャーリーズ・エンジェル”と呼ばれる美人秘書軍団を従え、午前中からお酒で接待。うむ。

そんなウィルソン議員でも、愛国心は人一倍!テキサスで6番目というリッチなセレブ、ジョアン(ジュリア・ロバーツ)と知り合い、ある頼まれ事をされます。それは、ソ連軍の侵攻で子供たちが殺され、難民があふれるアフガニスタンを救うこと!いったいどうやって?

共演は、CIAのはみ出し者ガスト・アブラコトス役のフィリップ・シーモア・ホフマン。豪華~。他に「魔法にかけられて」のジゼル姫、エイミー・アダムスとネッド・ビーティー。今回のトム・ハンクスはどこをどう見てもお気楽議員そのもの!楽しそう~。
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看守の見た歴史

2008-04-19 21:17:28 | 映画
1948年11月9日デンマーク生まれの監督、ビレ・アウグスト。代表作は「ペレ」(87)ですが、「愛の風景」(92)「愛と精霊の家」(93)「レ・ミゼラブル」(98)などもあります。意外なとこでは、TVシリーズ「インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険」(92)のエピソードもいくつか監督。

「ペレ」と「愛の風景」で、2度のパルムドール(カンヌ国際映画祭)を受賞しています。さらに映画監督としての功績を認められ、デンマークとスウェーデン王家からの叙勲、フランス芸術文化勲章シュバリエの受勲。

「レ・ミゼラブル」(公開は99年)から9年。ようやく最新作が公開されます。「マンデラの名もなき看守」(07)。マンデラとは、もちろんネルソン・マンデラ氏のこと。1918年7月18日、南アフリカ共和国で生まれました。1944年反アパルトヘイト運動に取り組みます。1962年8月逮捕され、64年国家反逆罪で終身刑になります。

1968年、ロベン島。ジェームス・グレゴリー(ジョセフ・ファインズ)は、ごく当たり前に“人種差別主義者”でした。当時、南アフリカではそれが普通だったのです。ロベン島の刑務所に看守として赴任したグレゴリーは、マンデラ(デニス・ヘイスバート)の担当に抜擢されます。

理由は、グレゴリーがマンデラの生まれ故郷の言葉“コーサ語”が分かるから…。任務に忠実なグレゴリーは、マンデラを監視するうち、マンデラの人物に触れ、運動による犠牲の大きさを知り、やがて彼の目指す平等な社会に憧れるのでした。

グレゴリーとマンデラの微妙な関係は、20数年間にわたります。(1982年、ケープタウン郊外ポルスモア刑務所に移監)事実、厳重な監視の刑務所で囚人と看守が、親しげに会話することは許されていません。まさに魂の交流だったのですね。

マンデラ氏は1990年2月釈放され、1991年ANC(アフリカ民族会議)議長に就任。93年、ノーベル平和賞受賞。94年~99年、南ア初の黒人大統領就任。99年、政界から引退し現在はユネスコ親善大使です。

で、映画の方はマンデラ氏自身がはじめて映画化を許可した本作。グレゴリーの妻グロリアを演じるのは、ダイアン・クルーガー。なお原作はジェームス・グレゴリー本人。名匠監督による真実の物語。マンデラ氏は今年、90歳だそうです。見ましょう。
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尾崎秀実のことです。

2008-04-17 20:55:25 | 演劇
2000年4月、紀伊国屋サザンシアターで上演された、木下順二作/米倉斉加年演出の「オットーと呼ばれる日本人」の舞台を見逃していました。この作品は、劇作家木下氏と劇団民藝の宇野重吉氏の演出で1962年、初演されました。後に66年再演。

2000年の公演は、劇団民藝の創立50周年記念公演でした。そして今回、新国立劇場 中劇場での再演になります。2008年「オットーと呼ばれる日本人」の演出は、鵜山仁氏。とうとう見に行くことができます。うれしい!

20世紀最大のスパイ事件“ゾルゲ事件”。1895年10月4日旧ソ連邦アゼルバイジャン共和国生まれのリヒャルト・ゾルゲは、第1次大戦時にドイツ陸軍に志願。後にモスクワの軍事諜報部門にスカウトされます。彼の任務は、日本やドイツの政治・軍事上の最高機密を探り、ソ連政府に流すこと。

1933年9月6日、ドイツのある新聞の東京特派員として来日。横浜に住みます。上海で知り合った、南満州鉄道会社の嘱託職員だった尾崎秀実(ほつみ)たちと諜報団を結成します。こうして1941年10月に逮捕されるまで、スパイ活動を続けたのです。

興味のある方は、岩波書店から文庫版が出ています。ゾルゲや尾崎秀実は、1944年11月7日(ロシア革命記念日)に処刑されました。舞台は、1930年から約10年間の彼らの動向が描かれます。上海で朝日新聞の特派員として働くオットー(実は尾崎秀実)は、ジョンスンという男に出会います。

戦争を回避したいと願うオットーは、日本国家の機密をジョンスン(実はゾルゲ)に渡す諜報活動をはじめるのでした…。出演は、吉田栄作、紺野美沙子、グレッグ・デール、ジュリー・ドレフュス、石田圭祐、松田洋治、清水明彦、田中利花、永島敏行、鈴木瑞穂。

ついこの間の日本で起きたこの事件を、今、このキャストで見られる喜び。わくわくします。早く見たい!
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