バートン監督と奇妙な子供たち

ティム・バートンは、日本でも人気の映画監督ですね。「ビートルジュース」（８８）、「バットマン」（８９）、「シザーハンズ」）９０）、「バットマン リターンズ」（９２）

「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」（９３）、「エド・ウッド」（９４）、「マーズ・アタック！」（９６）、「スリーピー・ホロウ」（９９）、「ビッグ・フィッシュ」（０３）

「チャーリーとチョコレート工場」（０５）、「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」（０７）、「アリス・イン・ワンダーランド」（１０）、「ダーク・シャドウ」（１２）

「ビッグ・アイズ」（１４）など、みんなが大好きな作品ばかり。プロデュース作品もいっぱい。ところで監督最新作が、２年ぶりに公開されます。それが…

「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」（１６）。原作は、ランサム・リグズのベストセラー小説『ハヤブサが守る家』。孤独な少年ジェイク（エイサ・バターフィールド）は…

周囲になじめずにいました。唯一の理解者だった祖父エイブ（テレンス・スタンプ）が謎めいた死を遂げ、その遺言に従ってある小さな島を訪れます。

森の奥で古めかしい屋敷を見つけたジェイクは、そこでミス・ぺレグリン（エヴァ・グリーン）と出合うのです。そして不思議な力を持つ、奇妙な子供たちも。

浮遊能力を持つエマ（エラ・パーネル）、物に命を吹き込むことが出来るイーノック（フィンレー・マクミラン）、指先から火を放つオリーヴ（ローレン・マクロスティ）

小さな体に見合わぬ怪力の持ち主ブロンウィン（ピクシー・デイヴィス）たち。彼らと心を通わせ、やがて自らの力に目覚めていくジェイク。果たして？

クリス・オダウド、アリソン・ジャネイ、ルパート・エヴェレット、ジュディ・デンチ、サミュエル・Ｌ・ジャクソン共演。ティム・バートンならでは…の映画！

素晴らしき７人！

ユル・ブリンナー、スティーヴ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ロバート・ヴォーン、ホルスト・ブッフホルツ、ブラッド・デクスター

豪華７人の俳優たちが出演した、ジョン・スタージェス監督「荒野の七人」（６０）。マックィーンは、３年後、同監督の「大脱走」（６３）で大ブレイクします。

それはさておき「荒野の七人」のオリジナルが、黒澤明監督「七人の侍」（５４）なのは有名。戦国時代の貧しい農村。野武士に襲われる農民たちが雇った浪人たち。

スタージェス版は、西部開拓時代のメキシコの寒村が舞台。見比べてみるのも楽しめます。５６年ぶりにリメイク作が作られ、いよいよ公開されます。

「トレーニング デイ」（０１）、「イコライザー」（１４）のアントワーン・フークア監督「マグニフィセント・セブン」（１６）。３度目のコラボとなる、デンゼル・ワシントン主演。

冷酷非道なバーソロミュー・ボーグ（ピーター・サースガード）に支配される、ローズ・クリークの人々。彼に家族を殺されたエマ・カレン（ヘイリー・ベネット）は…

復讐のため賞金稼ぎのサム（デンゼル・ワシントン）を雇います。サムが集めたのは、ギャンブラーのジョシュ（クリス・プラット）、スナイパーのグッドナイト（イーサン・ホーク）

ハンターのジャック（ヴィンセント・ドノフリオ）、暗殺者のビリー（イ・ビョンホン）、流れ者のヴァスケス（マヌエル・ガルシア＝ルルフォ）、戦士のレッド・ハーベスト…

（マーティン・センズメアー）の６人。果たして、この戦いの行方は？イーサン・ホークは「クロッシング」（００）で、監督と組んでいます。

それから忘れてはいけないのが、ＴＶシリーズの「荒野の七人」（９８～００）。主演は、大好きなマイケル・ビーン。懐かしいなぁ～。素敵でした。

裏社会の掃除屋です。

いつも映画を見る時は、どうしても監督や主演俳優に目が行きがち。でも、脇役の素晴らしさも忘れてはならないことは、映画ファンはよく知っています。

例えば、１９４４年７月８日サンフランシスコ出身のジェフリー・タンバー。すぐには顔を思い出せなくても、実はたくさんの映画で見ているんですね～。

名前を聞いたことがあるでしょ？ちょっとピーター・ボイルに似ているかも。映画、ＴＶＭ、ＴＶシリーズ、アニメの声優として活躍しています。

ＴＶ「刑事コジャック」（７７）でデビューし、ノーマン・ジュイソン監督「ジャスティス」（７９）で映画デビュー。その後は、「メル・ブルックス／逆転人生」（９１）

「ドクター・ドリトル」（９８）、「１７歳のカルテ」（９９）、「グリンチ」（００）、「ヘルボーイ」（０４）、「宇宙人ポール」（１０）、「ハングオーバー！！！最後の反省会」（１３）など…

本当に多数。でも今日の主役はベン・アフレック。彼はあくまで脇役。ギャヴィン・オコナー監督「ザ・コンサルタント」（１６）です。田舎町のしがない会計士…

クリスチャン・ウルフ（ベン・アフレック）に、ある大企業から財務調査依頼が舞い込みます。調査を進めると、重大な不正を発見。しかし、突然依頼がキャンセルに。

何者かに命を狙われるウルフ。実は彼、闇の社会の会計士として、各国の危険人物の裏帳簿を握る凄腕の暗殺者だったのです。果たして、それは？

アナ・ケンドリック、Ｊ・Ｋ・シモンズ、ジョン・バーンサル、ジェフリー・タンバー、ジョン・リスゴー、シンシア・アダイ＝ロビンソン、ジーン・スマート共演。

脚本も書き、プロデュースもし、監督、主演するベン・アフレック。アカデミー賞など数々の受賞歴も素晴らしい。映画は、脇役にも注目しましょう。

スノーデン事件の真実

ロバート・ゼメキス監督「ザ・ウォーク」（１５）で、ニューヨークのツインタワーこと＜ワールドトレードセンター＞にロープ渡し、綱渡りをしたフランス人青年…

フィリップ・プティを演じたジョセフ・ゴードン＝レヴィット。１９８１年２月１７日、ロサンゼルス出身の３５歳。いつの間にか中堅俳優になっていました。

最新作は、個人的に大注目作品。それがアカデミー賞監督賞に２度（「プラトーン」（８６）と「７月４日に生まれて」（８９））も輝く、オリヴァー・ストーン監督の…

「スノーデン」（１６）です。大好きなＴＶシリーズ「パーソン・オブ・インタレスト」（１１～１６）でも話題になった、アメリカ政府による個人情報監視の事実。

このテーマを描くには、オリヴァー・ストーン監督がぴったり！２０１３年６月３日、香港の高級ホテル。エドワード・スノーデン（ジョセフ・ゴードン＝レヴィット）は…

ドキュメンタリー作家ローラ・ポイトラス（メリッサ・レオ）、ガーディアン紙の記者グレン・グリーンウォルド（ザカリー・クイント）を自室に招き入れます。

元ＣＩＡとＮＳＡ＜国家安全保障局＞の職員だったスノーデンは、アメリカ政府が秘かに作り上げた国際的な監視プログラムの存在を内部告発するのです。

それはテロリストばかりか民間企業、同盟国、個人も対象とされ、全世界のメールや携帯電話での通話を監視している事実。２００４年からの９年間…

彼はそのことに危機感を募らせていました。キャリアも幸せな生活も捨てたスノーデンの行動とは、果たして？シェイリーン・ウッドリー、トム・ウィルキンソン、

スコット・イーストウッド、ティモシー・オリファント、リス・エヴァンス、ニコラス・ケイジ共演。現在、スノーデンはロシアに在住。何が起きたのか、見なくては。

棄教とは？

予告編を見て、こんなにもつらい気分にさせられた映画は久しぶり。今なら考えられないことで人が迫害を受けるのは、つら過ぎます。

１９２３年３月２７日、東京の巣鴨、カトリックの家系に生まれ、１２歳の時洗礼を受けます。１９５０年にフランスに留学。帰国後、批評家として活動。

１９５５年に発表した小説『白い人』が、芥川賞を受賞。狐狸庵山人とういう雅号を聞いてすぐにわかる方は、読書人ですね。純文学から随筆、文芸評論…

戯曲、軽いエッセイと、ジャンルも様々な小説家、遠藤周作。１９９６年９月２９日、７３歳で肺炎のため死去しますが、代表作と言えばやはりこの作品…

１９６６年３月刊行の『沈黙』です。原作と出合って２８年、マーティン・スコセッシ監督が映画化しました。２０１６年は、遠藤周作没後２０年。

それが「沈黙」（１７）です。島原の乱が収束して間もない頃。１７世紀の江戸初期。幕府によるキリシタン弾圧が、激しさを増していた長崎。

宣教師のフェレイラ（リーアム・ニーソン）が日本で捕まり、棄教＜信仰を捨てる事＞したとの知らせを受けた彼の弟子ロドリゴ（アンドリュー・ガーフィールド）と…

ガルペ（アダム・ドライヴァー）は、キチジロー（窪塚洋介）の手引きによりマカオから長崎へと潜入。そこで彼らが見たものは、想像を絶する光景でした。

その後彼らは、隠れキリシタンと呼ばれる人々と出会うのです。果たして、それは？浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ共演。

内容は違うけど、ローランド・ジョフィ監督、ロバート・デ・ニーロ主演「ミッション」（８６）も感動作でした。あっ、リーアム・ニーソン出てました。涙で見ましょう。

次の飼い主は、誰？

トッド・ソロンズ監督作品は、脚本、製作も兼ねて監督デビューした「ウェルカム・ドールハウス」（９５）で、サンダンス映画祭のグランプリを受賞。

２作目は「ハピネス」（９８）。そして「ストーリーテリング」（０１）、「おわらない物語 アビバの場合」（０４）、「ダークホース リア獣エイブの恋」（１１）、

これまでの監督作品はすべて脚本を書くトッド・ソロンズは、独自の世界観を描きます。もしかすると、ハマってしまう映画ファンの方もいるかも。

作品数が少ないのも特長。最新公開作が、「トッド・ソロンズの子犬物語」（１５）。なんと４年ぶりの作品なんですねぇ。監督ファンにはお待ちどうさま。

そしてもしかして、ソロンズ監督初めての方には“初めまして”の本作は、胴長で足が短いダックスフントが主役。なので犬好きの方も大いに楽しめます。

病気がちな息子レミ（キートン・ナイジェル・クック）を持つ母親ダイアナ（ジュリー・デルピー）は、新しい家族として犬を飼うことにします。

しかし、ダックスフントの子犬は問題ばかり起こして次の飼い主へ。崖っぷちに立たされた、映画学校の講師兼脚本家シュメルツ（ダニー・デヴィート）。

次は、偏屈なおばあさんナナ（エレン・バースティン）とその孫娘ゾーイ（ゾーシャ・マメット）。さらにその次は、大人になっても自分のやりたいことが…

見つからない獣医の助手ドーン・ウィーナー（グレタ・ガーウィグ）。他にもいるけど、みんな思い通りにならない人生を送りながら、何かを求めていました。

アメリカ中をマイペースでさすらうダックスフントと、その飼い主たち。うむ。キーラン・カルキンとトレイシー・レッツ共演。犬の気持ちで見ましょうか？

天才外科医の変貌

ＢＢＣ製作のＴＶＭ「ＳＨＥＲＬＯＯＫ（シャーロック）」（１０、１２、１４）は、日本では現在シーズン３まで放映、ソフトが発売されています。

イギリスではシーズン４が、２０１７年１月１日、８日、１５日に３話放送予定。日本での予定は未定。早く見たい！！今年２月には、劇場公開された…

特別篇のダグラス・マッキノン監督「ＳＨＥＲＬＯＣＫ／シャーロック 忌まわしき花嫁」（１５）がありました。すっかりメジャーになったベネディクト・カンバーバッチは…

モルテン・ティルドゥム監督「イミテーション・ゲーム」（１４）や、スコット・クーパー監督「ブラック・スキャンダル」（１５）などにも出演。忙しいんです。

カンバーバッチ（愛称はベン）も、いよいよアメコミの主人公を演じることに。スコット・デリクソン監督「ドクター・ストレンジ」（１６）で、マーベルコミックスが…

１９６３年６月に発表したアニメの映画化です。天才脳外科医のスティーヴン・ストレンジ（ベネディクト・カンバーバッチ）は、かなり傲慢な男でした。

ところが突然の交通事故によって、両手の機能を失ってしまいます。あらゆる治療を試すうちに、財産も使い果たし、名声までも失うのでした。

最後の望みは、どんな傷も治せる神秘の力を操る指導者エンシェント・ワン（ティルダ・スウィントン）。想像を絶する厳しい修業をする、ストレンジ。

そして闇の魔術の存在を知った時、壮絶な魔術の戦いに巻き込まれるのでした。果たして？予告編を見ると、まるで「インセプション」（１０）みたい！

キウェテル・イジョフォー、レイチェル・マクアダムス、ベンジャミン・ブラット、マッツ・ミケルセン共演。傲慢なＤｒ．ストレンジ、ぜひ見ます。

帽子に花を付けましょう。

マリオ・ヴァン・ピーブルズ監督「パシフィック・ウォー」（１６）は、ニックとトム・サイズモア、トーマス・ジェーン男優３人が共演する戦争映画ですが…

キャリー・マリガン、ヘレナ・ボナム＝カーター、メリル・ストリープという、名女優３人が共演する実話を基に描くヒューマンドラマが公開されます。

メリル・ストリープがアカデミー賞主演女優賞を受賞した、フィリダ・ロイド監督「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」（１１）の脚本を担当した…

アビ・モーガンが今回も担当。それがサラ・ガヴロン監督「未来を花束にして」（１５）。ポスターもサイトも紫色と美しい花々を散りばめて、女性映画をアピール。

１９１２年のロンドン。夫サニー（ベン・ウィショー）と幼い息子ジョージと暮らす、モード・ワッツ（キャリー・マリガン）。７歳でパート、１２歳で社員として…

夫と共に洗濯工場で働いています。そこは劣悪な環境で、しかも給料は安く、将来に希望もなかったのです。ある日、偶然に女性参政権を求めて…

活動する女性社会政治同盟（ＷＳＰＵ）の過激行動に出くわします。サフラジェットと呼ばれる活動家と出会い、公聴会に参加したことでこれまでの生き方に…

初めて疑問を持つのでした。リーダーのエメリン・パンクハースト（メリル・ストリープ）の演説を聞き、デモにも参加するなど運動にのめり込むモード。

その頃、取り締まりが強化され、アーサー・スティード警部（ブレンダン・グリーソン）が赴任して来ます。さらに活動を快く思わない夫に家を追い出され…

息子と引き離され、職場もクビに。果たして、彼女の未来とは？他にジェームズ・マカヴォイさんの奥さん、アンヌ＝マリー・ダフ共演。ロモーラ・ガライも。必見。

コディ・ウォーカー、本格デビュー作

ウーリー・エデル監督「ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄」（１６）のニコラス・ケイジ、リドリー・スコット監督「ブラックホーク・ダウン」（０１）のトム・サイズモア、

ジョナサン・ヘンズリー監督「パニッシャー」（０４）のトーマス・ジェーン。男の中の男とも言うべき、３人の男優が共演する作品が公開されます。それも戦争映画。

俳優で監督のメルヴィン・ヴァン・ピーブルズを父に持つ、マリオ・ヴァン・ピーブルズ。彼も俳優で監督です。ＴＶＭ「ＲＯＯＴＳ／ルーツ」（１６）の監督の１人。

最新監督作が、「パシフィック・ウォー」（１６）なんです。そう言えば、最近は監督業に専念のようで、マリオ・ヴァン・ピーブルズの出演作、見てないですね。

太平洋戦争末期の１９４５年。アメリカ軍の巡洋艦インディアナポリスを率いるのは、マクベイ艦長（ニコラス・ケイジ）。彼はある極秘任務を受けます。

それは、太平洋戦争終結を目的にアメリカ軍が開発した最終兵器＜原子爆弾＞を、サイパン島から約８ｋｍのテニアン島に輸送するというもの。

日本軍の猛攻をくぐり抜け、任務を遂行。そしてインディアナポリスは、次の目的地へ出発します。その時、橋本少佐（竹内豊）率いる日本軍の潜水艦から…

発射された魚雷が艦を直撃。激しい戦闘の末、沈没するインディアナポリス。何とか脱出したものの、太平洋を漂流する羽目になった生存者たち。

艦長と兵士たちは飢えと喉の渇き、さらに獰猛なサメが襲いかかる極限状態。次々と命を落とす兵士たち。果たして？他にジェームズ・レマーと…

今は亡きポール・ウォーカーの弟コディ・ウォーカー共演。本格的なスクリーンデビューです。部下のために奮闘するニック。真っ白な海軍の軍服。素敵です。

目指せ！国際数学オリンピック

マイラ・ゴールドバーグ原作、スコット・マクギー＆デヴィッド・シーゲル監督、リチャード・ギア＆ジュリエット・ビノシュ主演「綴り字のシーズン」（０５）、見ました？

この作品で、文字を綴る“スペリング・コンテスト”というのを知りました。アメリカでは、熱狂的な大会として有名だそう。１１歳の少女が学校のコンテストで優勝。

地区大会、全国大会と進んで行くのです。未見の方は、ぜひ。そして今度は、数学です。自閉スペクトラム症をご存知ですか？ＡＳＤと呼ばれています。

ドキュメンタリー監督、モーガン・マシューズ初長編監督作「僕と世界の方程式」（１６）です。イングランド中部シェフィールド。ネイサン（エイサ・バターフィールド）は…

大好きだった父マイケル（マーティン・マッキャン）を事故で亡くします。そのせいで、母ジュリー（サリー・ホーキンス）や、周囲に心を閉ざすＡＳＤに。

他人とのコミュニケーションが苦手なネイサンは、数学に関しては突出した才能を持っていました。ジュリーは息子の才能を伸ばそうと、数学教師の…

マーティン（レイフ・スポール）に個人指導を依頼。ネイサンは、国際数学オリンピックのイギリス代表チームの１人に選ばれるのでした。

そして代表チームの監督リチャード（エディ・マーサン）と共に、台北でのトレーニング合宿に参加することに。そこでライバルの中国チームの少女…

チャン・メイ（ジョー・ヤン）と出合うのでした。果たして、ネイサンは？演じるエイサは、マーティン・スコセッシ監督「ヒューゴの不思議な発明」（１１）に主演。

レイフ・スポールは、ティモシー・スポールの息子ですね。エディ・マーサンは、「おみおくりの作法」（１３）が感動的でした。もちろん、見ましょう。