モノクロの「マクベス」

ウィリアム・シェイクスピアの４大悲劇は『ハムレット』（１６００年）、『オセロー』（１６０４年）、『リア王』（１６０５年）、

そして『マクベス』（１６０６年）。『ロミオとジュリエット』（１５９５年）は違うんですね。シェイクスピア劇は大好きで、特に悲劇は。

舞台はいずれも見ていますが、映画化も多数。古くは１９１４年版、オーソン・ウェルズ監督、主演の１９４８年版。ロマン・ポランスキー 監督、

ジョン・フィンチ主演の１９７１年版。ジャスティン・カーゼル監督、マイケル・ファスベンダー主演の２０１５年版。この作品のマクベス夫人は…

マリオン・コティヤールでした。３人の魔女、予言、ファムファタール、国王暗殺、バーナムの森など、キーワードが劇をより面白くします。

そんな「マクベス」（２１）を初の単独監督作として、ジョエル・コーエン監督が映画化。マクベスをデンゼル・ワシントン、夫人を監督の妻の…

フランシス・マクドーマンドが演じます。夫妻は製作も担当。荒野で出会った３人の魔女から、王になるという予言を受けるスコットランドの…

将軍マクベス。帰還したマクベスの野心と彼を唆すマクベス夫人の叱咤で、２人はダンカン王（ブレンダン・グリーソン）暗殺を果たします。

しかし、王位に就いたマクベスは内外からの重圧に耐えきれず、やがて狂気に囚われていきます。同じ頃、マクベス夫人も亡くなり…。

果たして？戯曲を読んだり、舞台を見た方は結末を知っているわけで、やはり役者の演技を楽しみましょう！動画配信前の上映、モノクロで。

「バイオハザード」シリーズ、原点の登場

本屋さんに行くとゾンビ関係の書籍がたくさんあり、その人気はカルトを越えています。ジョン・オースティン著『ゾンビの作法』は…

もし自分がゾンビになったら役立つ情報がいっぱい。マックス・ブルックス著『ゾンビサバイバルガイド』は、ゾンビと対峙した時の武器や…

どうやって逃げるかの解説書。ゾンビ映画はそれこそたくさん！中でもポール・Ｗ・Ｓ・アンダーソン脚本、製作、監督「バイオハザード」（０２）。

本作で知り合った監督とミラ・ジョヴォヴィッチは、０９年に結婚。２人は続編のアレクサンダー・ウィット監督「バイオハザードⅡ アポカリプス」（０４）以外…

「バイオハザードⅢ」（０７）、「バイオハザードⅣ アフターライフ」（１０）、「バイオハザードⅤ：リトリビューション」（１２）、

「バイオハザード：ザ・ファイナル」（１６）とコラボしてます。シリーズ最新作「バイオハザード：ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」（２１）は…

イギリスのケンブリッジ出身のヨハネス・ロバーツ監督作。アメリカ中西部、ラクーンシティ郊外。かつて製薬会社アンブレラ社の工場が…

あったのですが、今ではそのほとんどが移転。孤児院育ちのクレア・レッドフィールド（カヤ・スコデラーリオ）は、ある日、アンブレラ社が…

秘密裏に行っていた研究開発についてのメッセージを受け取ります。不審に思ったクレアはラクーンシティに戻り、市警の特殊部隊に所属する…

兄のクリス（ロビー・アメル）を訪ねます。最初は取り合わないクリスも、クレアと真相を突きとめることに。果たして？ゾンビは永遠です。

ヒトデの意味は？

『未体験ゾーンの映画たち２０２２』の上映作品をもう１本。Ａ・Ｔ・ホワイト監督のイギリス映画「スターフィッシュ」（１８）です。

大胆なポーズ、構成のポスターは謎を秘めています。映画本編に時々挿入されるアニメーションは、日本の手塚プロダクションが制作を担当。

親友のグレースを亡くし、大きな喪失感を抱えるオーブリー・パーカー（ヴァージニア・ガードナー）。親友のアパートで思い出に浸りながら…

一夜を明かします。しかし、目が覚めると街は深い雪に覆われ、人影もありません。もしや地球上には自分だけ？いったい何が？

グレイスのアパートで暮らし始めたオーブリー。やがて食料が底をつき、電気や水道も止まる中、残されたカセットテープを見つけます。

そこには『このミックステープが世界を救う』と書かれていました。未知の次元からの謎の信号が終末を呼び起こし、外には謎の生物が。

グレイスの残したメッセージに導かれ、世界を救うべくカセットテープ探しの冒険に出るオーブリー。巨大な生物が世界を支配し…

彼女を囲み始めます。残りのテープを見つけるため、生物を撃退し、自分の抱えている悲しみを乗り越えなければならないのです。

果たして、信号は世界を救うことができるのでしょうか？タイトルの「スターフィッシュ」とは、ヒトデのこと。まだよくわかりませんが…。

ヴァージニア・ガードナーは、ＴＶ「ｇｌｅｅ／グリー」（１３）などに出演経験があります。映画「ハロウィン」（１８）にも。若手のお約束。

火星で１人、少女レミ

人類は地球に住めなくなると、火星を目指します。なんでも火星は人が住める可能性があるとか、聞いたことが…。でも今の段階では…

あくまでも小説や映画の世界でのこと。火星探索は今後も続くのでしょう。ポール・ヴァーホーヴェン監督「トータル・リコール」（９０）、

ブライアン・デ・パルマ 監督「ミッション・トゥ・マーズ」（００）、アントニー・ホフマン監督「レッドプラネット」（００）、

リドリー・スコット監督「オデッセイ」（１５）、ダニエル・エスピノーサ監督「ライフ」（１７）など、火星関連の映画はたくさんあります。

インド映画「ミッション・マンガル」（１９）も。『未体験ゾーンの映画たち２０２２』で上映のイギリス映画、 ワイアット・ロックフェラー脚本、監督…

「マーズ」（２１）もズバリ、火星移住した家族の物語。近未来の火星。地球から移住した人類は各自コロニーを作り、暮らしていました。

ある日、辺境の地のコロニーに住む家族が何者かに襲撃されます。激しい戦闘で父親（ジョニー・リー・ミラー）は死亡。残されたのは…

母親のイルザ（ソフィア・ブテラ）と幼い娘レミ（ブルックリン・キンバリー・プリンス）。かつてそのコロニーの持ち主だったという…

ジェリー（イスマエル・クルス・コルドバ）と名乗る襲撃者は、反撃に出たイルザまで殺害。幼いレミはジェリーと生きて行くことに。

果たして？ソフィア・ブテラは、アルジェリア出身のフランス人。「ザ・マミー／呪われた砂漠の王女」（１７）の蘇ったアマネット。綺麗！

特捜部Ｑ、キャスト変わりました。

１９６２年から映画化されているイアン・フレミング原作のスパイ映画「００７」。２５作目の「００７／ノー・タイム・トゥ・ダイ」（２０）まで…

主役のジェームズ・ボンドを演じたのは６人。俳優が変わっても、ボンドはボンド。でも、デンマークの作家ユッシ・エーズラ・オールスンの…

特捜部Qシリーズは、映画化された主役２人に思い入れが強くて…。原作は『特捜部Q 檻の中の女』（０７年刊行）、『キジ殺し』（０８）、

『Ｐからのメッセージ』（０９）、『カルテ番号６４』（１０）、『知りすぎたマルコ』（１２）、『吊された少女』（１５）、『自撮りする女たち』（１６）、

『アサドの祈り』（１９）の８作があります。この内、順に４作目までが映画化。監督は代わっても、カール・マーク刑事をニコライ・リー・コス、

相棒のアサドをファレス・ファレスが個性たっぷりに演じています。特に切れやすいカールを絶妙に受けるアサドがお気に入り。なのに！

最新作のマーチン・サントフリート監督「特捜部Q 知りすぎたマルコ」（２１）では、出演者が変更。ヒューマントラスト渋谷で開催の…

『未体験ゾーンの映画たち２０２２』で上映されます。未解決事件を扱うコペンハーゲン警察の特捜部Q。逮捕直前に犯人の自殺を…

目の当たりにし、休養中の警部補カール（ウルリク・トムセン）。早々に復帰し、相棒のアサド（ザキ・ユーセフ）と公務員失踪事件を調査。

ある日、彼のパスポートを所有し、拘束された少年マルコ。果たして？まだ原作３作あるので、映画化を待ちましょう！ファンなので。

ロックで悩みをぶっ飛ばせ！

ノルウェーの映画には、実在した少年矯正施設の反乱事件を描いたマリウス・ホルスト監督「孤島の王」（１０）、ヨアヒム・ローニングと…

エスペン・サンドベリ監督の冒険映画「コン・ティキ」（１２）、グンナル・ヴィケネ監督の家具職人とＩＫＥＡ創業者の犯罪コメディ…

「ハロルドが笑う その日まで」（１４）、エリック・ポッペ監督の実録歴史ドラマ「ヒトラーに屈しなかった国王」（１６）と２０１１年に起きた…

無差別乱射テロ事件の映画化「ウトヤ島、７月２２日」（１８）、ヨアキム・トリアー監督のサスペンス映画「テルマ」（１７）などがあります。

結構見てます。今度は青春音楽ロードムービー！１９７７年、ノルウェーのヴィンストラ出身のクリスティアン・ロー監督「ロスバンド」（１８）です。

両親の不仲に悩むドラム担当のグリム（ターゲ・ホグネス）、グリムの親友でギター兼ボーカルのアクセル（ヤコブ・ディールード）。

２人はノルウェーのロック大会に出場するため、日々練習に励んでいました。しかし、グリムはアクセルの音痴が気になって仕方がありません。

真実を言い出すことができないグリム。念願の大会出場チケットを手に入れたものの、ベーシストはいないし、開催地は北の果てトロムソ。

ある日、ベーシストのオーディションにやって来た９歳のチェロ奏者ティルダ（ティリル・マリエ・ホイスタ・バルゲル）がメンバーとなり…

“ロスバンド”は、ドライバーのマッティン（ヨナス・ホッフ・オフテブロ）と４人、トロムソを目指します。果たして？皆悩んでます。

航空機業界の闇とは？

航空事故でよく耳にする“ブラックボックス”。事故原因の調査のための飛行データや操縦室の音声などを記録。映画やＴＶドラマなどでも…

重要な役割を果たしています。でも想像を絶する衝撃を物ともせず、ちゃんと残っているなんて。すごいです。実際には黒い箱ではなく…

すぐに発見されるように赤やオレンジなんだそう。海に落ちたら無理でしょうね。回収したブラックボックスは、内容を分析されます。

フランス映画、ヤン・ゴズラン監督「ブラックボックス：音声分析捜査」（２１）は、ピエール・ニネ主演のサスペンススリラー。

監督とニネは「パーフェクトマン 完全犯罪」（１５）でも組んでます。ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落。乗客乗務員３１６人…

全員が死亡します。さらに航空事故調査局の音声分析官ポロックが、謎の失踪を遂げます。ポロックから調査を引き継いだマチュー（ピエール・ニネ）。

フライトレコーダー（ブラックボックス）を開けて調べると、墜落の直前、男がコックピットへ。乗客にイスラム過激派と思われる人物が…

いたことが判明し、マチューの分析は高く評価されます。やがて彼は、犠牲者の１人が夫に残した事故直前の留守番電話を聞きます。

しかし、その音がブラックボックスに残された音と違うことに気付くのです。果たして、何が？ところで主演のピエール・ニネは…

１９８９年３月１３日、フランス出身の３２歳。「イヴ・サンローラン」（１４）の主演で、セザール賞最優秀男優賞を受賞。見ましょ。

壁にはキューピッドの絵がありました。

ピーター・ウェーバー監督のデビュー作が、トレイシー・シュヴァリエ原作の「真珠の耳飾りの少女」（０３）です。この有名な絵画を描いたのは…

バロック美術を代表する画家の１人、ヨハネス・フェルメール。演じたのはコリン・ファース！耳飾りをしているのは、画家の家の下働きの少女。

演じているのはスカーレット・ヨハンソン。１６６５年のオランダの港町デルフトの様子や、当時の人々の暮らしがリアルに描かれ…

しかもフェルメール自身の性格や夫人やその母親との関係など、彼の絵画から受ける好印象とは裏腹。出演者は好きだけど…。

日本でも大人気のフェルメール。絵画展があれば必ずお出かけ。久々に東京都美術館で「フェルメールと１７世紀オランダ絵画展」が開催されます。

１６世紀から１８世紀にかけて、オランダはネーデルラント連邦共和国と呼ばれていて、フェルメールもネーデルラント出身です。

現存する作品がわずか３２～３７点とも言われているフェルメール。本展のメインは、ポスターにある『窓辺で手紙を読む女』（１６５７年頃）。

１９７９年にＸ線調査によって、何もない壁にキューピッドの絵があることが判明。２０２１年修復作業を終了し、９月に初お披露目しました。

所蔵館以外で世界初公開の本作！修復作業の紹介や、さらにレンブラント・ファン・レイン作『若きサスキアの肖像』（１６３３年）、

ヘラルト・テル・ボルフ作『手を洗う女』（１６５５～５６年頃）など、目を見張る作品も。日時指定予約してお出かけしましょう！

マヤの妄想と現実とは？

１９７９年１１月２５日、スウェーデンのストックホルム出身のジョエル・キナマンの名前を意識したのは、ジョゼ・パヂーリャ監督…

「ロボコップ」（１４）から。ポール・ヴァーホーヴェン監督、ピーター・ウェラー主演の同作品のリメイクでした。実はキナマンは…

それ以前にも出演作品はあり、見ていたんですねぇ。ＴＶシリーズに出演の合間に、ダニエル・クレイグ版「ドラゴン・タトゥーの女」（１１）、

「ダーケストアワー 消滅」（１１）、「デンジャラス・ラン」（１２）、「チャイルド４４ 森に消えた子供たち」（１４）、「聖杯たちの騎士」（１５）、

「ラン・オールナイト」（１５）などに出演。最新公開作は、イスラエルのヘルツリーヤ出身のユヴァル・アドラー監督「マヤの秘密」（２０）。

１９５０年代、アメリカの郊外にある町。ロマ民族のマヤ・リード（ノオミ・ラパス）は、ある男（ジョエル・キナマン）の指笛を耳にします。

それは第２次世界大戦中のルーマニア。自分を暴行し、妹ミリアを殺害したナチスの軍人だったトーマス・スタインマンだったのです。

復讐を誓うマヤは、男を誘拐。夫ルイス（クリス・メッシーナ）の手を借りて、自宅の地下室に監禁します。殺したい気持ちを抑え…

男に罪の自白を求めるマヤ。人違いだと否定し続ける男。マヤを信じたい夫。そしてマヤの狂気じみた行動と秘密。果たして、それは？

スウェーデン出身のキナマンは、見た目、ドイツ人役に適役。本作のプロデューサーも務めるノオミ・ラパスもスウェーデン出身。見ましょ。

窓の向こうにいるのも、私

タイムトラベルをテーマにした映画は数々あり、まずＳＦ。スーパーナチュラルもの、恋愛もの、コメディ、パロディ、ホラーなど。

細かいジャンルはともかく、今回は中国からのコメディ映画。監督のジア・リンは、１９８２年４月２９日湖北省出身。人気コメディアンヌの…

彼女が監督、脚本、主演を務めた「こんにちは、私のお母さん」（２１）が、公開されます。本作は、な、なんと！

全世界興収９００億円を記録し、“世界最高の興行収入を獲得した女性監督”の名誉に輝いたそうです。監督のことは、まったく知らなくて…。

元気と明るさだけが取り柄の高校生ジア・シャオリン（ジア・リン）。何をやっても上手くいかず、母リ・ホワンイン（リウ・ジア）に苦労ばかり。

母を喜ばせたい一心で一流大学の合格通知を偽造し、２人は大学合格パーティへ。しかし偽造がバレ、パーティは散々な結果に。

さらに帰り道、交通事故に遭ってしまいます。病院で意識のない母に付き添うジアが目を覚ますと、１９８１年にタイムスリップ！

そこで若き日の母（チャン・シャオフェイ）と出会ったジアは、母に幸せになってもらうため、お金持ちの男性と結婚させようと奮闘。

でもそれでは、自分は生まれてこない？うむ、果たして？タイムスリップ、タイムワープ、タイムトリップ、タイムトラベル…

なんと呼ばれようと、時間や出来事を変えてしまうことはとっても危険。結末が気になります。でも主人公を演じるジア・リンは…

撮影時、なんと３９歳！道理で…。自身の亡き母にしてあげたかったこと、話したかったことなどを詰め込んだ映画なんですね。