トム・クルーズの「ミイラ再生」

古代エジプトを代表するのは、巨大建造物のピラミッドやスフィンクス。王家の谷、そしてミイラ。映画の題材には、事欠きません。なにしろ、謎に満ちた場所だし…

夢とロマンがいっぱい！アガサ・クリスティ原作、ジョン・ギラーミン監督「ナイル殺人事件」（７８）。歴史劇なら、デヴィッド・リーン監督「アラビアのロレンス」（６２）

スティーヴン・ソマーズ監督「ハムナプトラ／失われた砂漠の都」（９９）と「ハムナプトラ２／黄金のピラミッド」（０１）、ロブ・コーエン「監督「ハムナプトラ３…

呪われた皇帝の秘宝」（０８）もあります。ところでこの「ハムナプトラ／失われた砂漠の都」のオリジナルは、カール・フロイント監督「ミイラ再生」（３２）。

アーノルド・ヴォスルーが演じたイムホテップを、ホラー映画界の大スター、ボリス・カーロフが演じました。もちろん、未見ですけど。新たに映画化したのが…

アレックス・カーツマン監督「ザ・マミー／呪われた砂漠の王女」（１７）です。映画やＴＶシリーズのプロデューサーとして活躍するカーツマン、初監督作品。

現代のイラク。アメリカ軍関係者のニック・モートン（トム・クルーズ）と、クリス・ヴェイル軍曹（ジェイク・ジョンソン）は、戦闘地帯で偶然、古代エジプトの…

文字が刻まれた石棺を発見します。考古学者のジェニー・ハルセイ（アナベル・ウォーリス）たちと調査のために、石棺をイギリスに輸送することに。

ところが、途中アクシデントが発生。ニックたち軍関係者を乗せたまま、輸送機はロンドン郊外に墜落。石棺は行方不明となってしまうのでした。

やがて王女アマネット（ソフィア・ブテラ）が目覚め、世界は恐怖のどん底に…。果たして？ヘンリー・ジキル博士をラッセル・クロウが演じます。ハイド氏もね。

パラダイス島のお姫さま

また、アメコミ映画のご紹介。ＤＣコミックスのウィリアム・モールトン・マーストンが生み出した、『ワンダーウーマン』です。初登場は、１９４１年１１月。

『オールスターコミックス』誌でした。レナード・Ｊ・ホーン監督「ワンダーウーマン」（７５）というパイロット版を経て、ＴＶシリーズが始まります。

それがあのリンダ・カーター主演、ＡＢＣーＴＶ「ワンダーウーマン」です。「奇想天外！空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン」（７６～７９）という…

タイトルだったようです。もう忘れていましたが。すご過ぎ！日本ではフジＴＶで放映。オリジナルのシーズン２と３は、ＣＢＳに移っての放送だったそう。

なにしろ、元ミス・ワールドアメリカ代表のリンダ・カーターの美しさと人気は最高でした。アメコミブームの今、映画化されない理由がないですね。

シャーリーズ・セロンが、アカデミー賞主演女優賞を受賞した「モンスター」（０３）のパティ・ジェンキンス監督、最新作が「ワンダーウーマン」（１７）です。

女性だけが暮らすパラダイス島。プリンセスとして生まれ育ったダイアナ（ガル・ガドット）は、外の世界を知らず、男性を見たこともありませんでした。

ある日、島に漂着したアメリカ人パイロット、スティーブ・トレバー（クリス・パイン）を助けたことで、運命が大きく変わります。島の外の世界では…

大きな戦争が起きていることを知り、自分の力で世界を救いたいと願うのです。そしてスティーブと共に、ロンドンへ。何も知らないけど、スーパーヒロイン！

果たして？コニー・ニールセン、ロビン・ライト、デヴィッド・シューリス、ダニー・ヒューストン、ユエン・ブレムナー共演。意外と豪華。ですね？

マグワイア、ガーフィールド、そしてホランド

マーベル・コミックのアメコミ映画。そうりゃ～もう、たくさんありすぎて…。ハリウッドは次々に映画化し、世界中で大ヒット。とにかくアメコミは人気です。

劇中、色んな役でちょこっと出てるのが、クリエーターのスタン・リー。１９２２年１２月２８日ＮＹ出身の９４歳。ぜひ、顔を覚えて確認して下さいね。

それはともかく、スタン・リー（ライター）とスティーブ・ディッコ（アーティスト）原作のコミック『スパイダーマン』は、１９６１年８月に初登場しました。

映画化は、サム・ライミ監督「スパイダーマン」（０２、０４、０７）シリーズ３作は、トビー・マグワイア主演。それまでゲイリー・ロス監督「カラー・オブ・ハート」（９８）、

ラッセ・ハルストレム監督「サイダーハウス・ルール」（９９）、アン・リー監督「楽園をください」（９９）、カーティス・ハンソン監督「ワンダー・ボーイズ」（００）などを…

見ていた映画ファンにとって、若くして高い評価を得たのに、なぜアメコミ？って思いました。しかし３部作で終了したはずが、アンドリュー・ガーフィールド主演で…

新たに３Ｄ化。マーク・ウェブ監督「アメイジング・スパイダーマン」（１２、１４）シリーズの２作。ガーフィールドも個人的には、演技派俳優だったので…

同じ疑問を持ちました。みんなアメコミヒーロー役をやりたいのね…と。今度は、Ｊ・Ａ・バヨナ監督「インポッシブル」（１２）で、名演を見せた少年トム・ホランド主演。

ジョン・ワッツ監督「スパイダーマン：ホームカミング」（１７）です。マイケル・キートン、ゼンデイヤ、マリサ・トメイ、ロバート・ダウニー・Ｊｒ、ジョン・ファヴロー共演。

１５歳のピーター・パーカーと、アイアンマンのトニー・スターク。彼に新しいスーツを新調してもらったそうな。どうなることやら。果たして？

ヒトラー、ヒムラー、そしてハイドリヒ

キリアン・マーフィを始めて見たのは、ダニー・ボイル監督「２８日後...」（０３）でした。その青い目のせいか、個性的な顔と共にすぐに覚えました。

１９７６年５月２５日、アイルランドのコーク出身の４１歳。０１年からロンドン在住。ピーター・ウェーバー監督「真珠の耳飾りの少女」（０３）や…、

ジョン・クローリー監督「ダブリン上等！」（０３）、そしてニール・ジョーダン監督「プルートで朝食を」（０５）に主演。ドレスや化粧が好きなキトゥン役は…

本当に綺麗。あの目のせいでしょうね。カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品、ケン・ローチ監督「麦の穂をゆらす風」（０６）に主演後、ダニー・ボイル監督のＳＦ…

「サンシャイン２０５７」（０７）、ロドリゴ・コルテス監督「レッド・ライト」（１２）、ウォーリー・フィスター監督「トランセンデンス」（１４）、ロン・ハワード監督「白鯨との闘い」（１５）、

なにより、クリストファー・ノーラン監督「バットマン ビギンズ」（０５）、「ダークナイト」（０８）、「ダークナイト ライジング」（１２）にも出演し、すっかり監督のお気に入りに。

「インセプション」（１０）も。最新公開作は、ショーン・エリス脚本、監督「ハイドリヒを撃て！「ナチの野獣」暗殺作戦」（１６）で、本作も歴史に基づく実話です。

第２次世界大戦下の１９４２年。ヒトラーの後継者と呼ばれ、その冷酷さから“金髪の野獣”と言われたナチス第３の実力者、ラインハルト・ハイドリヒ。

彼の暗殺を企てたイギリス政府とチェコスロバキア亡命政府の指令を受けたのは、２人の軍人ヨゼフ・ガブチーク（キリアン・マーフィ）と…

ヤン・クビシュ（ジェイミー・ドーナン）。チェコ国内に潜伏するレジスタンスの協力を得て、襲撃計画は実行されるのですが…。果たして？見なくっちゃ。

ヴァレリア・ブルーニ・テデスキの魅力

好きな女優を挙げていくと、どうもベテランばかりになってしまいます。まっ、こればかりは好みなので。若手では、シアーシャ・ローナンがお気に入り。

アネット・ベニング、エマ・トンプソン、ジュディ・デンチ、ダイアン・レイン、ドリュー・バリモア、フランス人女優のイザベル・ユペール、イタリア人では…

やっぱりヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。１９６４年１１月１６日イタリアのトリノ出身。家族とパリに移住し、８６年に映画デビューします。フランソワ・オゾン監督…

「ふたりの５つの分かれ路」（０４）と「ぼくを葬る（おくる）」（０５）、パスカル・ボニゼール監督「華麗なるアリバイ」（０７）、サミュエル・ベンシェトリ監督…

「アスファルト」（１５）など多くの作品に出演。主演を務めた「人間の値打ち」（１３）の監督、パオロ・ヴィルズィの最新作「歓びのトスカーナ」（１６）にも主演。

テデスキの魅力は、ゴージャスな美しさはもちろんですが、すごく惹かれてしまうのは、あの声。それはともかく、本作はイタリアのアカデミー賞と言われる…

ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の作品賞、監督賞、主演女優賞、美術賞、ヘアスタイリスト賞の５部門を受賞。テデスキは、「人間の値打ち」でも受賞しています。

イタリア、トスカーナ地方の丘の上にある診療施設ヴィラ・ビオンデイ。心に問題を抱えた女性たちが、社会復帰を目指して治療を受けていました。

自称：伯爵夫人のベアトリーチェ（ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ）は、ある日、やせ細った体中にタトゥーのあるドナテッラ（ミカエラ・ラマッツォッティ）を…

見かけます。自分と正反対の彼女とルームメイトになり、やがて２人は、密かに施設を抜け出すのでした。果たして、２人の破天荒な旅とは？

永遠の美男子アラン・ドロン

今年５月９日、引退を表明したアラン・ドロン。彼は過去にも引退を表明したことがあり、また？と思った人もいるかも。しかし、今回は本当とコメント。８１歳だし。

パトリス・ルコント監督の来年公開作品と、その後に出演する舞台を最後にするそうです。しかし、アラン・ドロンを知らない映画ファンもいるかも。

１９３５年１１月８日。パリ郊外のオー＝ド＝セーヌ県ソー出身。父親は小さな映画館を経営し、母親は薬剤師だったそう。４歳の時に離婚しますが。

アラン・ドロンは日本で大人気で、映画評論家の小森のおばちゃま（故 小森和子氏）は、ジェームス・ディーンとアラン・ドロンの大ファンでした。

イヴ・アレグレ監督「女が事件にからむ時」（５６未）でデビューし、日本ではミシェル・ボワロン監督「お嬢さん、お手やわらかに！」（５８）で登場。

さすがにリアルタイムで見てませんが、ルネ・クレマン監督「太陽がいっぱい」（６０）は、世界中で大ヒット。日本では美男子の代名詞となり…

映画雑誌でもいつも人気Ｎｏ．１！出演作品は５３本。渋谷のル・シネマでは、＜俳優生活６０周年記念特集上映＞「アラン・ドロンに魅せられて」が開催されます。

上映作品は、ルキノ・ヴィスコンティ監督「山猫」（６３）、アンリ・ヴェルヌイユ監督「地下室のメロディー」（６３）、ロベール・アンリコ監督「冒険者たち」（６７）

ジャック・ドレー監督「太陽が知っている」（６８）、ジャン＝ピエール・メルヴィル監督「リスボン特急」（７２）、フォルカー・シュレンドルフ監督「スワンの恋」（８３）の６本。

スケジュールは、ＨＰでご確認を。香水の『サムライ』は、彼がプロデュースしたってご存知？本当にすごい俳優です。永遠の美男子ですもの。

スイス国境を目指す子供たち

まだありました。アンヌ・フォンテーヌ監督「夜明けの祈り」（１６）でも、第２次世界大戦末期のポーランドの、ある修道院のシスターたちの起きた…

悲劇を描いていました。１９３９年から１９４５年まで６年も続いた第２次世界大戦では、数多くの悲劇が起き、奇跡的に生き残った人々の物語が…

実話として本や映画などになり、後の人々に何が起きたのかを教えてくれます。ヴァンサン・ペレーズ監督「ヒトラーへの２８５枚の葉書」（１６）でも…

ある夫婦の抵抗の物語が描かれます。こうした作品は見応えがあり、歴史を知る上でも必見の映画。そしてまた。ユダヤ人女性ファニー・ベン＝アミの…

自伝を映画化した「少女ファニーと運命の旅」（１６）の登場。監督は、ジャック・ドワイヨン監督の娘、ローラ・ドワイヨン。１９４３年、ナチスドイツ支配下のフランス。

１３歳の少女ファニー（レオニー・スーショー）は、幼い２人の妹と共に協力者が秘かに運営する、児童施設に匿われていました。ある日、密告者の通報により…

別の協力者の施設に移らなくてはならなくなります。しかし、新たな施設にも捜索の手が迫り、ファニーたちはスイスに逃れようと列車を乗り継ぐことに。

ところが、ドイツ兵による厳しい取り締まりのせいで引率者とはぐれた上に、見知らぬ駅に９人の子供たちと共に取り残されてしまうのです。

果たして、ファニーたちは？実在のファニーは、現在イスラエルのテルアビブ在住。子供たちは演技経験があるものの、レオニーだけは初出演。

イーストウッド監督「ヒア アフター」（１０）のセシル・ドゥ・フランスが、マダム・フォーマン役で共演。子供たちの奇跡の旅を見届けましょう。

豪華なベテラン脇役で、ダイバージェントＦＩＮＡＬ

ニューヨーク出身の作家、ヴェロニカ・ロス。２０１１年に出版された、ＳＦヤングアダルト小説『ダイバージェント 異端者』が、ベストセラーになります。

デビュー作はさっそく映画化。ニール・バーガー監督「ダイバージェント」（１４）です。文明崩壊後のシカゴ。性格ごとに人類を５つの共同体に分類。

勇敢、高潔、平和、無欲、博学の５つ。１６歳になると＜選択の儀式＞と呼ばれる性格診断テストを受けますが、そのどこにも該当しない者は…

異端者＝ダイバージェントと呼ばれ、危険分子として抹殺される運命。ベアトリス（シェイリーン・ウッドリー）は、検査官トーリ（マギー・Ｑ）によって…

救われトリスと改名し、生き延びます。『ダイバージェント２ 叛乱者』を原作とした、２作目がロベルト・シュヴェンケ監督「ダイバージェントＮＥＯ」（１５）。

トリスは、恋人フォー（テオ・ジェームズ）と、どの共同体にも属さない集団、無派閥と合流します。リーダーは、死んだはずのフォーの母親イブリン（ナオミ・ワッツ）。

一方、ある箱の解明に取り組む＜博学＞の指導者ジェニーン（ケイト・ウィンスレット）。その封印を解くことができるのは、ダイバージェントだけ。

そして『ダイバージェント３ 忠誠者』を原作にした最新作が、いよいよ公開されます。ロベルト・シュヴェンケ監督「ダイバージェントＦＩＮＡＬ」（１６）です。

５つの派閥によって管理された社会が、クーデターによって崩壊します。巨大なフェンスとゲートによって閉鎖されたシカゴ。トリスは、仲間と共に…

外の世界へ脱出しようと決意します。果たして？ジェフ・ダニエルズ、マイルズ・テラー、レイ・スティーヴンソン、オクタヴィア・スペンサー共演。

１９４５年、若き女医の実話

セスク・ゲイ監督「しあわせな人生の選択」（１６）は、スペインのアカデミー賞と言われる、ゴヤ賞５部門を受賞した作品。では、フランスの映画賞は？

１９７５年に設立された、セザール賞。第４２回セザール賞の作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞にノミネートされた作品が、公開されます。

フィリップ・メニヤル原作、アンヌ・フォンテーヌ監督「夜明けの祈り」（１６）です。「ココ・アヴァン・シャネル」（０９）、「美しい絵の崩壊」（１３）…

「ボヴァリー夫人とパン屋」（１４）などの脚本、監督を務めたフォンテーヌ監督。いつも女性目線の作品で、観客をドキドキさせてくれます。

第２次世界大戦末期、１９４５年１２月のポーランド。赤十字で医療活動に従事する、若きフランス人女医マチルド（ルー・ドゥ・ラージュ）は…

忙しい毎日を送っていました。ある日、見知らぬシスターが助けを求めてやって来ます。担当外を理由に一度は断るものの、悲痛な面持ちの…

シスター・マリア（アガタ・ブゼク）に心動かされ、遠く離れた修道院へ行くことに。そこで目にしたのは、ソ連兵によって妊娠させられた７人のシスターたちでした。

かけがいのない命を救う使命感に駆られたマチルドは、数々の困難に直面しながらも、激務の合間を縫って修道院に通うのでした。果たして？

信仰と現実の狭間で苦しむシスターたち。実在した医師マドレーヌ・ポーリアックの実話。共演のシスター・マリアを演じたアガタ・ブゼクと…

修道院長マザー・オレスカを演じたアガタ・クレシャは、ポーランド出身の女優。戦争の陰に隠れたこうした悲劇は、まだまだあるんでしょうね。見ます。

マクドナルド帝国を作った男

最近のマイケル・キートンの活躍ぶりは、本当にすごいです。ロン・ハワード監督「ラブ ＩＮ ニューヨーク」（９２）でデビューし、スタン・ドラゴッティ監督…

「ミスター・マム」（８３）や、ロン・ハワード監督「ガン・ホー」（８６未）、ティム・バートン監督「ビートルジュース」（８８）を経て、「バットマン」（８９）に主演。

キートンのバットマンは、それまでと違うキャラクターで、バートン・メイドのユニークさ。すごくセクシーでした。一気にお気に入りに。

もちろん、それまでのキートンも好きですが…。アレハンドロ・Ｇ・イニャリトゥ監督「バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）」（１４）に主演。

アカデミー賞作品賞を受賞した上、主演男優賞にノミネート。次に出演した、トム・マッカーシー監督「スポットライト 世紀のスクープ」（１５）も作品賞受賞。

最新作は、「オールド・ルーキー」（０２）や「しあわせの隠れ場所」（０９）のジョン・リー・ハンコック監督「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」（１６）。

１９５４年。５２歳のレイ・クロック（マイケル・キートン）は、シェイクミキサーのセールスマン。中西部を回っていたある日のこと。８台もの注文を受け…

どんな店なのか興味を持ちます。そこはディック（ニック・オファーマン）とマック（ジョン・キャロル・リンチ）兄弟が経営する、マクドナルドというハンバーガー店。

経営者兄弟による、高品質、コスト削減、合理性、スピード性など徹底したビジネスコンセプトに感銘を受けたレイ。さらに壮大なフランチャイズビジネスを…

思いつくのでした。果たして、それは？創業者（ファウンダー）ではなく、帝国を作った男の物語。いつもより高いトーンのキートン。イライラが増すかも、うふふ。