ロイヤルホテルとは、名ばかりの…

２０２３年６月公開「アシスタント」（１９）は、ドキュメンタリー「ジョンベネ殺害事件の謎」（１７未）のキティ・グリーンの初長編映画でした。

監督、製作、脚本、編集とマルチな監督作品で、なによりポスターを飾るヒロインの透明な美しさに見惚れました。一流大学卒業後…

憧れの映画業界でアシスタントとなりますが、仕事はコピーやお茶くみばかり。ハラスメントが常態化する中、職を失わないよう我慢するヒロイン。

結末は映画を見て頂くとして、主役を演じたのはジュリア・ガーナー。「マーサ、あるいはマーシー・メイ」」（１１）、「シン・シティ 復讐の女神」（１４）、

「愛しのグランマ」（１５未）などに出演。その頃は全然知りませんでした。キティ・グリーン監督の最新作「ロイヤルホテル」（２３）で…

再び組んでいます。バッグパッカーのハンナ（ジュリア・ガーナー）と親友のリブ（ジェシカ・ヘンウィック）は、オーストラリアを旅行中…

金欠に陥ってしまい、ワーキングホリデー制度を利用して、パブ『ロイヤルホテル』でバーテンダーとして、住み込みで働くことになります。

しかし彼女たちを待ち受けていたのは、飲んだくれの店長（ヒューゴ・ウィーヴィング）や、粗野な客たちからのパワハラやセクハラ。

楽観的なリブは次第に店に溶け込んでいきますが、真面目なハンナは孤立し精神的に追い込まれ、２人の友情も揺らぎ始めます。果たして？

本作はオーストラリア西部に実在する店がモデルで、フィンランド女性2人の体験を記録したドキュメンタリーが元なんだとか。怖いです。

幻想的な死を想うフラン

デイジー・リドリーを覚えてます？あまりに偉大なＳＦ映画シリーズ「スター・ウォーズ」（時系列順の）シリーズ第７作に当たるＪ・Ｊ・エイブラムス監督…

「スター・ウォーズ／フォースの覚醒」（１５）他で、ヒロインのレイ役を演じ、一躍注目された女優。１９９２年４月１０日ロンドン出身の現在３２歳。

他に ケネス・ブラナー監督「オリエント急行殺人事件」（１７）、クレア・マッカーシー監督「オフィーリア 奪われた王国」（１８未）、

ダグ・リーマン監督「カオス・ウォーキング」（２１）があります。監督３作目、日本初お目見えのレイチェル・ランバート監督「時々、私は考える」（２３）に…

主演し、製作も担当しています。オレゴン州アストリアの閑散とした港町に暮らすフラン（デイジー・リドリー）は、不器用な性格のため…

人付き合いが苦手で、職場と自宅を往復するだけの平穏な日々を送っていました。友人も恋人もいないフランでしたが、彼女にとって…

唯一の楽しみは、幻想的な“死”の空想にふけること。ある日、職場にロバート（デイヴ・メルヘジ）という新しい同僚がやって来ます。

親しみやすいロバートとのささやかな交流をきっかけに、デートを重ねるようになります。しかし、一歩踏み出すことに抵抗を感じるフラン。

果たして？オレゴン州アストリアの港町は、リチャード・ドナー監督「グーニーズ」（８５）の舞台になったところだそうです。

監督のレイチェル・ランバートは、２０２３年インディワイヤー誌『注目の女性監督２８人』に選出されました。リドリーと共に注目です。

不思議な能力を持つ墓泥棒

アリーチェ・ロルヴァケル監督は、１９８０年１２月２９日イタリア、トスカーナ州フィエーゾレ出身。４３歳の女性監督です。作品はまだ少なく…

日本ではイタリア映画祭で上映された「天空のからだ」（１１）、カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した「夏をゆく人々」（１４）、

同じくカンヌで脚本賞を受賞した「幸福なラザロ」（１８）が公開されています。短編映画も監督していますが、自身の作品の脚本も書いています。

５年ぶりに脚本と監督を担当したのが「墓泥棒と失われた女神」（２３）。第７６回カンヌ国際映画祭のパルム・ドールにノミネートされています。

１９８０年代、イタリアのトスカーナ地方の田舎町。考古学愛好家のアーサー（ジョシュ・オコナー）は、かつての恋人を忘れられずにいました。

そのアーサーはある特殊能力の持ち主。それは紀元前に繁栄した古代エトルリア人の遺跡を発見できるというもの。すぐには信じられない不思議な力を…

駆使して盗掘に手を染めていたアーサー。墓泥棒仲間と埋葬品を掘り起こしては売りさばき、日銭を稼いでいるのです。そんなある日…

アーサーたちは希少価値を持つ美しい女神像を発見。事態は闇のアート市場をも巻き込んだ騒動へ。果たして？ジョシュ・オコナーはイギリス人俳優で…

「ゴッズ・オウン・カントリー」（１７）、「幸せの答え合わせ」（１８）、「帰らない日曜日」（２１）、最新作「チャレンジャーズ」（２４）に出演。

共演にイザベラ・ロッセリーニ。「幸福なラザロ」の不思議な世界観を見た監督のファンは、本作でもロルヴァケル監督に惑わされるかも。

月面着陸はウソ、ホント？

１９６９年７月２０日、アメリカ航空宇宙局（ＮＡＳＡ）のアポロ１１号が人類初の月面着陸に成功しました。マイケル・コリンズ操縦士は…

司令船コロンビアで待機。月着陸船イーグル号には、船長のニール・アームストロングと月着陸船操縦士バズ・オルドリンの２人が乗船し…

午後４時１７分月面に着陸。後に月面に立つアームストロング船長、星条旗、船長が撮影したオルドリンのバイザーに映るアームストロングなどの…

写真が公開され、なんの疑問の抱かず感動しました。ところがピーター・ハイアムズ脚本、監督「カプリコン・１」（７７）が公開され…

おや？と思ったのです。火星探査船カプリコン１がトラブルで無人のまま打ち上げ。３人の飛行士は地上のスタジオで芝居を強要され…

さらにはロケット爆発に伴い、命を狙わるというサスペンス映画、未見でしたら、ぜひお勧めです。実際の月面着陸は、当初から陰謀論があり…

『空気のない月面で星条旗がはためく？』『背景の宇宙空間に星がない』『飛行士の影の向きが変』など、今となっては疑問がいっぱい。

グレッグ・バーランティ監督「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」（２４）は、人類初の月面着陸にまつわるお話。１９６９年アポロ計画開始から８年。

ニクソン大統領の側近モー（ウディ・ハレルソ）を通じて、ＮＡＳＡはＰＲのプロ、ケリー（スカーレット・ヨハンソン）を雇います。彼女のやり方に反発する…

発射責任者コール（チャニング・テイタム）。しかし、ケリーは『月面着陸のフェイク映像を撮影する』という極秘ミッションを告げられ…。果たして？

現代の王位継承争い

インド映画の邦題は、主人公の名前が多いんです。スーパースター・ラジニなら「ダルマドゥライ 踊る！鋼の男」（９１）、以下サブタイトルは略。

「ヤジャマン」（９３）、「バーシャ！」（９４）、「ムトゥ」（９５）、「アルナーチャラム」（９７）、「ボス その男シヴァージ」（９７）などです。

他にも「バーフバリ」（１５、１７）、「バジラーオとマスターニー」（１５）、「パドマーワト 女神の誕生」（１８）、「サンジュ」（１８）、「アラヴィンダとヴィーラ」（１８未）、

「サーホー」（１９）、「スーパー３０ アーナンド先生の教室」（１９）、「アルターフ 復讐の名のもとに」（００）、「スーリヤヴァンシー」（２１未）も。

ありがちですが、特に多く感じます。「Ｋ.Ｇ.Ｆ」シリーズ（１８、２２）のプラシャーント・ニール監督「ＳＡＬＡＡＲ／サラール」（２３）は、テルグ語映画。

原題の英訳がコマンダー、指揮官なんだとか。主人公の名前かと思ってました。１９８５年、１０００年以上続く部族が建国した都市国家カンサール。

ラージャ・マンナル王（ジャガパティ・バーブ）の第２夫人の息子ヴァラダ（プリトヴィラージ・スクマーラン）は、第１夫人の息子ルドラに…

名誉と権力の象徴である“鼻輪”を奪われてしまいます。ヴァラダの親友デーヴァ（プラバース）は、闘技場の試合に挑み、見事取り戻します。

しかし部族間の争いが発生し、デーヴァは母親アンマと共に国を去り、身を隠すのでした。『名前を呼べば、必ず駆けつける』と誓って…。２５年後。

王が国を留守にしたことで抗争が勃発！ヴァラダはデーヴァを迎えに行きます。果たして？デーヴァの秘密とは？「サーホー」以来のプラバース。楽しみ。

本当？ヒトラー南米逃亡説

第２次世界大戦後ナチスドイツの高官には、親衛隊中佐のアドルフ・アイヒマン、死の天使と呼ばれた医師ヨーゼフ・メンゲレなど、アルゼンチンや…

ブラジルなど南米に逃亡した人物がいます。バルバラ・スコヴァ主演「ハンナ・アーレント」（１２）や「アイヒマン・ショー／歴史を映した男たち」（１５）、

「６月０日アイヒマンが処刑された日」（２２）など多く映画化されています。メンゲレは、ルシア・プエンソ監督「見知らぬ医師」（１３未）や…

ブラジルでヒトラーのクローンを再生させようとする、フランクリン・Ｊ・シャフナー監督「ブラジルから来た少年」（７８未）も。メンゲレ役は…

グレゴリー・ペック、ナチハンター役はローレンス・オリヴィエ。こちらはアイラ・レヴィンの７６年の小説が原作。フィクション、ノンフィクション色々。

ロシア出身で１３歳でイスラエルへ移住した、初めましてのレオン・プルドフスキ監督「お隣さんはヒトラー？」（２２）は、ヒトラー南米逃亡説がモチーフ。

１９６０年の南米コロンビア。第２次世界大戦終結から１５年。アルゼンチンで逃亡生活を続けていたアイヒマンが、モサドによって拘束され…

世間を騒がせていました。家族をホロコーストで失ったマレク・ポルスキー（デヴィッド・ヘイマン）は、町外れの一軒家に１人暮らし。

そんな彼の隣家に、ヒトラーそっくりのドイツ人ヘルマン・ヘルツォーク（ウド・キア）が引っ越して来ます。１５年前、５６歳で死んだはずなのに。

ユダヤ人団体にヒトラーだと訴えても信じてもらえないマレクは、果たして？デヴィッド・ヘイマンは「輝ける人生」（１７）などのベテラン俳優です。

巨大竜巻を追跡する人々

アカデミー賞授賞式には、亡くなった映画人を追悼する“イン・メモリアル”という場面があります。２０１７年２月２６日に開催された…

第８９回アカデミー賞では、ジェニファー・アニストンが紹介しました。なぜこんな古い話をしているかというと、授賞式前日の２月２５日に…

俳優ビル・パクストンが心臓手術後の合併症のため、６１歳で亡くなったと追悼したのをよく覚えているからです。ひどく驚きました。

「ターミネーター」（８４）、「エイリアン２」（８６）、「ネイビー・シールズ」（９０）、「アポロ１３」（９５）、「タイタニック」（９７）、

「シンプル・プラン」（９８）、「サンダーバード」（０４）など、ずっと見てきたので。中でもお気に入りは、ヤン・デ・ボン監督「ツイスター」（９６）！

「スピード」（９４）の監督だけあってノリは最高で、しかもビルパクとヘレン・ハントが主演でＢ級ぽいのも楽しめました。フィリップ・シーモア・ホフマンと…

アラン・ラックもいい感じ。そんな竜巻映画を今、描くとしたら。「ミナリ」（２０）のリー・アイザック・チョン監督「ツイスターズ」（２４）です。

ＮＹで世界各地の自然災害予測と被害防止に努める仕事に就く、気象学の天才ケイ（デイジー・エドガー＝ジョーンズ）は、故郷のオクラホマで…

巨大竜巻が連続発生していることを知ります。彼女は学生時代の友人ハビ（アンソニー・ラモス）に頼まれ、竜巻への対策のため故郷へ戻ることに。

ストームチェイサー兼映像クリエイターのタイラー（グレン・パウエル）と共に、巨大竜巻を追跡します。果たして？あれから２８年。どんなかな？

アメコミ映画は、むずかしい

この作品、“ｖｓ”ではなく”＆”なんです。誰ですか？この２人を主役にしたのは？キャッチコピーにも“まぜるな危険”と書いてあります。はい。

その危険な映画が、ショーン・レヴィ監督「デッドプール＆ウルヴァリン」（２４）。「デッドプール」のシリーズ３作目に当たります。

前２作目デヴィッド・リーチ監督から、「フリー・ガイ」（２０）のショーン・レヴィ監督に交代。ライアンとは他に「アダム＆アダム」（２２／配信）で…

ヒュー・ジャックマンとは「リアル・スティール」（１１）で組んでます。でもアメコミ映画って、シリーズ化されて続編、続々編が多すぎるし…

さらにクロスオーバー、スピンオフなどの作品も多く、ストーリーを追えてません。スミマセン。見ている時は良いんですが、人間関係が…。

で、今回は「デッドプール」に「Ｘ－ＭＥＮ」が混在。人体実験によって驚異的な治癒能力と不死の肉体を得た代わりに、醜い身体になった元傭兵の…

ウェイド・ウイルソン（ライアン・レイノルズ）、デッドプール。日本刀と拳銃を手に、戦う理由は超個人的なもの。そんな彼が世界の命運をかけた…

壮大なミッションに挑むことに。この予測不可能なミッションを成功させる鍵を握るのは、Ｘメンのウルヴァリン（ヒュー・ジャックマン）。

戦いから遠ざかっていたウルヴァリンとデップー。大丈夫？チャールズ・エグゼビアの双子の妹カサンドラ・ノヴァ（エマ・コリン）が敵役？

[ＬＯＧＡＮ／ローガン」（１７）以来のヒュー・ジャックマン、相変わらず逞しいウルヴァリン。心配なのはデップー。マシュー・マクファディン共演。

イタリアの潜水艦映画！

第２次世界大戦で海を舞台にした映画といえば、やっぱり潜水艦。名作がいっぱい。ディック・パウエル監督「眼下の敵」（５７）は名作中の名作で…

ロバート・ミッチャムとクルト・ユルゲンス主演。ロバート・ワイズ監督「深く静かに潜航せよ」（５８）は、太平洋戦争が舞台でクラーク・ゲーブル、

バート・ランカスター主演。ウォルフガング・ペーターゼン監督のドイツ映画「Ｕ・ボート」（８１）は、ユルゲン・プロホノフ主演のヒット作。

他にも冷戦下が舞台のジョン・マクティアナン監督、ショーン・コネリーとアレック・ボールドウィン主演「レッド・オクトーバーを追え！」（９０）や…

トニー・スコット監督「クリムゾン・タイド」（９５）、デンゼル・ワシントンとジーン・ハックマンが火花を散らします。スタンリー・クレイマー監督…

「渚にて」（５９）は、第３次世界大戦の結末を描くＳＦ映画。イタリアの第２次世界大戦下の潜水艦映画が、エドアルド・デ・アンジェリス監督…

「潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断」（２３）です。１９４０年１０月。潜水艦コマンダンテ・カッペリーニは、イギリス軍への物資供給を断つため…

地中海からジブラルタル海峡を抜け大西洋へ。途中、船籍不明の船に遭遇、撃沈しますが、中立国ベルギー船籍の貨物船カバロ号だったのです。

サルヴァトーレ・トーダロ艦長（ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ）は、カバロ号の乗組員たちを救助し最寄りの港に送ることを決断します。

しかし、救助した人を乗せた状態では潜航するのは難しく…潜航を諦めて無防備状態のまま航行することに。果たして？実話だそうです。