[2月8日11時20分 天候:晴 埼玉県さいたま市中央区上落合某所・斉藤家]
私達は薄暗い斉藤家を探索した。
雨戸も閉め切っている為、家の中は真昼間だというのに、とても暗い。
すぐに新庄さんが、玄関にあるブレーカーを入れてくれた。
それで、廊下の照明が点灯する。
新庄さんがメイドを連れて、時折掃除に来るらしいが、それでも家の中は空気が淀んでいるように見えた。
愛原「このエレベーターだな」
私の記憶は確かだったようで、迷わずにエレベーターの前まで行くことができた。
しかし、エレベーターの電源は落とされている。
すぐに鍵を取り出して、ボタンの横の鍵穴に差してみた。
すると、ちゃんと鍵は入ったし、回すとエレベーターの電源が入った。
愛原「よし。恐らくこの鍵で大丈夫だ。一応念の為、エレベーターにも乗ってみよう。新庄さん、いいですか?」
新庄「どうぞ」
エレベーターは3人乗りという、ベタなホームエレベーターの法則通りだった。
大体のホームエレベーターの定員は、2人か3人である。
事務所兼住居のうちの建物のエレベーターは4名定員だが、ホームエレベーターの規格ではなく、一般的なエレベーターの規格で、最も小さいサイズである。
地下室に行くのにも鍵が必要で、私は同じ鍵を使用して、地下階にも行ける設定にしてみた。
それで実際に地下室に行ってみたり、最上階の4階に行ってみたりした。
愛原「うん。どうやら、この鍵で間違い無さそうだ」
高橋「それじゃ、あの民宿のエレベーターも……」
愛原「これと同じメーカーであるのなら、この鍵で操作できるはずだ」
高橋「おおっ!」
私達は再び1階に戻ると、ドアが閉まったのを確認し、外側からまた鍵で電源を落とした。
新庄「どうでしたか?」
愛原「この鍵で間違い無いようです。ありがとうございます。この鍵、お借りします」
新庄「御嬢様の御命令ですから、どうぞご随意に。使用が終わりましたら、御嬢様に御返却願います」
愛原「分かりました」
新庄「これから、どうなさいますか?」
愛原「取りあえず、大宮駅まで乗せて頂いて宜しいですか?」
新庄「かしこまりました」
私達はガレージに行くと、再び新庄さんのタクシーに乗り込んだ。
新庄「ここからですと、大宮駅は西口の方が近いですが……」
愛原「ええ。西口でお願いします」
新庄「かしこまりました」
新庄さんはタクシーを出すと、一旦、家の前の市道にタクシーを止めた。
新庄「少々お待ちください」
新庄さんはそう言って、ガレージのシャッターを閉めた。
そして、ガレージを閉めると、また車に戻って来た。
新庄「お待たせしました」
愛原「いえいえ」
新庄さんはタクシーの料金メーターを作動させると、再び車を走らせた。
高橋「ていうかあのシャッター、電動じゃなかったか?」
新庄「今はブレーカーを落としてございますので、今は手動なんですよ」
高橋「そういうことか……」
愛原「ちょっと電話させてください」
私は自分のスマホを取り出した。
タクシーは狭い一方通行の道を進んでいる。
一通である為、どうしても少し遠回りしないといけない。
私が掛けた先は、善場主任。
善場「はい、善場です」
愛原「あっ、善場主任、お疲れさまです。愛原です」
私は斉藤家での事を報告した。
愛原「……というわけで、エレベーターの鍵は現地でも使用可能と思われます」
善場「承知致しました。では改めて依頼させて頂きますので、まずは当事務所まで御足労願っても宜しいでしょうか?」
愛原「分かりました。では、午後イチで伺います」
私はそう言って電話を切った。
愛原「昼飯食ったら、デイライトさんの所に行くぞ」
高橋「わ、分かりました」
それから私は、民宿さのやに電話した。
愛原「あ、もしもし。伯母さん?学ですけど……。実は早速、約束を実行したくて……。ほら、近いうち泊まりに行くって約束。でさ、直近で部屋が空いているのっていつ?」
伯母「週末以外は空いてるね。1部屋?2部屋?」
愛原「週末以外か。ということは、今日なんかも空いてるの?」
伯母「空いてるけど、今からだと食事の準備やら何やら間に合わないから、もっと後にしてくれる?」
愛原「分かったよ。じゃあ、明日」
伯母「明日ね。明日の1部屋なら空いてるわよ。何名様なの?」
愛原「2人。俺と俺の助手」
平日だとリサは学校があるし、パールは事務所で留守番しててもらう必要がある。
なので、私と高橋の2人で十分だと思った。
伯母「大人2名様ね。それにしても、急な話だね」
愛原「まあ、目的は公一伯父さんなんだけどね」
伯母「あのヤドロク、全く帰って来ないのよ。それとも、学が来るタイミングで来るのかしらね」
愛原「それはそれで逆に楽でいいね」
伯母「まあ、警察に追われてる身だから、わざわざ捕まりには来ないか」
愛原「警察来るの?」
伯母「最近、よく駐在さんが巡回連絡をこまめにしてくるようになったのよ。それだけじゃなくて、前の通りをパトカーがよく走るようになったの」
かなり警戒されてるな……。
こりゃ伯父さんも、のこのこ帰ってこれないか。
[同日11時50分 天候:晴 さいたま市大宮区錦町 JR大宮駅]
タクシーは大宮駅西口のタクシー乗り場に到着した。
新庄「はい、着きました」
愛原「お世話さまです。また、領収証お願いします」
新庄「かしこまりました」
愛原「どうもお世話になりました」
新庄「いえいえ。御嬢様がお元気で何よりです。それと……」
新庄さんは高橋をチラッと見た。
新庄「パールも元気でやっているようですな」
高橋「おかげさんで」
私は料金を払い、お釣りの数百円については……。
愛原「家を案内してくれた御礼です。取っといてください」
新庄「あ、こりゃどうも恐れ入ります!」
愛原「また機会がありましたら、宜しくお願いします」
新庄「こちらこそ、またお待ちしてございます」
私達はタクシーを払うと、2階のコンコースに上がるエスカレーターに乗った。
愛原「新庄さん、元気で良かったな」
新庄「パールにも伝えておきますよ」
愛原「そうしてやってくれ。それじゃまあ、飯食って上野東京ラインにでも乗るか」
2階に上がると、私達は手持ちのSuicaで改札口を通過した。
私達は薄暗い斉藤家を探索した。
雨戸も閉め切っている為、家の中は真昼間だというのに、とても暗い。
すぐに新庄さんが、玄関にあるブレーカーを入れてくれた。
それで、廊下の照明が点灯する。
新庄さんがメイドを連れて、時折掃除に来るらしいが、それでも家の中は空気が淀んでいるように見えた。
愛原「このエレベーターだな」
私の記憶は確かだったようで、迷わずにエレベーターの前まで行くことができた。
しかし、エレベーターの電源は落とされている。
すぐに鍵を取り出して、ボタンの横の鍵穴に差してみた。
すると、ちゃんと鍵は入ったし、回すとエレベーターの電源が入った。
愛原「よし。恐らくこの鍵で大丈夫だ。一応念の為、エレベーターにも乗ってみよう。新庄さん、いいですか?」
新庄「どうぞ」
エレベーターは3人乗りという、ベタなホームエレベーターの法則通りだった。
大体のホームエレベーターの定員は、2人か3人である。
事務所兼住居のうちの建物のエレベーターは4名定員だが、ホームエレベーターの規格ではなく、一般的なエレベーターの規格で、最も小さいサイズである。
地下室に行くのにも鍵が必要で、私は同じ鍵を使用して、地下階にも行ける設定にしてみた。
それで実際に地下室に行ってみたり、最上階の4階に行ってみたりした。
愛原「うん。どうやら、この鍵で間違い無さそうだ」
高橋「それじゃ、あの民宿のエレベーターも……」
愛原「これと同じメーカーであるのなら、この鍵で操作できるはずだ」
高橋「おおっ!」
私達は再び1階に戻ると、ドアが閉まったのを確認し、外側からまた鍵で電源を落とした。
新庄「どうでしたか?」
愛原「この鍵で間違い無いようです。ありがとうございます。この鍵、お借りします」
新庄「御嬢様の御命令ですから、どうぞご随意に。使用が終わりましたら、御嬢様に御返却願います」
愛原「分かりました」
新庄「これから、どうなさいますか?」
愛原「取りあえず、大宮駅まで乗せて頂いて宜しいですか?」
新庄「かしこまりました」
私達はガレージに行くと、再び新庄さんのタクシーに乗り込んだ。
新庄「ここからですと、大宮駅は西口の方が近いですが……」
愛原「ええ。西口でお願いします」
新庄「かしこまりました」
新庄さんはタクシーを出すと、一旦、家の前の市道にタクシーを止めた。
新庄「少々お待ちください」
新庄さんはそう言って、ガレージのシャッターを閉めた。
そして、ガレージを閉めると、また車に戻って来た。
新庄「お待たせしました」
愛原「いえいえ」
新庄さんはタクシーの料金メーターを作動させると、再び車を走らせた。
高橋「ていうかあのシャッター、電動じゃなかったか?」
新庄「今はブレーカーを落としてございますので、今は手動なんですよ」
高橋「そういうことか……」
愛原「ちょっと電話させてください」
私は自分のスマホを取り出した。
タクシーは狭い一方通行の道を進んでいる。
一通である為、どうしても少し遠回りしないといけない。
私が掛けた先は、善場主任。
善場「はい、善場です」
愛原「あっ、善場主任、お疲れさまです。愛原です」
私は斉藤家での事を報告した。
愛原「……というわけで、エレベーターの鍵は現地でも使用可能と思われます」
善場「承知致しました。では改めて依頼させて頂きますので、まずは当事務所まで御足労願っても宜しいでしょうか?」
愛原「分かりました。では、午後イチで伺います」
私はそう言って電話を切った。
愛原「昼飯食ったら、デイライトさんの所に行くぞ」
高橋「わ、分かりました」
それから私は、民宿さのやに電話した。
愛原「あ、もしもし。伯母さん?学ですけど……。実は早速、約束を実行したくて……。ほら、近いうち泊まりに行くって約束。でさ、直近で部屋が空いているのっていつ?」
伯母「週末以外は空いてるね。1部屋?2部屋?」
愛原「週末以外か。ということは、今日なんかも空いてるの?」
伯母「空いてるけど、今からだと食事の準備やら何やら間に合わないから、もっと後にしてくれる?」
愛原「分かったよ。じゃあ、明日」
伯母「明日ね。明日の1部屋なら空いてるわよ。何名様なの?」
愛原「2人。俺と俺の助手」
平日だとリサは学校があるし、パールは事務所で留守番しててもらう必要がある。
なので、私と高橋の2人で十分だと思った。
伯母「大人2名様ね。それにしても、急な話だね」
愛原「まあ、目的は公一伯父さんなんだけどね」
伯母「あのヤドロク、全く帰って来ないのよ。それとも、学が来るタイミングで来るのかしらね」
愛原「それはそれで逆に楽でいいね」
伯母「まあ、警察に追われてる身だから、わざわざ捕まりには来ないか」
愛原「警察来るの?」
伯母「最近、よく駐在さんが巡回連絡をこまめにしてくるようになったのよ。それだけじゃなくて、前の通りをパトカーがよく走るようになったの」
かなり警戒されてるな……。
こりゃ伯父さんも、のこのこ帰ってこれないか。
[同日11時50分 天候:晴 さいたま市大宮区錦町 JR大宮駅]
タクシーは大宮駅西口のタクシー乗り場に到着した。
新庄「はい、着きました」
愛原「お世話さまです。また、領収証お願いします」
新庄「かしこまりました」
愛原「どうもお世話になりました」
新庄「いえいえ。御嬢様がお元気で何よりです。それと……」
新庄さんは高橋をチラッと見た。
新庄「パールも元気でやっているようですな」
高橋「おかげさんで」
私は料金を払い、お釣りの数百円については……。
愛原「家を案内してくれた御礼です。取っといてください」
新庄「あ、こりゃどうも恐れ入ります!」
愛原「また機会がありましたら、宜しくお願いします」
新庄「こちらこそ、またお待ちしてございます」
私達はタクシーを払うと、2階のコンコースに上がるエスカレーターに乗った。
愛原「新庄さん、元気で良かったな」
新庄「パールにも伝えておきますよ」
愛原「そうしてやってくれ。それじゃまあ、飯食って上野東京ラインにでも乗るか」
2階に上がると、私達は手持ちのSuicaで改札口を通過した。