萌えてばかりもいられない!

そんなに色々なことにやたらと深い造詣などいだけないから適当に綴っていこうかしらん

竜馬がゆく 私の読み方

2010-11-26 04:17:18 | 日々の疑問
※偉そうなことを書いているなぁと思われるでしょうが勘弁してください。


多分、カルトQみたいなクイズ番組で、坂本龍馬の回があっても一問も答えられないかもしれません、私。

実は今回の大河ドラマ、龍馬伝さえほとんど見ていません。

でも「竜馬がゆく」は大学時代に2度読み、25歳の時から5年ごとに読み直してきました。でも40歳の時に初めて途中で本を置きました。多分もう卒業です。6回目にしての挫折でしたが、エピソードをそれほどがっつりは覚えていないもんだなぁと思った次第です。



「おーい竜馬」という漫画も読んでいないので、像を結ぶことが余りありません。
登場人物の名前を言われて、『あぁあの人か』と思うのは、読んだときに空想した映像なので、非常にぼやけています。写真が残っている人は別ですけど。。。だから饅頭屋の誰々さんって言われても、どのあたりのエピソードかを思い出すのは至難の技です。

30歳の時に読んだときに覚えているは、もうこの歳で龍馬は成し遂げているということ。
もう31歳で新しい政府の構想まで立てている(そして逝く)。ある意味竜馬がゆくでの上がりに近い状態なはずです。35歳で読んだときには、結末まで竜馬が自分の年齢を超えることはなく、小説からは自分自身に既に「そういう状況を超えているか?」と問われ続けることになったということ。40歳ではもう既に読む前から「そろそろおこうか?」と思った次第です。

司馬遼太郎さんが言われるように、坂本龍馬とは、その存在の成立そのものが稀有なものですが、小説を読めば、「日本の誰かにはそういう意識が芽生える素地があり・・・」のように感じられ、それが現代では、おこがましくも”自分?”ではないかと思わせる書き方がなされているのです。多分皆さんそんな風に読んで思った記憶はございませんか?多分これが龍馬ファンに共通の意識ではないかと思うことがあります。


私が”今”龍馬(及び竜馬がゆく)を思う点を適当にあげると以下のようなポイントになります。

①利というものを中心に据えた価値観で、全てを見渡すことができ、かつ説き伏せることができる特異な価値観をもっていた。現代ではそれは普通に出来そうなものだが、あの時代ではおそらく変人扱いなはず。
②船中八策なるものを書き上げた自分がすごいのではなく、その通りにした(できた)プレイヤー達を讃えるという価値観をもっていた。(慶喜への賞賛がその一つと思われる)
③脱藩・下士という立場が、龍馬のもつ価値観の一つ(飛躍して日本・国家を思う価値観)としてあるが、それが藩を背負っている人間と常にどこかでぶつかっていた面もある。
④剣術に長けていたことが人生を切り拓いているが、一方で例えると、ちょうど英語が喋れるのが頭がいいということではなく、考えること(着想・発想・思考)ができてかつ英語でそれ伝達できることが正しい在り方だということも分っているように、剣術使いが志士としての立場をよくもするが、それはそれということも龍馬はわきまえている。それは龍馬が拳銃や国際法を振り回す時でも一緒であると思う。
⑤現代における龍馬とは・・・・?おそらくどこかの政権党に属すものでは多分ない。政治家で龍馬が理想だとする人物が、もし地域を背負う小選挙区や中選挙区で出てきているのであれば、大きく龍馬の在り方とは矛盾を生じている。なので実は私自身、衆議院から総理大臣がでる我が国の政治のメカニズムはどこか歪に感じることがある。
⑥龍馬を暗殺した人物は。。。。剣を振るった人物ではなく、黒幕は絶対当時の倒幕を中心に据え、龍馬とは意見が違ってきてしまう西郷隆盛としか思えないのだが、西郷・大久保の「翔ぶが如く」は読了していない。以前挫折。
明治になり、征韓論を唱え、旧士分であったものたちを玉砕に導いていく西郷をある部分では理解したいと今では思う。
⑦この小説の中に、岩崎弥太郎のエピソードとともに「竹島」が登場する。書かれ方は領土の話にはなっていない。と思う。
⑧歴史上尊敬する人物の1位が坂本龍馬ということをよく耳にするが、好き勝手に言わせてもらえれば、、、、あんな誰にも容易に辿り着けないような境地の人物の坂本龍馬に、みんながみんなで尊敬という価値観で憧れるのは、逆説的に言わせてもらえば、それは龍馬の在り方とはずいぶん違うのではないかと思うことが”今”ではある。


実は大学時代に竜馬好きであった私は、高知出身で一子相伝の拳法(武道術?)を引き継いでいるだかいないだかという後輩の知り合いの「船長」と呼ばれていた人が、大の竜馬嫌いというので、その人がよく飲んでいるという中野のスナックに話をしにいき、かなり凹まされたことがある。
後輩が面白がって私を焚きつけ、「話をしてみて」と言って来たので応じた時のことだ。

その船長さんの言い分は、、、、、
①竜馬がゆくというのは小説で、全ての歴史的な文献や資料に基づいていない。竜馬は海賊行為も行っていたとされる日記が残っているが、お前はそれを知っているのかと聞かれた。高知の人間が全て竜馬を慕っているかといえばそんなことは決してないとも言っていた。
②小説の中で描かれている竜馬が理想だとするのであれば、それでも構わないが、史実を当るという努力がお前にはない。小説は小説なのだと何度も言われた。歴史を学ぶことと歴史小説を読むのはどこかが違うのだと言いたかったらしい。
③船長なる人は、「お前さんがあくまで竜馬という立場、竜馬の様な振る舞いをするのであれば、おそらく私の船に乗ったお前さんは船乗りとしては多分邪魔な存在になる。船の操縦には船乗り仲間内の協調と縦割りの役割分担という指示系統を維持する社会(命令絶対遵守)がとても重要であり、その負けず嫌いな価値観を持つお前さんはとても邪魔だ」といわれた。→別にその人の船に乗りたいと思ったわけではないが、なんだかとてもつらいことを言われた気分にはなった。
④お前は現代の竜馬かもしれない。でもそれは司馬遼太郎が作った世界のものでしかなく、お前はその域を出ていないことを自覚したほうがいいとか。。。。

要は全て小説の中の竜馬が好きなのは勝手だが、人間そんなに綺麗にできているわけではない、小説とは(歴史小説といえど)やはりどこか綺麗なお芝居のようなものだとのこと。まぁ理想を持つことは悪いことではないんだけどね。。。とも言ってはもらえたんではありますが。。。
言われて納得する部分もあったんすけど、どこか釈然としない部分もあったり、でも読み返す度に船長さんが言っていたことを思い出さないわけではなかったのです。

なんだか、色々と言われて凹みもしたが、その場では笑顔で色々なことを教えてもらった。筋肉を増強する簡単な運動方法とか、酸素ボンベの中身は酸素(だけ)なんかじゃないよという話とか、たくさん息を吸うと頭が痛くなるのを実践させられた。酸素の話つながりで。
当時は筋肉もりもりで髪は長く、今ではどうされているか分らないが、笑顔もどことなくジャッキー・チェンに似た人だった。
今いくつくらいになったのかな?船長さん。当時でも30歳くらいだったかな。。。いやあの時40歳だったら今はもう60歳?


後輩に所在を確認してみよう。
今なら、今度は砕けて話せそうな気がする、船長さんと。
時間が経ったんだもんね!





エヘンエヘン
かしこ


(↑これで一度〆てみたかった!・・・ってことは、、、なんだ憧れてんじゃん^^;まだ!)
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