堀北真希さんが、とてもキュートで可愛かった
あのドレスがあんなに似合う人はそうはいないと思います。
セリフもはっきりととても聞き取りやすく、凛として硬質な存在感がジェーン・グレイにぴったり。
といっても、この舞台を見るまで9日間だけ王位についた後処刑されたジェーン・グレイという女性がいたということを知らなかった私。
今まで観た演劇や映画、「ヘンリー4世」とか「リチャード三世」とか「ブーリン家の姉妹」「エリザベス」「メアリー・スチュアート」等などで断片的に知っていたイギリスの王位継承の歴史はドロドロと血なまぐさいものでしたが、彼女ほど悲劇的な人はいなかったんじゃないかしら?
何の野心も罪もないのに、周りの大人達にいいように利用されて・・・カトリックに改宗すれば命は助けるとの条件を出されても、自分の信念を曲げてまでも生きようとは思わない、何もわからぬままに言われるがままに王位についたのは自分の罪だからその罰は甘んじて受けると。
リア王のコーデリヤ姫を思い出してしまいました。
家庭教師が言うように、カトリックに改宗したと見せかけて、ほとぼりが覚めたらまたプロテスタントに戻ればいいじゃない?と私も思ったのですが、ジェーンにはそんな姑息なことはできませんでした。
その身は滅びても精神は生き続けると信じていたから。
まっすぐに生きたその潔さに心打たれました。
ジェーンの心を表すような、透明感のある音楽がとても良かったです。
この舞台を観たら、もっとイギリスの歴史を知りたいという気持ちが強くなりました。