マーリンの美味しい生活

ストレス解消は観劇と食べ歩き。

シアターコクーン〜泣くロミオと怒るジュリエット

2020年02月10日 | 舞台・映画
渋谷のシアターコクーンで泣くロミオと怒るジュリエットを観劇。
蜷川幸雄さんのオールメールシリーズのような全キャスト男性。作・演出は鄭義信さん。「焼肉ドラゴン」で数々の演劇賞を総なめにした方ですよね。(残念ながら私は観ていません。)


今日の席は2階D列。後ろから2列目。これでもS席。チケットが来た時はガッカリしたけど、ドアのすぐそばで通路側なので出入りしやすく舞台の奥の方までよく見渡せてとても良い席でした。この作品は2階席がおすすめかも。

桐山照史君がロミオ、柄本時生君がジュリエット、他のキャストに段田安則さんと八嶋智人さんと聞いた時には、これってコメディなのかな?と思ったのですが…、正にシリアスなロミジュリでした。勿論、随所に笑いが起こるところはあるので息苦しいほどではありませんでした。

不思議なことに、不器量だと皆に言われ自分でもそう思っている柄本君のジュリエットが段々可愛く愛おしく見えてくるんですよ。素晴らしい役者さんだと思いました。桐山君も同様。終盤、やっと題名の意味が分かりました。滂沱の涙を流すロミオと怒り狂うジュリエット。その時の独白が素晴らしく胸を打ちます。

ひょうひょうとしたお医者さん役の段田さんは神父さんの役。ジュリエットの兄ティボルト(この作品ではそうなってます)は傷痍軍人でその内縁の妻ソフィア(乳母の役)は八嶋智人さん。配役表を見るまで全然わからなかった。凄かった。
こんな風に細かいところは違ってますけど大筋はちゃんとロミジュリです。しかも関西弁でモンタギューとキャピレットは対立する愚連隊同士という設定。モンタギューは三国人呼ばわりされています。
これってどこかで見たような・・・と思ったらWSSじゃん。そういえばあれも元はロミジュリですもんね。納得。

本家のロミジュリは名家同士の争いによって起こる悲劇だったけど、こちらの方は色んな差別や超えられない壁によって起こる争い憎しみが描かれていてより深く心に残りました。
立ち見の方も大勢。カテコはスタンディングオベーションでした。

ストレートプレイですが、ダンスシーンや歌もあり楽しかったですよ。
この物語のキーパーソン、ベンヴォーリオの描かれ方にも注目です。