先週末、期日前投票を済ませ夕方から谷川岳へ向かった。日本百名山として有名な山ではあるが、別名「魔の山」として一般的には恐れられている山だ。昔から、遭難といえば谷川岳というイメージが強く、名前を聞くだけで恐れをなしていた山でもあった。ただ、それは冬期の一ノ倉沢などの岩壁登攀のことであって、多くの一般登山者が登る谷川岳は、まったく別の『行楽の山』と言ってもよく、肩の広場から山頂一帯にかけてはお花畑が広がる素敵な山でもある。つい先日も、NHK教育テレビの「田部井淳子の登山入門」という番組で谷川岳登山の様子が放送されたばかりであった。山は初心者である、タレント“ルー大柴”氏が田部井さんと楽しく登っていた様子も見ていた。
浜松から谷川岳までというと約400キロもある。現地に行くにも時間がかかるので、早めに家を出た。東名、中央高速、圏央道、関越道と高速を乗り継いでいったが、首都圏に近いことから各所で渋滞に嵌った。それでも、24時前には、登山口となる谷川岳ロープウェイの駐車場に着いた。ここの駐車場は立体駐車場で1Fだけは24時間何時でも入ることができる。今回は6名集まったので、車内に4名、テントに2名と別れ仮眠をとった。外は雨もパラパラと降っていたので屋根のある駐車場で助かった。
5時起床と約束していたが、長旅で寝過ごしてしまいテント組に起こされた。準備をしていると係員がやってきて駐車料金を請求され、500円を支払った。ロープウェイの始発は7時であり、駐車場はガラガラであった。我々も当初はロープウェイで先ず天神平に行くつもりであったが、よくよく調べてみると、ロープウェイを使って山頂往復では初心者向きのコースとなり、あまりにも楽すぎるのでロープウェイを使わず、そのまま山頂を目指すことにした。6Fのロープウェイ乗り場を尻目に、谷川ベースプラザから西黒尾根登山口に向かった。時間は6時半と予定より30分遅れだ。
登山口手前の「谷川岳登山指導センター」で登山届けを提出して、西黒尾根に取り付いた。
前日の雨は止んでいたが、ガスがかかり快晴は望めない状況だった。雨風がないだけでもありがたいと思い登りはじめた。鬱蒼とした森林のなかは薄暗く「魔の山」に登るという緊張感が張り詰めた。
とはいえ、そんな先入観がなければ、ごく普通の山歩きである。ただ、普段から陽が当らないせいか登山道は湿っていて、滑りやすい。粘土質の土の上は特に慎重に歩かないと滑ってしまう。この西黒尾根から谷川岳までは、登山マップでは約4時間となっていた。ガイドブックでは健脚向きとなっており、特に下山に使うと危険な箇所が多いという記載が多かった。急坂が続き、クサリ場の下りは特に慎重を記すようなのであえて時間がかかっても上りで行ったほうがいいという判断でこのコースにしたのだ。そして、今回の仲間はクサリ場が大好きな人たちばかりなので、結構楽しめたかもしれない。
1時間半ほど歩くと、お楽しみのクサリ場がいくつも現れた。一つ一つがかなり長く大きな岩をクサリを使って登るのはスリルがあって楽しく、ルートファインディングの練習にもなった。
(クサリ場1)
(クサリ場2)
(クサリ場3)
(クサリ場4)
上りだから良かったものの、下りに使うと濡れた岩場は滑りやすく危険なので正解だったかもしれない。上り始めて、ラクダのコブに行くまで他のパーティには、まったく出会うことなかった。早い時間だからなのか、元から歩く人が少ないのか判らなかったが、静かな山歩きだった。その後、しばらくして上から声がして二人組が下りてきた。始発のロープウェイに乗って天神平から谷川岳に登り西黒尾根を下山してきたらしい。初めてらしく、下りのクサリ場は気をつけたほうがいいと伝え、別れた。
ラクダのコルを過ぎると、高山植物をちらほら見かけるようになってきた。谷川岳も高山植物が豊富な山としても有名なようだ。8月後半なので、花の種類も変わり、この日はトリカブトの他、オヤマリンドウ、ツリガネニンジン、ハクサンフウロなどを見かけた。
(オヤマリンドウ)
(ハクサンフウロ)
(ツリガネニンジン)
7月下旬、8月上旬ではまた別の高山植物が楽しめたに違いない。
高山植物の間を更に進むと、北アルプスでは標高2500mくらいで出会うような岩場が標高1600mくらいで現れてきた。さすが谷川岳である。アルペン風の景色に感動する。
ここでも長いクサリ場をよじ登り先に進んだ。腕力がないと、筋肉痛になりそうな場所が長く続いた。
ザンゲ岩では、何かザンゲをしなければいけないかなと思いつつ写真だけとって先に進んだ。
そして、歩くこと約4時間で肩の小屋と谷川岳との分岐に着いた。
分岐から約15分ほどで、双耳峰である谷川岳のトマの耳(1963m)に到着した。さらにその奥にはオキの耳(1977m)があり、こちらも15分ほどで到着した。どちらでも記念写真を撮って、谷川岳の二つのピークを無事制覇した。
これで59番目の百名山である。
元来この山はトマ・オキの二つ耳(2つの頂上の意)と呼ばれ、谷川岳の名は隣の俎嵒(マナイタグラ)に与えられていたのだが、国土地理院の5万分の1地図の誤記のために、トマ・オキの二つ耳が谷川岳と呼ばれるようになったそうである。ちなみにトマの耳には薬師岳、オキの耳には谷川富士の別称があるらしい。
山頂を制覇したもののガスがかかり、展望はまったくない。晴れていれば、恐ろしい断崖絶壁や周辺の山並み等も楽しめただろうが、晴れる様子もなく下山することにした。この続きは後編へ。
浜松から谷川岳までというと約400キロもある。現地に行くにも時間がかかるので、早めに家を出た。東名、中央高速、圏央道、関越道と高速を乗り継いでいったが、首都圏に近いことから各所で渋滞に嵌った。それでも、24時前には、登山口となる谷川岳ロープウェイの駐車場に着いた。ここの駐車場は立体駐車場で1Fだけは24時間何時でも入ることができる。今回は6名集まったので、車内に4名、テントに2名と別れ仮眠をとった。外は雨もパラパラと降っていたので屋根のある駐車場で助かった。
5時起床と約束していたが、長旅で寝過ごしてしまいテント組に起こされた。準備をしていると係員がやってきて駐車料金を請求され、500円を支払った。ロープウェイの始発は7時であり、駐車場はガラガラであった。我々も当初はロープウェイで先ず天神平に行くつもりであったが、よくよく調べてみると、ロープウェイを使って山頂往復では初心者向きのコースとなり、あまりにも楽すぎるのでロープウェイを使わず、そのまま山頂を目指すことにした。6Fのロープウェイ乗り場を尻目に、谷川ベースプラザから西黒尾根登山口に向かった。時間は6時半と予定より30分遅れだ。
登山口手前の「谷川岳登山指導センター」で登山届けを提出して、西黒尾根に取り付いた。
前日の雨は止んでいたが、ガスがかかり快晴は望めない状況だった。雨風がないだけでもありがたいと思い登りはじめた。鬱蒼とした森林のなかは薄暗く「魔の山」に登るという緊張感が張り詰めた。
とはいえ、そんな先入観がなければ、ごく普通の山歩きである。ただ、普段から陽が当らないせいか登山道は湿っていて、滑りやすい。粘土質の土の上は特に慎重に歩かないと滑ってしまう。この西黒尾根から谷川岳までは、登山マップでは約4時間となっていた。ガイドブックでは健脚向きとなっており、特に下山に使うと危険な箇所が多いという記載が多かった。急坂が続き、クサリ場の下りは特に慎重を記すようなのであえて時間がかかっても上りで行ったほうがいいという判断でこのコースにしたのだ。そして、今回の仲間はクサリ場が大好きな人たちばかりなので、結構楽しめたかもしれない。
1時間半ほど歩くと、お楽しみのクサリ場がいくつも現れた。一つ一つがかなり長く大きな岩をクサリを使って登るのはスリルがあって楽しく、ルートファインディングの練習にもなった。
(クサリ場1)
(クサリ場2)
(クサリ場3)
(クサリ場4)
上りだから良かったものの、下りに使うと濡れた岩場は滑りやすく危険なので正解だったかもしれない。上り始めて、ラクダのコブに行くまで他のパーティには、まったく出会うことなかった。早い時間だからなのか、元から歩く人が少ないのか判らなかったが、静かな山歩きだった。その後、しばらくして上から声がして二人組が下りてきた。始発のロープウェイに乗って天神平から谷川岳に登り西黒尾根を下山してきたらしい。初めてらしく、下りのクサリ場は気をつけたほうがいいと伝え、別れた。
ラクダのコルを過ぎると、高山植物をちらほら見かけるようになってきた。谷川岳も高山植物が豊富な山としても有名なようだ。8月後半なので、花の種類も変わり、この日はトリカブトの他、オヤマリンドウ、ツリガネニンジン、ハクサンフウロなどを見かけた。
(オヤマリンドウ)
(ハクサンフウロ)
(ツリガネニンジン)
7月下旬、8月上旬ではまた別の高山植物が楽しめたに違いない。
高山植物の間を更に進むと、北アルプスでは標高2500mくらいで出会うような岩場が標高1600mくらいで現れてきた。さすが谷川岳である。アルペン風の景色に感動する。
ここでも長いクサリ場をよじ登り先に進んだ。腕力がないと、筋肉痛になりそうな場所が長く続いた。
ザンゲ岩では、何かザンゲをしなければいけないかなと思いつつ写真だけとって先に進んだ。
そして、歩くこと約4時間で肩の小屋と谷川岳との分岐に着いた。
分岐から約15分ほどで、双耳峰である谷川岳のトマの耳(1963m)に到着した。さらにその奥にはオキの耳(1977m)があり、こちらも15分ほどで到着した。どちらでも記念写真を撮って、谷川岳の二つのピークを無事制覇した。
これで59番目の百名山である。
元来この山はトマ・オキの二つ耳(2つの頂上の意)と呼ばれ、谷川岳の名は隣の俎嵒(マナイタグラ)に与えられていたのだが、国土地理院の5万分の1地図の誤記のために、トマ・オキの二つ耳が谷川岳と呼ばれるようになったそうである。ちなみにトマの耳には薬師岳、オキの耳には谷川富士の別称があるらしい。
山頂を制覇したもののガスがかかり、展望はまったくない。晴れていれば、恐ろしい断崖絶壁や周辺の山並み等も楽しめただろうが、晴れる様子もなく下山することにした。この続きは後編へ。