地上波放送のドラマはNHKの朝ドラしか見たことなかったのだが、最近「家政婦のミタ」(日本テレビ系)というドラマがやけに人気があるらしいと聞いて、気になっていた。一昨日の水曜日、新聞のテレビ欄を見たら、「家政婦のミタ」最終回スペシャルという文字が目に入り、ためらうことなくブルーレイディスクレコーダーへの予約を入れてしまった。
そして、昨日と今日の二回に分けて、このドラマを初めてミタ(見た)。このドラマは、昔、市原悦子の主演で放送された人気ドラマシリーズ「家政婦は見た!」を意識して作ったのは間違いない。女優の松嶋菜々子が無表情な家政婦役を演じ、仕事だけは完璧にこなすロボットのような演技でインパクトのあるドラマだった。
家政婦ミタの「承知しました」や「それはあなたが決めることです」「それは業務命令ですか」といったセリフは、何度も聞いていると日常生活でもつい口に出てしまいそうだ。巷では、小学生がミタのまねをして「承知しました」というのが流行っているという話も聞く。最終回でも、この場面で必ず言うと判るシーンがいくつもあった。テレビ見ながら、つい先走って自分からセリフが出てしまったくらいだ。
そして、今日の新聞にはこのドラマの最終回の視聴率が関東地区で40.0%、関西地区で36.4%を記録、歴代3位の異例の大ヒットとなり、瞬間最高は午後11時~11時3分で42.8%(関東地区)だったと出ていた。とにかく40%というのは、昨今のテレビ離れといわれている中では驚異的な数字である。サッカーのワールドカップの視聴率をも上回っていたのだから凄いものだ。最終回だけとはいえ、人気のドラマを見ることが出来て良かった。
ドラマのストーリー自体は、特別面白いというわけでもなかったが、「松嶋菜々子が今までに無い役をやってる」「謎めいたミタの正体について視聴者が知りたがった」「ストーリーがシンプルで明快。それぞれのキャラがしっかり役割分担されていて解りやすい」「脚本は案外しっかりしてる。家族それぞれを主役にした回を作って逆算して最終回に向かっている」といった事が高視聴率の要因だと分析されているようだ。
最終回後半で派遣先の家族とミタが一緒に食事をするシーンでは、主人から業務命令で「笑ってほしい」といわれ、無表情な顔から、初めてやさしい笑みを家族に向けていく様が凄く良かった。どこがどう違うのか上手く言い表せないが、見ていていつの間にか優しいいい顔になったというのが良く判った。まさに、松嶋菜々子の演技力の賜物である。しかし、翌日には、もとのような無表情な家政婦のミタに戻ってしまう。このあたりも脚本の上手いところだ。
このドラマの続編や映画化の予定はないというが、これだけヒットするとなると何らかの形で続編が作られそうな気がする。最後のラストシーンは、次の勤務先を訪ねるシーンで終わったから…。