石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

ニュースピックアップ:世界のメディアから(9月3日)

2012-09-03 | 今日のニュース

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BPエネルギー統計レポート2012年版解説シリーズ:天然ガス貿易篇4 LNG貿易(1)

2012-09-03 | その他

4.LNG輸出
(6年間で1.6倍に。カタールは3.3倍の突出した伸び!)
(1)2006年~2011年のLNG輸出の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/4-2-G01.pdf 参照)
2006年に2,111億㎥であったLNGの輸出量は毎年伸びて2011年には1.6倍の3,308億㎥に達した。特に2010年及び2011年の対前年比増加率はそれぞれ23%、11%と大幅な伸びを示している。国別で見るとカタールの増加率が特に著しく2006年の311億㎥から2011年には1,026億㎥へと3.3倍に増えている。

国別で見ると2006年当時はカタール、インドネシア及びマレーシア3カ国の輸出量は300億㎥前後で全世界に占める割合は14%とほぼ同じであったが、2011年にはカタールの輸出が全世界に占めるシェアは3割を超え2位のマレーシア(同10%)以下を大きく引き離している。カタールはこの間7,700万トン体制と呼ばれる世界最大のLNG生産能力を確立したことが飛躍の大きな要因である。この時期、米国でシェールガスの開発が急進展しカタールの対米輸出の目論見が外れたため同国の過剰設備が危惧されたが 、福島原発事故によるLNGの突発的需要増で設備はフル稼働の状況である。日本にとっては不幸な原発事故ではあったが、カタールには思わぬ僥倖だったと言えよう。

 今後数年はカタールのトップの座は変わらないであろうが、オーストラリアでは急ピッチで開発が進んでおり、モザンビークなど東アフリカでも世界最大級のガス田が発見され開発段階に入っている。これらの国々はパイプラインによる近隣国への輸出が期待できないため、LNG生産に注力しておりいずれカタールに匹敵するLNG生産能力を持つようになると考えられる。

(2)2011年の国別LNG輸出量
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/4-2-T01.pdf参照)
 2011年のLNGのNET輸出国の数は16カ国であり、その輸出量は3,259億㎥であった(注)。輸出量(NET)が世界一はカタールの1,026億㎥であった。これは全世界の輸出量の32%に達し、2位以下を大きく引き離している。2位はマレーシアの333億㎥(世界シェア10%)、3位はインドネシアで292億㎥(同9%)である。4位以下はオーストラリア(259億㎥)、ナイジェリア(259億㎥)、トリニダード・トバゴ(189億㎥)、アルジェリア(171億㎥)と続き、8位にロシア(144億㎥)が付けている。

 9位から16位までの国を列挙するとオマーン、ブルネイ、イエメン、エジプト、UAE、エクアトール・ギニア、ペルー、ノルウェーの順である。

(注)各国のNETの輸出量の合計。例えば米国は日本向けにアラスカ産LNGを輸出する一方、中南米等からLNGを輸入しておりNETではLNGの輸入国である。この他輸入LNGの一部を再輸出している国もあり、本項ではNETの輸出国のみを比較の対象とした。このためNET輸出の合計量は上記(1)の輸出量と異なっている。

(続く)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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