石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

余裕のトップExxonMobil、落伍するbp:五大国際石油企業業績速報シリーズ(5)

2025-02-21 | 海外・国内石油企業の業績
I. 5社の2024年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)業績概要(続き)

(投資キャッシュフローを大幅に圧縮!)
5.Chevron[1]
*同社ホームページ:

(1)売上高
 Chevronの2024年10-12月の売上高は483億ドルであり、また通年売上高は1,934億ドルであった。前年同期比ではそれぞれ▲1.2%及び▲1.8%の減収である。

(2)利益
 10-12月期は32億ドル、通年では177億ドルの利益であった。前年同期比では43%の増益であったが、通年ベースでは▲17%の減益である。

(3)売上高利益率
 通年ベースの売上高利益率は9.1%である。

(4)設備・探鉱投資
 2024年の年間の設備・探鉱投資額は164億ドルであり、これは2023年比で4%増である。

(5)キャッシュフロー
Chevronの2024年の年間営業キャッシュフローは315億ドルであった。これに対して投資キャッシュフローは▲89億ドルで、前年の▲152億ドルから大幅に圧縮されている。また財務キャッシュフローは▲235億ドルであった。(なお年末のキャッシュフロー残高は開示されていない。)

(6)石油・ガス生産量
 昨年のChevronの石油生産量は日量平均1,975千B/Dであり、前年比8%増であった。天然ガスは日量平均8,178mmcfdで前年に比べ5.6%増加している。
 石油と天然ガスの合計生産量は石油換算で3,338千B/Dとなり、2023年比7%増である。

 (続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
      前田 高行
 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
      Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
      E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

[1] Chevronの売上、利益、設備投資及びキャッシュフローは決算資料の下記項目による。

売上:Sales and other operating revenues

利益:Net income

設備投資:

営業キャッシュフロー:Net cash provided by Operating Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

投資キャッシュフロー:Net cash Used for Investing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

財務キャッシュフロー:Net cash provided by (Used for) Financing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

年末キャッシュフロー残高:(n.a.)


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余裕のトップExxonMobil、落伍するbp:五大国際石油企業業績速報シリーズ(4)

2025-02-20 | 海外・国内石油企業の業績
I. 5社の2024年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)業績概要(続き)

(安定した利益を稼ぎ出すTotalEnergies!)
4.TotalEnergies[1]
*同社ホームページ:

(1)売上高
 TotalEnergiesの2024年10-12月期売上高は525億ドルであり、また通年売上高は2,146億ドルであった。前年比では10-12月期は▲11%、通年ベースでは▲9.5%の減収である。

(2)利益
 10-12月期は40億ドルであり、前年同期比▲22%減であった。一方、通年では158億ドル(前年比▲26%減)の利益を計上している。

(3)売上高利益率
 通年ベースの売上高利益率は7.3%であり、前年の9%を下回った。

(4)設備・探鉱投資
 2024年の年間の設備・探鉱投資額は前年を6%上回る178億ドルであった。

(5)キャッシュフロー
TotalEnergiesの2024年の年間営業キャッシュフローは309億ドルであった。これに対して投資キャッシュフロー及び財務キャッシュフローはそれぞれ▲173億ドル、▲144億ドルであった。この結果同社の2024年末のキャッシュフロー残高は258億ドルとなり、2023年末より5%減っている。

(6)石油・ガス生産量
 昨年のTotalEnergiesの石油生産量は日量平均1,468千B/Dであり、前年(2023年)を▲5.3%下回った。天然ガスは前年とほぼ変わらず日量平均5,211mmcfdである。
 石油と天然ガスの合計生産量は石油換算で2,434千B/Dとなり、2023年比▲2%減である。

 (続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
      前田 高行0
 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
      Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
      E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

[1] TotalEnergiesの売上、利益、設備投資及びキャッシュフローは決算資料の下記項目による。

売上:Sales

利益:Netincome (TotalEnergies share)

設備投資:12. Net investments

営業キャッシュフロー:Cash flow from operating activities, TotalEnergies financial statements

投資キャッシュフロー:Cash flow used in investing activities, TotalEnergie financial statement

財務キャッシュフロー:Cash flow from (used in) financing activities, Total financial statement

年末キャッシュフロー残高:Cash and cash equivalent at end of period, TotalEnergies financial statement

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余裕のトップExxonMobil、落伍するbp:五大国際石油企業業績速報シリーズ(3)

2025-02-19 | 海外・国内石油企業の業績
I. 5社の2024年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)業績概要(続き)

(利益は前年比▲98%減!)
3.bp[1]
*同社ホームページ:

(1)売上高
 bpの2024年10-12月の売上高は481億ドルであり、また通年売上高は1,946億ドルであった。前年同期及び通年比では共に▲8.6%の減収である。

(2)利益
 10-12月期は前年同期の4億ドルの黒字から▲20億ドルの欠損に転じている。通年ベースで見ても前期の152億ドルの利益は大幅に減少し、4億ドルの黒字にとどまっている。後に触れる通り他社に比べると利益水準は極端に低い。

(3)売上高利益率
 通年ベースの売上高利益率は0.2%にとどまっている。

(4)設備・探鉱投資
 2024年の設備・探鉱投資額は162億ドルであり、2023年と変わらない。

(5)キャッシュフロー
bpの2024年の年間営業キャッシュフローは273億ドルであった。これに対して投資キャッシュフロー及び財務キャッシュフローはそれぞれ▲133億ドル、▲73億ドルであった。この結果同社の2024年末キャッシュフロー残高は前年末より19%増加し393億ドルとなっている。

(6)石油・ガス生産量
 昨年のbpの石油生産量は日量平均1,070千B/Dであり、また天然ガスは日量平均2,318mmcfdで前年より7%増加している。
 石油と天然ガスの合計生産量は石油換算で1,470千B/Dであった。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
      前田 高行
 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
      Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
      E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

[1] bpの売上、利益、設備投資及びキャッシュフローは決算資料の下記項目による。

売上:Total revenue and other income

利益:Profit (loss) for the period; Attributable to BP shareholders

設備投資:

営業キャッシュフロー:Net cash provided by operating activities, Condensed group cash flow statement

投資キャッシュフロー:Net cash used in investing activities

財務キャッシュフロー:Net cash provided by (used in) financing activities

年末キャッシュフロー残高:Cash and cash equivalent at the end of the period

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余裕のトップExxonMobil、落伍するbp:五大国際石油企業業績速報シリーズ(1)

2025-02-17 | 海外・国内石油企業の業績
 国際石油企業(International Oil Companies, IOCs)の2024年第4四半期(10-12月)及び年間(1-12月)の決算が発表された。本稿ではExxonMobil(米)、Shell(英), bp(英), TotalEnergies (仏)及びChevron(米)の5社を取り上げ、各社の売上高、利益、設備投資額、キャッシュフロー、バランスシート及び石油・ガス生産量を概観し、さらに過去5年間の業績の推移を検証する。

I. 5社の2024年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)業績概要

(年間利益340億ドル、原油・ガス生産量430万B/D、他社を圧倒する水準!)
1.     ExxonMobil[1]
*同社ホームページ:
(1)売上高
 ExxonMobilの2024年10-12月の売上高は834億ドルであり、また通年売上高は3,496億ドルであった。四半期ベースでは前年比▲1.1%の減収、年間ベースでは1.5%の増収であった。因みにこの期間のBrent原油価格は10-12月平均が75ドルで前年同期比▲11%下落、年間平均価格は81ドルで前年比▲2.3%下落している。ExxonMobilの売上減少幅は原油価格のそれを下回っているが、後述するように同社の原油及び天然ガスの生産量が大幅に増加したためである。

(2)利益
 10-12月期の利益は76億ドル、前年とほぼ同水準であり、1-12月の通年利益は337億ドルで」前年比▲6.5%減であった。利益の減少幅は売り上げのそれを上回っているが(上記)、それでも年間利益は昨年に続き高い水準であった。

(3)売上高利益率
 通年ベースの売上高利益率は9.6%であり、前年の10.5%を下回っているが、他社に比べかなり高い水準を維持している。

(4)設備・探鉱投資
 2024年の年間設備・探鉱投資額は276億ドルであり、2023年の263億ドルに比べ5%増加している。ExxonMobilはここ数年米国内のシェール石油・ガス権益の買収に力を入れており、これが探鉱投資の増加及び原油・ガス生産量の増加(下記参照)に結実している。Shell、bp、TotalEnergiesの欧州系企業は風力発電など自然エネルギー開発に注力してきたが、業績面で思ったような結果が出ていないのとは対照的である。米国トランプ新政権は石油・天然ガスへの回帰を明言しており、当面はExxonMobilに順風が吹くものと考えられる。

(5)キャッシュフロー
 ExxonMobilの10-12月期の営業キャッシュフローは前年同期より▲11%少ない122億ドルであった。2024年の年間営業キャッシュフローは550億ドルであり、前年とほぼ横ばいである。また年間の投資キャッシュフローも▲199億ドルで前年とほぼ変わらず、財務キャッシュフローは▲428億ドルであり、前年に比べ25%増であった。
 この結果ExxonMobilの2024年末キャッシュフロー残高は232億ドルとなり、2023年末の316億ドルから▲27%減少している。

(6)石油・ガス生産量
 昨年のExxonMobilの石油生産量は日量平均2,987千バレル(以下B/D)であり、前年(2023年)の2,449千B/Dに比べ22%の大幅増加であった。天然ガスは日量平均8,078百万立法フィート(以下mmcfd)であり前年比4%増加している。
 石油と天然ガスを合計した生産量は、石油換算で4,333千B/Dであり、対前年比16%の増加であった。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
      前田 高行
 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
      Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
      E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

[1] ExxonMobilの売上、利益、設備投資及びキャッシュフローは決算資料の下記項目による。

売上:Total revenues and other income

利益:Net income attributable to ExxonMobil (U.S. GAAP)

設備投資:Capital and Exploration Expenditures

営業キャッシュフロー:Cash Flow from Operating Activities (U.S. GAAP) / Net cash provided by operating activities (U.S. GAAP)

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増収増益のExxonMobil、減収赤字のbp:2024年4-6月期五大国際石油企業決算速報(9完)

2024-08-15 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0610OilMajor2024-2ndQtr.pdf

 

(原油価格の変化に連動する売上高!)

III. 過去8四半期の売上高と原油価格

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-61.pdf 参照)

 ここでは2022年7-9月期から今期(2024年4-6月期)までの2年間、8四半期の各社売上高と原油価格の推移を概観する。

 

2022年7-9月期は期中平均のBrent 原油価格が100ドルを超えたこともあり、各社とも売上高は高かった。トップはExxonMobilの1,121億ドルで5社の中では唯一1千億ドルを超えていた。Shellも1千億ドルに今一歩の957億ドルの売上を達成した。他の3社はTotalEnergies 690億ドル、Chevron 635億ドルであり、bpは最も少ない578億ドルである。

 

 原油価格は2022年10-12月期に90ドルを切り、さらに2期続けて下落、2023年4-6月期には78ドルと8四半期の中では最低の水準に落ち込んだ。その後、価格は回復、最近の3四半期は84ドル前後に落ち着いている。

 

各社の売上高は原油価格の変動にほぼ比例しており、トップのExxonMobilの売上高は、1,121億ドル(2022.7-9月期)→954億ドル(2022.10-12月期)→866億ドル(2023.1-3月期)→829億ドル(2023.4-6月期)→954億ドル(2023.7-9月期)→843億ドル(2023.10-12月期)→831億ドル(2024.1-3月期)→931億ドル(2024.4-6月期)と変化している。ExxonMobilの四半期売上高の変化は上記原油価格の変動と極めて近似している。

 

 他社の売上高の推移は以下の通りである。Shellとbpは2022年10-12月の原油価格下落にもかかわらず売上高が増加しているが、これを除けば、各社とも原油価格の変動と符牒を合わせて売上高が上下している。

(単位:億ドル)

              2022年        2023年                      2024年

              7-9月  10-12月 1-3月  4-6月  7-9月  10-12月 1-3月  4-6月

Shell         957→ 1,013→  870→   746→  764→   787→  725→  745

bp            578→  704→  570→  495→  540→  526→  500→  483

TotalEnergies  690→  686→  626→  563→  590→  592→  563→  537

Chevron        635→  545→  488→  472→  545→  489→  466→  496

 

(完)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

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増収増益のExxonMobil、減収赤字のbp:2024年4-6月期五大国際石油企業決算速報(8)

2024-08-14 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0610OilMajor2024-2ndQtr.pdf

 

II. 五社の業績比較(続き)

(トップはExxonMobil 70億ドル、その他3社は40億ドル前後で並ぶ!)

5.設備投資[1]

(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-54.pdf 参照)

 4-6月期設備投資は、ExxonMobilが70億ドルで最も多い。その他4社はTotalEnergies 46億ドル、Shell 44億ドル、Chevron 40億ドル、bp 37億ドルで並んでいる。前期比ではbp及びChevronは減少しているが、その他3社は増加している。

 

(原油・天然ガス共にExxonMobilがトップ!)

6.石油及び天然ガス生産量

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-55.pdf 参照)

(1)原油生産量[2]

 2024年4-6月期の原油生産量が最も多かったのはExxonMobilの2,984千B/Dであり、5社の中でただ一社2百万B/Dを超えており、2位のChevron(1,955千B/D)を100万B/D以上上回っている。その他3社はTotalEnergies(1,477千B/D)、Shell(1,295千B/D)、bp(1,085千B/D)であり、bpはExxonMobilの3分の1にとどまっている。

 

(2)天然ガス生産量[3]

 天然ガスの生産量が最も多いのはExxonMobilの日産82億立方フィートで石油に換算すると1,374千B/Dであった。2位のChevronはExxonMobilをわずかに下回る80億立方フィート(石油換算1,337千B/D )であった。その他の3社は上位2社との格差が大きく、TotalEnergiesは52億立方フィート(石油換算964千B/D )であるが、Shell及びbpはそれぞれ28億立方フィート(石油換算418千B/D )及び23億立方フィート(石油換算396千B/D )であり、トップのExxonMobilの3割前後である。

 

(3)石油・天然ガス合計生産量[4]

 石油と天然ガスの合計生産量が最も多いのはExxonMobilであり石油換算で4,358千B/Dである。同社に次いで2位Chevron(3,292千B/D)、3位TotalEnergies(2,441千B/D)、4位Shell(1,783千B/D)でbpは5社中で最も少ない1,481千B/Dであった。ExxonMobilの生産量を100とした場合、他の4社はChevron 76、TotalEnergies 56、Shell 41、bpは34である。bpの生産量はExxonMobilの3分の1である。

 

 各社の石油と天然ガスの比率を見ると、ExxonMobilは石油68%、天然ガス32%であり、その他の4社はShell(石油73%:天然ガス27%)、bp(石油73%:天然ガス27%)、TotalEnergies(石油61%:天然ガス39%) 、Chevron(石油59%:天然ガス41%)である。5社いずれも石油の比率が天然ガスを上回っているが、石油の比率が最も高いのはShellとbp(共に73%)で、逆に最も低いのはChevron(59%)である。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

[1]  「設備投資」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Capital and Exploration Expenditures

Shell:Capital expenditure, Consolidated Statement of Cash Flow

bp:Capital expenditure

TotalEnergies:12. Net investments

[2] 「原油生産量」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Net production of crude oil, natural gas liquid, bitumen and tsynthetic oil

Shell:Liquid production available for sale

bp:Production (net of royalties), Liquids

TotalEnergies:

Chevron:Net liquid production

[3] 「天然ガス生産量」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Natural gas production available for sale

Shell:Natural gas production available for sale

bp:Production (net of royalities), Natural gas

TotalEnergies:Hydrocarbon production, Gas

Chevron:Net natural gas production, Worldwide

[4] 「石油・天然ガス合計生産量」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:                     

Shell:Total production in barrels of oil equivalent    

bp:Production (net of royalities), Total hydrocarbons             

TotalEnergies:

Chevron:Total net oil-eqivalent production 

 

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増収増益のExxonMobil、減収赤字のbp:2024年4-6月期五大国際石油企業決算速報(7)

2024-08-13 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0610OilMajor2024-2ndQtr.pdf

 

II. 五社の業績比較(続き)

4.キャッシュフロー[1]

(営業キャッシュフローが100億ドルを超えるExxonMobilとShell!)

(1)営業キャッシュフロー(以下C/F)[2] (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-56a.pdf参照)

 今期の5社の営業C/Fが最も多かったのはShell(135億ドル)で、これに次ぐのがExxonMobil(106億ドル)であった。100億ドルを超えるのはこの2社だけであり、残る3社はTotalEnergies(90億ドル)、bp(81億ドル)であり、最も少ないChevronの営業C/Fは63億ドルでShellの半分伊かにとどまっている。

 

(各社とも40億ドル前後で並ぶ投資C/F!)

(2)投資C/F[3] (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-56b.pdf参照)

 投資C/Fによるキャッシュの流出はExxonMobil が最も多い▲49億ドルであり、これに次ぐのがTotalEnergiesの▲46億ドル、Chevron▲40億ドル、bp▲34億ドルであった。Shellは5社中で最も少ない▲33億ドルであった。

 

(最も多いのはExxonMobil▲126億ドル!)

(3)財務C/F[4] (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-56d.pdf参照)

財務C/Fの収支はExxonMobilが▲126億ドルでこれに次ぐのがShell(▲118億ドル)である。その他の3社は100億ドルを下回っており、TotalEnergiesは▲68億ドル、Chevron▲46億ドルである。bpは各社とは大きな差があり▲13億ドルにとどまった。

 

(Shellが最も多い381億ドルのC/F期末残高!)

(4)C/F期末残高[5] (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-56e.pdf参照)

 6月末キャッシュフロー残高を比較する。なおChevronは資料に残高が明記されていないためここでは4社を比較する。

 

 残高が最も多いのはShellの381億ドルである。bpの残高も349億ドルでShellと肩を並べ、ExxonMobil及びTotalEnergies のC/F期末残高は265億ドルおよび232億ドルであった。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

[1] キャッシュ・フロー(cash flow、現金流量)とは、現金の流れを意味し、主に、企業活動や財務活動によって実際に得られた収入から、外部への支出を差し引いて手元に残る資金の流れのことをいう。欧米では古くからキャッシュ・フロー会計にもとづくキャッシュ・フロー計算書(Cash flow statement, C/F)の作成が企業に義務付けられており、日本でも1999年度から上場企業は財務諸表の一つとしてキャッシュ・フロー計算書を作成することが法律上義務付けられている。

 キャッシュ・フローは(1)営業キャッシュ・フロー(日常的な、生産・営業活動によって稼得する現金と、それに要する現金コストの収支)、(2)投資キャッシュ・フロー(工場新設やビル建設・トラック購入などの設備投資・有価証券投資に要する現金支払いと資産売却による収入)及び(3)財務キャッシュ・フロー(財務活動による現金の収支)の3種類があり、これらの総合収支が会計期間内の現金収支であり、期首(前期末)の現金(及び現金相当物)の残高に期間内の収支を加えたものが当期末の現金(及び現金相当物)となる。(Wikipediaより)

[2] 「営業キャッシュ・フロー」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Cash Flow form Operating Activities (U.S. GAAP) / Net cash provided by operating activities (U.S. GAAP)

Shell:Cash flow from operating activities

bp:Net cash provided by operating activities, Condensed group cash flow statement

TotalEnergies:Cash flow from operating activities, TotalEnergies financial statements

Chevron:Net cash provided by Operating Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

[3]「投資キャッシュ・フロー」は各社資料から下記項目を抽出した。

Shell:Cash flow from investing activities

bp:Net cash used in investing activities

TotalEnergies:Cash flow used in investing activities, TotalEnergie financial statement

Chevron:Net cash Used for Investing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

[4]「財務キャッシュ・フロー」は各社資料から下記項目を抽出した。

Shell:Cash flow from financing activities

bp:Net cash provided by (used in) financing activities

TotalEnergies:Cash flow from (used in) financing activities, Total financial statement

Chevron:Net cash provided by (Used for) Financing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

[5] 「キャッシュフロー期末残高」は各社資料から下記項目を抽出した。なおChevronは資料に明記されていない。

ExxonMobil:Cash and cash equivalent at end of period

Shell:Cash and cash equivalent at end of period

bp:Cash and cash equivalent at the end of the period

TotalEnergies:Cash and cash equivalent at end of period, TotalEnergies financial statement

 

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増収増益のExxonMobil、減収赤字のbp:2024年4-6月期五大国際石油企業決算速報(6)

2024-08-12 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0610OilMajor2024-2ndQtr.pdf

 

II. 五社の業績比較

ここでは五社の当期利益、売上高、売上高利益率、キャッシュ・フロー及び設備投資を比較する。

 

(王者の貫禄ExxonMobil、ただ一社見劣りするbp!)

1. 純利益[1](図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-52.pdf 参照)

4-6月期はbpが赤字に転落、他社に見劣りする業績であったが、利益を計上した4社のうちExxonMobil を除く3社も前期比で減益となっている。ExxonMobilだけは前期比及び前年同期比で増益決算であり、王者の貫禄を示している。ExxonMobilの今期の利益は92億ドルであるが、これに次ぐChevronはExxonMobilの半分以下の44億ドルにとどまっている。TotalEnergies及びShellはそれぞれ 38億ドル及び35億ドルである。これら4社に対してbpは西独の製油所の減損処理が響き唯一▲1.3億ドルの赤字であった。

 

各社の前期(1-3月)及び前年同期(2022年4-6月)の利益と比較すると、ExxonMobilは前年同期79億ドル、前期82億ドル、今期92億ドルと増益傾向にある。これに対してChevronは前年同期60億ドル、前期55億ドル、今期44億ドルとExxonMobilとは逆に連続して減益の状況である。TotalEnergies、Shell及びbpはいずれも前期(今年1‐3月期)の利益が最も多い。このうちbpは今期が赤字に転落しており、またShellは前期利益74億ドルから今期利益は35億ドルに半減している。ExxonMobilとその他4社の明暗が分かれ、特にbpは5社の中で見劣りが著しい。

 

(ExxonMobil売上高はbp、Chevronの2倍!)

2.売上高[2] (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-51.pdf 参照)

2024年4-6月期のBrent原油平均価格は85ドル/バレルであり、前年同期(78ドル) 、前期(83ドル)と大きな変動はなく、これに伴い各社の売上高も小幅な増減にとどまっている。

 

5社の中で売上高が最も高かったのはExxonMobil(931億ドル)であり、これに次ぐのShell (745億ドル)、TotalEnergies(537億ドル)である。Chevron及びbpの売上はそれぞれ496億ドル及び483億ドルであった。

 

ExxonMobilの売上高を100とした場合、Shell 80、TotalEnergies 58、Chevron 53、bp 52である。前項で触れた通り利益面ではExxonMobil、Chevron、TotalEnergies、Shell、bpの順であり、ExxonMobilは売上及び利益の両面でトップ企業の貫録を示している。

 

(ExxonMobilの利益率9.9%!)

3.売上高利益率 (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-53.pdf 参照)

IOC5社の今期売上高利益率はExxonMobilが9.9%と最も高い。これに次ぐのはChevron 8.9%、TotalEnergies7.0%であり、Shellの利益率は5%を切り、bpは▲0.3%である。

 

前期(1-3月期)と比較すると、Chevron、Shell及びTotalEnergiesは10%以上の利益率を示し、ExxonMobilも9.9%と高い利益率を示している。これに対してbpの利益率は4.5%にとどまっている。1年前の前年同期はChevronが12.7%と5社の中で最高の利益率を上げ、ExxonMobil(9.5%)、TotalEnergies(7.3%)がこれに続き、Shellとbpは4%にとどまった。

 

5社の傾向としてはExxonMobil、Chevron及びTotalEnergiesが毎期比較的高い利益率を示しているのに対し、Shellは変動幅が大きく、bpは5社の中で最も低い水準に終始している。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

[1] 「純利益」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Net income attributable to ExxonMobil (U.S. GAAP)

Shell:Incom/loss attributabel to shareholders

bp:Profit (loss) for the period; Attributable to BP shareholders

TotalEnergies:Netincome (TotalEnergies share)

Chevron:Net income

[2] 「売上高」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Total revenues and other income

Shell:Revenue

bp:Total revenue and other income

TotalEnergies:Sales

Chevron:Sales and other operating revenues

 

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増収増益のExxonMobil、減収赤字のbp:2024年4-6月期五大国際石油企業決算速報(5)

2024-08-09 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0610OilMajor2024-2ndQtr.pdf

 

I. 各社の業績概要(続き)

表1-D-4-22a「2024年4-6月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。

表1-D-4-22b「2024年4-6月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。

表1-D-4-22c「2024年4-6月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。

 

(安定して高い利益率を誇るChevron!)

5. Chevron

プレスリリース:

https://www.chevron.com/newsroom/2024/q3/chevron-reports-q2-2024-results

(1)売上・利益・利益率

 Chevronの2024年4-6月期は売上高496億ドル、利益44億ドルであった。前期(1-3月期)比では、売上高は6.4%増であったが利益は▲19%減であり、また前年同期(2023年4-6月期)に対しても同様の傾向を示し売上高5%増に対して利益は▲26%減である。売上高利益率は今期8.9%、前期11.8%、前年同期12.7%であり、比較的安定して高い利益率を誇っている。

 

(2)キャッシュフロー

 今期の営業キャッシュフローは63億ドル、投資キャッシュフローは▲40億ドルであり、フリーキャッシュフローは23億ドルであった。また財務キャッシュフローは▲46億ドルであった。なお同社決算資料では期末キャッシュフロー残高は示されていない。

 

(3)原油・天然ガス生産量

 Chevronの4-6月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油196万B/D、天然ガス80億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は329万B/Dである。

 

(続く)

 

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     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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増収増益のExxonMobil、減収赤字のbp:2024年4-6月期五大国際石油企業決算速報(4)

2024-08-08 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0610OilMajor2024-2ndQtr.pdf

 

I. 各社の業績概要(続き)

表1-D-4-22a「2024年4-6月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。

表1-D-4-22b「2024年4-6月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。

表1-D-4-22c「2024年4-6月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。

 

(売上、利益共に前期、前年同期比でマイナス!)

4. TotalEnergies

プレスリリース:

https://totalenergies.com/news/press-releases/second-quarter-and-first-half-2024-results

(1)売上・利益・利益率

 TotalEnergiesの2024年4-6月期は売上高537億ドル、利益38億ドルであった。前期(1-3月期)と比較すると、売上高は▲5%減、利益は▲34%減であり、前年同期(2023年4-6月期)比では売上高▲5%減、利益は▲7%減である。

売上高利益率は今期7%に対し前期は10%、前年同期7%であり安定した利益率を確保している。

 

(2)キャッシュフロー及び設備投資

 今期の営業キャッシュフローは90億ドル、投資キャッシュフローは▲46億ドルであり、財務キャッシュフローは▲68億ドルであった。この結果、6月末のキャシュフロー残高は232億ドルとなっている。

 TotalEnergiesの4-6月期設備投資は46億ドルであった。

 

(3)原油・天然ガス生産量

 TotalEnergiesの4-6月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油148万B/D、天然ガス52億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は244万B/Dである。

 

(続く)

 

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     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

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