III. 過去2年間の四半期業績推移(続き)
(原油価格との連動が薄れてきた売上高!)
2.売上高の推移
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-61.pdf 参照)
2022年4-6月期から今期(2024年1-3月期)まで過去2年間8四半期の売上高の推移を見ると、2022年4-6月期はExxonMobilが1,157億ドル、Shellは1,001億ドルであり、この2社が売上高1千億ドルを超えている。両社に次ぐのがTotalEnergies748億ドル、bp695億ドルであり、最も少ないChevronの売上高は654億ドルであった。因みに同期間のBrent原油平均価格は113.93ドル/バレルで、2024年1-3月期までの8四半期の中では最も高かった。
原油価格は続く7-9月期も100ドルを超えたが、10-12月期には89ドルに下落、2023年4-6月期には78ドルまで大幅に下落した。その後は80ドル台に持ち直したが、今期は83ドルにとどまっている。
原油価格の変動と各社の売上高の相関関係を見ると、ExxonMobil、TotalEnergies及びChevronは下記の通り原油価格と売上高がかなり相似している。(単位:Brent原油 $/bbls, 売上高 億ドル)
2022年 2023年 2024年
4-6月 7-9月 10-12月 1-3月 4-6月 7-9月 10-12月 1-3月
Brent($/bbls)114 101 89 81 78 87 84 83
ExxonMobil 1,157 1,121 954 866 829 954 843 831
TotalEnergies 748 690 686 626 563 590 592 563
Chevron 654 635 545 488 472 545 489 466
これに対してShellは原油価格が下落した2022年10-12月期及び2023年10-12月期には逆に売上高が伸びている。その一方、今期は原油価格が前期に比べ▲1.4%の小幅な下落だったのに対し売上高は▲8%も減少しており、売上高と原油価格の相関関係が乏しい。bpも同様の傾向が見られる。
因みにShell及びbpは原油・天然ガスの合計生産量が5社の中で最も少ない。このことから両社は石油・天然ガス以外の非化石エネルギー(太陽光、風力発電など)の開発生産販売あるいは非エネルギー分野にシフトしつつあると考えられる。
以上
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