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http://mylibrary.maeda1.jp/0531ImfWeoApr2021.pdf
(今年も来年も上方修正された全世界とG7!)
2.前回(2020年10月)と今回(2021年4月)の比較
(表http://menadabase.maeda1.jp/1-B-2-08.pdf 参照)
上述のとおり今回(WEO2021Apr)の全世界の成長率見通しは今年(2021年)が6.0%、来年(2022年)は4.4%である。これに対して前回(WEO2020Oct)の見通しでは両年の成長率はそれぞれ5.2%、4.2%であり、本年、来年ともに若干上方修正されている。昨年来のコロナ禍の影響が治まると予測しているようである。
2021年の見通しについて主要経済圏を前回と比較すると、G7は前回の3.8%から今回は5.4%に上向いている。その他の経済圏についてはEU(5.0%→4.4%)、ASEAN-5(6.2%→4.9%)は下方修正され、中東・中央アジア(3.0%→3.7%)は上方修正されている。
また来年(2022年)のGDP成長率の見通しについて前回と今回を比較すると、全世界の成長率は前回の4.2%から4.4%に上方修正されている。主要経済圏ではG7(2.8%→3.6%)、EU(3.3%→3.9%)、ASEAN-5(5.7%→6.1%)の各経済圏はいずれも上方修正されているが、逆に中東・中央アジアは4.0%→3.8%と成長率が▲0.2%とわずかではあるが鈍化すると推測している。
(2)主要国の比較
今年の成長率については米国が前回(2020Oct)の3.1%から今回(2021Apr)は6.4%、インドは8.8%から12.5%にそれぞれ3%以上大幅に上方修正されている。その他多くの国も中国(8.2%→8.4%)、日本(2.3%→3.3%)、ロシア(2.8%→3.8%)、韓国(2.9%→3.6%)など成長率が上向きに修正された国が多い。このような中でドイツ(4.2%→3.6%)及び英国(5.9%→5.3%)のヨーロッパ2カ国は成長率が鈍化すると予測されている。
また中東の主要国の今年の成長率の見直しは以下のとおりであるが、上方修正と下方修正が混在している。
サウジアラビア(3.1%→2.9%)、トルコ(5.0%→6.0%)、UAE(1.3%→3.1%)、イラン(3.2%→2.5%)、イスラエル(4.9%→5.0%)、エジプト(2.8%→2.5%)、イラク(2.5%→1.1%)
2022年の成長率予測も硬軟入り乱れており、強気に上方修正されたのは英国(3.2%→5.1%)、ロシア(2.3%→3.8%)、日本(1.7%→2.5%)などであり、下方修正されているのはインド(8.0%→6.9%)、韓国(3.1%→2.8%)などである。
中東諸国についても同様であり、サウジアラビア(3.4%→4.0%)、UAE(2.2%→2.6%)、イラン(1.5%→2.1%)、エジプト(5.0%→5.7%)、イラク(3.1%→4.4%)の各国は上向きに修正され、イスラエル(4.6%→4.3%)及びトルコ(4.0%→3.5%)は下向きに見直されている。
(続く)
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