石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

ニュースピックアップ:世界のメディアから(6月30日)

2012-06-30 | 今日のニュース

・原油価格、史上4番目の急騰。Brent$6.44アップの$97.80, WTIは$7.27アップの$84.96に

・サウジアラビア、ホルムズ海峡封鎖に備えIPSAパイプラインで紅海への石油輸送テスト実施。 *

*IPSA(Iraqi Pipeline in Saudi Arabia)は1980年代のイラン・イラク戦争時にイラク原油を紅海に迂回させるためにイラクがサウジ領内に建設したパイプライン。
2001年にサウジはイラクの戦争支援金未返還に対抗して同ラインを接収した。
紅海への原油迂回が不要となったため、ヤンブー工業地帯など紅海沿岸への天然ガス輸送に使用されていたものを、今回のホルムズ封鎖の代替輸送手段として原油輸送テストを行ったもの。

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BPエネルギー統計レポート2012年版解説シリーズ:石油篇4 埋蔵量(4)

2012-06-30 | その他

(世界の埋蔵量に占めるOPECの比率は7割超!)
 
 (4)OPECと非OPECの比率
 既に述べた通り2011年末ではベネズエラとサウジアラビアが世界1位と2位であるが、両国は共にOPECのメンバーである。また両国の他にイラン、イラク、クウェイト、UAE、リビア及びナイジェリアが石油埋蔵量の上位10カ国に名を連ねている。実にベストテンのうち8カ国がOPEC加盟国なのである(非OPECで世界ベストテンに入っているのはカナダ及びロシアの2カ国)。OPEC全加盟国の埋蔵量を合計すると1兆2千億バレルに達し、世界全体(1.65兆バレル)の72%を占めている。
 
(注)OPEC加盟国12カ国(石油埋蔵量の多い順):
ベネズエラ、サウジアラビア、イラン、イラク、クウェイト、UAE、リビア、ナイジェリア、カタール、アンゴラ、アルジェリア、エクアドル

 加盟国の中にはベネズエラ、イラン、イラクのように埋蔵量の公表数値に水増しの疑いがある国もあるが(前述)、統計上で見る限りOPECの存在感は大きい。OPECは先般の総会で全体の生産枠を3千万B/Dに抑えることを決議したように、生産量が議論の基準となっている。しかし将来の生産能力を考えた場合、埋蔵量の多寡が決定的な意味を持ってくる。この点からOPEC加盟国の埋蔵量が世界全体の7割以上を占めていることはOPECが将来にわたり石油エネルギーの分野で大きな存在感を維持すると言って間違いないであろう。OPEC加盟国の間でもベネズエラ、イラン、イラクなどが埋蔵量の多寡に拘泥するのはその延長線上だと考えられる。

 OPEC対非OPECの埋蔵量比率の推移を見ると、1980年末はOPEC62%に対し非OPECは38%であった。その後この比率は1985年末にはOPEC66%、非OPEC34%、さらに1990年末にはOPEC74%に対し非OPEC26%とOPECの比率が10ポイント以上アップしている。これは1970年代の二度にわたる石油ショックの結果、1980年代は需要の低迷と価格の下落が同時に発生、非OPEC諸国における石油開発意欲が低下したことによりOPECのシェアが相対的にアップしたためと考えられる。
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-1-G04.pdf参照)

 しかし2000年代に入り世界景気が回復し、中国・インドが牽引車となって石油需要が急速に伸び価格が上昇した。これに触発されてブラジル、ロシア・中央アジアなどの非OPEC諸国で石油の探鉱開発が活発となり、2005年末にはOPEC68%、非OPEC32%と非OPECの比率が再度上昇している。この傾向は基本的に変化は無いのであるが、再三言及したようにベネズエラなど一部のOPEC産油国が埋蔵量を大幅に上方修正したため、2011年末のOPECと非OPECの比率は72%対28%とOPECの比率が上昇している。

 前項(3)で取り上げた8カ国のうちOPEC3カ国(ベネズエラ、イラン、イラク)と非OPEC2カ国(米国、ブラジル)はいずれも埋蔵量が増加している。しかし両者の性格は全く異なることを理解しなければならない。ベネズエラなどOPEC3カ国は政府が石油を独占し国際石油企業のアクセスを拒否している。これらの国の埋蔵量の増加には国威発揚と言う動機が働いている。これに対して石油産業が完全に民間にゆだねられている米国、或いは国際石油企業との合弁がごく普通に行われているブラジルのような国では埋蔵量を水増しすることはタブーである。何故ならもし水増しの事実が露見すれば当該石油企業は株主訴訟の危険に晒されるからである。かつてシェルが埋蔵量を大幅に下方修正して大問題となったが、私企業としては決算時に公表する埋蔵量は細心の注意を払った数値でなければならないのである。

 ただ一般論としては埋蔵量に常にあいまいさがつきまとうのは避けられない。本レポートで取り上げたBPの他にも米国エネルギー省(DOE)やOPECも各国別の埋蔵量を公表している。しかしいずれも少しずつ数値が異なる。埋蔵量そのものを科学的に確定することが困難であると同時にそれぞれの査定に(たとえ米国の政府機関と言えども)政治的判断が加わる。結局「埋蔵量」とは掴みどころの無いものとしか言いようがないのである。

 (石油篇埋蔵量完)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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今週の各社プレスリリースから(6/24-6/30)

2012-06-30 | 今週のエネルギー関連新聞発表

6/25 国際石油開発帝石    執行役員への担当業務の委嘱および幹部社員の人事異動について http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2012/20120625.pdf
6/25 住友商事    小型石油随伴ガス液化装置事業に関する戦略的パートナーシップ締結 http://www.sumitomocorp.co.jp/news/2012/20120625_110002.html
6/26 石油資源開発    オイルサンド事業に係る組織改編および関連する役員の担当職務の異動に関するお知らせ http://www.japex.co.jp/newsrelease/pdf/20120626soshiki_kaihen.pdf
6/26 三井物産/BP    英国BP社保有の北海油田・ガス田権益取得 http://www.mitsui.com/jp/ja/release/2012/1198204_3610.html
6/27 JX日鉱日石エネルギー    微細藻燃料開発推進協議会の設立について http://www.noe.jx-group.co.jp/newsrelease/2012/20120627_01_0960575.html
6/27 Total    Iraq: Total and partners PetroChina and Petronas start production from the Halfaya oil field http://www.total.com/en/press/press-releases/consultation-200524.html&idActu=2822
6/28 コスモ石油    海上へのアスファルト漏えいについて http://www.cosmo-oil.co.jp/press/p_120628/index.html
6/28 国際石油開発帝石    オーストラリア AC/P36鉱区権益(探鉱鉱区)の取得について http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2012/20120628.pdf
6/28 OPEC    Joint Conclusion of the EU-OPEC Energy Dialogue http://www.opec.org/opec_web/en/2335.htm
6/29 経済産業省    APECエネルギー大臣会合(EMM10)に出席しました http://www.meti.go.jp/press/2012/06/20120629008/20120629008.html
6/29 JX日鉱日石開発   会長・社長就任挨拶について http://www.nex.jx-group.co.jp/newsrelease/2012/20120629_01_1020080.html

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BPエネルギー統計レポート2012年版解説シリーズ:石油篇3 埋蔵量(3)

2012-06-29 | その他

(一部のOPEC加盟国は埋蔵量を政治的思惑に利用している!)
 
(3)8カ国の国別石油埋蔵量の推移(1980-2011年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-1-G03.pdf参照)
 ここではOPEC加盟のベネズエラ、サウジアラビア、イラン、イラク及びUAEの5カ国に加え、米国、ブラジル、インドネシアの計8カ国について1980年から2011年までの過去30年間にわたる埋蔵量の推移を追ってみる。

 埋蔵量世界一のベネズエラは過去30年間に数値を著しく引き上げていることが特徴である。即ち1980年末の同国の埋蔵量195億バレルは8カ国中6番目であり、トップのサウジアラビア(1,680億バレル)の9分の1に過ぎなかった。しかし同国は10年後の1990年末には埋蔵量を3倍以上に増加させ(601億バレル)、2008年末にはさらにその3倍の1,723億バレルとし、イラン、イラクを抜き去りサウジアラビア、カナダに次ぐ世界第3位に駆け昇っている。そして2010年にはついにサウジアラビアも追い越し埋蔵量2,965億バレルで世界一となっている。1980年から2011年までの31年間でベネズエラの石油埋蔵量は15倍強に伸びたのである。同国オリノコベルトの超重質原油の商業生産が技術的に可能になったことがその要因とされている。

 しかし世界の石油関係者たちの中にはベネズエラの発表数値に疑問を持つ者が少なくないのも事実である。特に同国大統領にチャベスが就任して以来埋蔵量の上方修正が顕著であることから、大統領が国威発揚を狙って数値を意図的に水増ししている可能性が否定できないのである。埋蔵量が多いことは将来の増産余力があることを示しているため、OPEC強硬派と言われるチャベス大統領がサウジアラビアなどのOPEC穏健派諸国に対抗し、さらには世界最大の石油消費国米国を牽制する意図もうかがわれるのである。
 
 実はベネズエラのように国威発揚のため埋蔵量値を引き挙げていると考えられるOPEC産油国が他にもある。それはイランとイラクである。両国の場合は互いの対抗心から埋蔵量を競い合っている。1980年末の両国の埋蔵量はそれぞれイラン583億バレル、イラク300億バレルでありイランがイラクを上回っていた。しかし1990年末にはイランの埋蔵量928億バレルに対してイラクは1,000億バレルと発表し両者の順位は逆転した。ところがイランは2000年代に入ると再び埋蔵量を上方修正し、2007年末には1,382億バレルとしてイラクを再度追い抜き、2010年末にはさらに1,512億バレルに引き上げた。これに対してイラクは2011年に数値を20%増加し同年末の埋蔵量を1,431億バレルに修正しイランとの差を縮めている 。1980年末と2011年末の埋蔵量を比較するとイランは2.6倍であり、イラクに至っては4.8倍である。この間イラク及びイランはいずれも国際社会から経済制裁を受け石油開発は殆ど進展していなかったにも関わらず、このように埋蔵量が大幅に上方修正された理由は、両国がお互いのライバル意識で順位を競い合ったからとしか説明がつかないのである。このように一部のOPEC加盟国の埋蔵量数値には信ぴょう性に疑わしいものがある。

 これに対して同じOPEC加盟国でもサウジアラビアやUAEの公表値は1990年以降全く変化していない。サウジアラビアの1980年末の埋蔵量は1,680億バレルで1990年末には2,600億バレルに修正されたがその後は昨年末まで全く変化していない。UAEも同様に1980年末埋蔵量304億バレルを1990年末には981億バレルとした後、現在まで横這い状況である。横這いと言う意味は毎年、生産量を補う埋蔵量の増加があったことを意味している。例えばサウジアラビアの場合は1990年から2011年までの生産量は900~1,000万B/Dであり、年率に換算すると33~37億バレルであるから、これと同量の埋蔵量が追加されてきたことになる。これは毎年超大型油田を発見しているのと同じことなのである。これはUAEについても言えることである。サウジアラビアもUAEも探鉱開発では古い歴史があり国内には石油のフロンティアと呼べる場所は殆ど見当たらない。にもかかわらず両国が埋蔵量を維持できた理由は、一つは既開発油田からの回収率をアップしたことであり、もう一つは既存油田の下の深部地層に新たな油田を発見したためである。

 上記OPEC4カ国以外に本項では非OPECの米国、ブラジル、インドネシアを取り上げた。これら3カ国の埋蔵量は対照的な推移を示している。米国は1980年末の埋蔵量365億バレルで当時はUAE、イラクよりも多かったがその後徐々に減少し2008年末には300億バレルを下回った。しかし2009年以降同国の埋蔵量は309億バレルに回復している。これは2000年代前半の石油価格の上昇により老朽化した油田(マージナル油田)が再び採算性を取り戻したこと、及び国内の石油開発が活発になったためである。

 一方インドネシアは1980年末に116億バレルあった埋蔵量が1990年には半減し、その後も減少を続け2011年末には40億バレルとなっている(同国の場合、石油の生産も減少を続け2000年代初めには石油の輸入国に転落、2008年にOPECを脱退したことはよく知られている)。これに対し深海油田の開発に成功したブラジルは1980年末にはわずか13億バレルに過ぎなかった埋蔵量が2011年末には151億バレルに大幅にアップしているのである。

 (続く)

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(6月28日)

2012-06-28 | 今日のニュース

・ヨーロッパ経済不安で原油急落。Brent $91.89, WTI $78.77

 

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BPエネルギー統計レポート2012年版解説シリーズ:石油篇2 埋蔵量(2)

2012-06-26 | その他

(埋蔵量と可採年数は年々増えている!)
 
(2) 1980年~2011年の埋蔵量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-1-G02.pdf参照)
 各年末の可採埋蔵量は、[ 前年末埋蔵量 + 新規発見(又は追加)埋蔵量 - 当年中の生産量]、の数式で表わされる。従って埋蔵量が増加することは新規発見又は追加埋蔵量が当年の生産量を上回っていることを示している。

  1980年以降世界の石油埋蔵量はほぼ一貫して増加している。1980年代後半に埋蔵量が大幅に増えたのは1979年の第二次オイルショックにより石油価格が高騰したことにより80年代前半に石油開発に拍車がかかり、その成果が現れた結果だと考えられる。1990年代に入ると毎年の追加埋蔵量と生産量(=消費量)がほぼ均衡し、確認埋蔵量は横ばいの1兆バレルで推移した。2000年代前半には埋蔵量は1.3兆バレル台にアップし、後半は埋蔵量の増加に拍車がかかって、2007年以降昨年末までの埋蔵量は毎年1千億バレずつ増加している。

 2000年代は中国、インドなど開発途上国の経済が拡大し、それにつれて石油需要がほぼ毎年増加している(石油消費の項参照)。それにもかかわらず各年末の埋蔵量が増加しているのは石油価格が上昇して石油の探鉱開発のインセンティブが高まった結果、新規油田の発見(メキシコ湾、ブラジル沖、中央アジア等)或いは既開発油田の回収率向上による埋蔵量の見直しがあったためと考えられる。

(3) 1980年~2011年の可採年数の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-1-G02.pdf参照)
 可採年数(以下R/P)とは埋蔵量を同じ年の生産量で割った数値で、現在の生産水準があと何年続けられるかを示している。オイルショック直後の1980年は埋蔵量6,800億バレルに対し同年の生産量は6,300万B/D(年換算230億バレル)であり、R/Pはわずか30年にすぎなかった。しかし1990年代にはR/Pは40年台前半で推移し、1999年以後の10年間のR/Pは40年台後半に伸び、2009年末のR/Pはついに50年を突破した。そして2011年末の埋蔵量は1兆6,500億バレル(上記)であり、生産量は8,400万B/D(年換算310億バレル。なお生産量は次章で改めて詳述する)で、R/Pは54年に達している。

 このように石油のR/Pは過去30年間ほぼ毎年伸び続け、1980年の30年から2011年の54年へと飛躍しているのである。この間に生産量は6,300万B/Dから8,400万B/Dへ33%増加しているのに対して埋蔵量は6,800億バレルから1兆6,500億バレルと2.4倍に増えている。過去30年の間毎年7~8千万B/D(年換算約250~300億バレル)の石油を生産(消費)しながらもなお埋蔵量が2.4倍に増えているという事実は石油が地球上で次々と発見され(あるいは技術の進歩によって油田からの回収率が向上し)ていることを示しているのである。

 過去に石油の生産が限度に達したとするオイル・ピーク論が声高に叫ばれ、石油資源の枯渇が懸念された時期があった。理論的には石油を含む地球上の炭化水素資源は有限である。しかし上記の生産量を上回る新規埋蔵量の追加とそれによるR/Pの増加が示すように、現在の技術の進歩を考慮すると当面石油資源に不安は無いと言って間違いないのである。

 現代における問題はむしろ人為的なリスクであろう。人為的なリスクとは例えばイラン問題に見られるような国際的外交的なリスクであり、或いはリビアの革命やナイジェリアの石油産業ストライキのような産油国の国内リスクであり、さらには公海上のタンカーに対する海賊の襲撃行為のような原油の輸送段階のリスク、さらには国際的な投機筋の暗躍による市場リスクなのである。

(石油篇続く)

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(6月26日)

2012-06-26 | 今日のニュース

・原油90ドル以下でも生産量を減らさないサウジアラビア。明かされたOPEC総会の模様

・米海軍、ペルシャ湾に機雷掃海艇4隻を増派。イランのホルムズ海峡封鎖に対抗

 

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今週の各社プレスリリースから(6/17-6/23)

2012-06-23 | 今週のエネルギー関連新聞発表

6/18 経済産業省    新潟県佐渡南西沖において国内石油天然ガス基礎調査を実施します~探査船「資源」の探査結果に基づく初の試掘調査~ http://www.meti.go.jp/press/2012/06/20120618002/20120618002.html
6/18 JOGMEC    豪州ウィートストーンLNGプロジェクトに係る出資採択及び債務保証採択について http://www.jogmec.go.jp/news/release/docs/2012/newsrelease_120618.pdf
6/18 三菱商事    ウィートストーンLNGプロジェクトへの参画 http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2012/html/0000015027.html
6/18 Chevron    Chevron and TEPCO Sign Equity and Additional LNG Sales Agreements http://www.chevron.com/chevron/pressreleases/article/06182012_chevronandtepcosignequityandadditionallngsalesagreements.news
6/20 JX日鉱日石エネルギー    日本初のガソリン計量機・水素充填機併設ステーションの実証実験開始について http://www.noe.jx-group.co.jp/newsrelease/2012/20120620_01_1016062.html
6/20 石油連盟    「『エネルギー・環境会議』から提示されるシナリオに対する産業界の要望」について http://www.paj.gr.jp/paj_info/press/2012/06/20-000574.html
6/21 石油連盟    木村石油連盟会長定例記者会見配布資料 http://www.paj.gr.jp/from_chairman/data/2012/index.html#id576
6/22 JOGMEC    JOGMEC、露国営企業とイルクーツク州で新規共同地質調査を開始 http://www.jogmec.go.jp/news/release/docs/2012/newsrelease_120622.pdf
6/22 国際石油開発帝石/東京ガス    天然ガス緊急時相互融通契約の締結について http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2012/20120622-b.pdf

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(6月22日)

2012-06-22 | 今日のニュース

・2015年までLNG需給はタイト。インドネシア等東南アでLNG輸入施設が相次いで稼働

・ホルムズ海峡迂回パイプラインのテスト完了、来月から操業開始

 

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BPエネルギー統計レポート2012年版解説シリーズ:石油篇1 埋蔵量(1)

2012-06-21 | その他

(埋蔵量世界一はベネズエラである!)

BPが恒例の「BP Statistical Review of World Energy 2012」を発表した。以下は同レポートの中から石油に関する埋蔵量、生産量、消費量等のデータを抜粋して解説したものである。

1.世界の石油の埋蔵量と可採年数
(1) 2011年末の埋蔵量
 2011年末の世界の石油確認可採埋蔵量(以下単に「埋蔵量」と言う)は1兆6,526億バレル(1バレル=159リットル)である。埋蔵量を地域別に見ると、中東が全世界の埋蔵量の48%を占めている。これに次ぐのが中南米の20%であり、以下北米13%、ヨーロッパ・ユーラシア9%、アフリカ8%であり、最も少ないのがアジア・大洋州の2%である。現在、世界の石油の約半分は中東地域に存在しているのである。

(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-1-G01.pdf参照)
 地域別埋蔵量を昨年と比べると中東は7ポイント、アフリカは2ポイント減少したのに対し、逆に北米は8ポイントまた中南米も3ポイント増加している 。これは北米カナダのタールサンド、南米ベネズエラのオリノコベルトの重質原油が埋蔵量に加算されたことが大きな理由である。これら重質油はこれまでも存在が確認されていたが、開発生産に難点があるため「非在来型」原油として統計値から除外されていた。しかし近年開発生産技術が進歩し、また石油価格の高騰により採算がとれるようになったため統計に計上されるようになった。

 さらにメキシコ湾や南米ブラジル沖合では深海油田の開発も軌道に乗りつつあり、深海油田の開発はアフリカ、北極海等でも活発化すると言われている。このように中東以外の地域で石油の探鉱開発が積極的に行われているため、地球規模のバランスで見た場合、中東の石油埋蔵量のシェアは今後下がる可能性がある。

(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-1-T01.pdf参照)

 次に国別に見ると、世界で最も埋蔵量が多いのはベネズエラの2,965億バレルで世界全体の18%を占めており、第二位はサウジアラビア (2,654億バレル、16%)である。従来石油埋蔵量世界一はサウジアラビアと言われ、事実BP統計でも昨年まではサウジアラビアが常に世界一位であった。これに対しベネズエラは2005年のBP統計では世界6位の772億バレルに留まっていたが、2009年統計では1,723億バレルに急増し、今回は2,965億バレルとされている。このような埋蔵量の急激な増加は上述のオリノコベルト原油に対する統計評価の変更もさることながら、産油国としての覇権を目指すチャベス同国大統領による政治的思惑が絡んでいると考えられる。ベネズエラが石油産業を完全国有化したため、BPのような国際石油企業と言えども同国の埋蔵量を客観的に評価出来ず、政府の発表をある程度鵜呑みにせざるを得ないという問題点が浮かび上がっている。

 このように埋蔵量は一部の資源国による作為的操作の疑いがぬぐいきれないが、BP統計上では埋蔵量が1千億バレルを超える国はベネズエラ、サウジアラビアのほかカナダ(1,752億バレル、11%)、イラン(1,512億バレル)、イラク(1,431億バレル、8%)及びクウェイト(1,015億バレル、6%)の6カ国である。これら6カ国のうち4カ国はペルシャ(アラビア)湾岸の国である。以下ベスト・テンにはUAE、ロシア、リビア及びナイジェリアが入っており、これら10カ国の世界シェアの合計は85%に達する。石油は一部の国に偏在していると言える。 

 因みにOPEC12カ国の合計埋蔵量は1兆1,963億バレル、世界全体の73%を占めている。「生産量」の項で触れるが、OPECの生産量シェアは42%とそれほど高くはない。埋蔵量シェアが高いことは生産余力或いは潜在的な生産能力が大きいことを示しておりOPEC諸国の存在感は大きいと言えよう。

 (続く)

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