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Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(67)
第25章 米軍乗り出す(3)米国とサウジの駆け引き(3/3)
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イスラエルのナタンズ爆撃当日、米中央軍現地司令部は軍事偵察衛星、AWACS、ペルシャ湾に浮かぶ原子力空母「ハリー・S・トルーマン」などあらゆる手段を講じて情報を収集していた。早暁にイスラエルの空軍基地から3機の編隊が飛び立ち、その後しばらくして大型機1機と戦闘機2機が同じ基地を離陸したことが確認された。最初の3機はイラクとサウジアラビアの国境上空を通過した後イランに侵入、ナタンズを爆撃した後、イランの追撃を振り切って領空外に逃れた。そこまではペンタゴンから聞かされた筋書き通りであった。
その後想定外の事態が発生した。後から飛び立った3機が途中でバラバラになり迷走を始めた。そしてそのうちの大型機と見られる1機が突然レーダーから消えたのである。その数分後、今度は爆撃を終えた3機がイスラエルへの帰還コースをはずれペルシャ湾上空をホルムズ海峡に向かい始めた。ウデイド空軍基地の現地司令部は混乱した。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)