Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(61)
第23章 米軍乗り出す(1)アル・ウデイド空軍基地(2/3)
しかしペルシャ湾地域において米国がシーレーン以上に重視していること、それはイランを封じ込め地域における米国の威信を揺るぎないものにすることである。30年前、ホメイニ師によるイスラム革命政権が成立して以来、米国にとってイランは不倶戴天の敵である。ホメイニ以前のイラン・パーレビ―(シャー)体制の時代に、米国はイランに近代兵器を大量に売り付け、イランを「ペルシャ湾の警察」に仕立て上げることで地域の治安を任せていた。
革命直後、テヘランの米国大使館がホメイニ支持の革命防衛隊によって一年以上占拠されるという事件があった。これにより米国の威信はいたく傷つけられた。当時の米国カーター政権は救出作戦を試みたが、救出ヘリコプターの不時着と言うお粗末な結果で失敗し、米国政府は恥の上塗りをした。これが今も米国民の脳裏から消えない深いトラウマを残した。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)