9/25 国際石油開発帝石 再生可能エネルギー事業及び電力事業の強化に向けた組織改編について ― 再生可能エネルギー・電力事業ユニットの新設 ―
9/25 BP BP starts production from giant Khazzan gas field in Oman ahead of schedule and under budget
9/26 出光興産 有機 EL 材料における出光興産株式会社と東レ株式会社の技術提携について
9/27 JXTGエネルギー 当社石油・石油化学製品の生産・供給体制の再構築について
9/27 ExxonMobil ExxonMobil Continues to Increase Acreage Position in Permian Basin
9/28 石油連盟 『今日の石油産業2017』の発行について
9/28 Chevron Michael K. Wirth Named Chairman and CEO of Chevron
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2017.9.28
前田 高行
(石油、天然ガスともに米国が生産量世界一!)
(2)国別生産量
(表http://bpdatabase.maeda1.jp/3-2-T01.pdf 参照)
生産量を国別に見ると、世界で石油と天然ガスの合計生産量が最も多い国は米国である。内訳は石油が1,235万B/D、天然ガスは7,492億㎥(石油換算1,291万B/D)、合計では2,527万B/Dとなる。同国は石油生産量、天然ガス生産量ともに世界トップである。
米国に次ぐ世界第二位の生産量を誇るのはロシアである。同国は石油は世界3位、天然ガスは世界第2位であり、石油生産量は1,123万B/D、天然ガス生産量は5,794億㎥(石油換算999万B/D)、石油と天然ガスの合計生産量は2,121万B/Dである。2015年と比較すると、米国とロシアの生産量はそれぞれ2,593万B/D及び2,086万B/Dで米国の生産量が減少したのに対しロシアは横ばいであった。
両国が世界全体の生産量1億5,335万B/Dに占める割合は米国17%、ロシア14%であり、2か国で世界の3割を占めている。因みに埋蔵量については(前章参照)ロシアが世界4位であり米国は世界11位である。
生産量第3位はサウジアラビアの1,424万B/Dである。内訳は石油1,235万B/D、天然ガス1,094億㎥(石油換算189万B/D)でありロシア或いは米国に比べて石油の比率が圧倒的に高い。4位から10位までの生産国は、4位イラン809万B/D(内訳:石油460万B/D、石油換算天然ガス349万B/D。以下同じ)、5位カナダ708万B/D(石油446万B/D、天然ガス262万B/D)、6位中国638万B/D(石油400万B/D、天然ガス239万B/D)、7位UAE514万B/D(石油407万B/D、天然ガス107万B/D)、8位カタール502万B/D(石油190万B/D、天然ガス312万B/D)、9位イラク448万B/D(石油447万B/D、天然ガス2万B/D)、10位ノルウェー400万B/D(石油200万B/D、天然ガス201万B/D)となっている。
11位以下20位までの国を列挙すると、クウェイト、メキシコ、アルジェリア、ブラジル、ベネズエラ、ナイジェリア、インドネシア、カザフスタン、マレーシア、オーストラリアの順である。
(続く)
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前田 高行 〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601
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2017.9.27
前田 高行
2.世界の石油と天然ガスの生産量
(中東、欧州・ユーラシア、北米が20%台で拮抗!)
(1)2016年の石油と天然ガスの地域別合計生産量
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-2-G01.pdf 参照)
2016年の世界の石油生産量は日量9,215万バレル(以下B/D)であり、これに対して天然ガスの生産量は年間3兆5,516億立方メートル(以下㎥)であった。天然ガスの生産量を石油に換算すると6,120万B/Dとなり、従って石油と天然ガスを合わせた1日当りの生産量は1億5,335万B/Dとなる。両者の比率は石油60%、天然ガス40%である。
生産量を地域別に見ると、中東が4,278万B/Dと最も多く、北米がこれに次ぐ3,561万B/Dで、第3位に欧州・ユーラシア(3,495万B/D)が続いている。中東が世界全体に占める割合は28%で、北米、欧州・ユーラシアは23%である。これら3地域で世界の生産量の4分の3を占めている。各地域の石油と天然ガスの比率を比較すると、中東は石油3,179万B/D、天然ガス6,378億㎥(石油換算:1,099万B/D)と、石油の生産量が74%を占めて圧倒的に多く、北米は石油生産量が1,927万B/D、天然ガス生産量が9,484億㎥(石油換算:1,634万B/D)と石油が天然ガスを上回っている。そして欧州・ユーラシアは石油生産量1,772万B/D、天然ガス生産量1兆億㎥(石油換算:1,724万B/D)であり石油と天然ガスはほぼ同量である。
その他アジア・大洋州、アフリカ及び中南米の3地域の生産量は上記3地域の半分もしくはそれ以下である。石油と天然ガスの比率はアジア・大洋州(石油換算合計生産量:1,800万B/D)は天然ガスがわずかに多いが、アフリカ(同1,148万B/D)と中南米(同1,052万B/D)は中東と同じく石油生産が全体の7割以上を占めており天然ガスの比率は小さい。
前回の埋蔵量で触れたとおり世界の石油と天然ガスの埋蔵量の比率は59%対41%(石油埋蔵量1兆7,067億バレル、天然ガス埋蔵量1兆1,174億バレル)である。このことから欧州・ユーラシア、北米及びアジア・大洋州では埋蔵量に見合った石油と天然ガスが生産されているのに対し、その他の3地域(中東、アフリカ及び中南米)では今後さらに天然ガスの開発生産に拍車がかかるものと考えられる。
(続く)
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2017.9.26
前田 高行
(石油と天然ガスを合わせた可採年数は53年!)
(4)可採年数の推移(1980~2016年)
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-1-G04.pdf 参照)
可採年数(以下R/P)とは埋蔵量を同じ年の生産量で割った数値で、現在の生産水準があと何年続けられるかを示したものであるが、2016年末の石油と天然ガスの合計埋蔵量を同年の合計生産量(次章参照)で割ると、石油・天然ガス全体の可採年数は52.5年となる。
1980年から2016年末までの推移をみると、1980年の可採年数は36年であった。この年の石油の可採年数は30年、天然ガスは50年であり、石油と天然ガスの間には20年の差があった。当時、石油の埋蔵量は天然ガスの1.5倍であったが、石油の生産量が天然ガスの2.5倍であったため石油の可採年数が低く、石油と天然ガスを合わせた可採年数も石油に近い数値となったのである。
その後、1980年代は石油、天然ガスの埋蔵量は共に増加したが、生産に関しては天然ガスが伸びる一方(天然ガス篇2-(3)参照)石油は停滞したため(石油篇2-(3)参照)、石油の可採年数が伸び、天然ガスのそれは停滞した。1990年代は石油、天然ガス共に可採年数は横這いとなり、両者を平均した可採年数も40年台後半で推移した。2000年代に入り可採年数は2002年に54年のピークを記録した後、2006年には49年に下がり、2011年末には再び55年と緩やかな波を打っている。
この間に石油と天然ガスの可採年数は収斂する方向にあり、2011年末は石油55年、天然ガス56年と殆ど差がない。1980年のそれが石油30年、天然ガス50年であったことと比べると大きな変化であり、これは石油と天然ガスが同じ化石エネルギーとして相対優位の市場原理で取引されるようになっていることと無関係ではないであろう。
2011年以降可採年数は漸減傾向にあり、2016年末の可採年数は石油51年、天然ガス53年、石油と天然ガスを合わせた平均可採年数は52年となっている。近年の可採年数の減少は世界的な油価の低迷およびヨーロッパ、中国の景気低迷により石油・天然ガスの開発意欲が減退していることが大きな理由であろう。
(石油+天然ガス篇 埋蔵量完)
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