福島県浪江町と住友商事との水素の利活用及びまちづくりに関する連携協定書締結について
https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2021/group/14310
1/25 bp
bp completes integrated gas value chain in China with delivery of LNG for downstream customers
https://www.bp.com/en/global/corporate/news-and-insights/press-releases/bp-completes-integrated-gas-value-chain-in-china-with-delivery-of-lng-for-downstream-customers.html
1/26 伊藤忠商事
ドイツUniper社向け新造船「LNG ROSENROT」竣工について
https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2021/210126.html
1/27 国際石油開発帝石
「今後の事業展開~2050 ネットゼロカーボン社会に向けて」の策定、商号の変更および組織改編について
https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20210127_b.pdf
1/27 国際石油開発帝石
幹部社員の人事異動について
https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20210127_a.pdf
1/29 三菱商事
カーボンリサイクルの取組/CarbonCure社への資本参画及び業務提携について
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2021/html/0000046577.html
1/29 Chevron
Chevron Announces Fourth Quarter 2020 Results
https://www.chevron.com/stories/chevron-announces-fourth-quarter-2020-results
(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0524SaudiDiplomacy2G20Opec.pdf
2.OPEC+閣僚会合:サウジとロシアの齟齬はMbSとプーチン大統領間のホットライン途絶に一因
2020年初めの北海Brent原油価格は64ドル/バレルで産油国が満足すべき状態であった。しかしコロナウィルス(COVID-19)問題が世界経済を直撃し石油需要の見通しは不透明であった。非OPEC最大の産油国ロシアは協調減産の緩和を求め増産に走った。これに対してOPECの盟主サウジアラビアは需要減退を懸念して減産の強化を主張したが両者は折り合わず、結局サウジも増産に走り、市場はチキンレースの様相を呈した。
この結果、4月のBrent原油価格は18ドル/バレルに急落した。WTI原油の翌月物は引き取り手がなく売り手が損を覚悟で決済を余儀なくされ、価格は一時マイナスになると言う異常事態が発生した。4月12日、COVID-19のためTV会議方式で開催されたOPEC・非OPEC臨時閣僚会合(ONOMM)で両者は協調減産を継続することで合意した。減産量は5-6月970万B/D、7-12月770万B/D、2021年1月-22年4月まで550万B/Dとされた。これにより年末のBrent価格は50ドルまで回復した 。
それでもサウジアラビア以外の大半のOPEC及び非OPEC産油国は歳入不足に苦しみ、2021年以降の減産緩和を求めた。その急先鋒がロシアであり、同国は再びサウジアラビアと対立したのである。12月、1月と続けて開かれたTV会議方式によるOPEC+閣僚会合(ONOMM)では、減産幅を12月以降770万B/Dから720万B/Dに緩和し、各国ごとの生産レベルを示し、ONOMM会合を毎月開催し減産幅を協議することとした 。
TV会議方式の導入がOPEC+の意思決定に大きな変化をもたらしたことは間違いない。ONOMMが毎月開催されることによりOPEC+の意思疎通が密接になるメリットは大きい。その反面、会議場外での事前根回し、あるいはフィクサー(黒幕の重要人物)による調停など会議の成否を左右する要素が働きにくくなった。ONOMMの共同議長を務めるサウジアラビアのアブドルアジズ石油相とロシアのノバク副首相兼石油相は従来会議前日にウィーンに入り、二者会談を行って議案の調整を行い、サウジはOPEC諸国を、ロシアは非OPEC諸国を説得して本会議をスムーズに運営してきた。さらに増産・減産の方針決定など国家のトップによる決着が必要な問題については、サウジアラビアのムハンマド皇太子(MbS)がフィクサーとなってロシアのプーチン大統領とのホットラインで決定してきた経緯がある。MbSは皇太子即位以降、折に触れてプーチンと直接あるいは電話会談を重ね信頼関係を築きあげている。
このような個人の信頼関係で物事を進めるのは強権国家の支配者に特有のことである。MbSの相手のプーチン大統領や米国のトランプ前大統領も同様であったと言えよう。しかしこれは裏を返せば信頼関係が揺らげばホットラインが機能しなくなることを意味している。最近のメディアの報道を見る限り、MbSとプーチン大統領がホットラインでつながっているようには見えない。プーチン大統領がMbSを遠ざけていると思われる。その理由はカショギ暗殺事件によりMbSの国際的な評価が落ちていることに加え、ロシアにとって中東外交あるいは資源外交におけるサウジアラビアの利用価値が無くなったためと言えそうである。
OPECの政策決定でMbSの出番は無くなったようである。OPEC+問題に限らず、G20あるいはGCCサミットにおいても昨今のMbSの存在感は薄い 。これまで独断専行が目立つMbSであったが、最近ではサルマン国王との間にすきま風が吹いているのではないかと疑われるほどである。
Part 2 完
本件に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
荒葉一也
Arehakazuya1@gmail.com
(コロナ関連ニュース)
・コロナワクチンは米国製?中国製? 中東で米中が熾烈なワクチン外交展開。
・ドバイDP WorldとUNICEFが協力協定締結。無料でコロナワクチンを輸送・保管。
・オマーン、すべての公共行事開催中止。
(石油関連ニュース)
(中東関連ニュース)
・リヤドで第4回未来投資イニシアティブ(FII)開催。参加登録8千人、内現地参加者は200人のみ。
・サウジ当局、NCBとSambaの合併を承認。第2四半期に実現予定。
昨年、サウジアラビアがホスト役を務める二つの重要な国際会議があった。一つは主要国の首脳が一堂に会し世界が直面する問題を幅広く議論するG20サミットであり、もう一つは世界のエネルギー市場に大きなインパクトを与えるOPEC(石油輸出国機構)と非OPEC石油輸出国、いわゆるOPEC+(プラス) の合同閣僚会議である。
G20サミットはサルマン国王がホスト役を、またOPEC+閣僚会合はアブドルアジズ石油相がロシアのノバク・エネルギー相(2020年9月に副首相に昇格)と共同議長を務めた。アブドルアジズ石油相はサルマン国王の子息である。サウジアラビアには国王と石油相の他にもう一人重要人物がいる。ムハンマド皇太子である。皇太子はサルマン国の息子であり、石油相の異母弟と言う関係であり、MbSと略称されている。
サルマン国王の数多い息子たちの中で国王の寵愛を受けたMbSは兄たちを押しのけて2017年に皇太子に即位、絶大な権力を掌握して国内外からサウジアラビアの実質的な統治者と見なされてきた。そのため今回のG20或いはOPEC+の両会議でも舞台裏で大きな役割を果たすと考えられた。病弱な父王、或いは決断力に欠けるとされる異母兄に代わり、場合によっては表舞台で采配を振るうのでは、とすら見る向きもあったほどである。
しかしメディアの報道を見る限りでは両会議におけるMbSの存在感は薄かった。と同時に両会議を通じて国際舞台におけるサウジアラビアの存在感そのものが極めて希薄であることが証明されたと言えよう。
1.G20:誰も期待しなかったサウジアラビアの外交力
2020年11月21、22日、サウジアラビアの首都リヤドでG20サミットが開催された[1]。世界的な新型コロナウィルス蔓延(COVID-19)のため、各国首脳が直接顔を合わせることはなく、テレビ会議方式で意見が交わされた。前年2019年の大阪サミットには皇太子(MbS)が出席し、安倍首相(当時)からバトンタッチを受けている。皇太子はその後、東京で即位早々の令和天皇に会見[2]、意気揚々と帰国したのであった。2019年末まで事前準備は順調に進んだが、COVID-19のため年明け後、事態が急変、3月にはサミットをテレビ会議方式で行うことが決定されている[3]。
TV会議方式は参加各国首脳の時間調整がしやすくコロナウィルス感染を防止できるなど利点がある反面、いくつかの問題も抱えている。各国首脳がテレビ画面に顔を並べるものの、発言は議長(サルマン国王)の指示に従い各国首脳が順番に発言するため、横合いから議論をさしはさむことができない。つまり円卓会議のように自由闊達な討論ができないことである。テレビ会議でその穴埋めをするのは議長の力量にかかってくる。また最終コミュニケを作成するうえで議場外での個別会談は不可欠である。
結局リヤド・サミットでは各国首脳がコロナ対策の一般論と外交・経済面の自国の立場を主張するだけであった。そしてコミュニケ作成に一役買うはずであったMbSの出番も全くなかった。結局コミュニケ採択もないままG20は閉会した[4]。
COVID-19と言う予期せざる障害のためテレビ会議方式となったことはサウジアラビアにとって不幸なことだった。しかしそのような中でこそあえてCOVID-19に対する国際協調と共同行動を呼びかけ、また債務に苦しむ貧しい国に手を差し伸べる提言は可能だったと思われる[5]。それができなかったのはサルマン国王のリーダーシップが不足していたと言えよう。さらに付言するならば、陰の主役たるべき皇太子(MbS)がその力量を示す機会が全くなかったことも触れておきたい。MbSはカショギ暗殺事件以来、国際的評価は地に堕ちており、特に欧米先進国からは極端に嫌われている。国際外交の舞台に立つことなど問題外だったのである。
誰も期待しなかったサウジアラビアの外交力。サウジアラビアはサルマン国王とムハンマド皇太子の晴れ姿を見せる絶好の機会を逸したのである。
(続く)
本件に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
荒葉一也
[1] Coronavirus crisis dominates Saudi-hosted G20 summit
2011/11/21 Kuwait Times
https://news.kuwaittimes.net/website/coronavirus-crisis-dominates-saudi-hosted-g20-summit/
[2] Saudi Crown Prince Mohammed bin Salman meets with Japanese emperor in Tokyo
2019/7/2 Arab News
http://www.arabnews.com/node/1519326/saudi-arabia
[3] Saudi Arabia to convene virtual G20 summit on coronavirus
2020/3/18 Arab News
https://www.arabnews.com/node/1642871/saudi-arabia
[4] Saudi Arabia hands over G20 presidency to Italy as Riyadh summit concludes
2020/11/22 Arab News
https://www.arabnews.com/node/1766871/saudi-arabia
[5] G20 dithers on poor countries debt time-bomb amid crisis warning
2020/11/23 Kuwait Times
(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(石油関連ニュース)
・リビア石油生産122万B/Dに回復。収入分配めぐり対立、安定生産に赤信号。 *
*「リビア原油生産の推移」参照。
(中東関連ニュース)
・トルコとギリシャ、領海紛争協議に着手。成果ははなはだ疑問。 **
・UAEとイスラエル、テルアビブとアブダビに各大使館を開設。ドバイには領事館も。 ***
・クウェイト首長、Sheikh Sabahを首相に再任。組閣着手。
・サウジ:都市村落省と住宅省を合併。中央銀行総裁にFahad Al-Mubarak返り咲き。
・サウジ皇太子、PIFの新5か年計画公表。毎年400億ドルを国内に投下。
・住友商事、オマーンで水素製造事業のF/S実施。 ****
**レポート「天然ガスに国際政治が絡み大荒れの東地中海 」(2020年2月)参照。
***レポート「和平合意で急速に深まるイスラエルと UAE の関係」(2020年11月)参照。
****住友商事プレスリリース「オマーンでの水素ハイブリッド地産地消プロジェクト事業化可能性調査の開始について」参照。
1/19 経済産業省
江島副大臣が国際再生可能エネルギー機関(IRENA)第11回総会に参加しました
https://www.meti.go.jp/press/2020/01/20210119003/20210119003.html
1/20 国際石油開発帝石
ノルウェー王国 2020 年 APA ラウンドにおける探鉱鉱区の落札について
https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20210120.pdf
1/21 石油連盟
杉森 石油連盟会長定例記者会見配布資料
https://www.paj.gr.jp/from_chairman/data/2021/index.html#id1920
1/22 住友商事
豪州における水素製造プラントの基本設計に関する契約締結について
https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2021/group/14270
1/22 住友商事
オマーンでの水素ハイブリッド地産地消プロジェクト事業化可能性調査の開始について
https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/release/2021/group/14290
(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(コロナウィルス関連ニュース)
(石油関連ニュース)
・米在庫増で原油価格下落。WTI $53.04, Brent $55.82。
・JP Morganなど米系3行、今年の石油価格60ドル以上の強気予想。
(中東関連ニュース)
・バグダッド市内で自爆テロ、死者32名、負傷者110名以上。
・UAE Masdar社、イスラエル、中国企業と業務提携。再生エネルギービジネス拡大目指す。
(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(石油関連ニュース)
・IEA、今年の石油需要を下方修正。年末に9,900万B/Dと予測。
(中東関連ニュース)
・カタール、UAEに対するWTO提訴を取り下げ。GCC関係改善進む。 *