石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

今週の各社プレスリリースから(3/22-3/28)

2015-03-28 | 今週のエネルギー関連新聞発表

3/26 JXホールディングス    通期業績予想の修正及び減損損失等の計上に関するお知らせ http://www.hd.jx-group.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20150326_01_01_1050061.pdf
3/26 コスモ石油    組織改定ならびに人事異動について http://www.cosmo-oil.co.jp/press/p_150326_2/index.html
3/26 昭和シェル石油    役員の新業務分担のお知らせ http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2015/0326.html
3/27 出光興産/東京ガス/九州電力    石炭火力発電所共同開発検討の合意について http://www.idemitsu.co.jp/company/news/2014/150327.pdf
3/27 石油連盟    「今日の石油産業2015」の改訂・発行について http://www.paj.gr.jp/paj_info/press/2015/03/27-000730.html

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(3月27日)

2015-03-27 | 今日のニュース

・イエメン情勢緊迫で原油価格上昇。Brent $2.3上昇し$58.78、WTIは$1.60高の$50.81

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(3月25日)

2015-03-25 | 今日のニュース

・ナイミ・サウジ石油相:現在の石油市況にOPECの責任無し

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サルマン新体制によるサウジアラビアの今後を占うー石油、外交政策および第三世代(4完)

2015-03-23 | OPECの動向

(注)本レポート1~4は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0338SaudiRoyalFamily2015.pdf

 

4.第三世代:最後に笑うのは誰か?
 今回のサルマン新国王体制で最も注目すべき人事は何といってもムハンマド・ビン・ナイフ内相を副皇太子に選んだことであろう。副皇太子のポストはアブダッラー前国王の時代に現在のムクリン皇太子が選任されたのが初めてである。それまでにも国王、皇太子に次ぐNo.3として次期皇太子候補含みで第二副首相が任命されたことは何度かある。しかし故ナイフ内相(ムハンマド現内相の父親でスデイリ・セブンの四男)が2009年に第二副首相に抜擢されたとき、スデイリ・セブンの復活を警戒したタラール王子(初代国王の18番目の息子。富豪アルワリード王子の父親)がクレームをつけた例があった 。

 このためかアブダッラー前国王は2014年3月に当時のムクリン第二副首相に副皇太子の称号を与えたが、これには二つの大きな意味があった。一つは王位を第二世代の最後まで引き継がせるという意思の表れであり、もう一つは母親が名門出身でなければならないとしてこれまで暗黙の了解事項とされてきた第二世代王子の出自が問われなくなったことである。

 ムクリン王子はアブドルアジズ初代国王の36人の息子の35番目、第二世代の生存者としては最も若い(1945年生)。また彼の母親バラカ妃はイエメン出身の無名の女性であり、歴代国王や皇太子の母親のような名門出身ではない。第二代サウド国王以下歴代国王の母親はいずれも名門出身であり、たとえばファハド第四代国王、サルマン現国王の母親は名門スデイリ家の出身であり、アブダッラー前国王の母親もベドウィンの名門シャンマリ族出身である 。このような前例を見て世間ではアブダッラー国王時代の皇太子がスルタン、ナイフ、サルマンと続いた後、次の皇太子は第三世代の血統の良い王子が指名されるものと見ていた。ところが今回ムクリンが正式に皇太子に昇格したのである。

 ここにはさらに第三の意味が含まれていた。これまで新国王即位後の後継者指名については第二世代の息子あるいはその子孫で構成される「忠誠委員会(Allegiance Committee)」の合意が必要とされてきた 。しかし今回のムクリン皇太子あるいはムハンマド副皇太子の指名については「忠誠委員会」が開かれたという確認報道は無く、仮に開かれたとしても形式的・表面的でまともに審議された形跡が見られず、サルマン新国王が一方的に決めたことは間違いないようである。忠誠委員会はサウド家の「マジュリス」(評議制度)でありコンセンサスを重視するベドウィンの伝統に従ったものである。サルマンの統治手法はこのようなコンセンサス重視から国王による指揮命令系統の一本化、強権政治に変質し始めている。そのことは勅令で石油最高会議など多くの諮問会議を廃して二つの評議会に集約したことにも表れている。そのうちの一つ政治安全保障評議会議長にはムハンマド副皇太子を、残る一つの経済開発評議会議長には息子のムハンマド国防相といずれも第三世代の王子を指名したのである 。

 今回の一連の人事によりサウド家にもいよいよ第三世代の時代が訪れたと言えよう。但し第三世代の王子の数は極めて多い。1998年に発行された「Family Charts of Saudi Royal Family Descendants」(Al-Ruwaishid著)によれば第三世代の王子の総数は当時254人であった。その後この人数は変動しているであろうが、現在も200人を下らないことは間違いない。統治基本法第5条によりこれら200人余りの王子にはいずれも王位継承権がある。

 その中から一頭地を抜けたのがムハンマド副皇太子であり、それに続くのがムハンマド国防相他のサルマン国王の息子たち、あるいは国家防衛隊長官(閣僚)など前国王の息子たちであろう。もちろんファイサル第三代国王の遺児サウド外相やハーリド・マッカ州知事のようなベテランの第三世代もいる。但し彼らベテランはいわば「早すぎた第三世代」であり、王位継承問題に関わるには高齢すぎる。
(注)図表「サウド家第二~第五世代の主要王族」参照。
http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/3-1-1.pdf

 それではこれら「早すぎた世代」を除きサルマン国王が任命した王族閣僚・州知事がそのまま次代の支配層になるのであろうか?世評では今回の人事の顔ぶれを見て「スデイリ・セブン」の復活を唱える向きもある。しかし筆者の見解は異なる。「スデイリ・セブン」がそのままかつての勢力を取り戻すとは考えにくい。「スデイリ・セブン」は血のつながった同母兄弟だったからこその絆であり、彼らは異母兄弟(アブダッラーなどその数は30人近い!)と対抗するために結束したのである。異母兄弟間の争いが時として他人同士よりも激しいことはサウド家に限らず日本でも西武鉄道グループの堤兄弟一族の骨肉の争いを見ても分かるであろう。「スデイリ・セブン」の息子たち第三世代は単なる従兄同士の関係でしかない。もちろん彼らはお互いに支えあうことにメリットがあれば助け合うであろう。しかしそれはあくまでドライな合従連衡策の一つであってウェットな血のつながりによるものではないと思われる。

 もう一つ注意すべき点は現在の顔ぶれで将来の王位継承問題を語ることである。国王が代わり新たな皇太子(および副皇太子)が決まると彼らの息子たちが登用されるのは当然の成り行きである。ファハド元国王の時代には彼の息子たちが重職に就き、アブダッラー前国王の時代も然り。そしてサルマン現国王は息子たちを次々と重職に登用している。しかしこれとてサルマンが亡くなれば元の木阿弥になるであろうことはファハドおよびアブダッラーの例を見るまでもない。サルマン亡き後、ムクリン国王のもとでサルマンの息子ムハンマド国防相が安泰とは言えない。1985年生まれの若いムハンマド・ビン・サルマンが更迭され、さらにはサルマンの息子たち異母兄弟の間で骨肉の争いが起こる可能性も否定できない。ファハド元国王死去後、ムハンマド東部州知事とアブドルアジズ国務相(肩書はいずれも当時)が職を解かれ、異母兄弟で骨肉の争いがあった。歴史は繰り返しサルマン家にお家騒動が起こるというデジャブ(既視感)の気配が漂う。

 結局現在のところムハンマド・ビン・ナイフ副皇太子が国王になるその時まで第三世代のパワー・ゲームは決着がつかないであろうというのが筆者の見解である。ムクリンがいつ国王になれるか(あるいはスルタン、ナイフと同じく国王になれないまま死ぬかもしれない)? ムハンマド副皇太子がいつ皇太子になり、さらに国王に即位できるのか? それらのことが何年先になるかわからないため、第三世代の勢力地図も流動的である。ただ強いてあげるとすればムクリン皇太子が大きなカギを握っていそうな気配がする。ムクリンは全くのダークホースとして皇太子になった。彼は王位継承権を持ちながら一族の中で傍流を歩んできた。「スデイリ・セブン」と反スデイリ・セブンのせめぎあいの中でいわば「瓢箪から駒」で皇太子に指名されたようなものである。彼は一族内の権力闘争ではしがらみのない中立的な立場にあり、その意味でサウド家の将来を純粋かつ客観的に見通すことができる。第三世代を導いていく人物になることができるのは第二世代最後の王子である彼しかいないと考える。

(完)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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今週の各社プレスリリースから(3/15-3/21)

2015-03-21 | 今週のエネルギー関連新聞発表

3/19 経済産業省    再生可能エネルギーの平成27年度の買取価格・賦課金を決定しました http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150319002/20150319002.html
3/19 JOGMEC    平成26年度産油国技術者研修等事業(UAE特別研修)「掘削コース」を開講~人材育成により、両国間の関係強化に貢献~ http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_01_000075.html
3/19 出光興産    ノルウェー領北海 クナル油田の生産開始について http://www.idemitsu.co.jp/company/news/2014/150319.html
3/19 石油連盟    木村 石油連盟会長定例記者会見配布資料 http://www.paj.gr.jp/from_chairman/data/2015/index.html#id729

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(3月20日)

2015-03-20 | 今日のニュース

・クウェイト石油相:OPECは現在の生産量を維持しシェア守るほかに道はない

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(3月18日)

2015-03-18 | 今日のニュース

・WTI原油、2009年3月以来6年ぶりの安値$42.63、Brentは$53.15.

 

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サルマン新体制によるサウジアラビアの今後を占うー石油、外交政策および第三世代(3)

2015-03-17 | OPECの動向

 

(注)本レポート1~4は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0338SaudiRoyalFamily2015.pdf

 

 

3.外交政策:サルマンは老兵サウドをどうするつもりか?
 ファイサル第三代国王の4男サウドは1941年生まれ、今年74歳になる。彼が外務大臣になったのは1975年。何と40年もサウジアラビアの外務大臣を務めているのである。世界的に見ても一国の外交をこれほど長期間にわたり担っている人物は他にはいないであろう。

 彼は父ファイサルが暗殺されたその年にハリド新国王によって34歳の若さで外務大臣に任命された。ファイサルが暗殺されずにもう少し王位を続けていれば(歴史に「もし」は禁句であるが)彼の息子たちは歴代国王の息子たちのように政権の中枢に抜擢されたに違いないが、ファイサル家の長男はソニーの代理店として有名なアル・ファイサリア・グループを創設してビジネス分野に転身した。その意味で外務大臣になったサウドはファイサル家の希望の星であった 。

 ちなみにサウド家の王子たちは名前の最後にサウド家の証である「Al Saud」の名を冠する。一例を示すとサルマン現国王のフルネームは「HRH Salman bin Abdulaziz Al Saud」となる。ところがファイサル家だけはファイサル第三代国王の名を家名としておりサウド外相の場合は「HRH Saud Al Faisal」である(HRHは初代国王Abdulazizの直系男子であり王位継承権があることを意味している)。これはファイサルが非業の死を遂げたために許された家名であり、ファイサルの子孫は特別扱いされているのである。

 サウドが外相になった1975年からこれまで中東は大きく動いた。1979年にはイラン革命が勃発、シーア派政権が生まれた。以後サウジアラビアとイランは不倶戴天の敵となる。その後イラン・イラク戦争(1980-1988年)とそれに続く湾岸戦争(1990年)から2003年のイラク戦争までイラクのサダム・フセイン政権との関係は、前半は蜜月状態であったが、後半は一転して対立関係になった。その間にもイスラエル・パレスチナ紛争は絶えることがなく、また2001年にはサウジ出身のオサマ・ビン・ラデンを首謀者とする9.11テロ事件が発生、テロ対策が最大の外交課題となった。外交はそれまでの国家対国家の対決から、姿の見えない過激派組織と対決する構図に変化したのである。さらに2011年には「アラブの春」事件が発生、サウド外相はGCCの君主制護持に腐心させられた。エジプトがイスラエル単独和平でアラブの盟主の座を失って以来、サウジアラビアは中東・湾岸外交のキー・プレーヤーに祭り上げられ、サウド外相は東奔西走の日々であった。

 そのサウド外相は現在74歳。サルマン国王の新内閣発足の時、彼は米国の病院に入院中だった 。サウド外相がサルマン新内閣で留任を望んでいたとは考えにくい。彼はアブダッラー前国王から外交の全権を任され、前国王との信頼関係は格別のものがあったはずである。実はサウド外相はアブダッラーが皇太子時代の1990年代に一度辞任を決意したことがあるといわれる。当時スルタン国防相の息子バンダル駐米大使がバンダルースルタンーファハド国王のラインで対米外交を取り仕切り、サウド外相がないがしろにされたためである。アブダッラー皇太子自身もスデイリ・セブンの専横に悩まされており、サウド外相の気持ちは十分すぎるほど理解できたと思われるが、アブダッラーはいずれ自分の時代が来るまで辛抱するようにとサウド外相を諭したといわれる 。1995年にアブダッラーが摂政となり国政の実権を握って以来サウド外相は再びやる気を取り戻したようである。しかしアブダッラー亡き今サウドはスデイリ・セブンの生き残りであるサルマンを支えるつもりがあるか否かは疑問である。

 一方サルマンの泣き所はサウドほど外交に精通した息子がいないことである。そもそもサルマンの息子たちは石油省のアブドルアジズを除いて行政経験の長い者がいない。サルマン自身はリヤド州知事を長く務めたものの自分の息子を引き立てることはなかった。長男のファハドを東部州副知事に送り込んだが、不摂生が原因と言われ46歳の若さで心臓病で亡くなっている。三男のアハマドも2002年に亡くなっているが、当時9.11同時多発テロ事件への関与がささやかれていた。父親のサルマンはイスラム慈善活動に熱心であり王族としては当然であったかもしれないが、米国では彼が関連した慈善活動の浄財がイスラム過激派に流れたのではないかという根強い不信感があった。

 サルマンに対する米国の扱いが何となくよそよそしいのは、彼に対する不信感が今も米国にあるからかもしれない。サルマンとしては最も重要な対米外交を任せることができるのは当面サウドしかいないのである。これまでサウド家内の権力闘争に精力を注いできたサルマンは対米のみならずアラブ諸国についても外交音痴と言って間違いない。

 サウドが自ら辞任するかあるいはサルマンが彼を罷免するか? いずれにしてもサルマンとサウドの仲は長く続かないと思われる。誰がサウドの後を継ぐか? 対米外交を最優先するなら、共和党時代に米国に強固な足場を築いたバンダル元駐米大使も候補者の一人であろう。共和党は現在上下院で多数を占め、バンダルが親しかったブッシュ(ジュニア)元大統領の弟ジェブ・ブッシュが次期大統領として有力視されていることを考慮すると「バンダル外相」はうってつけかもしれない(但しバンダルが故スルタン国防相の息子であることがサルマン国王の判断に微妙に影響する可能性は否定できない)。

 一方、シリア、イラン、「イスラム国」、イエメンのアル・カイダ勢力等々がもつれ合う複雑極まりないアラブ外交をこなすには外相はかなりタフな人物でなければならない。サルマンの息子たちを含め「銀の匙」をくわえ、生まれた時から甘やかされた若手の第三世代の王子ではタフな外交交渉は務まらないであろう。

 サルマン時代の外交は日和見的な場当たり外交になるのかもしれない。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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五大国際石油企業2014年度業績速報シリーズ(13完)7カ年石油・ガス生産量の比較

2015-03-17 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポート1~13回は「マイライブラリー(前田高行論考集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0337OilMajors2014.pdf

 

III. 6カ年(2008-2014年)業績推移の比較(続き)
5.石油及び天然ガス生産量
(1)石油生産量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-10.pdf 参照)
 5社の2008年から2014年までの石油生産量の推移を見ると、7年間を通じてExxonMobilは他の4社を大きく引き離している。同社の生産量は2,405千B/D(08年)→2,387千B/D(09年) →2,422千B/D(10年) →2,312千B/D(11年) →2,185千B/D(12年) →2,202千B/D(13年) →2,111千B/D(14年)と常に2百万B/D以上を維持しているが、これに対して他の4社は7年間を通じていずれも百万B/D台である。

 ExxonMobil以外の2008年の生産量はShell1,771千B/D、Chevron1,649千B/D、BP1,575千B/D、Total1,456千B/Dで4社間に大きな差は無かった。その後Chevronが2009年、2010年と生産量を増やし、ExxonMobilに次ぐ第2位の生産量を誇っている。しかし2010年以降5社はいずれも毎年生産量が減少し続けており、2014年の各社の生産量はExxonMobil2,111千B/D、Chevron1,709千B/D、Shell1,484千B/D、BP1,106千B/D、Total1,034千B/Dに落ち込んでいる。

 2008年の生産量を100とした場合、2014年の各社生産量はExxonMobil 88、Chevron 104、Shell 84、BP 70、Total 71であり、5社の中でChevronのみが2008年を上回っているが、他の4社は7年前の生産量を下回っている。特にTotalおよびBPの減少幅が大きい。

(2)天然ガス生産量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-11.pdf 参照)
 2008年から2014年までの天然ガスの生産量は各社で明暗が分かれている。2008年の生産量はExxonMobil、Shell及びBPが80~90億立法フィート/日(以下cfd)でほぼ並んでおり、TotalとChevronは50億cfd前後であった。その後ExxonMobilは生産量が急激に伸び、またShell及びTotalも漸増傾向を示したのに対し、BPは大幅に減少、Chevronは横ばいにとどまっている。最近数年間ではExxonMobilおよびBPの生産量が大幅に低下、Shell、ChevronおよびTotalの3社は現状維持の状況である。

 その結果、2014年の各社の生産量はExxonMobil111億cfd、Shell93億cfd、Total61億cfd、BP60億cfd、Chevron52億cfdとなり、トップのExxonMobilとBP、Total、Chevronの格差は2倍前後に開いている。

(3)石油・天然ガス合計生産量(石油換算)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-12.pdf参照)
 石油と天然ガスの合計生産量(石油換算)を見ると、2008年にはExxonMobil(3,921千B/D)とBP(3,838千B/D)が並び、これにShellが3,248千B/Dで続き、Chevron(2,530千B/D)とTotal(2,341千B/D)は2百万B/D台であった。

 2014年までの7年間でBPは2百万B/D近くまで急減、その他4社はほぼ横ばい乃至やや下降気味である。上記(1)石油生産量及び(2)天然ガス生産量の推移からもわかるとおり、BPは石油、天然ガスともに激減しており、ExxonMobil、Shell、Totalの3社は石油の落ち込みを天然ガスの増加でカバーして横ばいを維持している状況である。

(完)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(3月16日)

2015-03-16 | 今日のニュース

・BP、エジプトとナイルデルタ石油開発で120億ドル投資を契約

 

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