(BP Statistical Review of World Energy June2005)
(第2回)2004年の地域別および国別石油生産量
2004年1年間の世界の石油生産量は一日平均8,026万バレル(以下B/D)であった。これを地域別に示したものが上の図である。
中東地域が最も多く全体の30%を占めており、次いでヨーロッパ・中央アジアが22%、北米18%、アフリカ12%、アジア・大洋州10%、中南米8%となっている。 下の表は生産量百万B/D以上の産油国のリストである。
千バレル/日 %
- サウジアラビア 10,584 13.2
- ロシア 9,285 11.6
- 米国 7,241 9.0
- イラン 4,081 5.1
- メキシコ 3,824 4.8
- 中国 3,490 4.3
- ノルウェー 3,188 4.0
- カナダ 3,085 3.8
- ベネズエラ 2,980 3.7
- UAE 2,667 3.3
- ナイジェリア 2,508 3.1
- クウェート 2,424 3.0
- 英国 2,029 2.5
- イラク 2,027 2.5
- アルジェリア 1,933 2.4
- リビア 1,607 2.0
- ブラジル 1,542 1.9
- カザフスタン 1,295 1.6
- インドネシア 1,126 1.4
最大の石油生産国サウジアラビアは1,060万B/Dで、世界全生産量の13.2%を占めている。次いでロシアが930万B/D(11.6%)であり、この2カ国だけで全世界の石油の4分の1を産出している。以下3位から10位までは米国(720万B/D)、イラン(410万B/D)、メキシコ(380万B/D)、中国(350万B/D)、ノルウェー(320万B/D)、カナダ(310万B/D)、ベネズエラ(300万B/D)、UAE(270万B/D)と続いている。これら10カ国だけで世界全体の生産量の63%を占めており、石油の生産が一部の国に片寄っていることがわかる。因みに上位10カ国にはOPEC加盟国のうち4カ国(サウジアラビア、イラン、ベネズエラ及びUAE)が入っているが、OPEC全11カ国の2004年の生産量合計は3,290万B/D(41%)であった。
生産上位10カ国の顔ぶれを見ると非OPECが6カ国ある。ロシア、米国、中国などは次項で見るように石油の大消費国であるが、同時に有力産油国でもあることは留意すべきであろう。なぜならこれらの国々あるいはそこで操業する国営・私営の石油企業は石油価格の高騰で豊富な超過利潤を上げており、それが国際石油市場で新たな石油権益を獲得するプレーヤーとしての資金源になっているからである。