石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

ニュースピックアップ:世界のメディアから(11月30日)

2017-11-30 | 今日のニュース

・OPEC総会に波乱要因。来年一杯の生産削減延長で明確なシグナルを出さないロシア

・イラク、イラン・クウェイト国境近くの9鉱区開発を国際入札。500万B/D目指す

・米国の供給増で原油価格下落。WTI $57.74, Brent $63.35

 

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五大国際石油企業2017年7-9月期決算速報(付JXTGグループ業績)(7)

2017-11-30 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 http://mylibrary.maeda1.jp/0426OilMajor2017-3rdQtr.pdf

 

2017.11.30

前田 高行

 

2.2016年第3四半期以降の四半期別業績の推移(続き)

(6)原油・天然ガス生産量の推移

(6-1)原油生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-68.pdf 参照)

 過去1年間の四半期ごとの原油生産量の推移を見るとExxonMobilが他社を引き離してトップを維持しており、ShellとChevronが2番手グループ、BPとTotalがほぼ同じ生産量で3番手グループである。首位のExxonMobilは5社の中でただ1社200万B/D台の生産量であるが2016年第4四半期以降はわずかながら低落傾向にある。これはShellも同様であり、同社の場合過去1年間の四半期ごとの原油生産量の推移は187万B/D→195万B/D→187万B/D→181万B/D→185万B/DでありExxonMobilのほぼ8割の生産量である。5社の中で生産量が少ないのはBPとTotalであり、両社は共にExxonMobilの6割前後の水準である。

 

(6-2)天然ガス生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-69.pdf 参照)

 天然ガスの生産量はExxonMobilとShellの上位グループとBP、Total、Chevronの下位グループの2極に分かれており、上位2社は日量100億立方フィート前後の生産を続けているのに対してTotal、BP及びChevronは50~60億立方フィート台の生産量にとどまっている。

 

 年間の推移を見ると生産量トップであったShellは昨年第4四半期の113億立方フィートをピークに前期まで2期連続して減少、ExxonMobilにトップの座を奪われたが、今期(2017年第3四半期)は日量100億立方フィートに回復、再び5社のトップに返り咲いている。ExxonMobilは今年第1四半期を境に凋落傾向にある。

 

 BP、Total及びChevronの3社の生産量は日量60億立方フィート前後で横並びのままほとんど変化が見られない。天然ガスは世界各国の既生産鉱区のM&Aが活発であり、また米国のシェールガス生産は原油価格の変動に敏感に反応する傾向がある。したがって今後5社の生産水準がどのように推移するかは予断を許さない。

 

(6-3)原油・天然ガス合計生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-65.pdf 参照)

 天然ガスを石油に換算した原油・天然ガスの合計生産量の推移を見るとExxonMobilは昨年第3四半期の生産量は381万B/Dであった。同社の生産量は昨年第4四半期に400万B/Dを突破、前期(2017年第1四半期)は415万B/Dを記録した。前期及び今期は400万B/Dを下回る水準であるが、5社の中では常にトップである。ExxonMobil に続くのがShellであるが、今期は366万B/DでExxonMobilとの差は20万B/D強と大きくはない。

 

 ExxonMobil及びShellの生産量は360万B/D~400万B/Dの水準を維持しており、その他の3社がいずれも200万B/D台にとどまっているのに比べ大きな差がある。その他3社間の生産量の格差は少なく、今期のChevron、Total、BPの生産量はそれぞれ272万B/D、258万B/D、246万B/Dである。

 

以上

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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五大国際石油企業2017年7-9月期決算速報(付JXTGグループ業績)(6)

2017-11-29 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 http://mylibrary.maeda1.jp/0426OilMajor2017-3rdQtr.pdf

 

2017.11.29

前田 高行

 

2.2016年第2四半期以降の四半期別業績の推移(続き)

(4)部門別利益の推移

(4-1)上流部門(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-66.pdf 参照)

 2016年第3四半期の各社の上流部門の利益はBPが12億ドルで最も多く、続いてTotal8.8億ドル、ExxonMobil6.2億ドル、Chevron4.5億ドルと続き、Shellのみは3.9億ドルの欠損であった。続く第4四半期はExxonMobilのみが欠損で他の4社は利益を計上している。Shellは今年の第1及び第2四半期は再び欠損を計上、昨年から今年にかけて同社の上流部門は不振を続け、今年第4四半期になってようやく5.8億ドルの利益を出している。

 

 一方ExxonMobilは昨年第4四半期に6億ドルの欠損を出した後、今年1-3月期以降は23億ドル、4-6月に12億ドル、第3四半期16億ドルと連続して二桁の利益を計上している。BPとChevronは昨年第3四半期以降5期連続で利益を出している。5社の中で上流部門が最も安定しているのはTotalであり、5期連続で9~14億ドルの利益を計上している。

 

(4-2)下流部門(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-67.pdf 参照)

 下流部門は過去1年間各社とも安定した利益を計上している。ExxonMobilの2016年第3四半期の利益は24億ドルであった、第4四半期以降も12億ドル→11億ドル→14億ドル→26億ドルと10億ドル以上の利益をコンスタントに出している。

 

 ExxonMobilに限らず他の4社も上流部門は5期連続で利益を出しており、Shellの場合は16億ドル(16年第3 Qtr)→16億ドル(第4 Qtr)→26億ドル(17年第1 Qtr)→22億ドル(第2 Qtr)→24億ドル(第3 Qtr)と20億ドル前後の安定した利益を計上している。

 

 各社の下流部門の決算が堅調な理由は昨年以降原油価格が50ドル前後で比較的安定的に推移したことに加え、各社が精製装置の稼働率向上につとめ、また世界景気が底堅さを維持し石油製品の販売が堅調に推移したためであろう。

 

(5)設備投資の推移 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-64.pdf 参照)

 5社の四半期ベースの設備投資額は60億ドルを下回る低い水準が続いている。Shellは5社の中で設備投資が最も高い水準にあり、2016年第3四半期には53億ドルであった。2017年第1四半期には43億ドルにとどまったが、その前後4期は50億ドルを超える設備投資を続けている。ExxonMobilは2016年第3四半期から今年第2四半期まで40億ドル台の設備投資であり、今期は5社中で最も大きく、また過去1年で最高の60億ドルの投資を行っている。

 

 Totalの昨年第3四半期の設備投資はShellあるいはChevronと並ぶ51億ドルであったが、今年第1四半期には8億ドルに急減、その後持ち直したものの5社の中では最も低い水準の投資にとどまっている。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail;maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

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五大国際石油企業2017年7-9月期決算速報(付JXTGグループ業績)(5)

2017-11-28 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 http://mylibrary.maeda1.jp/0426OilMajor2017-3rdQtr.pdf

 

2017.11.28

前田 高行

 

2.2016年第3四半期以降の四半期別業績の推移

 五社の売上高、利益(全体、上流部門および下流部門)、設備投資、原油・天然ガス生産量に関する2016年7-9月期以降今期までの四半期ごとの業績推移は以下の通りである。

 

(1) 売上高の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-61.pdf 参照)

 2016年第3四半期から2017年第3四半期に至る四半期ベースの売上高は昨年末までは原油価格の回復を受けて各社とも増収基調にあったが、今年に入ってからShell、BP及びChevronの売り上げが順調に増加した一方、Total、Chevron及びExxonMobilは停滞し、二つのグループに分極化した。但し第3四半期は全社とも売り上げが伸びている。

 

 各社の推移はShellが619億ドル(2016 3rd Qtr)→648億ドル(4th Qtr)→718億ドル(’17 1st Qtr)→721億ドル(2nd Qtr)→758億ドル(3rd Qtr)と5期連続で売り上げトップを続けている。これに次ぐのがExxonMobilでありその売上高は587億ドル(2016 3rd Qtr)→610億ドル(4th Qtr)→633億ドル(’17 1st Qtr) →629億ドル(2nd Qtr) →662億ドル(3rd Qtr)である。ExxonMobilは2016年第二四半期にそれまでの売上トップの座をShellに譲ったが、それ以降両社の格差は広がる傾向にあり、前期、今期と続けて90億ドル強の差がついている。

 

 この間の四半期平均原油価格(1バレル当たり)は、Shellの決算資料で見ると40.43ドル(2016 3rd Qtr)→44.54ドル(4th Qtr)→48.36ドル(2017 1st Qtr) →45.62ドル(2nd Qtr) →47.06ドル(2017 3rd Qtr)であり、緩やかな回復基調が続いている。この価格の変動が各社の売上高の推移に反映していると言えよう。

 

(2)利益の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-62.pdf 参照)

 全体を通してみると各社とも四半期ごとに増益と減益を繰り返しており今期は5社ともに対前期比で増益となっている。なお昨年第2半期にBPとChevronが損失を計上しているが、過去一年間は各社とも利益を計上している。

 

 5社の中で安定して高い利益を計上しているのはExxonMobilである。同社の利益の推移は27億ドル→17億ドル→40億ドル→34億ドル→40億ドルであり、今期を除いては4期連続してトップである。Shellは2016年第3四半期の利益14億ドルで、それ以降は15億ドル→35億ドル→15億ドルと推移し、今期は過去1年で最高の43億ドルの利益を計上、ExxonMobilを抜いて5社のトップになっている。

 

 TotalはExxonMobilと同じような浮き沈みを繰り返しており各期の利益額は20億ドル(2016 3rd Qtr)→5億ドル(4th Qtr)→28億ドル(’17 1st Qtr)→20億ドル(2nd Qtr)→27億ドル(3rd Qtr)と推移している。Chevronは2016年第一四半期は5社で最も利益が少なく(13億ドル)、続く第四四半期はさらに低い4億ドルの利益にとどまった。その後同社の利益水準は20億ドル前後で安定している。BPは5社の中で最も低い利益水準にとどまっており、特に前期(第2四半期)の利益はわずか1億ドルであった。その後利益は回復し今期は過去5期で最も大きい18億ドルの利益を計上している。

 

(3)売上高利益率の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-63.pdf 参照)

 5社とも過去5期を通じて利益率は大きな振幅を繰り返している。1年前の昨年第3四半期の五社の利益率は最も高いTotalは5.2%、これに次ぐのがExxonMobil4.5%、Chevron 4.3%、BP 3.4%でShellが最も低い2.2%であった。続く第4四半期にはShell以外の4社の利益率は低下し、トップのExxonMobilが2.8%、最も低いBPが1.0%と各社の利益率に大きな差はなかった。しかし今年第1四半期には各社の利益率に大きな格差が生まれ、最高はChevronの8.0%で、Total (6.9%)、ExxonMobil(6.3%)がこれに続きShellは4.9%であり、利益率が最も低かったのはBPの2.6%であった。第2四半期はExxonMobilが利益率5.3%でChevronに替わってトップになったが各社間の格差は開いたままであった。今期はBPを除く4社の利益率は6%前後で大きな格差はなく、BPのみ2.9%と低水準にあえいでいる。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

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"The Peace on The Horizon - 70 Years after The World War 2 in the Middle East"(5)

2017-11-26 | 中東諸国の動向

Home Page: OCIN INITIATIVE

(Japanese Version)

(Arabic Version)

(Table of contents)

 

By Areha Kazuya

E-mail: areha_kazuya@jcom.home.ne.jp

 

Prologue

 

5. Britain's triple tongue diplomacy during World War I (2)

(2) Sykes-Picot Agreement

The second piece of UK’s "triple tongue diplomacy" following McMahon-Hussein Correspondence was the secret agreement so-called "Sykes-Picot agreement" to divide Arabic territory of the Ottoman Empire by Britain and France (and Russia).

 

British diplomatic advisor Mark Sykes and French diplomat Francois Georges Picot drafted about the division of the Ottoman Empire at the end of 1915 when the victory of the UK, French and their allies became sure. Russia also joined with the secret agreement. Three countries have mutually signed the agreement officially known “Asia Minor Agreement” in May 1916, in Petrograd, Russia. This agreement was generally called "Sykes-Picot Agreement" after taking their names. It was just before the uprising of Hussein, Sharif of Makkah, according to the McMahon-Hussein Correspondence (see previous section).

 

In this secret agreement for territorial division, the UK gained Southern Syria and South Mesopotamia.  France became the ruler of Syria, southern Anatolia and Mosul district of Iraq. Russia was given the Black Sea coast. In more detail in the Middle Eastern region, the UK and France divided the Mediterranean coast. From southern Anatolia to Beirut were directly governed by France. France also got the power in the northern Mesopotamian region from Damascus to Aleppo and Mosul. Compared with the current border line, the French power sphere will be from the southern part of Turkey throughout Syria, plus northern Iraq and Lebanon.

 

Meanwhile, the UK controlled directly the area from Baghdad to Basra adding the Kuwait and the south of the Persian (Arabian) Gulf. The desert zone spreading from Amman to the northern part of the Arabian Peninsula were under UK’s influence. This area covers Jordan, southern part of Iraq and GCC countries-Kuwait, Bahrain, Qatar and UAE.

 

Palestine, which became the biggest fire species in the Middle East, was regarded as the co-governorate of UK and France.

 

"Sykes-Picot Agreement" was a product of the competition to acquire the imperial colonies by the three countries of the UK, France and Russia. Unfortunately the interest of Arab nation, who had maintained a moderate peace and order throughout the region for thousands of years, had never been taken into consideration. It was a secret agreement between three empires. Only one year after the signing of the agreement, Russian revolution had broken out in 1917. The secret agreement was revealed by the Soviet revolutionary government. It was natural feeling that the Arabs, who asked for honest fulfillment of the "McMahon-Hussein Correspondence", have shown antipathy against UK & France.

 


(To be continued ----)

 

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今週の各社プレスリリースから(11/19-11/25)

2017-11-25 | 今週のエネルギー関連新聞発表

11/22 伊藤忠商事 英領北海における石油・ガス開発プロジェクトからの原油生産開始について 

11/22 ExxonMobil, Shell, BP他 Eight energy companies commit to reduce methane emissions within natural gas industry 

 

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五大国際石油企業2017年7-9月期決算速報(付JXTGグループ業績)(4)

2017-11-24 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 http://mylibrary.maeda1.jp/0426OilMajor2017-3rdQtr.pdf

 

 

2017.11.

前田 高行

 

1.五社の7-9月期業績比較 (続き)

(5)設備投資

(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-54.pdf 参照)

 2017年7-9月期の各社の設備投資額はExxonMobilが60億ドルと最も多く、これに次ぐのがShellの50億ドルである。その他3社は、Chevron 45億ドル、BP 41億ドル、Total34億ドルと続いている。前年同期と比較するとExxonMobilとBPは増えているが、Shell、Total及びChevronは減少している。ExxonMobilは前年同期の42億ドルから4割増加した一方、Totalは51億ドルから45億ドルに減少している。石油価格が上昇し資金に余裕が出ているが、石油の需要そのものが伸びていないため、設備投資に対して慎重な企業が多いようである。

 

(6)原油・ガス生産量
(表http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-22.pdf 参照)

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-55.pdf 参照)
 今年7-9月の原油生産量はExxonMobilが平均日産量228万バレル(以下B/D)で5社の中では最も多い。その他の4社はいずれも200万B/D以下であり、Shellが185万B/D、Chevron 172万B/D、Total は139万B/D、BPはExxonMobilの6割弱の134万B/Dで5社の中では最も少ない。ExxonMobilは世界各地で万遍なく原油生産をおこなっており他社を圧倒している。前年同期と比較するとBPは18%増と5社の中では飛び抜けて増加しており、Totalは8%増、ExxonMobil及びChevronは3%増である。Shellは5社の中では唯一前年同期を下回っている。

 

 天然ガスの生産量はShellが日産105億立方フィート(以下cfd)と5社の中で唯一100億cfdを超えており、これに続くのがExxonMobil(96億cfd)である。これに対して他の3社はBP 65億cfd、Total 64億cfd、Chevron60億cfdと並んでおり、ShellあるいはExxonMobilの6割にとどまっている。前年同期に比べるとChevronが17%、BPが14%増加しており、Shell及びTotalは微増、ExxonMobilは5社の中で唯一前年同期をわずかに下回っている。

 

 天然ガスを石油に換算した原油・天然ガスの合計生産量ではExxonMobilは388万B/Dでこれに次ぐのがShellの366万B/Dである。その他の3社はChevron272万B/D、Total258万B/D、BP246万B/DでありExxonMobilあるいはShellの7割前後である。石油と天然ガスの比率を見ると、5社はいずれも石油の比率が高いが、その中でもChevronは石油63%、天然ガス37%であり5社の中では石油の比率が最も高い。ExxonMobilは石油59%:天然ガス41%であり、BP及びTotalは共に石油54%:天然ガス46%である。Shellは5社の中では石油と天然ガスの比率が最も拮抗しており、石油51%、天然ガス49%である。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(11月24日)

2017-11-24 | 今日のニュース

・ロシア経済相、OPEC協調減産の延長に否定的

・UAE、サウジ等地域で存在感を増す中国のエネルギー企業

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(11月22日)

2017-11-22 | 今日のニュース

・OPEC総会控え、サウジが石油相以下総出で非加盟国の会議参加を呼びかけ

・OPECのもう一つの問題:最終的に500万B/Dを目指すイラクの取扱

・今週ガス輸出国フォーラム開催、米国のLNG輸出の本格化で輸出国に逆風。 *

・原油価格わずかに上昇:Brent $62.51, WTI $56.60

 

*参考レポート:「BPエネルギー統計2017年版 天然ガス篇」

http://mylibrary.maeda1.jp/0421BpGas2017.pdf

 

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五大国際石油企業2017年7-9月期決算速報(付JXTGグループ業績)(3)

2017-11-21 | 中東諸国の動向

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 http://mylibrary.maeda1.jp/0426OilMajor2017-3rdQtr.pdf

 

2017.11.21

前田 高行

 

1.五社の7-9月期業績比較 (続き)

(3)売上高利益率 (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-53.pdf 参照)

 売上高利益率はTotalが6.3%と最も高く、ExxonMobil 6.0%、Shell 5.7%、Chevron 5.4%と続き、最も低いのはBPの2.9%である。前年同期はChevronが5.2%であり、その他の4社はExxonMobilの4.5%はじめいずれも5%以下であった。

 

 JXTGの売上高利益率は前期の0.9%を大幅に上回り3.9%であった。これはBPよりは高いが、Total、ExxonMobil、Shell、Chevronに比べるとかなりの格差があると言えよう。

 

(4)上流部門と下流部門の利益

(a)上流部門

(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-56.pdf参照)

 利益を上流部門(石油・天然ガスの開発生産分野)と下流部門(石油精製および製品販売分野)に分けて比較すると、まず上流部門では前年同期に比べるとShellがマイナスからプラスに転じたのを始め、ExxonMobil及びTotalも利益が大幅に伸びている。この1年の間に原油価格が改善したこと、及び各社が上流部門の投資ポートフォリオを見直したことにより各社とも上流部門の損益が上向き傾向にあると言えよう。

 

 5社の中で今期の上流部門の利益が最も多かったのはExxonMobilの16億ドル(前年同期比2.5倍)でこれに次ぐのがTotal 14億ドル(同64%増)、BP12億ドル(同4%増)である。Shell及びChevronは5億ドル前後で並んでいる。Shellは前年同期の4億ドルの赤字から6億ドルの黒字に転換している。

 

 JXTGの上流部門の利益は48億円であり、ドルに換算すると43百万ドルとなる。これは五大国際石油企業の1割以下の水準である。因みに同社の4-9月の石油・天然ガス合計販売量は11.3万B/D(石油5万B/D、石油換算天然ガス6.3万B/D)であり、後述する国際石油企業の生産量と雲泥の差がある。これが利益面でも大きな格差となっている。

(注)JXTGの決算説明資料では7-9月の四半期の販売量は記載されていない。

 

(b)下流部門

(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-57.pdf参照)

 下流部門は今期も好調で全社が利益を計上している。利益額が最も大きいのはExxonMobilの26億ドルであり、次いでShellが24億ドル、BPも22億ドルの黒字を計上、Chevronは 18億ドル、Total 10億ドルである。前年同期比ではBPが2.2倍、Chevron1.7倍、Shell1.5倍等各社とも下流部門は安定した収益源となっている。下流部門は原油価格の上昇が原料のコストアップとなり上流部門とは正反対の効果をもたらすことになるが、製品価格への転嫁、製油所の効率化・集約化など企業努力の結果が各社の下流部門の業績に反映しているようである。

 

 JXTGの下流部門の利益は1,132億円(10億ドル)であり、上流部門の利益(48億円、上記)に比べると同社が利益の大半を下流部門で捻出していることが解る。これを国際石油企業五社と比べると、JXTGは5社で最も低いTotalと同じ水準であり、ExxonMobilあるいはShellの2分の1以下である。これまで日本の石油産業は構造的な過剰設備と過当競争のため製品末端価格の利幅が小さく利益の出にくい体質であった。その対策としてJXTGは合併により設備の集約化と販売の効率化を図り、その結果下流部門で安定した収益を確保できる体制を整えつつある。

 

 なお冒頭(1-(2))の総合損益は各社によって石油化学品部門あるいはその他の損益を含むため上・下流部門の利益の合計額とは一致しないケースがある。

 

(c)上流部門と下流部門の比較

 各社の上流部門と下流部門の損益を比較すると、ExxonMobil、Shell、BP及びChevronの4社は下流部門が上流部門を上回り、Totalのみ上流部門の利益が下流部門のそれを上回っている。かつて石油価格が高かった時代は国際石油企業は利益の大半を原油・天然ガスの生産(上流部門)で稼ぎ、精製、石油化学など(下流部門)の低収益を補うという収益構図であった。その後昨年前半までの約2年間は原油価格が大幅に下落したため収益構造が逆転、上流部門の利益が急減する一方、精製、石油化学部門は原料の原油・天然ガス価格が急落したため利益の出る体質に変化した。しかし、昨年後半以降は原油・天然ガス価格が持ち直しており、各社とも上流部門と下流部門の収益が変動しつつあり、それが今期の決算に表れたと言えよう。

 

(続く)

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

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