(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0325BpOilGas2014.pdf
(石油・天然ガスの消費が急増する中国とインド、日本は13年間で4%減!)
(5)主要5カ国の消費量推移(2000年~2013年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-3-G04.pdf 参照)
米国、日本、中国、ロシア及びインドの5カ国について2000年から2013年までの各国の石油と天然ガスの合計消費量を見ると、米国の消費量は他の国を圧倒しており2000年時点で3,109万B/Dとロシア(875万B/D)の3.6倍、日本(683万B/D)の4.5倍、中国(519万B/D)の6.0倍あり、インド(272万B/D)に対しては10倍以上の差があった。
米国の消費量はその後横ばい状態が続き2013年は3,159万B/Dである。これに対して中国の消費量は爆発的に増加しており、2004年には日本を超え、さらに2009年にはロシアを追い抜き米国に次ぐ世界第2位の石油・天然ガス消費国となり、2013年の消費量は2000年比2.6倍の1,354万B/Dに達している。この結果かつて6倍であった米国と中国の差は2.3倍にまで縮まっている。
インドも中国程ではないが年々増加しており2000年に272万B/Dであった消費量は、2004年には300万B/D、そして2009年には400万B/Dを突破、2013年の消費量は2000年比1.7倍の461万B/Dに達している。日本との差は未だ195万B/Dあるが現在の趨勢が続けば近い将来インドの消費量は日本を上回ることになろう。
日本の石油・天然ガスの消費量は2000年から2009年まではほぼ一貫して減少し、2009年には600万B/Dを下回ったが、その後は再び増加に転じ2013年の消費量は657万B/Dに達している。しかしそれでもなお2000年を4%下回っている。これは景気低迷によりエネルギー消費が減少したこと及び省エネ政策によりエネルギー効率が向上したためと考えられる。省エネ政策や再生エネルギー利用は今後も継続的に発展することが見込まれるが、一方では原発の停止により火力発電用石油・天然ガスが増えることは避けられず、当面は石油・天然ガスの消費量が増加することが考えられる。
(続く)
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