II. 2021年の業績比較 (続き)
(石油と天然ガスの比率はbpが73:27、TotalEnergiesは55:45!)
6. 石油及び天然ガス生産量
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-07.pdf 参照)
(1)石油生産量[1]
昨年の石油生産量が最も多かったのはExxonMobilの2,354千B/Dであり、5社の中でただ一社2百万B/Dを超えている。ExxonMobilに次いで生産量が多いのはChevron(1,719千B/D)でExxonMobilの7割である。第3位、第4位はTotalEnergiesとShellがそれぞれ1,519千B/D、1,333千B/Dであった。bpは最も少なく952千B/Dで、5社の中で唯一百万B/Dを下回っている。
(2)天然ガス生産量[2]
天然ガスの生産量が最も多いのは石油同様ExxonMobilであり、同社の生産量は日産83億立方フィートであった。2位はChevronの77億立方フィート、3位はTotal68億立方フィートであり、Shellとbpは上位3社よりかなり少なく、それぞれ33億立方フィート、20億立方フィートであった。
(3)石油・天然ガス合計生産量[3]
石油と天然ガスの合計生産量が最も多いのはExxonMobilであり石油換算で3,737千B/Dであり、同社のみが合計生産量3百万B/Dを超えている。第2位はChevronの2,999千B/Dであり、3位以下はTotalEnergies(2,765千B/D)、Shell(1,897千B/D)と続き、bpは最も少ない1,297千B/Dであった。ExxonMobilの生産量を100とした場合、他の4社はChevron80、TotalEnergies74、Shell51、BPは35となっている。
各社の石油と天然ガスの比率を見ると、ExxonMobilは石油63%、天然ガス37%である。5社の中では石油の比率が最も高いのはbpの73%であり、その他3社の石油:天然ガスの比率はそれぞれ、Chevron(石油57%:天然ガス43%)、TotalEnergies(石油55%:天然ガス45%)、Shell(石油70%:天然ガス30%)である。5社はいずれも石油の割合が天然ガスを上回っているが、中でもbpとShellは石油の比率が7割以上に達している。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行
〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
[1] 「石油生産量」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Net production of crude oil, natural gas liquid, bitumen and tsynthetic oil
Shell: Liquid production available for sale
bp: Production (net of royalties), Liquids
TotalEnergies: 3.3 Production, Liquids
Chevron: Net liquid production
[2] 「天然ガス生産量」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Natural gas production available for sale
Shell: Natural gas production available for sale
bp: Production (net of royalities), Natural gas
TotalEnergies: Hydrocarbon production, Gas
Chevron: Net natural gas production, Worldwide
[3] 「石油・天然ガス合計生産量」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Production, Earnings and Volume Summary
Shell: Total production in barrels of oil equivalent
bp: Production (net of royalities), Total hydrocarbons
TotalEnergies: 3.3 Production
Chevron: Total net oil-eqivalent production
II. 2022年の業績比較 (続き)
5.キャッシュフロー
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-05.pdf 参照)
(ExxonMobilの営業キャッシュフローは768億ドル、最も少ないbpで409億ドル!)
(1) 営業キャッシュフロー[1]
2022年1-12月の営業キャッシュフローが最も多かったのはExxonMobilの768億ドル、これに次ぐのはShell(684億ドル)であった。その他3社のキャッシュフローはいずれも400億ドル台であり、Chevron496億ドルTotalEnergies474億ドル、bp409億ドルであった。
(4社の中で飛び抜けて多いShell!)
(2) 投資キャッシュフロー[2]
投資キャッシュフローが最も多いのはShellの▲224億ドルである。その他の4社は100億ドル台であり、それぞれTotalEnergies▲151億ドル、ExxonMobil▲147億ドル、bp▲137億ドル、Chevron▲121億ドルであった。
(財務体質改善を図る各社!)
(3) 財務キャッシュフロー[3]
財務キャッシュフローは5社ともマイナス勘定である。一昨年はコロナ禍で経営がひっ迫し短期借入金が増加、5社のうち数社は財務キャッシュフローがプラスになったが、昨年から今年にかけて業績が好転、借入金返済など財務キャッシュフローがマイナス勘定に転じている。
財務キャッシュフローが最も多いのはShellの▲420億ドルで、続いてExxonMobil▲391億ドル、であった。その他3社はbp ▲280億ドル、Chevron▲250億ドル、TotalEnergies▲193億ドルであった。
(4) 年末キャッシュフロー残高[4]
キャッシュフロー年末残高はShellが402億ドルと最も多く、TotalEnergies、ExxonMobil及びbpはそれぞれ330億ドル、297億ドル、292億ドルであった。なおChevronの決算プレスリリースは期末残高を明らかにしていない。
(続く)
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[1] 「営業キャッシュフロー」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Cash Flow from Operating Activities (U.S. GAAP) / Net cash provided by operating activities (U.S. GAAP)
Shell: Cash flow from operating activities
bp: Net cash provided by operating activities, Condensed group cash flow statement
TotalEnergies: Cash flow from operating activities, TotalEnergies financial statements
Chevron: Net cash provided by Operating Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)
[2] 「投資キャッシュフロー」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
Shell: Cash flow from investing activities
bp: Net cash used in investing activities
TotalEnergies: Cash flow used in investing activities, TotalEnergie financial statement
Chevron: Net cash Used for Investing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)
[3] 「財務キャッシュフロー」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
Shell: Cash flow from financing activities
bp: Net cash provided by (used in) financing activities
TotalEnergies: Cash flow from (used in) financing activities, Total financial statement
Chevron: Net cash provided by (Used for) Financing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)
[4] 「年末キャッシュフロー残高」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
Shell: Cash and cash equivalent at end of period
bp: Cash and cash equivalent at the end of the period
TotalEnergies: Cash and cash equivalent at end of period, TotalEnergies financial statement
(英語版)
(アラビア語版)
2023年2月
Part III:キメラ(Chimera)
69. 果てしなき時空間の旅(1)
民族浄化の能力を持つキメラは最凶である。最凶のヒトに寄生した最凶のキメラ。その将来がどうなるのか? それはキメラ自身にとって望ましくない将来であった。なぜなら寄生体のキメラは宿主であるパレスチナ女性と生死一体である。即ち宿主であるパレスチナ人が絶えればキメラ自身も絶滅することを運命づけられているからである。
キメラはそのことを本能的に察知した。そこで自己複製したキメラは宇宙のどこかに存在する創造主のもとに帰還することを決意した。キメラ自身が決意したというよりも、そうすることがキメラのDNAに書き込まれていたと言うのが正しい。
キメラは、パレスチナ少女ルルから叔父である戦闘機パイロットのアブダッラーに転移し、そしてイラン核施設攻撃に加わったアブダッラーが戦闘機内で咳をした時、彼の胸に吊り下げられたロケットに乗り移った。
その直後イラン上空の成層圏で突然起こった核爆発。パイロットの首から千切れて宇宙空間に放り出された小さなロケットは高熱で留め金は溶けて口が開き、内蓋に貼られた写真は跡形もなくなった。爆発による強烈な衝撃波でロケットは地球と反対の方向に猛烈なスピードで飛び始めた。
ロケットが高熱と衝撃波に晒されたのはごく短い間にすぎず、すぐに無重力と絶対零度の広大な宇宙に包まれた。ロケットの中に潜んでいたキメラはロケットを飛び出して宇宙空間にさまよい出た。ウィルスは絶対零度の中で冬眠状態に入った。地球の重力圏を離れ、果てしなき時空間の旅が始まった。キメラは創造主のもとに帰還を目指したのであった。
「何処へ」、「いつまで」、「何のために?」----------。
しかしそのような疑問はキメラ自身のものではない。それはあくまで地球と言う宇宙空間の微細な天体に住む、「ヒト」と呼ばれる生命体の疑問に過ぎない。「ヒト」は知識のない、自ら経験したことのない、或いは経験できないことに疑問をさしはさむ。地球の外に広がる宇宙空間については知らないことが多すぎる。まして経験はほとんど無いに等しい。
わからないと言うことは恐怖である。そこで「ヒト」は自らに疑問を投げかける。自問自答すれば、答えが見つかるまでの間は(それがいつになるかはわからなくとも)恐怖心を多少なりとも抑えることができる。裏返して言えばヒトが自問自答するのは恐怖心を抑えるためなのかもしれない。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
前節まで:http://ocininitiative.maeda1.jp/EastOfNakbaJapanese.html
Part III:キメラ(Chimera)
69. 果てしなき時空間の旅(1)
民族浄化の能力を持つキメラは最凶である。最凶のヒトに寄生した最凶のキメラ。その将来がどうなるのか? それはキメラ自身にとって望ましくない将来であった。なぜなら寄生体のキメラは宿主であるパレスチナ女性と生死一体である。即ち宿主であるパレスチナ人が絶えればキメラ自身も絶滅することを運命づけられているからである。
キメラはそのことを本能的に察知した。そこで自己複製したキメラは宇宙のどこかに存在する創造主のもとに帰還することを決意した。キメラ自身が決意したというよりも、そうすることがキメラのDNAに書き込まれていたと言うのが正しい。
キメラは、パレスチナ少女ルルから叔父である戦闘機パイロットのアブダッラーに転移し、そしてイラン核施設攻撃に加わったアブダッラーが戦闘機内で咳をした時、彼の胸に吊り下げられたロケットに乗り移った。
その直後イラン上空の成層圏で突然起こった核爆発。パイロットの首から千切れて宇宙空間に放り出された小さなロケットは高熱で留め金は溶けて口が開き、内蓋に貼られた写真は跡形もなくなった。爆発による強烈な衝撃波でロケットは地球と反対の方向に猛烈なスピードで飛び始めた。
ロケットが高熱と衝撃波に晒されたのはごく短い間にすぎず、すぐに無重力と絶対零度の広大な宇宙に包まれた。ロケットの中に潜んでいたキメラはロケットを飛び出して宇宙空間にさまよい出た。ウィルスは絶対零度の中で冬眠状態に入った。地球の重力圏を離れ、果てしなき時空間の旅が始まった。キメラは創造主のもとに帰還を目指したのであった。
「何処へ」、「いつまで」、「何のために?」----------。
しかしそのような疑問はキメラ自身のものではない。それはあくまで地球と言う宇宙空間の微細な天体に住む、「ヒト」と呼ばれる生命体の疑問に過ぎない。「ヒト」は知識のない、自ら経験したことのない、或いは経験できないことに疑問をさしはさむ。地球の外に広がる宇宙空間については知らないことが多すぎる。まして経験はほとんど無いに等しい。
わからないと言うことは恐怖である。そこで「ヒト」は自らに疑問を投げかける。自問自答すれば、答えが見つかるまでの間は(それがいつになるかはわからなくとも)恐怖心を多少なりとも抑えることができる。裏返して言えばヒトが自問自答するのは恐怖心を抑えるためなのかもしれない。
(続く)
荒葉一也
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前節まで:http://ocininitiative.maeda1.jp/EastOfNakbaJapanese.html
II. 2022年の5社業績比較
(4千億ドルを超えるExxonMobilの売上高!)
1.売上高[1]
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-01.pdf参照)
ここではExxonMobil, Shell, bp, TotalEnergies及びChevron5社の202 2年の売上高を比較する。
5社の中で売上高が最も大きいのはExxonMobilの4,137億ドルであり、次いでShellが 3,813億ドルである。これに続くのがTotalEnergiesの2,810億ドル、BP 2,489億ドルであり、Chevronは5社の中で最も少ない2,357億ドルであった。2022年は原油価格の上昇、製品販売量の増加により2021年に比べ各社とも大幅な増収となったが、5社の中ではExxonMobil及びShellの上位2社が4千億ドル前後の売り上げに対し、下位3社の売上高は2千億ドル台であり、格差が大きい。
(bp除く5社は史上最高の利益、bpも特別損失を除けば最高利益を達成!)
2. 損益[2]
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-02.pdf 参照)
2022年はエネルギー市況が高騰、販売量の増加と相まって各社は史上最高の利益を確保した。中でもExxonMobilは他社を圧倒する557億ドルの巨額の利益を達成した。同社に次いで利益が多かったのはShellの423億ドルでありExxonMobilの8割弱である。3位以下はChevronが355億ドル、TotalEnergiesは205億ドルであった。これに対してbpは5社の中で唯一▲25億ドルの赤字であった。これはロシアのロスネフチ社への出資を解消したことによる一時的な損失処理の結果である。因みに同社プレスリリースではこの要素を除く調整利益(営業利益に相当)は277億ドルであり、過去最高益であったと報じている。
(Chevron、ExxonMobil、Shellは二桁台の利益率を達成!)
3.売上高利益率
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-03.pdf 参照)
売上高利益率を見ると、Chevronが15%と最も高く、ついでExxonMobilが13.5%、Shell 11.1%と3社が二桁台の利益率を達成している。TotalEnergiesの利益率は7.3%であり、bpは▲1%であった。
(220億ドルで並ぶExxonMobilとShellの設備投資!)
4.設備投資額[3]
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-04.pdf 参照)
2022年の5社の設備投資額はExxonMobilとShellがそれぞれ227億ドル及び226億ドルで並んでいる。これについでbpとTotalEnergiesが同額の163億ドルである。Chevronは5社の中で最も少ない123億ドルであった。Shell/ExxonMobilを100とした場合bpとTotalEnergiesは72、Chevronは54である。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行
〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp
[1] 「売上高」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Total revenues and other income
Shell: Total revenue and other income
bp: Total revenue and other income
TotalEnergies: Sales
Chevron: Sales and other operating revenues
[2] 「損益」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Net income attributable to ExxonMobil (U.S. GAAP)
Shell: Incom/loss attributabel to shareholders
bp: Profit (loss) for the period; Attributable to BP shareholders
TotalEnergies: Netincome (TotalEnergies share)
Chevron: Net income
[3] 「設備投資額」は各社決算資料から下記項目を抽出している。
ExxonMobil: Capital and Exploration Expenditures
Shell: Capital expenditure, Consolidated Statement of Cash Flow
bp: Capital expenditure
TotalEnergies: 12. Net investments
Chevron: Capital & Exploratory Expenditure, Worldwide
国際石油企業(International Oil Companies, IOCs)の2022年第4四半期(10-12月)及び年間(1-12月)の決算が発表された。本稿ではExxonMobil(米)、Shell(英), bp(英), TotalEnergies (仏)及びChevron(米)の5社を取り上げ、各社の売上高、利益、設備投資額、キャッシュフロー、バランスシート及び石油・ガス生産量を概観し、さらに過去8年間の業績比較を行う。
- 5社の2022年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)業績概要(続き)
以下の各表参照。
表A:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20A.pdf (利益、売上、設備投資)
表B:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20B.pdf (キャッシュフロー)
表C:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20C.pdf (石油・ガス生産量)
(売り上げは五社で最少だが利益率は最高!)
5.Chevron[1]
*同社ホームページ:
https://www.chevron.com/newsroom/2023/q1/chevron-announces-4q-2022-results
(1)売上高
Chevronの2022年10-12月の売上高は545億ドルであり、また通年売上高は2,357億ドルであった。前年同期比ではそれぞれ19%及び52%の増収である。
(2)利益
10-12月期は64億ドル、通年では355億ドルの利益であった。通年利益は前年に比し2.3倍の大幅増益である。
(3)売上高利益率
通年ベースの売上高利益率は、15%であり、5社の中では最も高い。
(4)設備・探鉱投資
2022年の年間の設備・探鉱投資額は123億ドルであり、これは2021年比で4.9%増である。
(5)キャッシュフロー
Chevronの2022年の年間営業キャッシュフローは496億ドルであった。これに対して投資キャッシュフロー及び財務キャッシュフローはそれぞれ▲121億ドル、▲250億ドルであった。(なお年末のキャッシュフロー残高は開示されていない。)
(6)石油・ガス生産量
昨年のChevronの石油生産量は日量平均1,719千B/Dであり、前年比5%減であった。天然ガスは日量平均7,677mmcfdで前年ほぼ横ばいである。
石油と天然ガスの合計生産量は石油換算で2,999千B/Dとなり、2021年比3.2%減である。
(続く)
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前田 高行
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[1] Chevronの売上、利益、設備投資及びキャッシュフローは決算資料の下記項目による。
売上:Sales and other operating revenues
利益:Net income
設備投資:
営業キャッシュフロー:Net cash provided by Operating Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)
投資キャッシュフロー:Net cash Used for Investing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)
財務キャッシュフロー:Net cash provided by (Used for) Financing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)
年末キャッシュフロー残高:(n.a.)
(石油関連ニュース)
原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil
(中東関連ニュース)
・トルコ大地震、人命救助活動は2県除き停止。死者総数40,689人。
・イスラエル、シリア首都をミサイル攻撃。市民含む15人死亡。
・イラン、中国に貿易センター開設。ライシ大統領訪中成果を具体化。
(英語版)
(アラビア語版)
2023年2月
Part III:キメラ(Chimera)
68. 最凶の宿主ヒトへの侵入(3)
ジルゴの目的はパレスチナ人と呼ばれる人種をこの世から抹殺すること、すなわちパレスチナ人の民族浄化である。ジルゴはパレスチナ人女性の卵子を喰い尽くすようにギャラクシーの遺伝子を操作したのである。その結果、パレスチナ人女性の生殖能力は失われた。数世代のうちにパレスチナ人が絶滅することになる。
時あたかもパレスチナ人をカナンの土地から追放しようとする動きが活発になりつつあった。その最も過激な方法こそエスニック・クレンジング(民族浄化)である。ドクタージルゴが遺伝子操作で作り出そうとした方法を容認する風潮がイスラエルの一部に生まれていたのである。
ただ実際にはギャラクシーの遺伝子書き換え作業はドクタージルゴの手に負えなかった。ギャラクシーは人為的な遺伝子の切断及び再接続作業に猛烈に抵抗し、元の状態に戻ろうとした。しかし一度切断された遺伝子情報は完全には元に戻らない。ギャラクシーは突然変異体となった。「キメラ」の誕生である。
ドクタージルゴの手許にはギャラクシーから突然変異したキメラが残された。ジルゴが突然変異を再現することはできない。しかし彼が手にしたキメラを増殖することは可能であった。彼の実験室の試験管の中で世界唯一の民族洗浄ウィルスが繁殖し始めた。
(続く)
荒葉一也
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