石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

原油価格との相関性が明暗分けた国際石油企業とENEOS/出光興産の業績比較(1)

2021-06-02 | 今日のニュース

はじめに

 国内1位、2位の石油企業ENEOSホールディングス(以下ENEOS)と出光興産(以下 出光)の2020年3月期決算が相次いで発表された。以下はENEOS及び出光の決算短信の中から売上高、純利益、売上高利益率を取り上げ、国際石油企業5社(ExxonMobil, Shell, BP, Total及びChevron、以下メジャーズ)と比較したものである。

 

メジャーズは四半期決算をメインとし3カ月ごとの数値を公表、第4四半期(10-12月)の決算資料では年間の業績を提示している。これに対してENEOS及び出光の決算期は4月から翌年3月までであり、3カ月ごとに期初(4月)からの累計額を表示している(例えば9月末は4-9月の6か月間、12月末は4-12月の9か月間の累積値である)。

 

本レポートではまず年間決算についてメジャーズ(2020年1-12月)及びJXTG、出光(2020年4月―2021年3月)の決算を比較する。決算期間が3か月ずれているため両者を正確に比較できない。昨年はコロナ禍により石油需要が急減、需給バランスが大幅に崩れて石油価格が急落し、各社の業績は過去最低を記録した。これに対し今年1-3月期は業績の回復が見られる。この結果、邦系2社の4-3月年度決算はメジャーズ5社の1-12月年間決算に比べて良好な数値を示している。両者の間にはこのような違いがあることをあらかじめご了承願いたい。

 

年間決算の比較に次いで、7社の今年1-3月四半期決算を比較し、さらにコロナ禍以前の2019年後半以降の四半期決算の推移を検証する。

 

なお日本企業2社の決算は円建てであるため、各期の決算付属資料に示された為替レートで換算したドル建て表示で比較した。

 

メジャー各社の昨年1-12月決算比較については下記のレポートを参照されたい。

「五大国際石油企業2020年業績速報」:http://mylibrary.maeda1.jp/0526OilMajors2020.doc.pdf 

 

 またメジャー五社、ENEOS、出光興産の詳細な決算資料は下記の各社ホームページをご覧ください。

 

ExxonMobil:

https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2021/0202_ExxonMobil-reports-results-for-fourth-quarter-2020-and-provides-perspective-on-forward-plans

Shell:

https://www.shell.com/investors/results-and-reporting/quarterly-results/2020/q4-2020.html

BP:

https://www.bp.com/en/global/corporate/news-and-insights/press-releases/fourth-quarter-2020-results.html

Total:

https://www.total.com/media/news/press-releases/Results-2020-and-TotalEnergies

Chevron:

https://www.chevron.com/stories/chevron-announces-fourth-quarter-2020-results

ENEOSホールディングス:

https://www.hd.eneos.co.jp/ir/library/statement/ 

出光興産:

https://www.idemitsu.com/jp/content/100035450.pdf

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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