ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

携帯とナビと軽自動車

2008年04月21日 | ITS
今日の日経朝刊に携帯とナビを例にとった「日本仕様」商品の終焉にまつわる記事が出ていた。

いわく、そもそも日本の製造業は商品性や品質に厳しい国内の市場で揉まれた商品を海外へ輸出し利益を稼いできた、しかし日本の携帯は国内専用モデルとなってしまい,まったく国際競争力がない。
カーナビも同様で国内向け商品は全然国際競争力がない、その理由は、海外ではPNDが大流行しているが、日本の企業は精度がわるいGPS単体ナビの開発が許されなかったからだ、云々。

実際には、携帯は販売奨励金があったので、コストダウンよりも機能付加が優先されたため。
ナビは市街が密集している日本ではGPS単独機は最初の頃は使いものにならず、またディーラーやカーショップでの装着がごく普通に行われるという、車載タイプに有利な土壌があった、ということが日本独自商品を生み出した理由だろう。

日本ではノキアの携帯もガーミンのPNDもそんなに売れてないわけで、日本の携帯にしてもナビにしても国内市場の条件の元で進化した結果なのだ。

PNDを作れなかったのは日本メーカーの柔軟性の欠如だ、というような書き方がされているが、これはおかしい。シーメンスもフィリップスもブラウプンクトもPNDにはついていけなかった。ガーミンやTOMTOMといった新興企業だからこそできたんだとおもう。

しかし。

日本市場がもはや右肩上がりではなく、逆にシュリンクしていくというのは、紛れもない事実であり、国内にのみフォーカスした商品を作って競争していたら、自滅しかないというのは多分そのとおりだろう。
いい例が軽自動車で、これは日本独自商品だ。スバルは撤退をきめた。

そもそも軽自動車規格がグローバル化を阻んでいる。
この手のスモールカーの需要はグローバルに見て、かなりあるのだが、660ccという排気量は却って燃費を悪化させる。
しかし、最初から1リッターエンジンを乗せる設計にすると、コストが高くなって国内競争に勝てない。
サイズに関しては、もう少し大きくないと国際競争には勝てない。
結局、軽はすんなりとは輸出ができない。

日本国の経営を考えるなら、軽自動車産業の国際競争力を上げるという観点から軽規格を見直したほうか賢いと思うのだが。