ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ホンダがF1撤退

2008年12月06日 | 雑記
ホンダがF1撤退。
経済環境の激変に対応してこれほど素早くF1撤退の決断をしたことにも驚いたが、それ以上に年間500億円、400人のエンジニアという厖大な経営資源を投下していたことに驚いた。

モータースポーツは極限性能を追求するためそこから得られた技術を生産車に反映することができる、という言い方がよくされる。
しかしそれは大昔の話であって、今の生産車とモータースポーツ車両は全くの別物だ。
カーメーカーとしてのモータースポーツ参入はブランド構築や広告宣伝であり、その費用と効果が釣り合わなければやめるということになる。

日本ではモータースポーツが全く凋落してしまった。
今年の日本グランプリやWRCラリージャパンで誰か勝ったのか、私は知らない。全くそれに関する報道を目にする機会がなかったからだ。それほどまでに一般人はモータースポーツから関心を失っている。特に若者がまるで興味を持っていない。

アメリカではF1はあまり人気がなく、それ以前にホンダブランドは確立しているのでF1参戦を続けることの費用対効果はあまり大きくないだろう。

F1の人気が高い欧州も環境への関心が高まり、今後モータースポーツに対する消費者の見方がどう変わっていくかは不透明だろう。

こうした状況の中、今の経営環境を考えればF1撤退は正解だと思う。その技術者を環境エンジンや小型車に割り振るホンダは、ブランドイメージの再構築へ大きく舵を切ることになるのだろう。