ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

IT戦略

2010年06月22日 | ITS
今朝の日経で久し振りにITSの文字を見た。
IT戦略本部が22日に決めるロードマップのリークらしい。
目玉がないのかITSが大きな 柱の一つであげられていた。
その他は住民票の24時間取得とかいう、まあ行政サービスのネット化ぐらいでたしかにあまりパンチはない。
これで70兆円の新市場と書かれているが、ITSでいくら計算してるんだろうか。

ITSは13年度に試用運行、14年度から本格普及と書いてあるが、全くの絵空事だ。

今、国交省などが一生懸命お金をかけて進めているのがDSRC技術を使って道路からクルマにその先の交通状況に関する警告などを伝える、路車間協調システムという奴だが、これがどうにも盛り上がらない。

一昨年からメディアや一般に公開しているが、まあ「無いよりはあった方がいいかな」レベルの物でしかなく、マスコミの食いつきもない。

今年路側機の設置予算は350億円だかが確保されたらしいが、肝心の民生用車載器の普及のめどが全くたっていない。
350億円の無駄遣いをする余裕があるとはとても思えないのだが。仕訳はパフォーマンスと しては効果があったけど、まだまだこんなのが沢山隠れているんだろうね。

また、どうも最近はDSRCよりもプローブに関心が向かっているらしく、民間のプローブ情報を官で集約する、みたいな事も言い始めている。日経の記事にもリアルタイム渋滞情報への言及があった。

でも、消費者にとってのそれはVICSの精度が上がるのか、程度の関心しか無いだろう。
それにしたって、今付いている車載器が対応してない。

ITS普及のためにはインフラと同時に車載器をどうやって普及させるかが肝心なのだが、どうもそこを甘く見ているとしか思えない。ETCだってあれだけ苦労した。
安全への寄与や利便性が劇的なものでない以上、消費者はお金を出さない。
しかも、それが数千円の機器ならともかく、今付いているナビと交換なんてことだと絶望的だ。
仮にほとんどのユーザーが有益であると認めるものが出来たとしても、装着は次回の新車からとなり、普及するのはそこから7-8年かかる。

とてもじゃないけど、14年度から本格普及なんてまったくありえない。